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アフターストーリー 1
魔力のお皿とスキル再び?
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「う、うん! コムギさんはそのままがいいんだ! さぁ、おいで~!」
「ニャゥゥ!!」
元々は異世界からコムギさんに呼ばれた時、話さえ出来ればそれだけで幸せだと思っていた。それが今さら人間の姿を希望するなんて、猫好きの風上にも置けない。
(……もしかしなくても人間でも美人さんかもしれないけど)
「トージを選んで正解だったニャ~!」
「うんうん、俺もだよコムギさん!」
改めて、コムギさんを大事にすることを再認識しながら思いきり猫吸いをさせてもらった。
「なぁなぁ、トージ。こいつら、凄くピカピカだけどトージがピカピカにしたのか?」
俺とコムギさんがイチャイチャしてる間、クウは興味なさげに部屋の中を見回していたものの、棚に並べられた物に興味を示していた。
「こいつら……って、お皿とか花瓶のことかな? ピカピカなのは土や泥を手で落として磨いたからだよ」
「トージの力なのか~?」
「力? あぁ、いや手を使っただけかな。それがどうかしたのかい?」
コムギさんがおつかいで拾ってきた物たちは、とりあえず綺麗に磨いて飾っているだけに過ぎない。汚れていた物を磨くのに特に意識せずに磨いてきたけど、我ながら感心するくらい綺麗に磨けたと思う。
「もったいないな~。こんなに光ってるのに。おいらだったら、外の人間に売りに行くぞ~」
「売れるんならそうしたいけどね~」
「クウ。トージは今、使えるスキルが限られているニャ。それが使えれば、どこにいたって物売りが可能になるニャ!」
「なんだ、そうなのか~」
コムギさんが理由を話してくれたおかげで、クウはまたしても棚の食器や壺をまじまじと見つめている。
「トージ。この際だから、今すぐ使えるスキルを確認してみたらどうかニャ?」
「そうだね。えっと、自分のスキルはどうやって見るんだっけ?」
今まではタブレットという名の石板を使って、亜空間ネットであらゆるものに通じていた。だけど今は、特に何かを試しているわけじゃなくその日暮らしでどうにかなってるだけ。
故障とされた魔導具を魔導師に預けてしまったせいか、自分のスキルを見る手段を失ってしまった状態だ。
「ウニャ……私の背中に触れてニャ~」
「え? コムギさんの背中に?」
「私を通じて彼女に繋がるはずニャ。聞いてみて~」
……なるほど。シャムに訊けば石板がどうなってるか分かるし、俺のスキルのことも分かるはず。
「よ、よし……」
とりあえずコムギさんの背中に手を置き、しばらく待ってみた。
「え~と、俺の声が聞こえますか?」
「あやや? その声はムギヤマくんなのだ? どうしたのだ?」
「おっ。シャム! 良かった、繋がった」
コムギさんの背中に手を乗せてるだけなのに不思議な感覚だな。当のコムギさんは気を張ってるでもなく欠伸して眠そうにしてるし。
「ムギヤマくん、なんなのだ?」
「実は俺が使えるスキルを知りたいんです。それと、石板と魔導車の修復はどういう感じですか?」
「にゃっ!? 石板と魔導車……あ、あれはきちんと預けてあるのだ。心配しなくても時間が経てば直って返ってくるはずなのだ。だからムギヤマくんは何も心配しなくていいのだ」
まさか忘れていたんじゃないよな?
「それならいいんですが」
「ええと、ムギヤマくんのスキルは……自分で確認出来るはずなのだ。ムギヤマくん、ボクは忙しいのだ!」
「自分でどうすれば?」
「石板がなくなったからといって、亜空間ネットが使えなくなったわけじゃないのだ。それに代わる物を使えばいいだけなのだ。話はこれでおしまいなのだ!」
随分と焦りながら連絡が切れたが、修理に出すのを忘れていたとしか考えられない慌てようだった。
それはともかく。
「コムギさん。もういいよ、ありがとう」
「ニャー……」
シャムと繋いだことで疲れたのかは分からないけど、コムギさんはリラックスしながらそのまま寝てしまった。
それにしても石板に代わる何かか。まっ平なお皿とかでも使えるなら、それで試すしかない。
「トージ。ミスリルのこいつ、魔力があるぞ。こいつを売ればお金入るぞ~」
ずっと棚を眺めていたクウが、ひと際輝いているお皿を手にして見せている。そもそも魔力のあるお皿なんてあっただろうか。
……というか、ミスリルのお皿?
おかしい、磨いてた時はそんな高価な素材の物はなかったはずなのに。
「ちょっと触らせてもらうよ」
「商人の鑑定だな~? 楽しみだな~」
俺が商人だなんて彼に話してないが、おそらくコムギさんが話したに違いない。
とにかく、クウから渡されたお皿を手に取ってみた。
すると――お皿の表面に文字が浮かび出した。
【ムギヤマ・トージを認識】
【グラール・プレート:Sレア】
【亜空間スキルを認識:使用制限あり】
【 】
おお?
本当に使えた! しかもSレアとか、そんな貴重なものだったとは。空白があるのが気になるが、今は亜空間スキルが使えることが分かっただけでも良しとしよう。
コムギさん、本当にどこで拾って来たんだろう?
「トージ、鑑定はどうだったんだ~? そのお皿、貰っていいのか~?」
「いや、えっとね……多分もう売れないと思うよ……」
「なんでだ~?」
俺を認識したということは、俺の所持品ということになったはず。スキルを使うのにこれを手にする必要があるというのも微妙ではあるけど。
「ほ、他の物ならあげるから、他のを選んでもらえるかな?」
「む~……」
納得出来ないといった表情を見せるも、クウは人間の姿のまま棚を再び眺めだした。
それにしても意外だった。もしかすれば、お皿以外に使えそうな物があるかもしれないし、色々試してみるのもいいかもしれない。
「ニャゥゥ!!」
元々は異世界からコムギさんに呼ばれた時、話さえ出来ればそれだけで幸せだと思っていた。それが今さら人間の姿を希望するなんて、猫好きの風上にも置けない。
(……もしかしなくても人間でも美人さんかもしれないけど)
「トージを選んで正解だったニャ~!」
「うんうん、俺もだよコムギさん!」
改めて、コムギさんを大事にすることを再認識しながら思いきり猫吸いをさせてもらった。
「なぁなぁ、トージ。こいつら、凄くピカピカだけどトージがピカピカにしたのか?」
俺とコムギさんがイチャイチャしてる間、クウは興味なさげに部屋の中を見回していたものの、棚に並べられた物に興味を示していた。
「こいつら……って、お皿とか花瓶のことかな? ピカピカなのは土や泥を手で落として磨いたからだよ」
「トージの力なのか~?」
「力? あぁ、いや手を使っただけかな。それがどうかしたのかい?」
コムギさんがおつかいで拾ってきた物たちは、とりあえず綺麗に磨いて飾っているだけに過ぎない。汚れていた物を磨くのに特に意識せずに磨いてきたけど、我ながら感心するくらい綺麗に磨けたと思う。
「もったいないな~。こんなに光ってるのに。おいらだったら、外の人間に売りに行くぞ~」
「売れるんならそうしたいけどね~」
「クウ。トージは今、使えるスキルが限られているニャ。それが使えれば、どこにいたって物売りが可能になるニャ!」
「なんだ、そうなのか~」
コムギさんが理由を話してくれたおかげで、クウはまたしても棚の食器や壺をまじまじと見つめている。
「トージ。この際だから、今すぐ使えるスキルを確認してみたらどうかニャ?」
「そうだね。えっと、自分のスキルはどうやって見るんだっけ?」
今まではタブレットという名の石板を使って、亜空間ネットであらゆるものに通じていた。だけど今は、特に何かを試しているわけじゃなくその日暮らしでどうにかなってるだけ。
故障とされた魔導具を魔導師に預けてしまったせいか、自分のスキルを見る手段を失ってしまった状態だ。
「ウニャ……私の背中に触れてニャ~」
「え? コムギさんの背中に?」
「私を通じて彼女に繋がるはずニャ。聞いてみて~」
……なるほど。シャムに訊けば石板がどうなってるか分かるし、俺のスキルのことも分かるはず。
「よ、よし……」
とりあえずコムギさんの背中に手を置き、しばらく待ってみた。
「え~と、俺の声が聞こえますか?」
「あやや? その声はムギヤマくんなのだ? どうしたのだ?」
「おっ。シャム! 良かった、繋がった」
コムギさんの背中に手を乗せてるだけなのに不思議な感覚だな。当のコムギさんは気を張ってるでもなく欠伸して眠そうにしてるし。
「ムギヤマくん、なんなのだ?」
「実は俺が使えるスキルを知りたいんです。それと、石板と魔導車の修復はどういう感じですか?」
「にゃっ!? 石板と魔導車……あ、あれはきちんと預けてあるのだ。心配しなくても時間が経てば直って返ってくるはずなのだ。だからムギヤマくんは何も心配しなくていいのだ」
まさか忘れていたんじゃないよな?
「それならいいんですが」
「ええと、ムギヤマくんのスキルは……自分で確認出来るはずなのだ。ムギヤマくん、ボクは忙しいのだ!」
「自分でどうすれば?」
「石板がなくなったからといって、亜空間ネットが使えなくなったわけじゃないのだ。それに代わる物を使えばいいだけなのだ。話はこれでおしまいなのだ!」
随分と焦りながら連絡が切れたが、修理に出すのを忘れていたとしか考えられない慌てようだった。
それはともかく。
「コムギさん。もういいよ、ありがとう」
「ニャー……」
シャムと繋いだことで疲れたのかは分からないけど、コムギさんはリラックスしながらそのまま寝てしまった。
それにしても石板に代わる何かか。まっ平なお皿とかでも使えるなら、それで試すしかない。
「トージ。ミスリルのこいつ、魔力があるぞ。こいつを売ればお金入るぞ~」
ずっと棚を眺めていたクウが、ひと際輝いているお皿を手にして見せている。そもそも魔力のあるお皿なんてあっただろうか。
……というか、ミスリルのお皿?
おかしい、磨いてた時はそんな高価な素材の物はなかったはずなのに。
「ちょっと触らせてもらうよ」
「商人の鑑定だな~? 楽しみだな~」
俺が商人だなんて彼に話してないが、おそらくコムギさんが話したに違いない。
とにかく、クウから渡されたお皿を手に取ってみた。
すると――お皿の表面に文字が浮かび出した。
【ムギヤマ・トージを認識】
【グラール・プレート:Sレア】
【亜空間スキルを認識:使用制限あり】
【 】
おお?
本当に使えた! しかもSレアとか、そんな貴重なものだったとは。空白があるのが気になるが、今は亜空間スキルが使えることが分かっただけでも良しとしよう。
コムギさん、本当にどこで拾って来たんだろう?
「トージ、鑑定はどうだったんだ~? そのお皿、貰っていいのか~?」
「いや、えっとね……多分もう売れないと思うよ……」
「なんでだ~?」
俺を認識したということは、俺の所持品ということになったはず。スキルを使うのにこれを手にする必要があるというのも微妙ではあるけど。
「ほ、他の物ならあげるから、他のを選んでもらえるかな?」
「む~……」
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