神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

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第二章 聖杯にまつわるお話

第280話

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 美形の戦士と美しいお嬢さん。
 戦士が守ろうとしている時点で訳ありですね。

 こんにちは、ケバブ食べたくなってシャムスとお散歩がてら神社に来たらトラブルっぽい人を見かけました。
 大丈夫、近付いてない、遠目に見ただけ。

 人目を避ければいいのに、なぜこんな王都でも一番賑わっている所に来たんだろうか。
 一応隅をコソコソしているけど、余計に目立っていましたよ。
 声をかけた冒険者を敵と思って睨みつけているけど、彼らからしたらあなた達が不審者です。

「こんにちは、ケバブ三つください」

 でも下手に関わると怒られるので、ケバブ買って帰ります。

「あいよ! 味はどれにします?」
「僕は辛口で、シャムスと霧ちゃんはどうする?」
「よーぐると」
「…………」

 霧ちゃんが凄い悩んでいる。
 そう言えば少し前に判明したのだけど、霧ちゃんって実は刀雲並みの激辛好きだった。
 ただシャムスといつも一緒なので、普段はシャムスが就寝した後、大人の晩酌に交じって激辛料理を食べて、クリーン、お風呂、クリーンと念入りに匂いを消しているみたい。
 クリーンを二度掛けという面倒なことをするぐらいの激辛好き……刀雲は喜んでいたけどね。

 シャムスは獣人だからお鼻がとても良い、だから刀雲が好む激辛はいやいやされる。
 一度知らずに食べて、シャムスに逃げられて以来、我慢しているみたいだけど、やっぱり食べてみたいんだろうなぁ。

「霧ちゃん、今日は僕と同じ辛口にして、また今度別の味に挑戦したら」
「ん」

 短く声を発して満足そうに頷く霧ちゃん、シャムスも真似して頷いている。可愛い。

「あの神子様」
「ごめんなさい、すぐ帰らないと行けないから」
「いやいや、明らかにフラッと散歩に来ましたよね!?」
「いつも以上にゆったりと暇ですよね!」

 ケバブを受け取った所で冒険者に見つかった。
 いつもアー君に無茶ぶりに応えているのだから、たまには俺らのお願いにも応えて!というのが彼らの言い分らしいです。
 逞しいなぁ。

「どうして私たちを放っておいてくれないの!」

 キィンってした、女性特有の甲高い声にしても、今の声はちょっと度が過ぎていると思う。
 耳が痛い。

「ああ言っているし、放置したらどうですか?」
「いや、だってどこからどう見ても不審者ですし」
「コソコソしすぎて返って気になる」
「あと殺気が溢れて迷惑」
「注意しようとしたら騒ぎになったっす」

 僕に問題を解決させようと冒険者が群がってきた。
 ここは一つ、新能力の霧で逃亡を――。
 あ、だめだ。
 僕まだすり抜け成功したこと一度もない。

 ウルサイナァ

「あっ、終わった」
「結局こうなるか」
「こっちの話に耳を傾けてれば違ったんだけどな」

 突然聞こえた声に対し、冒険者があっさりと二人の生存を諦めたのですが。え?

『神薙しゃま』
「……っ」

 シャムスが指さした先、拝殿の前にある空間が歪んだと思ったら神薙さんが姿を現した。
 同時に騒いでいた女性の声が消え、守っていた人も片腕を持っていかれたようだ。
 多分だけど血がドバドバ出てると思われます、肩のあたりにモザイクがかかっていてよく分からないけど。

「あれは解決したのかな?」
「まぁそうですね、残された奴は俺らの方で面倒見ておきます」
「はぁい」

 神薙さんは用が済んだらすぐに姿を消しました。

 子供が学園に行き、大人が働き始める少し前のこの時間帯は、どうやら冒険者が冒険前に神薙さんのご利益をいただきに奉納品が集中する時で、朝食を食べ終えた神薙さんにとってのデザートタイムに当たるらしく、邪魔すると死ぬのは有名だそうです。

 その後の話として、片腕になった人は主を失って生きる気力も失ったけど、僕を巻き込もうとした冒険者たちのパーティーに入れられ、翌年、パーティーメンバーたちと結婚したそうです。
 縁結びのお礼にもらった特大ケーキを食べながら神薙さんが教えてくれました。
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