アイドルのマネージャーになったら

はぴたん

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仕事開始

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「あの!本当にさっきはごめんなさいっ!
俺Noiseのおふたりに挨拶しに来たんですけど、憧れすぎて嬉しすぎて勢い余ってぶつかってしまいました!
本当にごめんない!!」

わたわたしながら謝ってくれたのは大柄なのに可愛らしく無垢な顔をした人だった。
何だか大型犬みたい、、
感情が顔に出やすいのか眉毛は垂れ下がりへにゃ、としている。

「大丈夫ですよ、怪我も無かったので。
ただ危ないので廊下を走ってはいけませんよ。」

何だか教師のような口ぶりになってしまった。

「ふふっさくちゃんせんせーみたい。」

案の定、海都に笑われてしまった。

「うぅ、、はい。ごめんなさい。
、、あ、あの!Noiseの海都くんと陸都くんが出演だと聞いていたんですけど、あなたは??もしかして新しいメンバーですか??」

急に目をキラキラさせてそう聞いてくる大型犬。

「え?」

「ふはっさくちゃんはメンバーじゃなくて僕達のマネージャー!」

海都が吹き出しながらそう答えてくれた。

「え、、、マネージャー、、??
その顔で、、??」

最後はボソボソと話すのでよく聞き取れなかった。

「そ!僕達だけのマネージャー!ねー?
てゆーか、君は?」

「あ!失礼しました!
俺は先日デビューしたUniverseユニバース武臣たけおみっていいます!
よろしくお願いしますっ!!」

どうりでフレッシュで初々しい感じがした訳だ。
何でもデビューしたてでバラエティは初めてなんだとか。

廊下で話すのも何だからと楽屋に入るよう提案していると、

「武臣!!」

武臣の後ろからすごい形相で彼の名前を呼ぶ人が現れた。

彼もUniverseのメンバーだそうで、とりあえず陸都も交えて挨拶をと、楽屋に入ってもらった。


「Universeの颯馬そうまです。
武臣がご迷惑をおかけしたようで、本当に申し訳ありません。
武臣!勝手に居なくなるなよ。」

颯馬の方が武臣より小柄だが迫力はばっちりだ。
キリッとした切れ長の目は綺麗だが睨むと怖く、睨まれた武臣はプルプル震えている。

「ご、ごめん、でも、、」

「でもじゃない!」

「ねぇ話が見えないんだけど、どうしたの?」

颯馬のお怒りに若干困惑気味に陸都が聞いてきたので、勢い余ってぶつかった事、俺が転けたけど怪我は無かった事を伝えた。

「なるほどー!
さくちゃんが大丈夫だったなら良かった!」

「うん、もう本当に大丈夫なので気にしないで下さいね。」

「はい!」

「本当にすみませんでした。」

「じゃあこの話はもう終わりね!
ちなみに僕が海都で、こっちが陸都!よろしくね!」

「よろしく!」

「「よろしくお願いします!!」」

挨拶が終わると先輩2人から後輩へアドバイスが始まったので、俺は楽屋をそっと後にした。



••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••



「あれ!?マネージャーさんは??」

「そういえば、」

「さくちゃんなら僕達が話し始めてすぐ出ていったよ?」

「えっ!あ、そうなんですね、、
ああっ!名前聞くの忘れてたぁぁ、、」

「なんだよ、急にでかい声出して!」

「名前?さくちゃんの?」

「そうです!さくさんって言うんですか?」

不思議そうにりくちゃんが聞くと、待ってましたとでも言わんばかりに食いつくたっくん。

「んーいや、「そうだよ!」

思わずりくちゃんの声に被せてそう言った。
驚いた顔でりくちゃんに見られるけど無視する。
実は僕も内心すっごいびっくりしているんだから。
でもなんだかさくちゃんの事これ以上知られたくないんだよなぁ。
さくちゃんって名前すら本当は教えたくなかったくらい、、

「さくさん、かぁ。
どんな字書くんだろう。今度聞いてみよ。」

ほくほくしているたっくんを見ているとなんだか胃がムカムカしてくる。
何でだろう、今まで話している限りとってもいい子なんだけどなぁ。

「もうこんな時間だよ、楽屋に戻った方がいいかも!」

りくちゃんの一言で解散となり2人が楽屋から出ていく。
なんとか笑顔で見送ったが、

「笑顔、引きつってるよ。」

僕の分身のりくちゃんにはお見通しだった。

「どうしたの?たっくんと何かあった?」

「んー、、いや、たっくんは関係なくて、、
さっきね、たっくんとぶつかった拍子にさくちゃんがメガネを落としたんだけど、
さくちゃん目がすごく悪くて近くでも僕の顔が見えないみたいで。でも、僕のこと分かったの。」

「???ん?」

「ふふっ声と匂い?だけで僕って分かったの!」

ハテナマークをいっぱい浮かべるりくちゃんが面白くて思わず笑ってしまった。

「え、どうゆうこと、?」

「声も一緒、香水も一緒なのに、何でだろう、、」

「さくちゃんは僕達を見分けられるって事?」

「そーゆーこと、だね。
でも見分けるってよりはそれぞれの事を見てくれてるって感じがしたよ。
それにねっメガネを取ったさくちゃん、僕が今まで出会った人の中で1番綺麗で可愛くてキラキラしてたの!」

「かいちゃんの事が分かるって事は僕の事も分かるのかな?
ずるいっ僕も見たーい!!」

「ふふっさくちゃんまだかなー?」

「さくちゃんあいたいよー!」

「「ふはははっ」」

思わず顔を見合せて笑った。
りくちゃんを見ていると本当に鏡を見ているみたい。
親も間違う程だからよっぽどだと思う。
間違えると僕達より悲しそうな顔をするからホクロを書いて見分けられるようにした。

一生、僕達を見分けられる人なんて現れないと思っていたのに。

りくちゃんに話してから一気に現実味を帯びてきた。
あー、毎日楽しくなりそう。


「ずいぶん楽しそうですけど、そろそろ出番ですよ。」

りくちゃんと笑いあっているといつの間に入ってきたのかドアを開けたままの状態でそう話しかけてきたさくちゃん。

「あ!さくちゃーん!」
「さくちゃん!会いたかったよー」

「えっうわっ!!」

思わず駆け出してさくちゃんにダイブするとすぐにりくちゃんも僕の上から抱きつく。

「重いです、」

「ふふっさくちゃんずーっと一緒にいてね?」
「いてね?」

僕がそう言って上目遣いで見つめると、りくちゃんも真似をする。

「急にどうしたんですか?
出番なので行きますよ!」

「ずーっと一緒!」「一緒!」

「はいはい。
分かりましたから、行きますよ!」

「「やったー!!」」

さくちゃんの両腕にそれぞれ引っ付き、嬉しすぎてハイテンションのままさくちゃんを引っ張る。
周りのスタッフに微笑ましい視線を受けながらスタジオへと向かった。


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