70 / 140
第三章.寂寥のお絵かき
魔物調書.No215,581『絵師』※殺害済み
しおりを挟む
この書物は魔法使い相互組織『奈落の底』の管理下にある、魔物について纏めた物である。利用者は以下の項目を厳守せよ、
(一)書物を破損しないこと
(二)必ず元の場所へと戻し、司書へと報告すること
(三)持ち出しは厳禁
(四)読んだ事柄は口外禁止
(五)新たな情報は直接書き込まず、司書を通じて知らせること
(六)これら破った者は殺害する
以上を守って楽しく読書しましょうネ☆彡.。
by.図書館司書
▼▼▼▼▼▼▼
名称……『絵師』
推定討伐難度……レベルⅠ
出現地域……レナリア帝国・帝都。
起源……寂寥。
討伐者……レティシャ・シュヴァリエ、リーシャ・スミスの二名の合同。
容姿詳細……なだらかなウェーブの掛かった金髪に翡翠を嵌め込んだかのような瞳、透き通るような白い肌の絵に描いたようなレナリア人。
しかしながらその中身は魔物そのものであり、片親から半端に引き継いだ魔力が外側にまで侵食し影響を及ぼした結果として胴体の大半をキャンバスに、血液は既に絵の具と化していた。
戦闘詳細……彼女は唯一両親から相続した遺産であるその身に流れる血を常人よりも特別視しており、ただの血液以上の『価値』を見出していたようである。
その血液を絵の具として、自身の胴体の大半を占めるキャンバスに絵を描く事で絵の中の世界を現実にする事で強力な魔力災害を引き起こすが、その『対価』として彼女は加速度的に魔物化していった。
行動詳細……ガージュ伯爵別邸から基本は出て来ず日中ずっと引き篭って亡き両親を追い求めて絵を描くだけの毎日を過ごしていたようであるが奈落の底が派遣した魔法使いの少女達が現れてからは積極的に他者と交流し、遊ぶ事を覚えたようである。
以降は討伐者であるレティシャ・シュヴァリエ、リーシャ・スミス両名からの聞き取りによって『絵師』がどういった経緯で産まれたのか記したものである。
▼▼▼▼▼▼▼
半人半魔の『絵師』はレナリア人貴族のガージュ前伯爵を父親、ガナン人の魔法使いを母親としてこの世に生を受ける。
『パパ、ママ、見て?』
『これは……』
彼女は幼少の頃には既に精密な人物画や美麗な風景画を描き、周りの大人達を唸らせ『絵師』としての片鱗を見せる……これは母親の魔力と生まれつきの才能が合致したためだと思われる。
『さすが私たちの娘ね』
『あぁ、将来大物になるぞ!』
たとえ妾だと言えど……いや、妾だからこそ彼女の両親の仲は良好でありその娘であった『絵師』は溢れるほどの愛情を注がれて育った……絵を描く度に『凄い』『さすが』『天才だ』と持て囃す、彼女を産んでから暗い表情をする事が多かった両親は彼女が描いた絵を見せる時だけは心の底からの笑顔を見せる。
『……ミーナ、もう人前で絵を描いてはいけないよ?』
『どうして?』
しかしながら片親から半端に引き継いだ魔力は徐々に悪影響を及ぼしていく……彼女が悪戯好きな小人を描けばそれが現実に現れ使用人の物を隠したり、嫌いな大人が不幸になる絵を描けばそれが現実となる……彼女の身体を魔物へと造り替えながら。
『怖い狼さんが来るからね』
『……わかったわ』
幼い少女には理解し難い要求……しかし半分は魔物と化していた影響かその精神面は既に大人びており、異常なまでに聡い彼女は詳細は知らされていなくとも自分の前でだけは笑顔を絶やさなかった両親が思い詰めた表情をしていれば、嫌でも不味い事だと理解するとうもの。
『素敵な絵を描きましょう、パパとママの似顔絵を描きましょう』
そんな両親にまた心の底から笑って欲しくて少女、『絵師』は父親と母親の似顔絵を描いていく……いつにも増して外出し、家から居なくなる両親にまた『素敵』だと『凄い』と笑顔で褒めて貰いたくてひたすらに絵を描いていく。
『……今日から私がガージュ伯爵だ』
『……了解致しました』
しかしながら終ぞその似顔絵を両親に見せる事は叶わず、父親は裁判にかけられた後に絞首刑に、母親は裁判を経ずして火刑に処される……この頃から静かに彼女は狂い始める。
『パパ、ママ……?』
両親に見せるために描いた似顔絵を両親そのものに見立てて描く……半魔と化した影響から抑えつけられていた幼稚な精神が顔を出し、ひたすらに孤独や不安から来る寂寥を埋めようと……。
『これはパパとママじゃない!』
だが彼女は半端者の魔物である……母親から歪に受け継いだ魔力は『願望』を叶えるための『対価』として徐々に両親の顔を、声を、言葉を彼女から奪っていく。彼女が両親を求めて両親を描くほどにそれは歪な抽象画としてか表現は出来なくなっていく。
『違うの! 私のパパとママはそんな声でもない!』
必死に両親の事を思い出そうとすればする程に彼女の中の制御出来ない魔力は囁く……『願望を叶えたくば対価を』『パパとママが欲しいのなら対価を』……その様な事を彼女の両親の声で嘯く、その雑音に彼女は悩まされ夜も寝付けなくなってしまう。
『……どちら様?』
両親を追い求め、両親では無い絵を描き続けること数年……彼女の年齢も二桁になって幾ばくかの年月が経った頃、その四人……帝国政府から要請を受けて奈落の底が派遣した魔法使いが彼女の人生に現れる。
『素晴らしい! 素晴らしいですよお嬢様! あなたの絵には千金の価値がある!』
『……あなたは誰?』
『おっとこれは失礼、私はこういう者でしてね? 是非ともお嬢様には私と一緒にビジネスを──』
『──おいコラ』
最初は自分を殺しに来たのであろう四人組に何を思うでも無かった彼女だが不器用で心優しい少年に、情緒不安定になる自分に頓着せずスカウトを持ちかける少年に顔には出さずとも内心呆れ果てる。
『……わ、私た……ちと、友……人に、なっ、て……くれま、す……か……?』
『……友達?』
『そうよ! この私が友達になってあげるんだから泣いて喜びなさい!』
その四人組の中でも彼女が特に驚いたのはいつも何かに怯えているのに一本芯が通った少女と自分を必要以上に大きく見せるくせに本当は脆い少女の二人からの申し出であった……この時に彼女の寂しさは少しだけ薄まる。
『この……バーカ!』
『……それしか言えんのか』
『うっ……アホ!』
少年少女達は時に自分を差し置いて喧嘩をする事があるが外で遊ぶことを教え、人と会話することを思い出させる……なによりも数年ぶりに心の孤独を埋め、似顔絵を描けた事がなによりの喜びだったようだ。
『もう少し……もう少しだけ……』
どうせ先は長くないのだからと彼女は魔力の誘いに乗る……魔法使いであるピエロの格好を貫き通す少年達と友人となってくれた少女達とできるだけ長く過ごすために、狩人の絵を描く。自身の肉体と寿命……人間性という『対価』を捧げて狼を遠ざけ、殺し、罠を破壊する……そうして手に入れられたのはたったの三日という延命のみ……しかし彼女にとってその時間は山の金にも勝る『価値』だった。
『……そろそろ私を殺して?』
『いやだ……いやだよぉ…………』
この泣き虫で愛情深い友人と……内気ながらも前を見据える友人と……少しでも長く過ごせるならそれは『絵師』にとって掛け替えのない『価値』だった。
『……ほら私たち三人の絵よ? これで本当に最後の私からの贈り物』
『あっ……あぅ……』
『うぇ……ひっぐ……』
友人二人に最後の贈り物をして同年代の少女には到底できないであろう『死ぬ覚悟』を完了させた彼女に不器用なピエロからの餞別が降り注ぐ……それまで彼女の頭の中に響いていた雑音は止み、生まれて初めて普通の少女のような安らかな心持ちになれる……死ぬのには最高のシチュエーションだった。
『ありがとうミーナ、あなたは最高の友人よ……! 『騎士は心こそを救うべし』!』
両親を再現する事は終ぞ叶わなかったが最後に愛おしい友人二人の似顔絵を描けた事は『絵師』にとって──
『……ありがとう、二人のお陰で楽しかったわ』
──最高のお絵かきだったという。
▼▼▼▼▼▼▼
(一)書物を破損しないこと
(二)必ず元の場所へと戻し、司書へと報告すること
(三)持ち出しは厳禁
(四)読んだ事柄は口外禁止
(五)新たな情報は直接書き込まず、司書を通じて知らせること
(六)これら破った者は殺害する
以上を守って楽しく読書しましょうネ☆彡.。
by.図書館司書
▼▼▼▼▼▼▼
名称……『絵師』
推定討伐難度……レベルⅠ
出現地域……レナリア帝国・帝都。
起源……寂寥。
討伐者……レティシャ・シュヴァリエ、リーシャ・スミスの二名の合同。
容姿詳細……なだらかなウェーブの掛かった金髪に翡翠を嵌め込んだかのような瞳、透き通るような白い肌の絵に描いたようなレナリア人。
しかしながらその中身は魔物そのものであり、片親から半端に引き継いだ魔力が外側にまで侵食し影響を及ぼした結果として胴体の大半をキャンバスに、血液は既に絵の具と化していた。
戦闘詳細……彼女は唯一両親から相続した遺産であるその身に流れる血を常人よりも特別視しており、ただの血液以上の『価値』を見出していたようである。
その血液を絵の具として、自身の胴体の大半を占めるキャンバスに絵を描く事で絵の中の世界を現実にする事で強力な魔力災害を引き起こすが、その『対価』として彼女は加速度的に魔物化していった。
行動詳細……ガージュ伯爵別邸から基本は出て来ず日中ずっと引き篭って亡き両親を追い求めて絵を描くだけの毎日を過ごしていたようであるが奈落の底が派遣した魔法使いの少女達が現れてからは積極的に他者と交流し、遊ぶ事を覚えたようである。
以降は討伐者であるレティシャ・シュヴァリエ、リーシャ・スミス両名からの聞き取りによって『絵師』がどういった経緯で産まれたのか記したものである。
▼▼▼▼▼▼▼
半人半魔の『絵師』はレナリア人貴族のガージュ前伯爵を父親、ガナン人の魔法使いを母親としてこの世に生を受ける。
『パパ、ママ、見て?』
『これは……』
彼女は幼少の頃には既に精密な人物画や美麗な風景画を描き、周りの大人達を唸らせ『絵師』としての片鱗を見せる……これは母親の魔力と生まれつきの才能が合致したためだと思われる。
『さすが私たちの娘ね』
『あぁ、将来大物になるぞ!』
たとえ妾だと言えど……いや、妾だからこそ彼女の両親の仲は良好でありその娘であった『絵師』は溢れるほどの愛情を注がれて育った……絵を描く度に『凄い』『さすが』『天才だ』と持て囃す、彼女を産んでから暗い表情をする事が多かった両親は彼女が描いた絵を見せる時だけは心の底からの笑顔を見せる。
『……ミーナ、もう人前で絵を描いてはいけないよ?』
『どうして?』
しかしながら片親から半端に引き継いだ魔力は徐々に悪影響を及ぼしていく……彼女が悪戯好きな小人を描けばそれが現実に現れ使用人の物を隠したり、嫌いな大人が不幸になる絵を描けばそれが現実となる……彼女の身体を魔物へと造り替えながら。
『怖い狼さんが来るからね』
『……わかったわ』
幼い少女には理解し難い要求……しかし半分は魔物と化していた影響かその精神面は既に大人びており、異常なまでに聡い彼女は詳細は知らされていなくとも自分の前でだけは笑顔を絶やさなかった両親が思い詰めた表情をしていれば、嫌でも不味い事だと理解するとうもの。
『素敵な絵を描きましょう、パパとママの似顔絵を描きましょう』
そんな両親にまた心の底から笑って欲しくて少女、『絵師』は父親と母親の似顔絵を描いていく……いつにも増して外出し、家から居なくなる両親にまた『素敵』だと『凄い』と笑顔で褒めて貰いたくてひたすらに絵を描いていく。
『……今日から私がガージュ伯爵だ』
『……了解致しました』
しかしながら終ぞその似顔絵を両親に見せる事は叶わず、父親は裁判にかけられた後に絞首刑に、母親は裁判を経ずして火刑に処される……この頃から静かに彼女は狂い始める。
『パパ、ママ……?』
両親に見せるために描いた似顔絵を両親そのものに見立てて描く……半魔と化した影響から抑えつけられていた幼稚な精神が顔を出し、ひたすらに孤独や不安から来る寂寥を埋めようと……。
『これはパパとママじゃない!』
だが彼女は半端者の魔物である……母親から歪に受け継いだ魔力は『願望』を叶えるための『対価』として徐々に両親の顔を、声を、言葉を彼女から奪っていく。彼女が両親を求めて両親を描くほどにそれは歪な抽象画としてか表現は出来なくなっていく。
『違うの! 私のパパとママはそんな声でもない!』
必死に両親の事を思い出そうとすればする程に彼女の中の制御出来ない魔力は囁く……『願望を叶えたくば対価を』『パパとママが欲しいのなら対価を』……その様な事を彼女の両親の声で嘯く、その雑音に彼女は悩まされ夜も寝付けなくなってしまう。
『……どちら様?』
両親を追い求め、両親では無い絵を描き続けること数年……彼女の年齢も二桁になって幾ばくかの年月が経った頃、その四人……帝国政府から要請を受けて奈落の底が派遣した魔法使いが彼女の人生に現れる。
『素晴らしい! 素晴らしいですよお嬢様! あなたの絵には千金の価値がある!』
『……あなたは誰?』
『おっとこれは失礼、私はこういう者でしてね? 是非ともお嬢様には私と一緒にビジネスを──』
『──おいコラ』
最初は自分を殺しに来たのであろう四人組に何を思うでも無かった彼女だが不器用で心優しい少年に、情緒不安定になる自分に頓着せずスカウトを持ちかける少年に顔には出さずとも内心呆れ果てる。
『……わ、私た……ちと、友……人に、なっ、て……くれま、す……か……?』
『……友達?』
『そうよ! この私が友達になってあげるんだから泣いて喜びなさい!』
その四人組の中でも彼女が特に驚いたのはいつも何かに怯えているのに一本芯が通った少女と自分を必要以上に大きく見せるくせに本当は脆い少女の二人からの申し出であった……この時に彼女の寂しさは少しだけ薄まる。
『この……バーカ!』
『……それしか言えんのか』
『うっ……アホ!』
少年少女達は時に自分を差し置いて喧嘩をする事があるが外で遊ぶことを教え、人と会話することを思い出させる……なによりも数年ぶりに心の孤独を埋め、似顔絵を描けた事がなによりの喜びだったようだ。
『もう少し……もう少しだけ……』
どうせ先は長くないのだからと彼女は魔力の誘いに乗る……魔法使いであるピエロの格好を貫き通す少年達と友人となってくれた少女達とできるだけ長く過ごすために、狩人の絵を描く。自身の肉体と寿命……人間性という『対価』を捧げて狼を遠ざけ、殺し、罠を破壊する……そうして手に入れられたのはたったの三日という延命のみ……しかし彼女にとってその時間は山の金にも勝る『価値』だった。
『……そろそろ私を殺して?』
『いやだ……いやだよぉ…………』
この泣き虫で愛情深い友人と……内気ながらも前を見据える友人と……少しでも長く過ごせるならそれは『絵師』にとって掛け替えのない『価値』だった。
『……ほら私たち三人の絵よ? これで本当に最後の私からの贈り物』
『あっ……あぅ……』
『うぇ……ひっぐ……』
友人二人に最後の贈り物をして同年代の少女には到底できないであろう『死ぬ覚悟』を完了させた彼女に不器用なピエロからの餞別が降り注ぐ……それまで彼女の頭の中に響いていた雑音は止み、生まれて初めて普通の少女のような安らかな心持ちになれる……死ぬのには最高のシチュエーションだった。
『ありがとうミーナ、あなたは最高の友人よ……! 『騎士は心こそを救うべし』!』
両親を再現する事は終ぞ叶わなかったが最後に愛おしい友人二人の似顔絵を描けた事は『絵師』にとって──
『……ありがとう、二人のお陰で楽しかったわ』
──最高のお絵かきだったという。
▼▼▼▼▼▼▼
0
あなたにおすすめの小説
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます
天宮有
恋愛
私アリザは平民から側妃となり、国王ルグドに利用されていた。
王妃のシェムを愛しているルグドは、私を酷使する。
影で城の人達から「愚かな側妃」と蔑まれていることを知り、全てがどうでもよくなっていた。
私は我慢することをやめてルグドを助けず、愚かな側妃として生きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる