【完結】家も家族もなくし婚約者にも捨てられた僕だけど、隣国の宰相を助けたら囲われて大切にされています。

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31.朝から(メレディス視点)

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「おはよう、レスター」
「……おはよう、ございます」

 ん? 私の方を見ようとせずなぜかモジモジしているレスター

「どうした?」
「僕は淫らなんです……」
「ん? どうした?したくなったのか?」


 レスターの顔をグイッと上げてみると、揺れる瞳は潤んで唇も少し震えていた。
 う、その顔はまずい。私が抑えきれなくなりそうだ。

「夢を見て、その……」
「あぁ、夢精してしまったのか。そんなの気にすることはない。レスターは本当に可愛いな」

「それに、今も……」
「ははは、大丈夫だ。私も同じだ」

 まぁこれはさっきレスターの顔を見て起き上がってしまったのだが。


「そっか。そうなんだ。よかった……」
「私と2人きりの時は淫らでいていい」

 あぁもうダメだ。抑えきれない。
 私はレスターに深く口付けをして、その白い肌に指を滑らせていった。


「はぁ……ぁ……メレディス様……僕に夢中になって……僕だけ、愛してください……」
「もうレスターに夢中だよ。レスターだけを愛しているよ。大好きだよ」

「僕を、いっぱい愛して……メレディス様、お願い……」
「あぁ、もちろんだ。レスターのおねだりならどれだけでも叶えてやる。たくさん愛し合おうな」


「ぅん……はぁ……メレディス様……ぁ、ぁ、ぁぁああ……」




 反省。朝からいたしてしまった。
 今日は忙しくなると昨日自分で言っておきながら、はぁはぁと息を乱すレスターを抱きしめて反省した。
 私はこんなに堪え性のない人間だったか?

 どうにもレスターを前にすると、ダメらしい。
 朝するのは休みの日だけにしよう。


 招待に応えたとはいえ、国の仕事を放り出してこんなところまで来ているのだから、しばらく休みは無いだろうな……
 しっかりレスターとの時間を確保できるよう調整しなくては。

 レスターとの結婚もな。
 婚姻の書類を教会に出すだけならいつでもできるが、やっぱり着飾って私の夫だとみんなに見せつけたい。美しいレスターに手を出そうとする輩が現れないためにも、なるべく早くがいい。


「メレディス様、大好きです」
「うん。私もレスターが大好きだよ」
「あの、国を出る前に、母のお墓に行ってもいいですか?」
「もちろんいいよ」
「母の兄、僕の伯父に当たる人の領地にあると聞いたんです」
「分かった。一緒に行こう」
「え?いいのですか? メレディス様は先に帰って僕だけでも……」
「ダメだ。私はレスターを迎えに来たんだ。私がレスターを離すと思うなよ」
「そっか。ごめんなさい。先に行っておけばよかった」
「謝らなくていい。私もレスターの母君には挨拶をしたかったから丁度いい」

 遠慮などすることはない。親の墓参りに行きたいという望みすら叶えてやれないような夫にはなりたくないからな。


「さぁ、起きよう。城から使いが来る前に朝食を食べて身支度を整えておこう」
「はい」
「体は大丈夫か?」
「魔法陣の効果で大丈夫です。念のため服にも治癒と回復を貼っておくので心配いりません」
「そうか」
「回復はメレディス様の分も用意しますね。
 ……その、僕よりたくさん動いていたから」

 そんなことを言って頬を染めるレスターに、ムクムクと欲望が湧いてきそうになったが、首を振ってその思いを振り払った。
 可愛すぎるのも考えものだな。私はこの先、『耐える』ということを真剣に覚えていかなければならない。
  



 迷いがあったのか、それとも揉めたのか、城からの使いは昼過ぎにようやくやってきた。

「ソリターリオ宰相閣下とベリッシモ伯爵様に、登城いただきたいと陛下からの伝言でございます。時間はあなた様方に委ねるとのこと」
「そうか。ではさっそく向かおう」
「はい」

 私たちはいつでも行けるように用意していたため、城から使いが来るとすぐに城へ向かった。

 
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