堂々と浮気?それなら婚約破棄を希望します。

パリパリかぷちーの

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フィオナが提案した「最後の罠」。その詳細が、作戦室で練り上げられていく。

計画の骨子はこうだ。

まず、アルベルト公爵のスパイだと目される侍女を通じ、「卒業パーティーの夜、アリア嬢は極秘裏に、地方の安全な隠れ家へ移送される」という偽の情報を流す。移送経路や時間など、本物と見紛うばかりの、詳細な情報も添えて。

焦った公爵は、その最後のチャンスに、必ず食いついてくるはずだ。彼は、ガルニア残党の生き残りと接触し、アリア嬢の強奪を指示するだろう。

そして、その密会の現場を、動かぬ証拠として押さえる。

「密会場所には、魔法の映像と音声を記録する『記憶水晶』を、あらかじめ複数仕掛けておきます」

ダグラス隊長が、地図を指しながら説明する。

「しかし、公爵が警戒して、密会に手下を向かわせる可能性も……」

シルヴァンが懸念を口にする。

「そのために、わたくしが一役買いますわ」

フィオナは、自信に満ちた笑みを浮かべた。

「わたくしが、パーティーの場で、わざと公爵に揺さぶりをかけるのです。『今夜の襲撃犯から、黒幕の存在を示唆する証言が得られた』と。そうすれば、公爵は『口封じをしなければ』と焦り、自ら動かざるを得なくなるでしょう」

あまりにも危険な役回り。アレクシスは、即座に反対した。

「駄目だ、フィオナ!君を危険に晒すことなどできない!」

「いいえ、殿下。わたくしだからこそ、できる役目です。公爵は、わたくしを『殿下に愛されている、ただのか弱い令嬢』だと侮っているはず。その油断を、利用するのです」

フィオナの瞳には、一切の迷いも恐怖もなかった。

「わたくしは、もう守られるだけの存在ではありません。あなたの隣に立つ、あなたのパートナーですわ」

その強い意志に、アレクシスは言葉を失った。そして、やがて、深く頷いた。

「……わかった。だが、決して無理はするな。君の身に何かあれば、私は……」

「大丈夫ですわ。わたくしたちなら、きっと乗り越えられます」

フィオナは、アレクシスの手を優しく握った。その手は、もう震えてはいなかった。

二週間後、運命の卒業記念パーティー。

そこで、全ての嘘と真実が、白日の下に晒されることになる。最後の罠は、静かに、しかし確実に、仕掛けられようとしていた。
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