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フリーゲ男爵夫人3
しおりを挟むお母上であるコロンバイン様が亡くなられてから、チェルシー様の様子は変わっていった。
物静かでありながら優しい彼女は、次第に意思疎通が困難になっていった。
「お母さまに叱られる。戻らないと」「お母さまの言う通りにしないと」と言って城を出ていこうとするので、私もギルバート様も苦労している。
リコリスからの襲撃もあり、彼女は幼児退行しているようだ。
その発言が妙だ。
モール男爵家から暴力を受けていたはずの彼女の恐怖の対象は、彼女の唯一の味方であるはずの母親だったからだ。
今の彼女は仕切りに母親の名を呼んで、震え、涙を流して怯えている。
もう限界だった。
彼女には国内でも有数の精神病院に入れることにした。
母親が虐げられた先の家の人間に殺されたのだから、自然でしょうね。世間的には。
「後の事は医者とギルバートに任せよう」
「ええ……」
ギルバート様はその病院でも付きっきりで看病していた。
瞬間、私によからぬ考えが浮かんだ。
もしチェルシー様の病気が治らず、二人に世継ぎが望まれなくなったら。
そこで私は腹を擦った。
この子が公国を導く存在になるだろう。
――いつそうなってもいいように、しっかりと生まれてきてね。真実の愛の結晶……
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