1,262 / 1,471
本編
79話 兄貴達 その26
しおりを挟む
「今朝もねー、あのチーズにフリカケかけたら美味しいかもなーって思ってねー」
シャーレをテーブルに置きつつソフィアはほくそ笑む、
「でねー、それだとほら魚臭くなっちゃうかなーって思っててー」
「なに?お腹空いてるの?」
ギンとばかりにユーリがソフィアを睨みつけるも、
「そう言う訳じゃないけどさ、なんとなく、これ見てたら・・・思い出しちゃってー」
ニヤーと微笑むソフィア、ムッと睨み返すユーリ、
「で、どうかしら?」
ソフィアがいよいよ得意げに微笑むと、
「・・・悪くないわね、そっか・・・インクとして使うんじゃなくて、先に描いてそこに混ぜればいいのよね」
「そんな感じだと思うわよ、昨日聞いた感じだとインクとして使えないかもってことだったし、陶器板の溝?あれをもう少し深くして」
「乾く前にふりかける?」
「そっ、それであれば均等に混ざると思うけど・・・でも、あれか、あくまで上の方だけで下まではいかないか・・・」
「いや、いいかもよ、その小皿で混ぜた時には固まるって言うか一か所に集まる感じだったんだけど、その隙間がなければ動けなくなる・・・と思うし・・・」
「そう?」
「うん、出来そうね・・・」
「それは良かった」
ニコリと微笑むソフィアである、
「・・・で、他には?」
ユーリがゆっくりと顔を上げる、ユーリがどうしてもソフィアに勝てない点、それがこの柔軟な発想と思いつき、さらには気が向いた時の爆発的な行動力である、昔からこうなのだ、ユーリがウンウン悩んでいるとこーすればーと背中から声をかけられ、その気まぐれな助言がまたピタリと問題に当てはまる、村を出た時もそうである、街に行くわよとユーリは引きづり出されるように連れ出され、よくよく聞いてみれば金も頼りも無い、それじゃ駄目だろとソフィアをなじるも、あんたと一緒ならなんとかなるわよと自信満々で、それがいつのまにやらこうなっている、ほとほと困った幼馴染であった、
「他?」
「まだあるんじゃない?」
「・・・どうかなー・・・」
ソフィアはウーンと首を傾げながらシャーレを見つめる、
「昨日もだって色々やってみたんでしょ?」
「そうよ」
「今・・・思いつくのは似たような事かしら・・・あるとすれば・・・あれね、水を含んだ状態で・・・そっか、インクを吸い込む事は出来た?」
「やったけど無理だったわね、水分だけ吸収する感じで、肝心の部分は吸い込まない?」
「そっか、インクに魔力を流した状態で混ぜるとか?」
「やってみたけど変わらないかしら」
「・・・んー、じゃ、そんなもんじゃないの?あとやるとすれば・・・」
何かあるかなとさらに首を傾げてウーンと天井を見上げるソフィア、
「あっ、熱を加えるとかかしら?鉄とかガラスみたいに?」
「それはまだやってないけど・・・少しずれる?」
「そうね、それは無色の魔法石の問題か・・・」
「そうなのよ・・・でも、そうよね、まだそっちは試してないか・・・」
「でしょ、カトカさんも言ってなかったからだけど、でも流石よね、魔法石の粉を使うってのは私も全然思いつかなかったかな・・・」
「そりゃうちのカトカは別格よ」
「まったくだわ、どっかの所長様より優秀よね」
「その通りよ」
「あら・・・なによ、それ」
「なにってなによ」
「からかってるのに甲斐が無いじゃない」
「そんなもん無くてもいいわよ」
「ありゃ・・・どした?」
「どしたもこうしたも無いの、私はこんなもんよ・・・昔から」
「なによ急に・・・」
「急じゃないわよ、まったく、あんたもだけどタロウもよ、どうしてこうも回転が早いんだか」
「私のは生まれつきー」
「言ってなさい、まったく・・・まぁいいわ・・その案頂くわね」
「お好きにどうぞ」
「で、他には?」
「しつこいなー・・・他って言われてもなー」
「・・・どうせだから蒸してみようかしら・・・」
ユーリが腕を組んでシャーレを睨みつける、先程のソフィアの発案、その素となったのは料理である、となれば調理方法で応用できないかと思い付いたことを口にしてしまったユーリであった、
「それもいいかもね、熱による変化?」
「そうなのよ、カトカも試してみたいとは言ってたけど、蒸すとは言ってなかったかな・・・」
「あー・・・じゃ、あれだ、なんて言ったかな・・・すんごい面白い調理方法あるわよ」
ムッとユーリがソフィアを睨み、
「何それ?」
「えっとね、タロウさんはなんて言ってたかな・・・アツリョクナベだったかな・・・」
「アツリョクナベ?」
「そっ、鍋っていうか寸胴みたいなものでね、それに具材を入れて火に掛けるんだけど、蓋をしたままで湯気がでる小さい穴だけがあるの、で、それはね、中身がしっかり仕上がったら開ける感じになってて、すんごいシュンシュンうるさいのよね」
「・・・どうなるの?それ・・・」
「えっとね、で、あの時は・・・あー、例のほら山の民の調理方法でね」
「またそれ?」
「またって・・・なにかあった?」
「さっきもタロウさんがね、山の民がどうのって言い出してね」
「あらま・・・まぁ、あの人達もすごい技術者だからなー」
「まぁ、いいわ、で、その何とか鍋はどうなのよ」
「リスをね、軽く叩いて塩と葉っぱで味付けしてその鍋に放り込むのよ」
「リスってリス?」
「うん、リス、ほらリスって骨が細いじゃない?だから、皮を剥いで内臓を抜いて、で、棒で叩いて骨を砕いて、で、その鍋に入れる、で、すんごいシュンシュンいいながら茹で上げる・・・でいいのかな、出来たのは茹でた肉だし良いわよね・・・で、茹で上がったら頭から食べるのよ」
「骨ごと?」
「そっ骨ごと、その鍋がね、骨まで柔らかくするらしくて、実際に食べたけど確かに柔らかくてね、それに美味しかったなー」
「待って、それ・・・どういう理屈?」
「さぁ・・・」
「さぁって・・・あんたねー」
「タロウさんは分かってる感じだっからまぁいいかなーって、それに作るのも大変そうだったし」
「・・・それは・・・それで、面白そうね・・・」
「まずね」
「でも・・・」
「これとは違う?」
「違わない?」
「違うかしら・・・まぁ、あの鍋に突っ込んでもいいとは思うけど、それで柔らかくなるとは思えないかしら」
「骨も柔らかくするのに?」
「だって、魔法石は石でしょ、茹でて柔らかくなる石なんてあるのかしら・・・」
「鉄も銅も柔らかくなるでしょ」
「茹でて・・・よ」
「・・・そりゃそうか・・・」
ムーと顔を顰めるユーリ、ソフィアは何を言っているんだかとクスクスと笑ってしまう、
「まぁ、何か思い出したら教えてあげるから」
「・・・それ作らせなさいよ」
「どれ?」
「なんとか鍋」
「別にいらないわよ、骨ごと食べる食材なんてこっちじゃ魚くらいしか無いし」
「それでもよ」
「私は嫌よ、タロウさんに頼めば?」
「あれもなー・・・まぁせっつくか・・・」
「そうして欲しいかしらね、私も構造とかよくわかんないし、あの時はガラスの方で手一杯だったから、言葉も通じなくて身振り手振りでねー、面白かったなー」
「何を呑気に・・・まぁ・・・そういう事か・・・」
「そういう事よー」
「そっ・・・まぁいいわ、取り合えず今日はそれで許す」
ガッと立ち上がるユーリ、忘れないうちに黒板に書いておこうとシャーレを集め出す、
「許すって・・・もう」
ニヤリと微笑むソフィアである、
「なによ、文句ある?」
「ないけど・・・でも、面白いわね、この魔法石」
ユーリが手にしたシャーレを見つめるソフィア、
「でしょ、どう?やる気になった?」
ニヤーとユーリが微笑むも、
「・・・まだかしら?」
ニヤリと微笑み返すソフィア、
「そっ、まったく・・・あんたはいつまで遊ぶつもりなの」
「別に遊んでないわよ」
「遊んでるわよ、あんたが本気になれば私なんかじゃ太刀打ちできないんだから」
「あら・・・またまたそんな事言ってー」
「惚けてなさい、好きなだけ」
フンッと踵を返すユーリ、
「そうするー」
ソフィアがニコーと微笑むと、
「失礼します」
階段からそっとアフラが顔を出す、
「あら、いらっしゃい」
ソフィアが腰を上げ、
「あらま、どしたの?あっちじゃないの?」
ユーリが目を丸くする、
「あっちはリンドさんの担当です、私は」
と振り返るアフラ、
「失礼しますわね」
その隣をマルルースがニコニコと下りて来た、さらに、
「すいません、急で」
エルマが申し訳なさそうな誤魔化し笑いで続き、
「失礼します」
見知らぬ若い女性が続いた。
ソフィアが炬燵を片付けようと慌て始めるもそれを制するマルルース、どうやらすぐに気付いたらしい、子供らしいと笑顔になり、申し訳ありませんと珍しく肩を竦めるソフィアである、そして改めてテーブルを囲む突然の客とユーリ、ソフィアは茶を入れますと厨房へ入っており、取り合えずユーリが接客する事になってしまったようで、
「あの、マルルース様はあちらでは無いのですか?」
ユーリが取り合えず口を開くしかなかった、アフラは従者然と壁際に控えており、マルルースはいつも通りに優し気で、エルマもニコニコと嬉しそうである、どうやら子供達が散らかした黒板を見てニコリーネが相手をしているのだと察したらしい、そして初見となる女性はマルルースの側である事もあってか固く緊張している様子、となれば口を開くのは自分しかなかったのである、
「もう少ししたらね、焼きあがった頃合いで顔を出すとイフナースも言ってましたから」
コロコロと笑うマルルース、どうやら上機嫌らしい、
「そう・・・ですか、確かにそれが良さそうですね」
顔面を引くつかせないように柔らかい笑みを心がけるユーリ、こういう時にはソフィアやタロウの傍若無人な無礼さが羨ましく感じられる、まぁそれを許すだけの寛容さをマルルースを含めた王家の者達が備えているお陰もあるのであるが、
「ねー、まったくあんな美味しいものはもっと早く教えてくれればいいのに」
「そんなに美味しいのですか?」
エルマが不思議そうに首を傾げた、
「そりゃもう、あなたも絶対驚くわ、エレインさんがお店でも売りたいって言ってたし、陛下もね毎日これにしろってすっかり気に入ったの」
「それはまた・・・素晴らしいですね」
「そうなのよ、私もあれね、四角いのがいいわね」
「四角?」
「そうなの、まぁ、今日ね、向こうに行けばあると思うから、それまで楽しみにしてなさい」
ニヤーと意地悪そうに微笑むマルルース、ハァと答えるしかないエルマ、そこへやっとソフィアが茶道具を持って食堂に入ってくる、アフラが代わりますと近寄るも、
「いいから、ほら、アフラさんも座りなさい、ここではつまらない遠慮は無しの約束よ」
ソフィアが明るく言い放つ、そんな約束あったのかとその場の誰もが疑問に思うも、まぁほぼ主のようなソフィアがそう言うのだ、そうなのだろうと苦笑する、そして、アフラも結局腰を下ろし、皆に茶が行き渡った所で、
「で、どうされたんです?」
腰を下ろしたソフィアが本題を促した、マルルースとエルマが揃って顔を出したのだ遊びに来た訳では無いであろう、
「そうね、じゃ、エルマさん」
マルルースがニコリと微笑み、
「はい、まずはなんですが、こちら、ミシェレ・スメーツさんです」
エルマがニコリと女性に微笑む、紹介された女性がスッと背筋を伸ばしゆっくりと低頭した、
「で、こちらがソフィアさん、この寮の寮母さんで、こちらがユーリ先生、学園の講師で上の研究所の責任者ね、まぁ、前にも話したわね」
若干事務的にソフィアとユーリを紹介するエルマ、ミシェレはコクコクと大きく頷き、ソフィアとユーリは取り合えずと笑顔を見せる、
「で、なんですが、こちらのミシェレさんをこちらに住まわせて頂けないかなと思いまして」
エルマがそのまま続けた、ん?と首を傾げるユーリとソフィア、
「あっ、あれです、私の助手として、幼児教育の先生ですね」
「あっ、なるほど」
思わず呟くソフィア、ユーリもヘーと感心している、
「はい、マルルース様とも話しまして、こちらのミシェレさんは孤児院出身で私の兄弟子の弟子なんです、大変に優秀な女性なのですよ、なので、今後の幼児教育、その運用であるとか諸々を考えまして今の内から対応しようという事になりまして、で、助手として手伝って貰う事になりました」
「へー・・・なるほど理解しました」
ニコリと微笑むソフィア、
「本格的になったわねー」
ユーリもこれはまたと目を丸くする、
「そうですね、陛下も面白そうだからどこまでやれるか興味があるって言って頂けてね、まぁ、エルマもね、一人では大変だし、どうせならと思ってね」
マルルースが茶を口にして優雅に微笑む、
「となると・・・どうされます?エルマさんと一緒にエレインさんの所?」
ソフィアがそうなるのかなと首を傾げる、
「そのつもりなのですが、まだエレインさんには確認しておりません、今日ゆっくりと話したいと思っていたのですが、なにやら忙しくなったとの事で」
「あー・・・それはねー」
「まったくよ、昨日も服飾やら生地やらでもう少し聞き取りたかったのに、すっかりそっちで騒がしくなっちゃって・・・フフッ、やっぱり美味しいものには敵わないものよね」
マルルースが皮肉交じりに微笑んだ、
「そうだったんですか・・・じゃ、そっか、エレインさんの前にこっちに来てみた感じですか?」
「そうなのよ、まぁ、この辺の屋敷をね、買い取って、そこに住まわせてもいいんだけど、まぁ二人だけだし、食事もここになるでしょ、なら、まぁ、ここは頼もうかしらって思ってね、で、どうかしら?お願いできる?」
ニコリと微笑むマルルース、その柔らかい笑みと立場でお願いされて断れる者はこの王国には存在しないであろう、
「勿論ですよ」
ソフィアがニコリと微笑んだ瞬間、
「ソフィー、飽きたー」
ミナがダダッと冷たい風と共に食堂に駆け込んできた、
「こらっ、失礼でしょ!!」
ダンと立ち上がり仁王立ちとなるソフィア、エッとミナが足を止め、その後ろのブロースもピタリと動きを止めた、
「まったく、ちゃんとお片付けをしなさいと言ってるでしょ、覚えてないの!!」
「え・・・えっと・・・おぼえ・・・てる・・・」
「そっ、じゃ、これはなに?」
「えっと・・・なんだろ・・・」
「なんだろじゃない、ほら、みんなで片付けなさい、マルルース様もエルマ先生も来てるのよ」
「エルマ先生?あっホントだー」
「あっ、先生だー」
「ホントー?」
ブロースの後ろからノールとノーラが顔を出し、さらにはサスキアもピョンピョンと飛び跳ねている、
「フフッ、ほら、皆さん、マルルース様にちゃんと御挨拶、それからお片付けよ」
エルマがゆっくりと腰を上げ、ハーイと返す子供達、やれやれと鼻息を荒くするソフィアと楽しそうに微笑むマルルース、ミシェレもやっと柔らかい笑みを浮かべるのであった。
シャーレをテーブルに置きつつソフィアはほくそ笑む、
「でねー、それだとほら魚臭くなっちゃうかなーって思っててー」
「なに?お腹空いてるの?」
ギンとばかりにユーリがソフィアを睨みつけるも、
「そう言う訳じゃないけどさ、なんとなく、これ見てたら・・・思い出しちゃってー」
ニヤーと微笑むソフィア、ムッと睨み返すユーリ、
「で、どうかしら?」
ソフィアがいよいよ得意げに微笑むと、
「・・・悪くないわね、そっか・・・インクとして使うんじゃなくて、先に描いてそこに混ぜればいいのよね」
「そんな感じだと思うわよ、昨日聞いた感じだとインクとして使えないかもってことだったし、陶器板の溝?あれをもう少し深くして」
「乾く前にふりかける?」
「そっ、それであれば均等に混ざると思うけど・・・でも、あれか、あくまで上の方だけで下まではいかないか・・・」
「いや、いいかもよ、その小皿で混ぜた時には固まるって言うか一か所に集まる感じだったんだけど、その隙間がなければ動けなくなる・・・と思うし・・・」
「そう?」
「うん、出来そうね・・・」
「それは良かった」
ニコリと微笑むソフィアである、
「・・・で、他には?」
ユーリがゆっくりと顔を上げる、ユーリがどうしてもソフィアに勝てない点、それがこの柔軟な発想と思いつき、さらには気が向いた時の爆発的な行動力である、昔からこうなのだ、ユーリがウンウン悩んでいるとこーすればーと背中から声をかけられ、その気まぐれな助言がまたピタリと問題に当てはまる、村を出た時もそうである、街に行くわよとユーリは引きづり出されるように連れ出され、よくよく聞いてみれば金も頼りも無い、それじゃ駄目だろとソフィアをなじるも、あんたと一緒ならなんとかなるわよと自信満々で、それがいつのまにやらこうなっている、ほとほと困った幼馴染であった、
「他?」
「まだあるんじゃない?」
「・・・どうかなー・・・」
ソフィアはウーンと首を傾げながらシャーレを見つめる、
「昨日もだって色々やってみたんでしょ?」
「そうよ」
「今・・・思いつくのは似たような事かしら・・・あるとすれば・・・あれね、水を含んだ状態で・・・そっか、インクを吸い込む事は出来た?」
「やったけど無理だったわね、水分だけ吸収する感じで、肝心の部分は吸い込まない?」
「そっか、インクに魔力を流した状態で混ぜるとか?」
「やってみたけど変わらないかしら」
「・・・んー、じゃ、そんなもんじゃないの?あとやるとすれば・・・」
何かあるかなとさらに首を傾げてウーンと天井を見上げるソフィア、
「あっ、熱を加えるとかかしら?鉄とかガラスみたいに?」
「それはまだやってないけど・・・少しずれる?」
「そうね、それは無色の魔法石の問題か・・・」
「そうなのよ・・・でも、そうよね、まだそっちは試してないか・・・」
「でしょ、カトカさんも言ってなかったからだけど、でも流石よね、魔法石の粉を使うってのは私も全然思いつかなかったかな・・・」
「そりゃうちのカトカは別格よ」
「まったくだわ、どっかの所長様より優秀よね」
「その通りよ」
「あら・・・なによ、それ」
「なにってなによ」
「からかってるのに甲斐が無いじゃない」
「そんなもん無くてもいいわよ」
「ありゃ・・・どした?」
「どしたもこうしたも無いの、私はこんなもんよ・・・昔から」
「なによ急に・・・」
「急じゃないわよ、まったく、あんたもだけどタロウもよ、どうしてこうも回転が早いんだか」
「私のは生まれつきー」
「言ってなさい、まったく・・・まぁいいわ・・その案頂くわね」
「お好きにどうぞ」
「で、他には?」
「しつこいなー・・・他って言われてもなー」
「・・・どうせだから蒸してみようかしら・・・」
ユーリが腕を組んでシャーレを睨みつける、先程のソフィアの発案、その素となったのは料理である、となれば調理方法で応用できないかと思い付いたことを口にしてしまったユーリであった、
「それもいいかもね、熱による変化?」
「そうなのよ、カトカも試してみたいとは言ってたけど、蒸すとは言ってなかったかな・・・」
「あー・・・じゃ、あれだ、なんて言ったかな・・・すんごい面白い調理方法あるわよ」
ムッとユーリがソフィアを睨み、
「何それ?」
「えっとね、タロウさんはなんて言ってたかな・・・アツリョクナベだったかな・・・」
「アツリョクナベ?」
「そっ、鍋っていうか寸胴みたいなものでね、それに具材を入れて火に掛けるんだけど、蓋をしたままで湯気がでる小さい穴だけがあるの、で、それはね、中身がしっかり仕上がったら開ける感じになってて、すんごいシュンシュンうるさいのよね」
「・・・どうなるの?それ・・・」
「えっとね、で、あの時は・・・あー、例のほら山の民の調理方法でね」
「またそれ?」
「またって・・・なにかあった?」
「さっきもタロウさんがね、山の民がどうのって言い出してね」
「あらま・・・まぁ、あの人達もすごい技術者だからなー」
「まぁ、いいわ、で、その何とか鍋はどうなのよ」
「リスをね、軽く叩いて塩と葉っぱで味付けしてその鍋に放り込むのよ」
「リスってリス?」
「うん、リス、ほらリスって骨が細いじゃない?だから、皮を剥いで内臓を抜いて、で、棒で叩いて骨を砕いて、で、その鍋に入れる、で、すんごいシュンシュンいいながら茹で上げる・・・でいいのかな、出来たのは茹でた肉だし良いわよね・・・で、茹で上がったら頭から食べるのよ」
「骨ごと?」
「そっ骨ごと、その鍋がね、骨まで柔らかくするらしくて、実際に食べたけど確かに柔らかくてね、それに美味しかったなー」
「待って、それ・・・どういう理屈?」
「さぁ・・・」
「さぁって・・・あんたねー」
「タロウさんは分かってる感じだっからまぁいいかなーって、それに作るのも大変そうだったし」
「・・・それは・・・それで、面白そうね・・・」
「まずね」
「でも・・・」
「これとは違う?」
「違わない?」
「違うかしら・・・まぁ、あの鍋に突っ込んでもいいとは思うけど、それで柔らかくなるとは思えないかしら」
「骨も柔らかくするのに?」
「だって、魔法石は石でしょ、茹でて柔らかくなる石なんてあるのかしら・・・」
「鉄も銅も柔らかくなるでしょ」
「茹でて・・・よ」
「・・・そりゃそうか・・・」
ムーと顔を顰めるユーリ、ソフィアは何を言っているんだかとクスクスと笑ってしまう、
「まぁ、何か思い出したら教えてあげるから」
「・・・それ作らせなさいよ」
「どれ?」
「なんとか鍋」
「別にいらないわよ、骨ごと食べる食材なんてこっちじゃ魚くらいしか無いし」
「それでもよ」
「私は嫌よ、タロウさんに頼めば?」
「あれもなー・・・まぁせっつくか・・・」
「そうして欲しいかしらね、私も構造とかよくわかんないし、あの時はガラスの方で手一杯だったから、言葉も通じなくて身振り手振りでねー、面白かったなー」
「何を呑気に・・・まぁ・・・そういう事か・・・」
「そういう事よー」
「そっ・・・まぁいいわ、取り合えず今日はそれで許す」
ガッと立ち上がるユーリ、忘れないうちに黒板に書いておこうとシャーレを集め出す、
「許すって・・・もう」
ニヤリと微笑むソフィアである、
「なによ、文句ある?」
「ないけど・・・でも、面白いわね、この魔法石」
ユーリが手にしたシャーレを見つめるソフィア、
「でしょ、どう?やる気になった?」
ニヤーとユーリが微笑むも、
「・・・まだかしら?」
ニヤリと微笑み返すソフィア、
「そっ、まったく・・・あんたはいつまで遊ぶつもりなの」
「別に遊んでないわよ」
「遊んでるわよ、あんたが本気になれば私なんかじゃ太刀打ちできないんだから」
「あら・・・またまたそんな事言ってー」
「惚けてなさい、好きなだけ」
フンッと踵を返すユーリ、
「そうするー」
ソフィアがニコーと微笑むと、
「失礼します」
階段からそっとアフラが顔を出す、
「あら、いらっしゃい」
ソフィアが腰を上げ、
「あらま、どしたの?あっちじゃないの?」
ユーリが目を丸くする、
「あっちはリンドさんの担当です、私は」
と振り返るアフラ、
「失礼しますわね」
その隣をマルルースがニコニコと下りて来た、さらに、
「すいません、急で」
エルマが申し訳なさそうな誤魔化し笑いで続き、
「失礼します」
見知らぬ若い女性が続いた。
ソフィアが炬燵を片付けようと慌て始めるもそれを制するマルルース、どうやらすぐに気付いたらしい、子供らしいと笑顔になり、申し訳ありませんと珍しく肩を竦めるソフィアである、そして改めてテーブルを囲む突然の客とユーリ、ソフィアは茶を入れますと厨房へ入っており、取り合えずユーリが接客する事になってしまったようで、
「あの、マルルース様はあちらでは無いのですか?」
ユーリが取り合えず口を開くしかなかった、アフラは従者然と壁際に控えており、マルルースはいつも通りに優し気で、エルマもニコニコと嬉しそうである、どうやら子供達が散らかした黒板を見てニコリーネが相手をしているのだと察したらしい、そして初見となる女性はマルルースの側である事もあってか固く緊張している様子、となれば口を開くのは自分しかなかったのである、
「もう少ししたらね、焼きあがった頃合いで顔を出すとイフナースも言ってましたから」
コロコロと笑うマルルース、どうやら上機嫌らしい、
「そう・・・ですか、確かにそれが良さそうですね」
顔面を引くつかせないように柔らかい笑みを心がけるユーリ、こういう時にはソフィアやタロウの傍若無人な無礼さが羨ましく感じられる、まぁそれを許すだけの寛容さをマルルースを含めた王家の者達が備えているお陰もあるのであるが、
「ねー、まったくあんな美味しいものはもっと早く教えてくれればいいのに」
「そんなに美味しいのですか?」
エルマが不思議そうに首を傾げた、
「そりゃもう、あなたも絶対驚くわ、エレインさんがお店でも売りたいって言ってたし、陛下もね毎日これにしろってすっかり気に入ったの」
「それはまた・・・素晴らしいですね」
「そうなのよ、私もあれね、四角いのがいいわね」
「四角?」
「そうなの、まぁ、今日ね、向こうに行けばあると思うから、それまで楽しみにしてなさい」
ニヤーと意地悪そうに微笑むマルルース、ハァと答えるしかないエルマ、そこへやっとソフィアが茶道具を持って食堂に入ってくる、アフラが代わりますと近寄るも、
「いいから、ほら、アフラさんも座りなさい、ここではつまらない遠慮は無しの約束よ」
ソフィアが明るく言い放つ、そんな約束あったのかとその場の誰もが疑問に思うも、まぁほぼ主のようなソフィアがそう言うのだ、そうなのだろうと苦笑する、そして、アフラも結局腰を下ろし、皆に茶が行き渡った所で、
「で、どうされたんです?」
腰を下ろしたソフィアが本題を促した、マルルースとエルマが揃って顔を出したのだ遊びに来た訳では無いであろう、
「そうね、じゃ、エルマさん」
マルルースがニコリと微笑み、
「はい、まずはなんですが、こちら、ミシェレ・スメーツさんです」
エルマがニコリと女性に微笑む、紹介された女性がスッと背筋を伸ばしゆっくりと低頭した、
「で、こちらがソフィアさん、この寮の寮母さんで、こちらがユーリ先生、学園の講師で上の研究所の責任者ね、まぁ、前にも話したわね」
若干事務的にソフィアとユーリを紹介するエルマ、ミシェレはコクコクと大きく頷き、ソフィアとユーリは取り合えずと笑顔を見せる、
「で、なんですが、こちらのミシェレさんをこちらに住まわせて頂けないかなと思いまして」
エルマがそのまま続けた、ん?と首を傾げるユーリとソフィア、
「あっ、あれです、私の助手として、幼児教育の先生ですね」
「あっ、なるほど」
思わず呟くソフィア、ユーリもヘーと感心している、
「はい、マルルース様とも話しまして、こちらのミシェレさんは孤児院出身で私の兄弟子の弟子なんです、大変に優秀な女性なのですよ、なので、今後の幼児教育、その運用であるとか諸々を考えまして今の内から対応しようという事になりまして、で、助手として手伝って貰う事になりました」
「へー・・・なるほど理解しました」
ニコリと微笑むソフィア、
「本格的になったわねー」
ユーリもこれはまたと目を丸くする、
「そうですね、陛下も面白そうだからどこまでやれるか興味があるって言って頂けてね、まぁ、エルマもね、一人では大変だし、どうせならと思ってね」
マルルースが茶を口にして優雅に微笑む、
「となると・・・どうされます?エルマさんと一緒にエレインさんの所?」
ソフィアがそうなるのかなと首を傾げる、
「そのつもりなのですが、まだエレインさんには確認しておりません、今日ゆっくりと話したいと思っていたのですが、なにやら忙しくなったとの事で」
「あー・・・それはねー」
「まったくよ、昨日も服飾やら生地やらでもう少し聞き取りたかったのに、すっかりそっちで騒がしくなっちゃって・・・フフッ、やっぱり美味しいものには敵わないものよね」
マルルースが皮肉交じりに微笑んだ、
「そうだったんですか・・・じゃ、そっか、エレインさんの前にこっちに来てみた感じですか?」
「そうなのよ、まぁ、この辺の屋敷をね、買い取って、そこに住まわせてもいいんだけど、まぁ二人だけだし、食事もここになるでしょ、なら、まぁ、ここは頼もうかしらって思ってね、で、どうかしら?お願いできる?」
ニコリと微笑むマルルース、その柔らかい笑みと立場でお願いされて断れる者はこの王国には存在しないであろう、
「勿論ですよ」
ソフィアがニコリと微笑んだ瞬間、
「ソフィー、飽きたー」
ミナがダダッと冷たい風と共に食堂に駆け込んできた、
「こらっ、失礼でしょ!!」
ダンと立ち上がり仁王立ちとなるソフィア、エッとミナが足を止め、その後ろのブロースもピタリと動きを止めた、
「まったく、ちゃんとお片付けをしなさいと言ってるでしょ、覚えてないの!!」
「え・・・えっと・・・おぼえ・・・てる・・・」
「そっ、じゃ、これはなに?」
「えっと・・・なんだろ・・・」
「なんだろじゃない、ほら、みんなで片付けなさい、マルルース様もエルマ先生も来てるのよ」
「エルマ先生?あっホントだー」
「あっ、先生だー」
「ホントー?」
ブロースの後ろからノールとノーラが顔を出し、さらにはサスキアもピョンピョンと飛び跳ねている、
「フフッ、ほら、皆さん、マルルース様にちゃんと御挨拶、それからお片付けよ」
エルマがゆっくりと腰を上げ、ハーイと返す子供達、やれやれと鼻息を荒くするソフィアと楽しそうに微笑むマルルース、ミシェレもやっと柔らかい笑みを浮かべるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」
魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。
――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。
「ここ……どこ?」
現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。
救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。
「ほら、食え」
「……いいの?」
焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。
行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。
旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。
「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」
「ウチの子は天才か!?」
ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。
これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。
※若干の百合風味を含みます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる