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9、セブン町
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荷馬車に揺られいつのまにか、ウトウトしていた。
くまの獣人族であるコリラックさんの筋肉モリモリの体格に当たり前のように、たくましくて程よい硬さの太い腕と胸に囲まれ寝ていた。
ふかふかでモフモフの腕と胸、最高!!
お日様の匂い?顔をうずめて、猫吸いとか犬吸い?この場合はくま吸いなのか?それをしたくなる気持ちがわかったような気がした。
完全にもたれていた為(座った事はないが)高級なソファーベッドにもたれてる感じがした。
このまま…スヤスヤ寝ていたいとか、コリラックさんの上で寝たら気持ちいいかな?とか、うっかりそう思ってしまった。
気分はジブ○映画にでてくるトト○の上のちびっ子気分だ。
変な事を考えていたのがバレたのか、それともたぬき寝りしているのがバレたのかどちらかだろう。
視線を感じたのでしぶしぶ、もそもそしながらゆっくりと仕方なーく、起き上がった。
そして、ちゃんと座りコリラックさんに謝罪とお礼を言った。
顔をふかふかの胸元に押し付けたり、すりすりモフモフを堪能したりしていたが、こっそりしていたつもりなのがバレたかもしれない。
寝る時はいつもそばに…いや、抱き枕か布団になってほしいとか、思ったりなんか……。
くま毛、恐るべし。
ファミ町からセブン町までの道中、魔物や盗賊にもあわずに済んだが、お馬さんが疲れていたのか、それとも同行者に馬が怯えてるのか?いつも以上に馬の歩みも遅いらしい。
お馬さんは道草をよく食べていた。
鐘2つ分(約2時間)程で着くのに、なぜか鐘3つ分(約3時間)くらいかかったらしい。
オレ…僕はほとんど寝てしまったので時間感覚がなかった。
気持ちよく寝てスッキリしただけ。
だけど起きた時、コリラックさんの強面に慣れたと思っていたが、さらに怖~い気がした。
寄りかかって寝ていたから、重かったからかな?
ほとんどの体重というか身体半分以上、コリラックさんに預けていたからなぁ。
やはりかなり重かったんだ。
すまない事をしてしまった。
優しいからどける事もしなかったコリラックさんに、もう一度お礼を言ったら、今度はなぜか微妙な顔をしていた。
くま顔なのに、なぜか表情がわかるような気がした。
膝枕をした事もされた事もないけど、その膝まくらも数分で足が痺れると誰かが言っていたような…誰だろう?そんな羨まし…く、ないこともない、経験をしたやつ!!
オレ…僕も恋人がいたらして欲しい、かもしれない。
ここでは、男だらけの世界らしいし可愛い女性との恋愛は、ハードルが高そうだ。
可愛いと思えるのは妹のミーユだ。
お母様は美人だが、可愛い系ではないし既婚者だ。
王妃は問題外で、思い出しただけで吐き気がする。
シエル自身の拒絶感がすごい。
ミーユは妹だし、王族関係やあの男爵令嬢も問題外。
あれ?女性、マジ、いない?!
男とかぁ…う~ん。
かっこいいとか、筋肉が羨ましいとか男らしい大人とかなら、まぁ、それなりに憧れるんけど……。
男同士の恋愛となると自分自身…本当、よくわからん。
なぜかピンっとこない。
肉屋のテッドさんは、商売人としてお客様にリップサービスもしたんだろうし、ちょっと告白されて嬉しいというより困ってしまった。
どう答えていいかわからなかったが、商売人として告白したからその勢いなまま、即お断りした。
テッドさんのお母さん(男)も笑ってたし、またファミ町に行った時は、色々話したいなぁ。
元看護師としてではないけど、男も妊娠出産出来るって事は生理とかもあるのか?
妊娠周期も、前世とかの女性と似たかんじなのかな?
「………、………。」
いつも腐ェニックス神がのぞき見してるわけじゃないんだな。
今度会ったら、テッドさんのお母さん(男)に聞けたら聞こう。
この時のオレ、僕は魔法を使って簡単に調べれる事をド忘れしていたのだった。
シエルもあのクソ王子と婚約してから……。
好き同士で一緒にくっつくならいいけど、同性にしろ異性にしろ無理矢理は誰でも嫌だよな。
無駄に高い地位も王族も最低だ!!
しかもあの王妃にあんな事……!!
くそっ!!
なんだか腹が立ってきた。
決して腹が減ったからではないが、ただちょっと、ほんの少し、なんとなぁ~く小腹が空いたので、ファミ町でもらった角うさぎのからあげ、それのはさみパンの残りを食べた。
僕が起きた時、いつのまに買ったのかはわからないけど、棒が刺さったでかいウインナー。つまりフランクフルトっぽいのをグリーコさんがくれたのだった。
フランクフルトは少しぷりっとした食感で、塩気と黒胡椒がほどよくきいていて、ジューシーだった。
つまり、めっちゃうまい!!
成長して胃袋も大きくなればもう一本欲しいと思った。
グリーコさんはコリラックさんにもプレゼントしていて、コリラックさんはテッドさんとこで買った、塊肉のからあげとピタパンのようなはさみパンをグリーコさんと僕にくれたのだった。
僕は食べ物を買わなかった事に、少し後悔した。
何もお返しできてないから、テッドさんのお母さん(男)にもらったクッキーを一枚ずつわたした。
(10cmほどの大きめなクッキー)
「気をつかわなくていい」
「そうそう、可愛いシエル君は気にしなくていいよ。私のフランクフルトを食べてくれるだけでうれしいから」
なぜかグリーコさんのことばが卑猥な言葉に聞こえてしまったの気のせいだろうか?
うん、気のせいだ、そうに違いない。
「……。」
喉が渇いたので、水筒がわりの皮の水袋を取り出した。水はぬるくなっていたのでお馬さんの道草中、中身の水を捨て水魔法で軽く洗った。
そして氷水をイメージしたものを、皮の水袋に入れていった。
ついでに、荷馬車で暇だったので自作した木のコップに氷を浮かべ冷たい水を入れ飲んだ。
それをガン見していた、グリーコさんとコリラックさん。欲しいのかと思い2人にもあげた。
「……シエル君の聖水」
「氷水、魔法レベルが……。」
グリーコさんはまたもやあやしげな言葉を言いながら、一口一口ゆっくり飲んでいた。
冷たすぎたのかな?
コリラックさんに、氷魔法は珍しいものなの?と聞いたら、水魔法を極めた者が稀に氷魔法も派生するが、雷魔法並みに使える者が少ないと教えてくれた。
曜日にもなっている魔法属性が一般的だが、光と闇の所持者も少なく、聖魔法は最も少なく教会に保護される事が多いとの事。
雷や氷は複合製魔法となるので、複数の魔法を所持しているのは王族や貴族が多いそうだ。
庶民は生活魔法と言われる火、水、風、土で一つ使えれば良い方だそうだ。
使えても水ならコップ一杯程度だったり、火魔法なら種火程度、風は微風程度で手で仰いだくらいの風だそうだ。土は、畑を耕す時にほんの少し土を柔らかくするためだったり、食器などの焼き物職人になる者が多いそうだ。
光、闇、火、水、木、風、土(の日)
ひと月30日
1の月、2の月、3の月~12の月の12ヶ月で1年
「今更だけど可愛いシエル君は、訳ありすぎってのがバレバレだから色々気をつけてね」
「この先、大丈夫なのか?氷水はありがたく貰うが、貴族でも滅多に飲めない貴重な氷水だ。俺たち以外の所では、使うな!狙われる!!」
「は、はい」
コリラックさんの言葉に、思わず頷きながら返事した。
それにしても、グリーコさん……僕ってそんなに訳ありにしか見えない怪しいやつなのか?
気をつけないとな。
その他は、冒険者として最低限の防具や採集とかに使う袋やカバンを持った方がいいとも言われた。
旅をしているのに手ぶらはあやしいらしい。
物取りに取られたやつか、オレ…僕みたいに訳ありに見えるらしい。
コリラックさんも手ぶらに見えると言ったら、腰ベルトのとこにある小さな巾着袋が2つぶら下げているのが、ダンジョン産のマジックバックらしい。
予備の武器や薬草、薬の瓶や着替えなどが入ってるらしい。
さすがA級冒険者!!
どこからどう見ても服を着たくまにしか見えないのに、かっこいい!!
色々タメになる話を聞いていたら、満腹になり眠気が……。
「もうすぐセブン町だ…っ、シエル君眠そうだな?今度は私に寄りかかっていいぞ」
「グリーコさんは…「グリーコさんは運転をしっかりやってくれ!!シエルはこのまま寝てもいいからな。グリーコさんが用事中の時も俺が見といてやるから安心して寝ろ!!」
僕の言葉を遮り、完全に後ろをむいているグリーコさんに見せつけるかのように僕を胸元に抱き寄せた。
いや違う、胸元にもたれかけさせてくれた?
もふもふで気持ちがいい!!
ついつい顔をうずめてグリグリしてしまった。
そしたらなぜか、グルルルゥと胸元から聞こえた。
驚いて顔をあげようとしたが、頭をポンポンされた後、一定のリズムで背中をトントンされてるうちに、まぶたはどんどんさがり夢の中にいってしまった。
夢の中なのに、緑色系の服装した門番さんがいたような夢を見た。
***
*門番さん目線
「4日ぶりですね、グリーコさん」
「お疲れ様です。今日は同乗者が2人居ます」
「わかりました。では、いつもの確認と身分証と石板に触れて下さい。」
「あっ…あぁ」
いつも定期的に来る大商人"ヨーグリコ商会"のグリーコさんだった。
俺の子どもの頃からお世話になってるお店だ。
食品中心のお店でちょっとした古着、生活用品などもあり便利なお店だ。
確かグリーコさんのお爺さんが作ったお店だったような…このへんはうろ覚えだが……。今では、数台の馬車持ちの大きな優良印持ちの商人、いや大商人だ。
だがどんなに良い人でも罪を犯す事もあるから、どんなに仲が良くても、顔見知りでも、親族であろうが必ず魔道具で調べるようにとキツ~ク、上司から言われていた。
いつもの荷馬車、いつものグリーコさん?んっ?
いつもより声が小さく後ろの荷馬車の方を気にしている。
ま、まさか?!無賃乗車や犯罪者にでも脅されてるのか?!
もう1人の相方とアイコンタクトをとり、石板を取りに行くフリをし、万が一のための応援を呼ぶ事にした。
その間、手の指の数を数回数えるほどのわずかな時間だった。
久々の事件か?そうなのか?!
たまに時間ギリギリに門におし入ろうと割り込んだり、横柄な態度をとるバカがいるが、今回は、何か違う緊張感が漂った。
程よい緊張感となぜか高鳴る鼓動。
何かがある事は確かだ!!
しっかりしろ、久々の大仕事かもしれない!!
慎重に素早く、周りの様子をみた。
気のせいか馬もかなり疲れているように見える。
門に2人、荷物確認1人と石板を持つ俺。
ゆっくり荷馬車に近づき声をかけた。
「荷物確認と身分証があればご準備お願いします」
「おう、すまないがもう少し声を小さくしてくれ」
威圧感ある低い声、この男が?いや、もう1人いると聞いたが声がしない。
「中を確認します。」
言われた事に、怯んだわけじゃないが少し声を小さくし声をかけながら、幌馬車の後ろを開けた。
「「!!!」」
で、出た!!く。くまが出た!!
じゃない、くまの獣人族で、しかも数少ないA級冒険者のコリラック様がいた。
さらに驚く事に、コリラック様の腕の中には、信じられないくらいの可愛い?いや、美しい子がいた。
て、天族…はるか昔にこの地から離れたとか絶滅したとか言われる天界に住むとされてる天族なのか?!
しばらく呆然とし、コリラック様から声をかけられるまで固まってしまった。
グリーコさん、コリラック様、そして天族らしき美しくも可愛いお方の小さな手をコリラック様はつかみ石板の確認も済ませた。
もちろん3人とも反応なし。ギルド証も確認済み。
"シエル様"
作り立てのようにキラキラ光る冒険者ギルドのプレートを持っていた。
あぁ、何て美しいんだ。
眠ってる顔をずっと見ていたいが、美しい顔にはどんな瞳の色をしてるんだろうか?
「きょ、今日はこのセブン町にお泊りですか?」
「いや、今日の夕刻には次の所に行く予定だ」
「次の所ですか……はぁ~」
「なんだ?何か問題でもあるのか?」
「あっ!!いえ、いえいえ、か、確認は済みました。済みましたが、このセブン町に久々に高いランクの冒険者であるコリラック様がいるので、武勇伝とかお話したいと思ってしまったのと、こちらの天…こちらの美しいお方とも話がしたいと思っただけです」
「……。」
「……。」
「す、すみません!!こいつミーハーで、有名人であるコリラック様とお逢い出来て感激してるんですよぉ!この私も同じですがねぇ。お時間とらしてしまい、すみませんでした。セブン町を楽しんでって下さい。次は長期滞在していただければ嬉しいです!!」
「わかった…考えとく」
「あ、ありがとうございます。では、お気をつけて」
これから町を入る為の手続きだったのに、町を出る時の声かけをしてしまった門番さんたちだった。
くまの獣人族であるコリラックさんの筋肉モリモリの体格に当たり前のように、たくましくて程よい硬さの太い腕と胸に囲まれ寝ていた。
ふかふかでモフモフの腕と胸、最高!!
お日様の匂い?顔をうずめて、猫吸いとか犬吸い?この場合はくま吸いなのか?それをしたくなる気持ちがわかったような気がした。
完全にもたれていた為(座った事はないが)高級なソファーベッドにもたれてる感じがした。
このまま…スヤスヤ寝ていたいとか、コリラックさんの上で寝たら気持ちいいかな?とか、うっかりそう思ってしまった。
気分はジブ○映画にでてくるトト○の上のちびっ子気分だ。
変な事を考えていたのがバレたのか、それともたぬき寝りしているのがバレたのかどちらかだろう。
視線を感じたのでしぶしぶ、もそもそしながらゆっくりと仕方なーく、起き上がった。
そして、ちゃんと座りコリラックさんに謝罪とお礼を言った。
顔をふかふかの胸元に押し付けたり、すりすりモフモフを堪能したりしていたが、こっそりしていたつもりなのがバレたかもしれない。
寝る時はいつもそばに…いや、抱き枕か布団になってほしいとか、思ったりなんか……。
くま毛、恐るべし。
ファミ町からセブン町までの道中、魔物や盗賊にもあわずに済んだが、お馬さんが疲れていたのか、それとも同行者に馬が怯えてるのか?いつも以上に馬の歩みも遅いらしい。
お馬さんは道草をよく食べていた。
鐘2つ分(約2時間)程で着くのに、なぜか鐘3つ分(約3時間)くらいかかったらしい。
オレ…僕はほとんど寝てしまったので時間感覚がなかった。
気持ちよく寝てスッキリしただけ。
だけど起きた時、コリラックさんの強面に慣れたと思っていたが、さらに怖~い気がした。
寄りかかって寝ていたから、重かったからかな?
ほとんどの体重というか身体半分以上、コリラックさんに預けていたからなぁ。
やはりかなり重かったんだ。
すまない事をしてしまった。
優しいからどける事もしなかったコリラックさんに、もう一度お礼を言ったら、今度はなぜか微妙な顔をしていた。
くま顔なのに、なぜか表情がわかるような気がした。
膝枕をした事もされた事もないけど、その膝まくらも数分で足が痺れると誰かが言っていたような…誰だろう?そんな羨まし…く、ないこともない、経験をしたやつ!!
オレ…僕も恋人がいたらして欲しい、かもしれない。
ここでは、男だらけの世界らしいし可愛い女性との恋愛は、ハードルが高そうだ。
可愛いと思えるのは妹のミーユだ。
お母様は美人だが、可愛い系ではないし既婚者だ。
王妃は問題外で、思い出しただけで吐き気がする。
シエル自身の拒絶感がすごい。
ミーユは妹だし、王族関係やあの男爵令嬢も問題外。
あれ?女性、マジ、いない?!
男とかぁ…う~ん。
かっこいいとか、筋肉が羨ましいとか男らしい大人とかなら、まぁ、それなりに憧れるんけど……。
男同士の恋愛となると自分自身…本当、よくわからん。
なぜかピンっとこない。
肉屋のテッドさんは、商売人としてお客様にリップサービスもしたんだろうし、ちょっと告白されて嬉しいというより困ってしまった。
どう答えていいかわからなかったが、商売人として告白したからその勢いなまま、即お断りした。
テッドさんのお母さん(男)も笑ってたし、またファミ町に行った時は、色々話したいなぁ。
元看護師としてではないけど、男も妊娠出産出来るって事は生理とかもあるのか?
妊娠周期も、前世とかの女性と似たかんじなのかな?
「………、………。」
いつも腐ェニックス神がのぞき見してるわけじゃないんだな。
今度会ったら、テッドさんのお母さん(男)に聞けたら聞こう。
この時のオレ、僕は魔法を使って簡単に調べれる事をド忘れしていたのだった。
シエルもあのクソ王子と婚約してから……。
好き同士で一緒にくっつくならいいけど、同性にしろ異性にしろ無理矢理は誰でも嫌だよな。
無駄に高い地位も王族も最低だ!!
しかもあの王妃にあんな事……!!
くそっ!!
なんだか腹が立ってきた。
決して腹が減ったからではないが、ただちょっと、ほんの少し、なんとなぁ~く小腹が空いたので、ファミ町でもらった角うさぎのからあげ、それのはさみパンの残りを食べた。
僕が起きた時、いつのまに買ったのかはわからないけど、棒が刺さったでかいウインナー。つまりフランクフルトっぽいのをグリーコさんがくれたのだった。
フランクフルトは少しぷりっとした食感で、塩気と黒胡椒がほどよくきいていて、ジューシーだった。
つまり、めっちゃうまい!!
成長して胃袋も大きくなればもう一本欲しいと思った。
グリーコさんはコリラックさんにもプレゼントしていて、コリラックさんはテッドさんとこで買った、塊肉のからあげとピタパンのようなはさみパンをグリーコさんと僕にくれたのだった。
僕は食べ物を買わなかった事に、少し後悔した。
何もお返しできてないから、テッドさんのお母さん(男)にもらったクッキーを一枚ずつわたした。
(10cmほどの大きめなクッキー)
「気をつかわなくていい」
「そうそう、可愛いシエル君は気にしなくていいよ。私のフランクフルトを食べてくれるだけでうれしいから」
なぜかグリーコさんのことばが卑猥な言葉に聞こえてしまったの気のせいだろうか?
うん、気のせいだ、そうに違いない。
「……。」
喉が渇いたので、水筒がわりの皮の水袋を取り出した。水はぬるくなっていたのでお馬さんの道草中、中身の水を捨て水魔法で軽く洗った。
そして氷水をイメージしたものを、皮の水袋に入れていった。
ついでに、荷馬車で暇だったので自作した木のコップに氷を浮かべ冷たい水を入れ飲んだ。
それをガン見していた、グリーコさんとコリラックさん。欲しいのかと思い2人にもあげた。
「……シエル君の聖水」
「氷水、魔法レベルが……。」
グリーコさんはまたもやあやしげな言葉を言いながら、一口一口ゆっくり飲んでいた。
冷たすぎたのかな?
コリラックさんに、氷魔法は珍しいものなの?と聞いたら、水魔法を極めた者が稀に氷魔法も派生するが、雷魔法並みに使える者が少ないと教えてくれた。
曜日にもなっている魔法属性が一般的だが、光と闇の所持者も少なく、聖魔法は最も少なく教会に保護される事が多いとの事。
雷や氷は複合製魔法となるので、複数の魔法を所持しているのは王族や貴族が多いそうだ。
庶民は生活魔法と言われる火、水、風、土で一つ使えれば良い方だそうだ。
使えても水ならコップ一杯程度だったり、火魔法なら種火程度、風は微風程度で手で仰いだくらいの風だそうだ。土は、畑を耕す時にほんの少し土を柔らかくするためだったり、食器などの焼き物職人になる者が多いそうだ。
光、闇、火、水、木、風、土(の日)
ひと月30日
1の月、2の月、3の月~12の月の12ヶ月で1年
「今更だけど可愛いシエル君は、訳ありすぎってのがバレバレだから色々気をつけてね」
「この先、大丈夫なのか?氷水はありがたく貰うが、貴族でも滅多に飲めない貴重な氷水だ。俺たち以外の所では、使うな!狙われる!!」
「は、はい」
コリラックさんの言葉に、思わず頷きながら返事した。
それにしても、グリーコさん……僕ってそんなに訳ありにしか見えない怪しいやつなのか?
気をつけないとな。
その他は、冒険者として最低限の防具や採集とかに使う袋やカバンを持った方がいいとも言われた。
旅をしているのに手ぶらはあやしいらしい。
物取りに取られたやつか、オレ…僕みたいに訳ありに見えるらしい。
コリラックさんも手ぶらに見えると言ったら、腰ベルトのとこにある小さな巾着袋が2つぶら下げているのが、ダンジョン産のマジックバックらしい。
予備の武器や薬草、薬の瓶や着替えなどが入ってるらしい。
さすがA級冒険者!!
どこからどう見ても服を着たくまにしか見えないのに、かっこいい!!
色々タメになる話を聞いていたら、満腹になり眠気が……。
「もうすぐセブン町だ…っ、シエル君眠そうだな?今度は私に寄りかかっていいぞ」
「グリーコさんは…「グリーコさんは運転をしっかりやってくれ!!シエルはこのまま寝てもいいからな。グリーコさんが用事中の時も俺が見といてやるから安心して寝ろ!!」
僕の言葉を遮り、完全に後ろをむいているグリーコさんに見せつけるかのように僕を胸元に抱き寄せた。
いや違う、胸元にもたれかけさせてくれた?
もふもふで気持ちがいい!!
ついつい顔をうずめてグリグリしてしまった。
そしたらなぜか、グルルルゥと胸元から聞こえた。
驚いて顔をあげようとしたが、頭をポンポンされた後、一定のリズムで背中をトントンされてるうちに、まぶたはどんどんさがり夢の中にいってしまった。
夢の中なのに、緑色系の服装した門番さんがいたような夢を見た。
***
*門番さん目線
「4日ぶりですね、グリーコさん」
「お疲れ様です。今日は同乗者が2人居ます」
「わかりました。では、いつもの確認と身分証と石板に触れて下さい。」
「あっ…あぁ」
いつも定期的に来る大商人"ヨーグリコ商会"のグリーコさんだった。
俺の子どもの頃からお世話になってるお店だ。
食品中心のお店でちょっとした古着、生活用品などもあり便利なお店だ。
確かグリーコさんのお爺さんが作ったお店だったような…このへんはうろ覚えだが……。今では、数台の馬車持ちの大きな優良印持ちの商人、いや大商人だ。
だがどんなに良い人でも罪を犯す事もあるから、どんなに仲が良くても、顔見知りでも、親族であろうが必ず魔道具で調べるようにとキツ~ク、上司から言われていた。
いつもの荷馬車、いつものグリーコさん?んっ?
いつもより声が小さく後ろの荷馬車の方を気にしている。
ま、まさか?!無賃乗車や犯罪者にでも脅されてるのか?!
もう1人の相方とアイコンタクトをとり、石板を取りに行くフリをし、万が一のための応援を呼ぶ事にした。
その間、手の指の数を数回数えるほどのわずかな時間だった。
久々の事件か?そうなのか?!
たまに時間ギリギリに門におし入ろうと割り込んだり、横柄な態度をとるバカがいるが、今回は、何か違う緊張感が漂った。
程よい緊張感となぜか高鳴る鼓動。
何かがある事は確かだ!!
しっかりしろ、久々の大仕事かもしれない!!
慎重に素早く、周りの様子をみた。
気のせいか馬もかなり疲れているように見える。
門に2人、荷物確認1人と石板を持つ俺。
ゆっくり荷馬車に近づき声をかけた。
「荷物確認と身分証があればご準備お願いします」
「おう、すまないがもう少し声を小さくしてくれ」
威圧感ある低い声、この男が?いや、もう1人いると聞いたが声がしない。
「中を確認します。」
言われた事に、怯んだわけじゃないが少し声を小さくし声をかけながら、幌馬車の後ろを開けた。
「「!!!」」
で、出た!!く。くまが出た!!
じゃない、くまの獣人族で、しかも数少ないA級冒険者のコリラック様がいた。
さらに驚く事に、コリラック様の腕の中には、信じられないくらいの可愛い?いや、美しい子がいた。
て、天族…はるか昔にこの地から離れたとか絶滅したとか言われる天界に住むとされてる天族なのか?!
しばらく呆然とし、コリラック様から声をかけられるまで固まってしまった。
グリーコさん、コリラック様、そして天族らしき美しくも可愛いお方の小さな手をコリラック様はつかみ石板の確認も済ませた。
もちろん3人とも反応なし。ギルド証も確認済み。
"シエル様"
作り立てのようにキラキラ光る冒険者ギルドのプレートを持っていた。
あぁ、何て美しいんだ。
眠ってる顔をずっと見ていたいが、美しい顔にはどんな瞳の色をしてるんだろうか?
「きょ、今日はこのセブン町にお泊りですか?」
「いや、今日の夕刻には次の所に行く予定だ」
「次の所ですか……はぁ~」
「なんだ?何か問題でもあるのか?」
「あっ!!いえ、いえいえ、か、確認は済みました。済みましたが、このセブン町に久々に高いランクの冒険者であるコリラック様がいるので、武勇伝とかお話したいと思ってしまったのと、こちらの天…こちらの美しいお方とも話がしたいと思っただけです」
「……。」
「……。」
「す、すみません!!こいつミーハーで、有名人であるコリラック様とお逢い出来て感激してるんですよぉ!この私も同じですがねぇ。お時間とらしてしまい、すみませんでした。セブン町を楽しんでって下さい。次は長期滞在していただければ嬉しいです!!」
「わかった…考えとく」
「あ、ありがとうございます。では、お気をつけて」
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水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
【16+4話完結】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
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