刺されて始まる恋もある

神山おが屑

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15.

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「ほら、忘れ物してへんか?後でパンツだけ取りに来るとか恥ずかしてようせんで」

「ようせんで?」

「出来ないって意味だよほら、母さんあんまり関西弁喋ると城田が困ってるだろ」

「関西人が関西弁喋って何が悪いねん、あんたこそ1年2年で関東に染まりよって、何が「だろ」や」

今日はやっと退院出来る日、母は元気になったら入院中の優しさはどこへやらだ。

対して退院しても城田の過保護は入院中と変わらない。

「ダメだよ、病み上がりなんだかほら、その荷物は俺が持つから、肩も貸そうか?」

むしろ悪化しているのではないだろうか?

とりあえず、肩は断り、荷物は持ってもらい、父の迎えの車に乗り込む。

日曜日の退院ということで妹を含めた家族総出で来てくれた。
会えば憎まれ口を叩いているが、なんだかんだ良い家族に恵まれたと思う。


「すみません、僕まで乗せてもらって」

「何言うとんや、これから息子がお世話になるんやから、こんくらいのことはさせてーな」


なんだろ父の言葉に少し違和感を覚えたのだが、、、
まぁ城田にはお世話になるのは事実なのだが、話し合って少しずつ城田の過保護を治していかないとな。


あと、花岡は今日バイトらしく、「後でちゃんとお祝いする、拒否権はなし」とメッセージが来ていた。
本当に良い友達を持ったな。



車の中ではもっぱら俺の家族が城田を褒めちぎっていた。
一体いつの間にそんなに仲良くなったのか疑問に思っていると、また違和感を感じる。

「父さん、道間違えてるんじゃない?」

「いや、こっちであっとるそんな鈍臭いことするわけないやろ、ええから任せとき」

いや、明らかに俺の部屋とは逆方向に向かっている。
だが父は合ってるの一点張り、心なしか他のメンバーも顔を逸らして口数が減っている。
何かを隠しているのは間違いない。
サプライズ的な?いや、何か嫌な予感がする。


「さぁ着いたで」

と言って父が車を停めたのは見たことの無いマンションだった。
10階ほどあるかなり高そうなマンションだ。

やっぱり目的地は俺の部屋では無かったらしい。
でもここは?
俺が疑問を口にする前にさぁさぁとみんなに背中を押される。

されるがままについて行くと、マンションの入り口のパネルを城田が操作してドアが開く。
どうやら暗証番号式らしい。

もしかしてここは城田が住んでいるマンションなのか?

エレベーターで4階まで上がり、その中のひとつの部屋の鍵を城田が開ける。
やはり城田の部屋で間違いないようだ。

「どうぞ皆さん」

「いやー、いつ来ても綺麗にしとってえらいなぁ」

母が感心したように部屋を見渡す。

いつ来ても?前にも何回かここに来たことあるのか?

もう頭が追いつかない。

「あのー、なんで城田の部屋に?」

俺の質問に両親と妹がニヤニヤし始め、母が放った衝撃の言葉に久々にフリーズする。




「なんでって、アンタ今日からここに城田くんと一緒に住むんやで」


、、、、
『何言うとんや、これから息子がお世話になるんやから、こんくらいのことはさせてーな』



父の言葉に感じた違和感の理由がやっと分かった。
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