刺されて始まる恋もある

神山おが屑

文字の大きさ
45 / 56

31.

しおりを挟む
キスをして離れた後お互いの顔を見つめ言葉を交わさないまま、またキスをするそんなことを何度も繰り返してどれくらいが過ぎただろう。

「へクシッ」

唇と唇を合わせるだけのキスで幸せに浸っていた俺は城田のくしゃみで我に返る。

そういえば城田は風呂から上がってずっとパンイチだった。
、、、城田、心なしか膨らみが大きいような。

、、、かくゆう俺も少し、、

「ご、ごめん、城田。風邪ひく前に服着てくれ、、、その、目のやり場に困る。」

堪らず俺が言うと城田は少しニヤニヤしながら

「黒川、なんかやらしいこと考えてる?」

「なっ、違っ、」

いや、めっちゃ考えてたが言えるわけもないし正直、ファーストキスでいっぱいいっぱいだ。

「ふふ、冗談だよ、半分ね」

「半分とは?」

「正直、続きをしたい気持ちはあるけど、俺黒川のことちゃんと大切にしたいからさ、ゆっくりちょっとずつ進めていこう、ね?」

クソ、また惚れ直してしまったこのイケメンが!

俺が顔真っ赤になったのを隠すように顔を背けるとクスクスと笑って服を着るために離れていった。


その日は城田とのキスが何度も何度も頭に浮かんでしまいベッドの上で転がりながら悶え続け寝れたのは明け方近くになった頃だった。



城田とのファーストキスの次の日城田は風邪で大学を休んだ。
風呂上がりに裸のまま居たのが良くなかったのかもしれない。
熱が38度以上あったから俺も病院に付き添おうとしたが城田に大丈夫だからと断られてしまった。

心配だが城田も気を使ってしまうだろうからいつも通り大学に行くことにした。
バイトは朝オーナーに城田の風邪のことを伝えたら看病してあげてと俺も休みを貰った。
ただ一度帰る時に店によって欲しいらしい。

「意外だな、雪人が風邪なんて体調管理もバッチリな完璧超人ってイメージなのに、、、なんか月兎も寝不足みたいだし、もしかして昨日裸で風邪ひくようなことでもしてたとか?」

いつもならすぐに「ハイハイ」と受け流すところだが教室でニヤニヤしてからかって来る花岡の言葉に昨日のキスと城田のパンイチ姿が頭に浮かび、俺はすぐに返事を返す事が出来なかった。

「、、、え、マジ?図星?」

ガタンッとまた誰かが教室を走って出ていった。絶対勘違いしただろ!

「ち、違う、いや、その花岡が想像してるようなことはしてないから!」

「そこまではしなくとも、何か心当たりのあることはしたんだ」

「それは、、、その」

また誰かが教室を走って出ていく。
うん、もう変な噂が流れることは諦めた。

「まぁ詳しくは聞かないで置いてやるよ、、、ただ看病してたら熱に浮かされた恋人に襲われるっなんてのも漫画でよくあるパターンだよな」

「なっ、城田に限ってそんなのある訳ないだろ」

また誰かが走って、、いやもういいよ、というか今のは花岡の勝手な妄想だぞ!

とはいえこれから看病する身としては花岡の言葉のせいで少し意識してしまったのは確かだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ハッピーライフのために地味で根暗な僕がチャラ男会計になるために

ミカン
BL
地味で根暗な北斗が上手く生きていくために王道学園でチャラ男会計になる話 ※主人公へのいじめ描写ありのため苦手な方は閲覧ご注意下さい。

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

【完結】俺とあの人の青い春

月城雪華
BL
 高校一年の夏、龍冴(りょうが)は二つ上の先輩である椰一(やいち)と付き合った。  けれど、告白してくれたにしては制限があまりに多過ぎると思っていた。  ぼんやりとした不信感を抱いていたある日、見知らぬ相手と椰一がキスをしている場面を目撃してしまう。  けれど友人らと話しているうちに、心のどこかで『椰一はずっと前から裏切っていた』と理解していた。  それでも悲しさで熱い雫が溢れてきて、ひと気のない物陰に座り込んで泣いていると、ふと目の前に影が差す。 「大丈夫か?」  涙に濡れた瞳で見上げると、月曜日の朝──その数日前にも件の二人を見掛け、書籍を落としたのだがわざわざ教室まで届けてくれたのだ──にも会った、一学年上の大和(やまと)という男だった。

バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?

cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき) ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。 「そうだ、バイトをしよう!」 一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。 教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった! なんで元カレがここにいるんだよ! 俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。 「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」 「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」 なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ! もう一度期待したら、また傷つく? あの時、俺たちが別れた本当の理由は──? 「そろそろ我慢の限界かも」

美人王配候補が、すれ違いざまにめっちゃ睨んでくるんだが?

あだち
BL
戦場帰りの両刀軍人(攻)が、女王の夫になる予定の貴公子(受)に心当たりのない執着を示される話。ゆるめの設定で互いに殴り合い罵り合い、ご都合主義でハッピーエンドです。

あと一度だけでもいいから君に会いたい

藤雪たすく
BL
異世界に転生し、冒険者ギルドの雑用係として働き始めてかれこれ10年ほど経つけれど……この世界のご飯は素材を生かしすぎている。 いまだ食事に馴染めず米が恋しすぎてしまった為、とある冒険者さんの事が気になって仕方がなくなってしまった。 もう一度あの人に会いたい。あと一度でもあの人と会いたい。 ※他サイト投稿済み作品を改題、修正したものになります

僕を惑わせるのは素直な君

秋元智也
BL
父と妹、そして兄の家族3人で暮らして来た。 なんの不自由もない。 5年前に病気で母親を亡くしてから家事一切は兄の歩夢が 全てやって居た。 そこへいきなり父親からも唐突なカミングアウト。 「俺、再婚しようと思うんだけど……」 この言葉に驚きと迷い、そして一縷の不安が過ぎる。 だが、好きになってしまったになら仕方がない。 反対する事なく母親になる人と会う事に……。 そこには兄になる青年がついていて…。 いきなりの兄の存在に戸惑いながらも興味もあった。 だが、兄の心の声がどうにもおかしくて。 自然と聞こえて来てしまう本音に戸惑うながら惹かれて いってしまうが……。 それは兄弟で、そして家族で……同性な訳で……。 何もかも不幸にする恋愛などお互い苦しみしかなく……。

処理中です...