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本編
18話 思いがけない贈り物 その2
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「うわ、復活しとる」
「あら、ジャネットさん、今日は走って来なかったのですね」
ジャネットが店舗の2階、倉庫兼休憩室へ入るとエレインが何やらオリビアと話し込んでいた、その表情は快活であり、精力に溢れている、対してオリビアの方が何やら意気消沈気味のようでいつもの冷静さが失われている様子であった、普段から感情どころか体調の良し悪しも表に出さない娘である為、大変珍しい状態である、
「まぁ、ね、で、なにしとるの?」
天井の低い2階には店舗で使用する食材が麻袋に入って壁の一角を占め、さらに別の壁には制服として使用されている前掛けが吊るされている、こちらはどれが誰の物という訳では無く、従業員共用の制服として順繰りに使用されていた、さらに別の壁には小さな机が設えられ椅子が2脚置いてある、そこを休憩場所として利用しており、エレインとオリビアはそこに座って話し込んでいた、
「今後の展開を模索しておりました、後日経営陣を交えて相談したいと思いますわ」
エレインの声は明るくハキハキとしており、今朝の様子とはまるで真逆である、とても同じ人物とは思えず、ジャネットは薄ら寒い恐怖を覚えつつ、
「そう、で、給料はどうするの?皆来ると思うけど」
「あ、そうね、準備してあるわ、食堂に行きましょう」
勢い良く席を立つエレインに、ジャネットはハーと溜息とも呆れとも違う疑問と違和感が綯交ぜになった吐息含みの返答をするのであった。
「はい、お疲れ様でした、昨日迄の給金になりますわ、出勤表を確認頂いて間違いがなければこちらの金額になります、確認して納得頂けたらこちらに署名を、それと、こちらはちょっとした賞与になります、今後とも御協力下さいね」
ニコニコとエレインは学生部への給与支払いを進めていく、学生達は出勤表を確認しつつ提示された金額に驚きながらもさらに賞与が追加された事で小躍りして喜んでいた、
「さ、学生部は以上ですね、店舗担当の方は速やかに交代を、それと担当外の方は屋台の後始末をお願いします」
オリビアが学生分の支払いを終えたのを確認して指示を出す、学生達は黄色い歓声を上げつつもそれぞれに動き始めた、
「さて、次は婦人部ですね、少し待ちましょうか」
エレインは足元から数枚の木簡を取り上げつつオリビアに確認する、
「そうですね、あ、でもいらっしゃいましたね、逐次対応致しましょう」
とオリビアが玄関口からこちらを覗く婦人部の一人に気付いた、
「どうぞ、こちらです、あら、お子さん連れですか、初めましてかな?」
オリビアがニコニコと子供二人をその足に纏わりつかせた従業員を招き入れた、
「はい、お疲れ様でした・・・」
エレインは先程とほぼ同じ口上で愛想良く対応する、
「わ、いいんですか?こんなに」
「勿論です、今後ともこの給与を支払えるよう頑張りましょうね」
エレインの笑顔に従業員も満面の笑みとなる、
「さ、お子さん達も何か食べていく?美味しいわよ」
さらに子供達への気配りも忘れていない様子であった、子供達は何とも不思議そうにエレインを見上げ、
「うん、あのね、ミルクアイスって、とっても美味しいのよ、あのね、お母さんが作ってるの、でね、でね」
と楽し気に話し始めた、エレインと母親との関係を理解していない為の発言であるが、エレインはその一生懸命な様子に柔らかい笑みを浮かべ、
「そうか、ミルクアイスが好きなのね、私はブロンパンが好きよ」
「あ、そっちが好きー、あのね、あのね、イチゴ味なの、ちょっとすっぱいの、けど、美味しいの」
もう一人の子供も楽し気に話し出す、エレインは満面の笑みで二人の頭を撫でつけると、
「うん、なら、お店で頂いて行きなさい、そうね、今日はお好きな商品を御馳走するわ」
「え、いや、そこまでは、会長、申し訳ないですよ」
母親はやや渋面になりつつ遠慮するが、
「いいんです、オリビア、一緒に行ってそのように対応させなさい、それと他の方たちもそろそろ交代できたでしょうから、呼んできて」
「はい、お嬢様、さ、じゃ、何が食べたい?」
オリビアも子供二人に優しく微笑みながら三人を連れて食堂を出る、エレインはその背をニコニコと見送るのであった。
「いやー、大丈夫だろうか?何か変だよね」
「そうですね、オリビアさんに聞いてみないと、怖いくらいです」
ジャネットとケイスが屋台を掃除しつつ何とはなしに話し込む、
「あれですよ、その気分の上下動が大きすぎるのはそれはそれで病気らしいです」
「へー、流石、医学部ねー、そういう病気もあるの?」
「えぇ、ただ今回のあの感じは一過性のものであると思うので、病気とまではいかないかなとは思いますが・・・」
「そう願いたいなー、うん、何のかんの言ってもエレインさんが居なかったらこんな面白い状況にはならなかったしねー」
「そうですね、お給金もびっくりしちゃいましたね」
「うん、でも、確かにちゃんと売り上げはあるし、利益も出てるとは思うけど、今回のはちょっと貰い過ぎかもね」
「んー、そうですね、まぁ、でもオリビアさんも付いてますし、ほら、エレインさんも、この給料を貰えるように頑張ろうって言ってましたしね、始まったばかりですから」
「そう?そうかな、うん、取り合えずそういう事にしておこうか」
「こっちはイイ感じよ、そっちはどう?」
アニタがもう一つの屋台から離れ話に割って入ってきた、
「うん、こっちもいいと思うよ、うん、じゃ、倉庫に入れたら今日は仕舞いかな?」
「そうね、いちおう、エレインさんに確認してから・・・そうね、時間もあるし街に出ない?折角の給料日だし」
「お、いいねぇ、ケイスも行く?」
「いいんですか?」
「勿論だよ、ちゃんと働いて稼いだお金だしね、みんなでぱーっと、気持良く買い物しようぜ」
「よし、なら、ちゃっちゃと終わらせよう、あ、手を抜いちゃ駄目よ」
アニタはジャネットに釘を差しつつ笑顔になるのであった。
「あら、ジャネットさん、今日は走って来なかったのですね」
ジャネットが店舗の2階、倉庫兼休憩室へ入るとエレインが何やらオリビアと話し込んでいた、その表情は快活であり、精力に溢れている、対してオリビアの方が何やら意気消沈気味のようでいつもの冷静さが失われている様子であった、普段から感情どころか体調の良し悪しも表に出さない娘である為、大変珍しい状態である、
「まぁ、ね、で、なにしとるの?」
天井の低い2階には店舗で使用する食材が麻袋に入って壁の一角を占め、さらに別の壁には制服として使用されている前掛けが吊るされている、こちらはどれが誰の物という訳では無く、従業員共用の制服として順繰りに使用されていた、さらに別の壁には小さな机が設えられ椅子が2脚置いてある、そこを休憩場所として利用しており、エレインとオリビアはそこに座って話し込んでいた、
「今後の展開を模索しておりました、後日経営陣を交えて相談したいと思いますわ」
エレインの声は明るくハキハキとしており、今朝の様子とはまるで真逆である、とても同じ人物とは思えず、ジャネットは薄ら寒い恐怖を覚えつつ、
「そう、で、給料はどうするの?皆来ると思うけど」
「あ、そうね、準備してあるわ、食堂に行きましょう」
勢い良く席を立つエレインに、ジャネットはハーと溜息とも呆れとも違う疑問と違和感が綯交ぜになった吐息含みの返答をするのであった。
「はい、お疲れ様でした、昨日迄の給金になりますわ、出勤表を確認頂いて間違いがなければこちらの金額になります、確認して納得頂けたらこちらに署名を、それと、こちらはちょっとした賞与になります、今後とも御協力下さいね」
ニコニコとエレインは学生部への給与支払いを進めていく、学生達は出勤表を確認しつつ提示された金額に驚きながらもさらに賞与が追加された事で小躍りして喜んでいた、
「さ、学生部は以上ですね、店舗担当の方は速やかに交代を、それと担当外の方は屋台の後始末をお願いします」
オリビアが学生分の支払いを終えたのを確認して指示を出す、学生達は黄色い歓声を上げつつもそれぞれに動き始めた、
「さて、次は婦人部ですね、少し待ちましょうか」
エレインは足元から数枚の木簡を取り上げつつオリビアに確認する、
「そうですね、あ、でもいらっしゃいましたね、逐次対応致しましょう」
とオリビアが玄関口からこちらを覗く婦人部の一人に気付いた、
「どうぞ、こちらです、あら、お子さん連れですか、初めましてかな?」
オリビアがニコニコと子供二人をその足に纏わりつかせた従業員を招き入れた、
「はい、お疲れ様でした・・・」
エレインは先程とほぼ同じ口上で愛想良く対応する、
「わ、いいんですか?こんなに」
「勿論です、今後ともこの給与を支払えるよう頑張りましょうね」
エレインの笑顔に従業員も満面の笑みとなる、
「さ、お子さん達も何か食べていく?美味しいわよ」
さらに子供達への気配りも忘れていない様子であった、子供達は何とも不思議そうにエレインを見上げ、
「うん、あのね、ミルクアイスって、とっても美味しいのよ、あのね、お母さんが作ってるの、でね、でね」
と楽し気に話し始めた、エレインと母親との関係を理解していない為の発言であるが、エレインはその一生懸命な様子に柔らかい笑みを浮かべ、
「そうか、ミルクアイスが好きなのね、私はブロンパンが好きよ」
「あ、そっちが好きー、あのね、あのね、イチゴ味なの、ちょっとすっぱいの、けど、美味しいの」
もう一人の子供も楽し気に話し出す、エレインは満面の笑みで二人の頭を撫でつけると、
「うん、なら、お店で頂いて行きなさい、そうね、今日はお好きな商品を御馳走するわ」
「え、いや、そこまでは、会長、申し訳ないですよ」
母親はやや渋面になりつつ遠慮するが、
「いいんです、オリビア、一緒に行ってそのように対応させなさい、それと他の方たちもそろそろ交代できたでしょうから、呼んできて」
「はい、お嬢様、さ、じゃ、何が食べたい?」
オリビアも子供二人に優しく微笑みながら三人を連れて食堂を出る、エレインはその背をニコニコと見送るのであった。
「いやー、大丈夫だろうか?何か変だよね」
「そうですね、オリビアさんに聞いてみないと、怖いくらいです」
ジャネットとケイスが屋台を掃除しつつ何とはなしに話し込む、
「あれですよ、その気分の上下動が大きすぎるのはそれはそれで病気らしいです」
「へー、流石、医学部ねー、そういう病気もあるの?」
「えぇ、ただ今回のあの感じは一過性のものであると思うので、病気とまではいかないかなとは思いますが・・・」
「そう願いたいなー、うん、何のかんの言ってもエレインさんが居なかったらこんな面白い状況にはならなかったしねー」
「そうですね、お給金もびっくりしちゃいましたね」
「うん、でも、確かにちゃんと売り上げはあるし、利益も出てるとは思うけど、今回のはちょっと貰い過ぎかもね」
「んー、そうですね、まぁ、でもオリビアさんも付いてますし、ほら、エレインさんも、この給料を貰えるように頑張ろうって言ってましたしね、始まったばかりですから」
「そう?そうかな、うん、取り合えずそういう事にしておこうか」
「こっちはイイ感じよ、そっちはどう?」
アニタがもう一つの屋台から離れ話に割って入ってきた、
「うん、こっちもいいと思うよ、うん、じゃ、倉庫に入れたら今日は仕舞いかな?」
「そうね、いちおう、エレインさんに確認してから・・・そうね、時間もあるし街に出ない?折角の給料日だし」
「お、いいねぇ、ケイスも行く?」
「いいんですか?」
「勿論だよ、ちゃんと働いて稼いだお金だしね、みんなでぱーっと、気持良く買い物しようぜ」
「よし、なら、ちゃっちゃと終わらせよう、あ、手を抜いちゃ駄目よ」
アニタはジャネットに釘を差しつつ笑顔になるのであった。
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