32 / 56
21.
しおりを挟む
城田がふられたと聞いてから三週間、城田はフラれたというのが嘘だったかのようにスパイスから調合する本格カレーを楽しそうに作っている。
「黒川、味見してー」
「OK、、、うんめっちゃ美味い、本当城田料理上手いな嫁にしたいわ」
「俺も結婚したい」
「はいはい、」
このバカップルのような会話も、
「あ、黒川口、付いてる、」
城田に口を拭かれることも、家の中で世話を焼かれることをことごとく受け入れて最早それに慣れてしまっている。
花岡に「ちゃんとお前以外に構いたい人が出来たら城田の気もそっちに行くから無理に恋人とか考える必要は無いだろ、そもそも城田だって無理矢理恋人を作らされても迷惑だろ」
と至極ごもっともなことを言われてしまい俺は城田過保護脱却大作戦中止を決意し、城田の失恋アフターケアーに集中することにした。
と言っても俺も最初は城田の失恋の傷を癒すつもりでされるがままだったが今では城田が見せる笑顔を見る為にやっているようなところもある。
城田が笑顔なら俺も嬉しい、というやつだ。
慣れとは恐ろしいもので最初の一週間は家の中のようなラブラブカップルのようなやり取りを外では断固として拒絶していたのだが、
家の中で受け入れた過保護をついうっかり大学でも受け入れてしまい、しまったと思って周りを見渡すも、最初は好奇の目で見られていたのだが何度かやっているうちに周りも慣れたのか徐々に見られることも完全に無くなった訳では無いが少なくなっていった。
大学内ではカップル扱いのようになっているので、今どう思われるかより城田がちゃんと好きな人が出来てその人に今俺にやっているような事をその人にした時、俺がフラれたと思われて同情の目で見られないかの方が心配だ。
そのことを想像するときっと胸がチクチクと痛む。
そんな俺の悩みなど露知らず今も俺の口の汚れをせっせと拭く城田を見て、ふといたずら心が湧いてきた。
いつも世話を焼かれてばかりなのでたまにはこっちからも仕掛けてみようと思ったのだ。
「城田、はい、あーん」
俺がスプーンでカレーをすくい城田の前に持っていくと、城田は初めての俺からのあーんにフリーズしていた。
どうだ俺の普段の気恥しさが分かったか。
なかなかフリーズから戻らない城田にいたずら心が膨らんでいく。
「何恥ずかしい?ならもうやめとくか」
そう言って自分で食べようとすると城田は急いでスプーンのカレーを口に入れる。
そして満面の笑みを向けてくる。
これは
「今までで1番美味しいカレーだ」
「作ったのは城田だろ」
「そうじゃなくて食べさせてくれたのが黒川だから美味しいんだよ」
「ホストか!もうやらない!」
もう1回とねだってくる城田を無視して、二度とあーんを自分からしまいと誓う。
なぜなら俺の手から城田がカレーを食べて満面の笑みを向けてきた時、俺の心臓が壊れそうなほど激しく動いていてこんなの何回もしてたら俺の心臓がもたない。
俺みたいなのに餌付けしてもなんにも思わないだろうが、城田のようなイケメンへの餌付けは絵面的に背徳感がものすごいのだ。
この誓いが破られる日があんなにすぐに来るとは思ってもみなかった。
「黒川、味見してー」
「OK、、、うんめっちゃ美味い、本当城田料理上手いな嫁にしたいわ」
「俺も結婚したい」
「はいはい、」
このバカップルのような会話も、
「あ、黒川口、付いてる、」
城田に口を拭かれることも、家の中で世話を焼かれることをことごとく受け入れて最早それに慣れてしまっている。
花岡に「ちゃんとお前以外に構いたい人が出来たら城田の気もそっちに行くから無理に恋人とか考える必要は無いだろ、そもそも城田だって無理矢理恋人を作らされても迷惑だろ」
と至極ごもっともなことを言われてしまい俺は城田過保護脱却大作戦中止を決意し、城田の失恋アフターケアーに集中することにした。
と言っても俺も最初は城田の失恋の傷を癒すつもりでされるがままだったが今では城田が見せる笑顔を見る為にやっているようなところもある。
城田が笑顔なら俺も嬉しい、というやつだ。
慣れとは恐ろしいもので最初の一週間は家の中のようなラブラブカップルのようなやり取りを外では断固として拒絶していたのだが、
家の中で受け入れた過保護をついうっかり大学でも受け入れてしまい、しまったと思って周りを見渡すも、最初は好奇の目で見られていたのだが何度かやっているうちに周りも慣れたのか徐々に見られることも完全に無くなった訳では無いが少なくなっていった。
大学内ではカップル扱いのようになっているので、今どう思われるかより城田がちゃんと好きな人が出来てその人に今俺にやっているような事をその人にした時、俺がフラれたと思われて同情の目で見られないかの方が心配だ。
そのことを想像するときっと胸がチクチクと痛む。
そんな俺の悩みなど露知らず今も俺の口の汚れをせっせと拭く城田を見て、ふといたずら心が湧いてきた。
いつも世話を焼かれてばかりなのでたまにはこっちからも仕掛けてみようと思ったのだ。
「城田、はい、あーん」
俺がスプーンでカレーをすくい城田の前に持っていくと、城田は初めての俺からのあーんにフリーズしていた。
どうだ俺の普段の気恥しさが分かったか。
なかなかフリーズから戻らない城田にいたずら心が膨らんでいく。
「何恥ずかしい?ならもうやめとくか」
そう言って自分で食べようとすると城田は急いでスプーンのカレーを口に入れる。
そして満面の笑みを向けてくる。
これは
「今までで1番美味しいカレーだ」
「作ったのは城田だろ」
「そうじゃなくて食べさせてくれたのが黒川だから美味しいんだよ」
「ホストか!もうやらない!」
もう1回とねだってくる城田を無視して、二度とあーんを自分からしまいと誓う。
なぜなら俺の手から城田がカレーを食べて満面の笑みを向けてきた時、俺の心臓が壊れそうなほど激しく動いていてこんなの何回もしてたら俺の心臓がもたない。
俺みたいなのに餌付けしてもなんにも思わないだろうが、城田のようなイケメンへの餌付けは絵面的に背徳感がものすごいのだ。
この誓いが破られる日があんなにすぐに来るとは思ってもみなかった。
55
あなたにおすすめの小説
ハッピーライフのために地味で根暗な僕がチャラ男会計になるために
ミカン
BL
地味で根暗な北斗が上手く生きていくために王道学園でチャラ男会計になる話
※主人公へのいじめ描写ありのため苦手な方は閲覧ご注意下さい。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
【完結】俺とあの人の青い春
月城雪華
BL
高校一年の夏、龍冴(りょうが)は二つ上の先輩である椰一(やいち)と付き合った。
けれど、告白してくれたにしては制限があまりに多過ぎると思っていた。
ぼんやりとした不信感を抱いていたある日、見知らぬ相手と椰一がキスをしている場面を目撃してしまう。
けれど友人らと話しているうちに、心のどこかで『椰一はずっと前から裏切っていた』と理解していた。
それでも悲しさで熱い雫が溢れてきて、ひと気のない物陰に座り込んで泣いていると、ふと目の前に影が差す。
「大丈夫か?」
涙に濡れた瞳で見上げると、月曜日の朝──その数日前にも件の二人を見掛け、書籍を落としたのだがわざわざ教室まで届けてくれたのだ──にも会った、一学年上の大和(やまと)という男だった。
バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?
cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
美人王配候補が、すれ違いざまにめっちゃ睨んでくるんだが?
あだち
BL
戦場帰りの両刀軍人(攻)が、女王の夫になる予定の貴公子(受)に心当たりのない執着を示される話。ゆるめの設定で互いに殴り合い罵り合い、ご都合主義でハッピーエンドです。
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
僕を惑わせるのは素直な君
秋元智也
BL
父と妹、そして兄の家族3人で暮らして来た。
なんの不自由もない。
5年前に病気で母親を亡くしてから家事一切は兄の歩夢が
全てやって居た。
そこへいきなり父親からも唐突なカミングアウト。
「俺、再婚しようと思うんだけど……」
この言葉に驚きと迷い、そして一縷の不安が過ぎる。
だが、好きになってしまったになら仕方がない。
反対する事なく母親になる人と会う事に……。
そこには兄になる青年がついていて…。
いきなりの兄の存在に戸惑いながらも興味もあった。
だが、兄の心の声がどうにもおかしくて。
自然と聞こえて来てしまう本音に戸惑うながら惹かれて
いってしまうが……。
それは兄弟で、そして家族で……同性な訳で……。
何もかも不幸にする恋愛などお互い苦しみしかなく……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる