31 / 56
20.
しおりを挟む
「二人ともお疲れ様、今日は上がって良いよ、気をつけて帰るんだよ。」
今バイトが終わり俺たちは二人で着替えている。
そう、俺と城田の二人で、、
退院して初めてバイトに入った時、何故か城田もバイトで入っていた。
なんでも俺が入院している間俺の代わりとして城田がバイトしてくれていたらしい、城田がバイトを始めてから明らかに女性客が増えて売上も上がりそのままここで働いてくれるようにオーナーが頼んだらしいのだが、問題はそのシフトである。
俺と城田のシフトが全く同じなのだ。
そしてバイト先でも城田の過保護は健在で、何かと俺の心配をしては手伝おうとするし、さっきは少しよろけただけで城田が飛んできて肩を抱き寄せてきた。
城田目当てで増えた女性客の何人かがその光景を見て嬉しい悲鳴をあげていた。
よく見ると大学で見かける顔が何人か紛れていた。
このままでは過保護脱却がより遠ざかってしまう。
どうしてこんなに城田と一緒なのかオーナーに聞いたら、あの事件があって俺が心配だからだと言われてしまった。
花岡から俺と城田が一緒に住んでいることを聞いていたらしく、なら同じシフトにして一緒に帰れば安全だと考えたらしい。
そんな風に言われてしまえば納得せざるえない。退院してからオーナーのお疲れ様の挨拶に必ず「気を付けて帰ってね」が着くようになったのだ。本当に色んな人に心配をかけてしまっている自分が情けない。
とにかくこれで俺たちは違う講義を受ける時間以外は一日中一緒にいることになる。
そしてそれが別に嫌じゃないことに俺は危機感を覚えている。
この状況に慣れすぎてしまったら、もし本当に城田が誰かと付き合った時俺はどうなってしまうのか。
花岡には止められたがここは作戦を急ぐためにも現状を知っておく必要がある。
俺は勇気をだしてオシャレな私服に着替え終わった城田に聞くことにした。
「それでさ城田、モデル関係の人へのアプローチは上手くいってるの?」
「モデル関係?」
「城田がアプローチしてる好きな人ってモデルの仕事関係の人だろ?」
城田は驚いた顔をして俺を凝視する。
どうやら図星のようだ俺の推理力を甘く見ていたらしい。
しかしその後城田は盛大にため息をついて何やらぶつぶつ言い始めた。
内容は聞き取らないがかなり落ち込んでいるように見える。
もしかして、、、
「ふられたよ。」
しばらく沈黙が流れたあと城田がポつりと呟いた。
まさかあの城田がふられるなんて思いもよらなかった。
俺がどう返したらいいか悩んでいると、城田が俺の肩をつかんだ。
「俺ふられて辛いんだ、今は何か別のことに専念したい、例えば黒川のお世話とか、、、
友達の傷心を癒すと思って俺のお世話を受け入れてくれない?」
予想外のお願いをされてしまった。
もちろん城田にとってそれで気が紛れるというのなら協力したいが、それを受け入れるということは俺の過保護脱却大作戦の真逆になってしまうことを意味する。
「ごめん、忘れて、こんな頼み気持ち悪いよな」
俺が少し迷っていると城田悲しそうな顔をしてお願いを取り消してきた。
そんな顔されたら断れる訳ないそれに、、
「気持ち悪いわけないだろ、ちょっとびっくりしただけで、むしろ城田に迷惑かけてばっかりな気がして、、」
「迷惑だなんて思ったことない、むしろ俺今、黒川のお世話をしてる時が1番癒されるんだ。」
、、、俺は自分の事ばかり考えていた。
今は先の俺のことは考えずに、せっかく仲良くなれた大事な友達の失恋の傷を癒すことを考えよう。
なんで俺の世話が癒されるのか全くもって謎ではあるが、、、
「分かった、でも人前ではほどほどにな。」
城田は「本当に」っと満面の笑みで喜んでいた。なんか一緒に住む時も同じ手で手懐けられた気がするが、
本当に嬉しそうで、失恋したとは思えない笑顔に深くは考えないことにした。
今バイトが終わり俺たちは二人で着替えている。
そう、俺と城田の二人で、、
退院して初めてバイトに入った時、何故か城田もバイトで入っていた。
なんでも俺が入院している間俺の代わりとして城田がバイトしてくれていたらしい、城田がバイトを始めてから明らかに女性客が増えて売上も上がりそのままここで働いてくれるようにオーナーが頼んだらしいのだが、問題はそのシフトである。
俺と城田のシフトが全く同じなのだ。
そしてバイト先でも城田の過保護は健在で、何かと俺の心配をしては手伝おうとするし、さっきは少しよろけただけで城田が飛んできて肩を抱き寄せてきた。
城田目当てで増えた女性客の何人かがその光景を見て嬉しい悲鳴をあげていた。
よく見ると大学で見かける顔が何人か紛れていた。
このままでは過保護脱却がより遠ざかってしまう。
どうしてこんなに城田と一緒なのかオーナーに聞いたら、あの事件があって俺が心配だからだと言われてしまった。
花岡から俺と城田が一緒に住んでいることを聞いていたらしく、なら同じシフトにして一緒に帰れば安全だと考えたらしい。
そんな風に言われてしまえば納得せざるえない。退院してからオーナーのお疲れ様の挨拶に必ず「気を付けて帰ってね」が着くようになったのだ。本当に色んな人に心配をかけてしまっている自分が情けない。
とにかくこれで俺たちは違う講義を受ける時間以外は一日中一緒にいることになる。
そしてそれが別に嫌じゃないことに俺は危機感を覚えている。
この状況に慣れすぎてしまったら、もし本当に城田が誰かと付き合った時俺はどうなってしまうのか。
花岡には止められたがここは作戦を急ぐためにも現状を知っておく必要がある。
俺は勇気をだしてオシャレな私服に着替え終わった城田に聞くことにした。
「それでさ城田、モデル関係の人へのアプローチは上手くいってるの?」
「モデル関係?」
「城田がアプローチしてる好きな人ってモデルの仕事関係の人だろ?」
城田は驚いた顔をして俺を凝視する。
どうやら図星のようだ俺の推理力を甘く見ていたらしい。
しかしその後城田は盛大にため息をついて何やらぶつぶつ言い始めた。
内容は聞き取らないがかなり落ち込んでいるように見える。
もしかして、、、
「ふられたよ。」
しばらく沈黙が流れたあと城田がポつりと呟いた。
まさかあの城田がふられるなんて思いもよらなかった。
俺がどう返したらいいか悩んでいると、城田が俺の肩をつかんだ。
「俺ふられて辛いんだ、今は何か別のことに専念したい、例えば黒川のお世話とか、、、
友達の傷心を癒すと思って俺のお世話を受け入れてくれない?」
予想外のお願いをされてしまった。
もちろん城田にとってそれで気が紛れるというのなら協力したいが、それを受け入れるということは俺の過保護脱却大作戦の真逆になってしまうことを意味する。
「ごめん、忘れて、こんな頼み気持ち悪いよな」
俺が少し迷っていると城田悲しそうな顔をしてお願いを取り消してきた。
そんな顔されたら断れる訳ないそれに、、
「気持ち悪いわけないだろ、ちょっとびっくりしただけで、むしろ城田に迷惑かけてばっかりな気がして、、」
「迷惑だなんて思ったことない、むしろ俺今、黒川のお世話をしてる時が1番癒されるんだ。」
、、、俺は自分の事ばかり考えていた。
今は先の俺のことは考えずに、せっかく仲良くなれた大事な友達の失恋の傷を癒すことを考えよう。
なんで俺の世話が癒されるのか全くもって謎ではあるが、、、
「分かった、でも人前ではほどほどにな。」
城田は「本当に」っと満面の笑みで喜んでいた。なんか一緒に住む時も同じ手で手懐けられた気がするが、
本当に嬉しそうで、失恋したとは思えない笑顔に深くは考えないことにした。
34
あなたにおすすめの小説
ハッピーライフのために地味で根暗な僕がチャラ男会計になるために
ミカン
BL
地味で根暗な北斗が上手く生きていくために王道学園でチャラ男会計になる話
※主人公へのいじめ描写ありのため苦手な方は閲覧ご注意下さい。
【完結】俺とあの人の青い春
月城雪華
BL
高校一年の夏、龍冴(りょうが)は二つ上の先輩である椰一(やいち)と付き合った。
けれど、告白してくれたにしては制限があまりに多過ぎると思っていた。
ぼんやりとした不信感を抱いていたある日、見知らぬ相手と椰一がキスをしている場面を目撃してしまう。
けれど友人らと話しているうちに、心のどこかで『椰一はずっと前から裏切っていた』と理解していた。
それでも悲しさで熱い雫が溢れてきて、ひと気のない物陰に座り込んで泣いていると、ふと目の前に影が差す。
「大丈夫か?」
涙に濡れた瞳で見上げると、月曜日の朝──その数日前にも件の二人を見掛け、書籍を落としたのだがわざわざ教室まで届けてくれたのだ──にも会った、一学年上の大和(やまと)という男だった。
美人王配候補が、すれ違いざまにめっちゃ睨んでくるんだが?
あだち
BL
戦場帰りの両刀軍人(攻)が、女王の夫になる予定の貴公子(受)に心当たりのない執着を示される話。ゆるめの設定で互いに殴り合い罵り合い、ご都合主義でハッピーエンドです。
バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?
cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
あと一度だけでもいいから君に会いたい
藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。
いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。
もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。
※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります
『聖クロノア学院恋愛譚 』記憶を失ったベータと王族アルファ、封印された過去が愛を試すまで
るみ乃。
BL
聖クロノア学院で、記憶と感情が静かに交差する。
「君の中の、まだ知らない“俺”に、触れたかった」
記憶を失ったベータの少年・ユリス。
彼の前に現れたのは、王族の血を引くアルファ・レオンだった。
封じられた記憶。
拭いきれない心の傷。
噛み合わない言葉と、すれ違う想い。
謎に包まれた聖クロノア学院のなかで、
ふたりの距離は、近づいては揺れ、また離れていく。
触れたいのに、触れられない。
心を開けば、過去が崩れてしまう。
それでも彼らは、確かめずにはいられなかった。
――やがて、学院の奥底に眠る真実が、静かに目を覚ます。
過去と向き合い、誰かと繋がることでしか見えない未来がある。
許し、選びなおし、そしてささやかな祈り。
孤独だった少年たちは、いつしか「願い」を知っていく。
これは、ふたりの愛の物語であると同時に、
誰かの傷が、誰かの救いへと変わっていく物語。
運命に抗うのは、誰か。
未来を選ぶのは、誰なのか。
優しさと痛みが交差する場所で、物語は紡がれる。
僕を惑わせるのは素直な君
秋元智也
BL
父と妹、そして兄の家族3人で暮らして来た。
なんの不自由もない。
5年前に病気で母親を亡くしてから家事一切は兄の歩夢が
全てやって居た。
そこへいきなり父親からも唐突なカミングアウト。
「俺、再婚しようと思うんだけど……」
この言葉に驚きと迷い、そして一縷の不安が過ぎる。
だが、好きになってしまったになら仕方がない。
反対する事なく母親になる人と会う事に……。
そこには兄になる青年がついていて…。
いきなりの兄の存在に戸惑いながらも興味もあった。
だが、兄の心の声がどうにもおかしくて。
自然と聞こえて来てしまう本音に戸惑うながら惹かれて
いってしまうが……。
それは兄弟で、そして家族で……同性な訳で……。
何もかも不幸にする恋愛などお互い苦しみしかなく……。
血のつながらない弟に誘惑されてしまいました。【完結】
まつも☆きらら
BL
突然できたかわいい弟。素直でおとなしくてすぐに仲良くなったけれど、むじゃきなその弟には実は人には言えない秘密があった。ある夜、俺のベッドに潜り込んできた弟は信じられない告白をする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる