堂々と浮気?それなら婚約破棄を希望します。

パリパリかぷちーの

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運命の日、王宮の大広間は、卒業記念パーティーに集った人々で埋め尽くされていた。

きらびやかなシャンデリアの光が、着飾った貴族たちを照らし、華やかなワルツの音色が響き渡る。誰もが笑顔で語らい、学園生活の終わりと、新たな門出を祝っていた。

しかし、その輝かしい光景の裏では、張り詰めた緊張感が渦巻いていた。

アレクシス殿下の隣で、フィオナは完璧な淑女の笑みを浮かべていた。今日の彼女は、月の光を思わせる、優美なシルクのドレスを身にまとっている。その姿は、誰もが見惚れるほどに美しかったが、紫色の瞳の奥には、鋼のような強い意志が宿っていた。

「フィオナ、準備はいいか?」

アレクシスが、誰にも聞こえない声で囁く。

「ええ、いつでも。殿下こそ、ご覚悟はよろしいですか?」

「ああ。君が隣にいてくれるなら、何も怖くはない」

二人は、視線を交わし、静かに頷き合った。

計画通り、アルベルト公爵のスパイである侍女には、偽の情報が流してある。そして先ほど、フィオナは公爵に挨拶に赴いた際、わざとらしく、そして意味深にこう告げたのだ。

『公爵様。今夜の襲撃犯の件ですが、近いうちに、全ての真相が明らかになるそうですわ。エルミンスター王国を裏切った、卑劣な黒幕の正体も』

公爵の笑みが、一瞬だけ凍りついたのを、フィオナは見逃さなかった。餌には、食いついた。

やがて、アルベルト公爵が、そっと人混みから抜け出し、バルコニーへと続く扉の方へ向かうのが見えた。

(……始まった)

フィオナは、アレクシスと再び視線を交わす。アレクシスは、わずかに頷きを返すと、ダグラス隊長に目配せをした。

舞台の幕は上がった。あとは、主役が自らの罪を告白するのを、待つだけだ。

フィオナは、これから起こるであろう断罪劇を思い、すっと息を吸い込んだ。長かったすれ違いと戦いに、今夜、終止符が打たれる。
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