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ニュース番組を見ながら寝転んでいると、早瀬がそばにやって来た。好きなチャンネルに変えていいよと言われた。そして、リモコンを渡された時に、肩同士が触れた。しっかりした体つきだと思い、羨ましくなった。
「映画専門チャンネルとか、いろいろあるよ」
「そ、そうなんだ?見てみよう」
チャンネル一覧の中に、心霊番組を見つけた。わりと好きなジャンルだ。目の前のテーブルに、珈琲が入ったマグカップが置かれた。
「おまたせ」
「いただきます。はあー、美味しいなー」
ビーフシチューも珈琲も美味しい。ここに住みたいと口走りそうになり、慌てて口を閉じた。早瀬が並んで座り、俺の耳にかかった髪の毛をかき上げた。爽やかに笑っているのに、やっていることは反対だと思った。そして、かき上げている手が移動して、優しく頬に触れた。胸の鼓動が跳ねて体が震えたから、慌てて離れた。
「やめろよー」
「汗をかいている。飲んだらシャワーを浴びておいで」
「そうだった。ごめん、汗臭かったね」
食べた後だし、珈琲を飲んでいるから熱くなっている。汗をかかない体質だから忘れていた。襟元の匂いを嗅いでいると、笑われてしまった。
「臭くないよ。汗をかかなさそうだね?」
「うん。夏でもそうだよ。女の子からは羨ましがられるけど、けっこう危ないんだ」
「そうだね。体温調節の問題がある。俺は汗っかきで、食べた後は気になるんだよ。スーツを着ているし」
「ネクタイを外しても暑そうだよね。そんなに汗をかいているの?」
早瀬からは汗臭さを感じたことがない。大学の寮でかぎ慣れた男の匂いがしない。何か付けているのかもしれない。しかし、それを聞く前に、手を取られて首筋に当てられたから聞けなくなった。触れているのは男の体なのに、手から伝わる肌の感触にドキドキしたからだ。
「汗ばんでいるだろう?」
「う、うん……っ」
手を当てられたままで喋られたから、声の振動を感じた。どうも調子が悪いから手を離そうとすると、強く握られて微笑みかけられた。さらに体同士が近づいてきた。
「臭くないか?」
「ううん。匂わないよ。……ひいいいっ。近すぎだよーー」
「そう嫌がらなくてもいいだろう?」
「どうしてそんなことをするんだよ?」
「いけない?」
「ダメに決まってるよ!」
「誰が決めた?」
「俺が決めた!」
「モップ……」
「ああ……」
「俺が好きな時に触るからね」
「強引だよっ」
「その言い返し方が好きだよ」
早瀬が声を立てて笑い始めた。その隙を狙って手を振り払った。心臓の鼓動が高鳴り、珈琲を飲んで気持ちを落ち着かせたい。
しばらく何もされなくて安心していると、ラインが入った。これぞ天の助けだ。
「あ、夏樹からだ。今日、風邪で熱を出して大学を休んだんだよ」
「大変だね。熱が高いのかな?」
「下がったそうだよ」
ラインのメッセージは、熱が下がったことと、ノートのお礼に弁当を作ってくれるという内容だった。夏樹は料理上手だから楽しみだ。
「すっかり仲良くなったんだね」
「うん。森本とも仲良くなったよ。あの2人は天然ボケと冷静コンビだよ。山崎はお洒落な子でさ。のんびりしているんだよ」
「そそっかしい悠人君が入って、いいバランスだね。どんな感じ?」
「えーっとね……」
夏樹には世話になりっぱなしだ。とても美味しい弁当、ドーナツ、授業のノート。森本や山崎と協力して、奥村からもガードしてくれた。その話題を出すと、早瀬が不思議そうな顔になった。
「まだしつこくされているのか?」
「これでもマシになったよ。金曜日に『燃える』っていう発言をされたんだ。早瀬さんと会っているから、顔を合わせなくなったよ。大学では夏樹達が一緒にいるから、会いに来なくなったんだ。通学の時は一人だけど。でも……」
「でも、なに?」
「何回もラインが入ってくるんだ。適当に返しているよ。無視したら燃えるっていうからさ」
「見せてもらえる?」
「あ……」
返事をする前にスマホを取られてしまった。そして、操作を始めてしまった。桜木さんにやっていたようなことだ。強引だと思いつつも、心配されたのが分かるから言い返さなかった。
「映画専門チャンネルとか、いろいろあるよ」
「そ、そうなんだ?見てみよう」
チャンネル一覧の中に、心霊番組を見つけた。わりと好きなジャンルだ。目の前のテーブルに、珈琲が入ったマグカップが置かれた。
「おまたせ」
「いただきます。はあー、美味しいなー」
ビーフシチューも珈琲も美味しい。ここに住みたいと口走りそうになり、慌てて口を閉じた。早瀬が並んで座り、俺の耳にかかった髪の毛をかき上げた。爽やかに笑っているのに、やっていることは反対だと思った。そして、かき上げている手が移動して、優しく頬に触れた。胸の鼓動が跳ねて体が震えたから、慌てて離れた。
「やめろよー」
「汗をかいている。飲んだらシャワーを浴びておいで」
「そうだった。ごめん、汗臭かったね」
食べた後だし、珈琲を飲んでいるから熱くなっている。汗をかかない体質だから忘れていた。襟元の匂いを嗅いでいると、笑われてしまった。
「臭くないよ。汗をかかなさそうだね?」
「うん。夏でもそうだよ。女の子からは羨ましがられるけど、けっこう危ないんだ」
「そうだね。体温調節の問題がある。俺は汗っかきで、食べた後は気になるんだよ。スーツを着ているし」
「ネクタイを外しても暑そうだよね。そんなに汗をかいているの?」
早瀬からは汗臭さを感じたことがない。大学の寮でかぎ慣れた男の匂いがしない。何か付けているのかもしれない。しかし、それを聞く前に、手を取られて首筋に当てられたから聞けなくなった。触れているのは男の体なのに、手から伝わる肌の感触にドキドキしたからだ。
「汗ばんでいるだろう?」
「う、うん……っ」
手を当てられたままで喋られたから、声の振動を感じた。どうも調子が悪いから手を離そうとすると、強く握られて微笑みかけられた。さらに体同士が近づいてきた。
「臭くないか?」
「ううん。匂わないよ。……ひいいいっ。近すぎだよーー」
「そう嫌がらなくてもいいだろう?」
「どうしてそんなことをするんだよ?」
「いけない?」
「ダメに決まってるよ!」
「誰が決めた?」
「俺が決めた!」
「モップ……」
「ああ……」
「俺が好きな時に触るからね」
「強引だよっ」
「その言い返し方が好きだよ」
早瀬が声を立てて笑い始めた。その隙を狙って手を振り払った。心臓の鼓動が高鳴り、珈琲を飲んで気持ちを落ち着かせたい。
しばらく何もされなくて安心していると、ラインが入った。これぞ天の助けだ。
「あ、夏樹からだ。今日、風邪で熱を出して大学を休んだんだよ」
「大変だね。熱が高いのかな?」
「下がったそうだよ」
ラインのメッセージは、熱が下がったことと、ノートのお礼に弁当を作ってくれるという内容だった。夏樹は料理上手だから楽しみだ。
「すっかり仲良くなったんだね」
「うん。森本とも仲良くなったよ。あの2人は天然ボケと冷静コンビだよ。山崎はお洒落な子でさ。のんびりしているんだよ」
「そそっかしい悠人君が入って、いいバランスだね。どんな感じ?」
「えーっとね……」
夏樹には世話になりっぱなしだ。とても美味しい弁当、ドーナツ、授業のノート。森本や山崎と協力して、奥村からもガードしてくれた。その話題を出すと、早瀬が不思議そうな顔になった。
「まだしつこくされているのか?」
「これでもマシになったよ。金曜日に『燃える』っていう発言をされたんだ。早瀬さんと会っているから、顔を合わせなくなったよ。大学では夏樹達が一緒にいるから、会いに来なくなったんだ。通学の時は一人だけど。でも……」
「でも、なに?」
「何回もラインが入ってくるんだ。適当に返しているよ。無視したら燃えるっていうからさ」
「見せてもらえる?」
「あ……」
返事をする前にスマホを取られてしまった。そして、操作を始めてしまった。桜木さんにやっていたようなことだ。強引だと思いつつも、心配されたのが分かるから言い返さなかった。
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