【完結】可愛い女の子との甘い結婚生活を夢見ていたのに嫁に来たのはクールな男だった

cyan

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ヴィー

翌朝

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「アルマ様……」

 昨日はハンター仲間と久々に会って飲んで、屋敷にはいつ帰ってきたんだったか?
 頭が痛い。
 飲みすぎたようだ。

 もしかしたらもう私を捨てる気なのかもしれないアルマ様の腕の中で、今だけは……そう思いながら額をアルマ様の胸筋の谷間に埋めた。
 私も鍛えたつもりだったが、アルマ様に比べるとどこの筋肉も細い。どうしたらこんなに綺麗な胸筋になるのか。肩幅も全然足りないし、腕の太さも全然足りない。



 夜会の時は嬉しかったな。


「紹介しよう。彼はヴィヴァーチェ・メテオリーテ。俺の嫁だ」
「初めまして、ヴィヴァーチェと申します」
「おぉー、メテオリーテ辺境伯殿も素敵なお相手を見つけられたのですな。めでたいことだ」
「えぇ、どうぞ今後ともよろしくお願いします」

 まさか嫁と紹介してもらえるとは思わなかった。

 私が領地の屋敷に到着した時、アルマ様はとても驚いた表情をしていた。そして私に誰かと聞いた。
 きっと、この女性のような名前を聞いて女性だと思ったんだろう。
 でも、側にいたいという私の要望に、何の躊躇もなく頷いてくれて、ヴィーと呼んでほしいと言うと呼んでくれた。
 模擬戦をした時には楽しそうで、また相手をして欲しいと言われた時には、ハンターをやって戦いの環境に身を置いていて良かったと心底思った。

 だから寝る前に思い切ってアルマ様に口付けてみたら、嫌がられなかった。
 翌日も夕食後にアルマ様の部屋に行ったが、やはりアルマ様を前にすると何を話していいのか分からず、下手な話をして嫌われたらと思うと、何も話せなくなってしまう。
 何も話さないものアルマ様を退屈させてしまっているかもしれない。話しても話さなくても嫌われるのかもしれないが……
 退屈かと尋ねてみたら、別にと言われた。
 アルマ様は誰かと会話をするよりも、1人でゆっくり過ごしたかったのかもしれない。


「私は、アルマ様の1人でゆっくり過ごす時間を邪魔していますか?」
「いや、そんなことはない。
 夜に1人でいると、戦争のことを思い出すんだ……たった1人、みっともなく生き恥晒しているような気分になる」
「そうですか。私がアルマ様をお支えできたらいいのですが」
「いや、そう言ってもらえるだけでありがたい」

 みっともなく生き恥晒して……なぜだ。
 アルマ様がなぜそのように苦しい思いをしなければならないのか。
 戦場とは、それほどまでに過酷な場所なんだな。戦争の経験がない私が、何を言っても慰めにはならないと思った。
 せめて、その苦しみを癒すことができたらいいのに。

 その日は拒否されるのではないかと思うとキスをする勇気が出ず、おやすみなさいと挨拶だけして部屋に戻った。

 それでも、夕食の後に部屋に招き入れてくれてアルマ様の心内を話して下さったことがとても嬉しかった。

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