ラベンダーに想いを乗せて

光海 流星

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12 ストーカー

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みんなが純の机の周りにいて騒がしい

純「何これ…」

B5ぐらいの用紙の周りには
黒い花びらがついていて紙を囲んでいる
そして紙に書かれていたのは

“どこにいるの? ねぇ?”

純が自宅マンションにいないのがバレた
っていうよりももっと恐ろしいことに気づく

真「こんなのデスクにあるってことは
ストーカーはこの社内の誰かだぞ…」

龍「そうじゃなきゃここにあるわけない」

現実を突きつけられて恐怖で震えてくる
逃げることなんかできないじゃん
帰り道つけられたら勇介の家も危なくなる

真「俺にいい考えがある!」

  ーその日の夕方ー

いつもなら純と勇介は一緒に帰るのに
別々に帰ることにした
そして勇介とは午後から何も話していない
翌日、社員食堂に純、真玖、龍麻はいた

純「あーまた失恋したし誰でもいいから
僕のこと本気になってくれる人いないかな?」

ちょっと大きめの声で純はわざとらしく言った

龍「誰でもって変なの来たらどうすんの?」
純「逃げれないぐらい重い愛を感じたい」

うわー、自分で言っといて怖くなってくるわ
そんな重い恋なんてしたくない

真「お前別れたばっかでもう次の恋かよ」
純「淋しいから恋は恋で上書き」

人たらしの最悪な発言しちゃってるよ
ん!?

ちょっと強い視線を感じたような気がする
まさか本当にこの中にストーカーがいるのか
いるんだろうけどやっぱり怖いな

僕の前にはそれらしき人はいない
視線を感じたのはなんとなく後ろの方
でも振り返る勇気はない
仮に目が合ったところでたまたまなら
ストーカーって確信は持てない

この日の夜は純は自宅マンションへ
久しぶりに帰ってきた
正直帰りたくはない見られてるようで
何が起きるかもわからないから怖い

次の日出勤したらまた恐ろしいものが
今度は紙の周りはピンクの花びら
そして文字は

“おかえり”

鳥肌が一瞬にして全身に広がった
見られている
家まで尾行されているということになる

どこでどうやって見てるんだよ
全然わからなかったけどなぁ…

黒からピンクの花になったっていうのは
憎しみからまた愛に変わったってこと?
少しはマシになったと思うけど
ストーカーなんだから普通じゃないよな

勇介と別れたって思いこんでるのか?
そしたら普通に接してくるかもしれない
怖いけど誰なのか見てみたい自分もいる
このまま告白でもされたらどうしたらいい?
断って逆ギレでもされたら…
絶対ヤバくなるの目に見えてるじゃん
すんなりわかったって引き下がるなら
ストーカーしないもんな

そうか、こっちからちょっとやってみるか
そしたら誰なのかわかるかもしれない
絶対に何かしら動くはずだ
勇介に危害が何もないうちにせめて
早く終わらせなくちゃいけない

純はとある行動に出る
誰にも言わないで勝手に

おかえりと書かれた紙に返事を書いた

“顔見たい、会いたい”

そう書いてデスクに置いて帰った

次の日出勤するとデスクには何もない
てっきり何か返事があると思っていたのに
まさか返事したのが気に食わなかった?
ストーカーに近づいたから
そんなんじゃなくて飽きられたとか?
何を考えているのか全くわからない
さらに怖くなってくるんだけど…

だが確実に純には危険が迫っていた
誰も気づくこともないまま
ストーカーの手が伸びていた

あと1時間で定時だという時
勇介、真玖、龍麻はそれぞれ別件で
デスクを離れてその場にはいなかった

「純さん、資料室で手伝ってほしいからと
川本さんが呼んできてほしいと」

純「あ、わかった、ありがとう」

こいつは森 博文もり ひろふみ183-80-21
純の1期下の後輩

資料室に入り見渡すが真玖はいない
もう終わって出ていったのかと思った時

森「純さん警戒心なさすぎてチョロい」
純「は?」
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