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36、国王の呟き
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*ほぼ国王目線
「予定通り王妃と第一王子は城を出ました。」
国王は王妃と第一王子の監視している者からの報告を聞いていた。
「王都を出たら、戻るのはいつでもいい」
「……かしこまりました」
国王は思った。
もう、この城に居続けるのは辛いだろう……と。
少しでも息抜きになれば……と。
国王は毎日届く、王妃の監視からの報告にも国政にも疲れていた。
リーンコック国の現王の妹。
国に好きな人がいたらしいが、その者は現王とは違う派閥の者だったらしい。
万が一、その者と王妃(隣国の現王の妹)と一緒になれば、その時期はまだ王太子候補だった彼にとって、王女としての立場の妹は貴重な女としての価値も高く、自分の地位を脅かすには、充分だった。
だから無理矢理別れさせ、この国にやたらとアピールしてきたのだった。
多少聞こえ漏れる王妃のウワサは、あまり良くないモノばかりだったが、女性というのもあり地位のせいでプライドが高いのも仕方がないと思っていた。
婚姻さえすれば、婚姻後でもゆっくり仲良くなれればいいと思っていた。
特別扱いしたのも、悪手だった。
王妃の為だからと特別に予算を多くとった。
特別な王宮や王妃の為にたくさんのお金が消えていった。
なかなか子どもも授からなかったが、王妃が妊娠した後は、第二妃のもとに堂々と通い子種が実を結んでいった。
第三妃は、気の合う友人の様で可愛い男の妃だ。
妻は3人以上|推進だったが、3人まででいいと思っていた。
王妃とは月に一度、義務の為だと思いながら通っていたがただただ虚しくなり、数ヶ月置きになりさらにだんだんと足が遠のいてしまった。
1人目の子を授かり、立て続けに第二子、第三子と産まれた。
国中どころか他国からも祝いが届き、喜びとは別に城内の者たちは多忙を極めていた。
忙しい中でも、少しでも癒しをと思い第二妃と第三妃のもとには行ったが、王妃の所には直筆のカードのみだった。
慌ただしい毎日を過ごし、月日は流れた。
幼い第一王子がウォード公爵家の三男を気に入ったようだと報告が入った。
同じ学園で共に過ごした私の友人、ウォード公爵を選び私は国王として政略結婚する事になった。
もっと勇気を出してれば……。
いや、初めからあの2人は惹かれあっていた。
私はただの友人だった。
王子だからと、身分的にも距離を置かれる事は多かったが、彼は公爵の息子で彼女は侯爵の愛娘だった。
女の子が生まれると王家に嫁ぐ事が多いから、幼馴染だったも同然なのに、選ばれたのはあいつだった。
身分が高くても選ばれない者はいる。
それが近いうち国王となる私だった。
初恋は叶わぬ事が多いと聞くが、第一王子も初恋は実らなかった。
王妃も初恋の相手と別れさせれこの国に来た。
王族の恋とはこんなにも難しいものなのか?
気が触れてしまった哀れな元隣国の王女。
元王女の相手は、この国に嫁いできた王女を忘れる事は出来なかったらしく、一緒に過ごせなくとも同じ国にとの想いで追いかけてきたようだ。
……届かなかった手紙。
王妃の恋人は今の国王の派閥とは違う派閥、調べると王女が嫁いでから数年間政治犯として捕まっていたらしい。
反省したとみなさ?わわんみたたてされ、解放された。
そして、こっそりこの国に来て、毎年手紙を送っていた。
この恋が実っていたらどうなっていたんだろうか?
スタンピートの応援要請と救援要請がちゃんと届けられていたら、王妃の恋人は死ななかったのだろうか?
我が国の第三騎士団も壊滅しなかったのか?
王妃の振る舞いで、予想以上に国庫が減っていた。
少ないながらも配布したはずの、亡くなった騎士団たちへの弔慰金も届いていなかった。
第三騎士団団長であったアロンが、全財産をはたいて騎士団たちを弔い、残された家族に遺品や遺書、そして団長から、わずかながらのお金を渡したそうだ。
消えた弔慰金は、庶務課の中の文章管理課たちが着服していた。
処分するにはあまりにも多すぎる人数だったが、数人の元王妃付きだった使用人たちが主となり、ほぼ全員で不正を行っていた。
その部署だけではなく、元王妃の使用人たちは優秀な者が多く見た目もいい事からあちこちの部署に入り込んでいた。
食堂に入った者は物品購入の水増しだったり、騎士課は人員を水増しし給金を着服したり、この城の内部から腐っていった。
箝口令をしたはずだが、第一王子が公爵家三男に婚約破棄し、新たにイナモデント男爵令嬢に婚約を申し込んだが、断られた事。
あまりにも目撃者が多かったからか、防げなかった。
さらに、王妃がしでかした公爵家三男に対しての暴力、殺人未遂的な数々、使用人たちも王妃に加担し食事を与えず閉じ込めたり、一度帰宅しても連れ戻し再び監禁、学園にも通わせず、学園長も王妃に傾倒しウォード公爵家三男が通っていたかのように擬装した。
民からの王家への不信感からか、城内での市もなくなり物価も高騰している。ウォード公爵はかろうじて王都に残っているが、学園長の交代後、学園に残る息子が卒業したら領地に行くと聞いた。
他の貴族の中には、学園途中で退学し領地に戻る貴族も数組いた。
この国はもう……。
「……王妃と第一王子は……好きにしていい……私は、この国を建て直せれるだろうか?」
1人になってから、頭を抱えながらそっと呟いた言葉だったが、この言葉を聞いていた者がいた。
「予定通り王妃と第一王子は城を出ました。」
国王は王妃と第一王子の監視している者からの報告を聞いていた。
「王都を出たら、戻るのはいつでもいい」
「……かしこまりました」
国王は思った。
もう、この城に居続けるのは辛いだろう……と。
少しでも息抜きになれば……と。
国王は毎日届く、王妃の監視からの報告にも国政にも疲れていた。
リーンコック国の現王の妹。
国に好きな人がいたらしいが、その者は現王とは違う派閥の者だったらしい。
万が一、その者と王妃(隣国の現王の妹)と一緒になれば、その時期はまだ王太子候補だった彼にとって、王女としての立場の妹は貴重な女としての価値も高く、自分の地位を脅かすには、充分だった。
だから無理矢理別れさせ、この国にやたらとアピールしてきたのだった。
多少聞こえ漏れる王妃のウワサは、あまり良くないモノばかりだったが、女性というのもあり地位のせいでプライドが高いのも仕方がないと思っていた。
婚姻さえすれば、婚姻後でもゆっくり仲良くなれればいいと思っていた。
特別扱いしたのも、悪手だった。
王妃の為だからと特別に予算を多くとった。
特別な王宮や王妃の為にたくさんのお金が消えていった。
なかなか子どもも授からなかったが、王妃が妊娠した後は、第二妃のもとに堂々と通い子種が実を結んでいった。
第三妃は、気の合う友人の様で可愛い男の妃だ。
妻は3人以上|推進だったが、3人まででいいと思っていた。
王妃とは月に一度、義務の為だと思いながら通っていたがただただ虚しくなり、数ヶ月置きになりさらにだんだんと足が遠のいてしまった。
1人目の子を授かり、立て続けに第二子、第三子と産まれた。
国中どころか他国からも祝いが届き、喜びとは別に城内の者たちは多忙を極めていた。
忙しい中でも、少しでも癒しをと思い第二妃と第三妃のもとには行ったが、王妃の所には直筆のカードのみだった。
慌ただしい毎日を過ごし、月日は流れた。
幼い第一王子がウォード公爵家の三男を気に入ったようだと報告が入った。
同じ学園で共に過ごした私の友人、ウォード公爵を選び私は国王として政略結婚する事になった。
もっと勇気を出してれば……。
いや、初めからあの2人は惹かれあっていた。
私はただの友人だった。
王子だからと、身分的にも距離を置かれる事は多かったが、彼は公爵の息子で彼女は侯爵の愛娘だった。
女の子が生まれると王家に嫁ぐ事が多いから、幼馴染だったも同然なのに、選ばれたのはあいつだった。
身分が高くても選ばれない者はいる。
それが近いうち国王となる私だった。
初恋は叶わぬ事が多いと聞くが、第一王子も初恋は実らなかった。
王妃も初恋の相手と別れさせれこの国に来た。
王族の恋とはこんなにも難しいものなのか?
気が触れてしまった哀れな元隣国の王女。
元王女の相手は、この国に嫁いできた王女を忘れる事は出来なかったらしく、一緒に過ごせなくとも同じ国にとの想いで追いかけてきたようだ。
……届かなかった手紙。
王妃の恋人は今の国王の派閥とは違う派閥、調べると王女が嫁いでから数年間政治犯として捕まっていたらしい。
反省したとみなさ?わわんみたたてされ、解放された。
そして、こっそりこの国に来て、毎年手紙を送っていた。
この恋が実っていたらどうなっていたんだろうか?
スタンピートの応援要請と救援要請がちゃんと届けられていたら、王妃の恋人は死ななかったのだろうか?
我が国の第三騎士団も壊滅しなかったのか?
王妃の振る舞いで、予想以上に国庫が減っていた。
少ないながらも配布したはずの、亡くなった騎士団たちへの弔慰金も届いていなかった。
第三騎士団団長であったアロンが、全財産をはたいて騎士団たちを弔い、残された家族に遺品や遺書、そして団長から、わずかながらのお金を渡したそうだ。
消えた弔慰金は、庶務課の中の文章管理課たちが着服していた。
処分するにはあまりにも多すぎる人数だったが、数人の元王妃付きだった使用人たちが主となり、ほぼ全員で不正を行っていた。
その部署だけではなく、元王妃の使用人たちは優秀な者が多く見た目もいい事からあちこちの部署に入り込んでいた。
食堂に入った者は物品購入の水増しだったり、騎士課は人員を水増しし給金を着服したり、この城の内部から腐っていった。
箝口令をしたはずだが、第一王子が公爵家三男に婚約破棄し、新たにイナモデント男爵令嬢に婚約を申し込んだが、断られた事。
あまりにも目撃者が多かったからか、防げなかった。
さらに、王妃がしでかした公爵家三男に対しての暴力、殺人未遂的な数々、使用人たちも王妃に加担し食事を与えず閉じ込めたり、一度帰宅しても連れ戻し再び監禁、学園にも通わせず、学園長も王妃に傾倒しウォード公爵家三男が通っていたかのように擬装した。
民からの王家への不信感からか、城内での市もなくなり物価も高騰している。ウォード公爵はかろうじて王都に残っているが、学園長の交代後、学園に残る息子が卒業したら領地に行くと聞いた。
他の貴族の中には、学園途中で退学し領地に戻る貴族も数組いた。
この国はもう……。
「……王妃と第一王子は……好きにしていい……私は、この国を建て直せれるだろうか?」
1人になってから、頭を抱えながらそっと呟いた言葉だったが、この言葉を聞いていた者がいた。
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