ラベンダーに想いを乗せて

光海 流星

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8 勇介の言葉の意味

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テーブルを囲んで4人は座った
やっぱりちょっと重苦しい感じになってる

純「勇介、大丈夫?
嫌なことは無理に話さなくていいよ」

勇「ちゃんと話すから、あの頃のこと」

そう言って勇介は正座になった
こっちの方が身構えてしまうよ

勇「入学して初めて純を見た時一目惚れした
どうしても仲良くなりたくて声かけた
笑った時のあの優しい目って
今までに見たことないぐらい惹かれたよ
どんどん好きになってついに告白した

そしてある日あいつから告白されたんだよ
でも付き合ってる人がいるって断ったけど
3回目断った時に付き合ってるのが
純だってバレてしまって仕返しするって
言われてマジで焦ったよ

やめてくれって何度も言った
でもあいつ暴力団の息子だから
俺ビビってあまり強く責められなかったんだ

ボコボコにして俺と付き合うって言いだした
それだけは絶対にさせないって思った
そんなに好きなのかと思い切り殴られた

俺のことはもう好きって感情じゃなくて
憎しみに変わっていた
殴られたけど純には手を出さないよう
何度も言ってやっと条件つきでOKした」

ここで勇介がちょっと言葉に詰まった
苦しそうな顔をしているのを見るの辛い
もういいよって言ってあげないといけない
だいたいはわかったよ
勇介の意思でいじめたんじゃないことが
何も知らなかったとはいっても
勇介を憎んでしまった僕自身も最低だな…

もたついてる僕だからまた
勇介が話を再開してしまった

勇「そしたら俺が純をいじめろって
そんなのできるわけないじゃん
好きな人のことをなんでそんなこと
しないといけないんだって
断ったらまた殴られたよ

それでナイフ首に突きつけられて俺さ
ビビって逆らえなかったんだよ
せめて暴力じゃない方法でと言ったら
精神的にとことん追い込めって言われたよ

で、お前もどうでもいいからボコるって
それで純が痛い思いしないんだったら
いいと思ったけど考えが甘かった

あんなひどい言葉をよく言えたなと
自分でも思ったよ

でも信じてもらえないかもしれないけどさ
思ってるのと逆の言葉を言ってたんだ」

逆? そんなの考えたことなかった
言われてきたこと全部は思い出せないけど
逆に考えてみたらそれって…

勇「逆の気持ちを言えば俺の心は少し楽
好きってことを言ってるのと同じだから
でも純は傷ついているから苦しかった

1つだけ言うと俺が言った中に
お前みたいなクソは早く消えてしまえよ
そう言ったことあったんだ
あれ逆に考えてみたらけっこう恥ずいけど

お前が大切だから一緒にいて

そういう意味を込めてたんだよ」

純「んっ、うっ、ぐっは…」

そんなこと言われて涙が溢れてしまった
僕は確かに傷ついたよ
でも逆の意味があったなんてそんな…
僕よりも勇介の方が何倍も苦しいのに

そんなこと気づいてあげられなかった
自分だけしか考えていなくて
ずっと近くにいてくれようとした勇介のこと
僕はずっと憎んでしまっていたなんて

純「ごめんね、全然気づかなくて
勇介の方がどれだけ傷ついていたか」

勇「俺はあいつに勝てなかったから
純をひどく追い詰めてしまった
元に戻りたいって毎日何度も思っていたよ♪」

そんな言葉を聞けたらもう十分
もうお互い傷を掘り返したくないもんね
そっとフタをしてしまいたい

流れを変えようと

純「コーヒー淹れてくるから待ってて」
勇「まだ終わってない
ちゃんと全部話したいから聞いて」

もういいのにと思ったんだけど
真玖が僕の肩をそっと押さえた

真「最後まで聞こう
苦しいことも受け入れてあげないと」

そっか、そうだよね
全てわかりあてこそだもんね

ってそれってなんか恋人みたいなもんじゃない?
また昔の2人に戻りたい
戻っていいのかな?
勝手なことばっか言ってる…

今は勇介の気持ちをちゃんと聞かないと
勇介のこともっと知りたい
苦しかった3年間のこと
その本当の理由がわかる時が来るなんて
僕の心はちゃんと受け止められるか

勇介が話してくれるって言うんだから
うん、ちゃんと向き合う!!
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