【完結】悪役令息⁈異世界転生?したらいきなり婚約破棄されました。あれこれあったけど、こんな俺が元騎士団団長に執着&溺愛されるお話

さつき

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35、逃亡?

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第一王子であるライトは考えていた。
幼少の頃、城で見かけた可愛い子がいた。
可愛いくて、貴重な女の子だと思った。
紺色のつややかな髪に、紫色の綺麗な瞳。
可愛い!!
僕の初恋だった。
この国どころか他の国も、つまりこの世界では女の子が生まれる確率がかなり少なかった。
女の子は男の子より、子どもを成しやすいと使用人が教えてくれた。
女の子が生まれたら、ほとんどが王族か高位貴族に嫁ぐそうだ。
では、あの子は僕のお嫁さんなんだ。
男女共に、10代なら男同士でも子を作りしやすいらしく、早い者だと15歳の成人で子を成し子どもを乳母に預けて学園に通う者も多少いた。
もう決まってる事だけど、可愛いし一応僕と婚約し結婚する事は教えといた方がいいのかな?
声かけすると緊張からか表情は硬かったが、わかってくれた様子だし話せたし良かったと幼い頃の僕は、思っていた。
お母様にシエルと婚約した事を伝えたら、驚いていたけど婚約したからか、微笑んでいた。
僕の可愛いお嫁さん。
シエルとお城で会う機会が増えた。
しばらくして、シエルが女の子ではなく男の子だとわかったが、可愛いしそのまま婚約し続けた。
男同士だから、なるべく早く婚儀の準備して子どももたくさんつくらないとね。
僕たちに女の子が出来たら婚姻の申し込みが殺到するだろうなとか、男の子でも可愛い子どもが生まれるだろうなとか考えていた。
15歳で成人式を終えたら婚姻もしようと思っていた。
それなのに、シエルは僕と逢うたびに表情が暗かった。
今思えば暗いと言うより顔色が悪かったんだ。
いつも緊張していたけど、それは僕が王族でお父様の次に王様になるのが僕だから、仕方がないよね、と思っていた。
僕はバカだった。
それからは、婚約者としてお茶会などで逢うようにはなったけど、相変わらずの痩せた身体に小柄だった。
笑わないし、表情もかたかった。
つまらない。
会うのも億劫おっくうになった。
学園に入ると、マーヤの無邪気な笑顔に惹かれた。
男爵令嬢だったが、身分なんか関係なく真実の愛だと思ってた。
マーヤと付き合っていると、口には出さないが表情がくもる事が多くなった。
まさか、婚約者のシエルが嫌がらせしてるかもと思った。きっとそうに違いないと。
マーヤは優しく、笑顔も素敵な正真正銘の女の子。
貴重な女の子。ボクに相応しい女の子。
女の子だし、長年婚約者として居座ってきたシエルが突然現れた女の子に嫉妬しっとしてるんだと思った。
計画を立て、婚約者に贈る最後の贈り物としてプロムで着る服と髪飾りを送った。
同時に、シエルよりは安いがマーヤにもドレスと髪飾りを贈った。
当日逢ってみると、マーヤはちゃんと贈り物を身につけていたのに、シエルはまるで当てつけか何かのように、相変わらず暗い表情で顔色も悪かったが、学園の制服で出席した。
目立つのは嫌いなはずなのに、この僕にそんな格好で……なぜ、僕の気ををひくためなのか?
僕が贈った物を身につけないなんて、もう、シエルと付き合うのは無理だと思った。
婚約破棄、そう……僕は長年婚約者を続けてあげたが、真実の愛であるマーヤと出逢ったから、これ以上は無理だと思った。
最後の最後まで言い訳しようとしていたが、言葉をさえぎりしぶしぶひいたシエルは、また僕の気を引きたいのか笑顔で僕とマーヤの幸せを願う様な事を言った。なぜ、シエルは……。
多少の疑問はあったが、マーヤとの未来の為早い方が良いと思い、婚約破棄したのにマーヤは……。
なぜ?なぜ、マーヤまでそんな目でボクを見るの?
誰かに何か言われたのか?
身分差なら色々やりようはあるし、どこかの高位貴族に頼んで養女になりそれから婚姻を結んでもいいのに……。
あの時…あの日から、僕と母の生活は一変した。
シエルが倒れたらしくシエルの両親が城に押しかけてきた。
なぜ?
シエルは、城で?公爵邸に帰ったんじゃないのか?
まだ、僕に未練があるのか?と思った。
だが、全て違った。
マーヤは、僕のもとから立ち去りそのまま逢うこともなく、王族である僕が連絡しても音沙汰(おとさた)なかった。
風のウワサでは、使用人と家を出たらしい。
僕がいるのに、僕を置いて……。

シエル……。
シエルは……。
母上が、本当に?信じれなかった。
国の為に政略結婚したのは知っている。
だけど……まさか。
母上が、あんなこと……。
義務の為、僕を産み、国に残した恋人を思い続けた母上。
紅い髪は父上譲りの僕、母上は少しくすんだ赤茶けた髪の毛だ。
母上が僕を見る時、よくキツい表情をする事はあったけど、僕が父上に似ていたからなの?
僕がシエルに今までに贈ったはずの贈り物は、形や品を変え母上の物になっていた。
そのシエル本人は、母上付きの使用人や母上から直接、しつけと称して酷い暴行や食事も罪人かと思う様な酷い内容だった。
すまなかったと謝りきれないほどの内容。
衰弱死してもおかしくない状況。
酷い栄養失調に、酷い暴行の跡、しかも服からは見えない所にムチの跡、刃物で切りつけた跡、ヤケド、骨折痕……あの母上が。
元使用人たちからの衝撃的な証言の数々と複数人の医師たちの診断書、複数人の回復師と治癒師の診断と記録書。
元第三騎士団の団長とシエルの両親たちとの話し合いの際に、僕は全てを知った。
シエルは、僕が幼い頃に声をかけてから王妃の呼び出しでよく城に来ていたらしい事。
成長とともに、王子妃"候補"としての教育という名の虐待や暴行を受けていた事。 
王子妃の婚約者なのに、なぜ、候補者なの?
表向きは、客室に滞在してる風に装っていたが実際には、昔使っていたらしいボロボロの使用人部屋。
外から鍵がかかる部屋で、使用人が失敗した時の反省する為の部屋に使われていたらしい部屋だった。
ドアの下には小さなくり抜かれた所があった。
そこは食事を入れるための物だと説明された。
犯罪者の様な扱いなのか?
まだ、その時は見た事がなかったがウワサに聞く牢屋のようだと思った。
みすぼらしい固そうなベッド。
そこにあるベッドシーツ?も古い布で、所々シミが付いていた。
王子妃の婚約者なのに、ありえないほどの酷い扱いを受けていたシエル。
望まれない結婚に望まれない義務の為の子。
その産まれた子が僕。
わかっていた、わかっていたが心のどこかで違うと思いたかった。
僕は愛されてる子だと、思われたかった……誰かに。

「私は、エドリックが好きだったのに。な、なんで、何でなの?!こんな事、この私にしていいと思ってるの?!エドリックと別れさせられた上、わざわざこの国に嫁いであげたのよ!!貴重な女だから!!国と国を繋ぐだけの女として、1人子どもを生めば、エドリックと一緒になれると思って、この国に来てあげたのに、あんまりだわ!!」
「エドリックとは、エドリック・ドロン、茶髪で目の色も茶色の隣国から来た……。」
元第三騎士団の団長との会話も、ただただ信じられないとうか、僕も国王である父上もいるのに、僕たちの存在忘れた様な会話が続いた。
「エドリック、そう!エドリック・ドロン、私のエドリック・ドロンよ!!あなた、彼を知ってるの?!どこ?知り合いなら私のエドリックがどこにいるか知ってるはずよね!ねぇ、彼は、エドリックはどこなの?近くにいるの?!」
「……。」
「あなた、私のエドリックとはどういう関係なの?私とエドリックは恋人同士なのよ!!あなたまで、私たちの仲を邪魔をするの?!」
「………」
「彼が近くにいるのね!!私のエドリックなのに、早く、早く彼を連れてきてよ!!連れてきなさい!!」
「連れてくることは……もう出来ません」
「なんで、何でなの?あなた、私は王妃なのよ!!この国で一番偉い地位の女なのよ!!あなたみたいな庶民、私が言えば簡単に処分できるのよ!!」
「……」
2年前のスタンピートはすぐおさまったと聞いたのに?第三騎士団が解散したのは知ってるけど、元々荒くれ者の集まりだったからとか、騎士団の第一と第二がいるから充分だとかきいてたのに?
第三騎士団が壊滅した?全員死亡?
スタンピートは第三騎士団が討伐していたの?
それじゃあ、第一と第二は何をしていたの?
応援や、救援要請も何度も送ったのに却下したのは誰?
さらに数日後、驚く事がまた……。
この国はもう、終わってるのかもしれない。
元第三騎士団の至急の手紙も、他の重要とされる書類や手紙、そして母上、王妃宛てに母上が好きだった恋人からの手紙も12通もあった。

表向きは、母上は病気療養している事になった。
シエルに酷いことしたのに、こんなに軽くて良いの?
シエル本人や、公爵家の皆の気持ちはこんな処置ではず。
なのに、なぜ?
僕は、に付き添っているらしい。
母上の言いなりの僕。
甘やかされ育ったわがままな第一王子。
関わると厄介な王妃と第一王子。
第二妃と第三妃、そして弟たちに合わなかったのも、さけられていたから。
特別な宮殿にいた僕たちにはわからなかった。
特別扱いだったから。
耳に良い言葉しかかけなかった使用人たち。
そうしないと、自分を守れなかった使用人たち。
実質クビにされ、左遷させんされた元王妃付きの使用人がした事は、許される事ではない。
実際に、他国からの手紙も捨てられた状態だったから。
庶務課しょむかの中の文章管理課。
城内全般の事務仕事をサポートする部署であり、その中にある、さまざまな手紙や書類を仕分けし各部署に配布する部署だった。
その使用人も、わがままな王妃に仕えていた。
王妃は使用人たちにあらゆる事を言いつけていたからか、個々の能力はかなり高い能力を持っていたらしい。
優秀な者たちをクビにしていた母上。
優秀だったから国の大事な部署に配属されたが、逆恨みされ、大事な書類や手紙を隠す?本人いわく処分したらしい。
文章管理下の使わなくなった古い部屋、壁や床のひび割れ、穴が空いた床などに手紙や書類に入れたらしい。
その隙間すきまや穴を調べると、そこはもう使われなくなった、主に獣人族たちを閉じ込める為の牢屋だった。
獣人族らしい白骨死体も複数あったらしい。
この国は、もう……。
第一王子からは乾いた笑い声を発していた。

母上は、気が触れたのか毎日毎日同じ手紙を読んだり抱きしめたりしながら泣いていた。
シエルは領地で療養しているらしい。
シエルの領地は、農業が盛んで果実も甘くて美味しい物が多かった。
自然に囲まれていれば多少は心が癒されるのかな?
あの元第三騎士団団長は、自然豊かで王都並みに発展しているイドバ町にいるらしい。
イドバ町は、シエルの…ウォード公爵領の一つ。
シエルに逢いたい。
逢って謝罪したい。
公爵邸には、入れてもらえないだろうが同じ領地に行けばもしかしたら、元第三騎士団団長に逢えるかもしれない。
シエルの事も知っているだろうし、シエルの両親の同級生だったとも聞いてる。
王子としてではなく、1人の男としての謝罪、逢って話がしたい。
シエルに逢えなかったとしても、元第三騎士団の団長にあえば、もしかしたら…シエルに合わせてくれる口利きをしてくれるかもしれない。
「ライト!!ライトはどこなの?私のライト、早くいらっしゃい?!」
あぁ、またうるさい母上が呼んでいる。
僕は支度をして出かけようと思っているのに。
母上の所に行くと、またうれしそうにエドリックという人からの手紙を見せてきた。
あぁ、またか。
今日はまだこの国に来たばかりで冒険者ギルド?に登録したあたりの手紙を読んだみたいだ。
母上の機嫌はいい。
スタンピート最中の最後の手紙、遺書となった手紙の時は酷く荒れる。
手紙を抜き取ろうと何度かしたが、12通の手紙が1通でもなければ、一晩どころか二、三日眠らず探し続ける姿に隠すのは辞めた。
もう、以前の母上ではない。
気が狂ってしまった哀れな女の人だ。
「母上、僕はちょっと出かけますのでしばらくもどりません。」
「ライト?なぜ?どこに行くの?なぜ、ライトまで私を置いて行こうとするの?」
「……。」
あっ、やばいかもしれない。
「そう、あの人なのね?あの騎士団団長なの?それとも私(わたくし)の兄上が何か言ったのね?」
母上は、母上の兄、リーンコック国の現王だ。
「何も言われてません」
「うそよ!兄上がきっとまた、私のエドリックにも…ライト、だめ!!ライトは私の…私とエドリックの子なのよ!!」
ショックだった。
この国に来てから、母上とエドリックさんという人とはあっていない。
この国に嫁いでから2年後に妊娠し出産した母上は、父上との事はまた、忘れているのかもしれない。
今日も黙ってやり過ごそうとしたのに……。
「ライト、早く…早く支度しなさい!!」
「?!」
「怖がらなくてもいいからね。私が守ってあげる。
兄上の手先がもうすぐ、あっ、大丈夫!!エドリックの手紙には、今イバド町に着いたばかりと書いてあったわ。今なら夕闇に紛れ、辻馬車でも拾えば、明日の朝か昼には着くわ、さぁ、早く準備しなさい!」
話が、飛び飛びの母上を放置する訳にもいかず、母上が言う通り準備をした。
僕が向かう予定地もイバド町だったから。
だが母上が辻馬車を拾えるとも思わない。
自分で荷物の準備や食事の用意すら出来ない人が、1泊とはいえイバド町まで行けるとは思わなかった。
まだ母上を見捨てずに世話をしてくれている侍従に伝えた。
「母上のいつもの発作ですが、今日は……」
「かしこまりました。辻馬車風に仕立てます。時間は、午後の6つの鍾(午後6時)辺りでどうでしょうか?」
「それで、お願いします。もし、数時間で発作がおさまらないようならそのまま明日イドバ町に行ってくれても構わない」
「かしこまりました」

今回のはおさまらないどころか、まるでエドリックさんという生きている恋人に逢いに行く乙女の様な母上がいた。
僕は、父上国王と母上の子どもだよ。
望まない結婚、義務で子を産むと皆こうなるのかな?

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