刺されて始まる恋もある

神山おが屑

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32.

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「城田、具合はどう?」

「あ、おかえり、黒川。病院で貰った薬で今は熱が下がってるから大分楽だよ。」

確かに朝より顔色が良くて元気そうだったが熱を計ってみると、下がっているとはいえまだ37度近い熱があった。
それに声が少しかすれていて弱っている城田は、、、なんか色っぽい。

あーもう花岡が変な事言うから変に意識してしまう。

「よ、良かった、オーナーが花岡家伝統のおかゆ作ってくれたから少し温めるな」

誤魔化すようにというか自分が変なことを考えていると城田に悟られないようにそそくさとキッチンに向かう。

帰りに寄ってくれと言われたバイト先でオーナーが城田用のおかゆと俺用のご飯まで作ってくれていた。
城田が元気になったら今度何かお返ししないとな。

折りたたみの机を城田のベッドの横に出しておかゆとスプーンを置く。

「ありがとう、伝染るといけないから自分で食べるよ黒川は部屋の外に、、」

ベッドの縁に座った城田が言い終わる前にふらつく。
慌てて城田の背中に手を回し支える。

「病人は無理も遠慮もするんじゃないの、伝染ったら今度は城田に看病してもらうよ。ほ、ほら口開けて」

城田に食べさせるのなんて何度もやってきたのにいつもよりかなり緊張する。

城田が弱って色気を出しまくっているし、そんな城田の体を支えるために密着しているせいで熱い城田の体温を感じるし少し早い心臓の音も聞こえて花岡の言葉が脳裏をよぎる。

「うん、なにこれめっちゃ美味いさすがオーナーだな」

「そ、そっか、レシピも教わってきたから明日また作ってやるよ」

危ない、危ない、相手は病人変なことを考えず看病に専念せねば。

「黒川なんか顔赤くない?、、もしかして俺の風邪が伝染ったとか?」

「違っ、大丈夫だからほらまだいっぱいあるぞ!」

城田が心配そうな目でチラチラと俺を見る。
俺は顔が赤くならないように意識すればするほど花岡の妄想が頭を支配してさらに赤くなる。

「やっぱり黒川赤いよ伝染ってるんじゃ、、」

城田が俺のおでこに手を当てて心配して来る。
顔に熱が集まるのが分かる。
心臓がうるさくてたまらない。

城田の顔が少しずつ近づいてきて限界を迎える。

「風邪で弱ってるお前が色っぽくて照れてるんだよ!」

驚いたような顔をした後城田が満面の笑顔になる。

「い、、、今のは違うくて」

「俺の事好きすぎるでしょ。」

「違っ、、うくはないけど、、、と、とにかく今は早く食べて、、」

城田が俺の頬にそっと触れるようなキスをする。

「伝染るといけないから今はこれで我慢ね」

顔が熱い!今絶対顔真っ赤だ。

「もう自分で食べろ!んで薬飲んで寝ろ!」

そう捨て台詞を残してたまらず俺は部屋を飛び出した。

あのタラシめ!俺を殺す気か!



それから看病の間終始ご機嫌な城田に翻弄され夜は変な想像ばかりしては眠れず免疫力が落ちたのか、城田の完全復活と引き換えに俺が風邪をひいてしまい今度は俺が治るまでご機嫌の城田に看病という名の元でデロデロに甘やかされた。
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