【完結】追放勇者は辺境でスローライフ〜気づいたら最強国の宰相になってました〜

シマセイ

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第3話 : 辺境での新生活

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村長のガロンは、長い白髪と白髭を持つ温厚な老人だった。彼は健太の話を静かに聞き、深く頷いた。

「勇者として召喚されながら、追放されるとは…ソレイユ王国も落ちたものだ」

「私を受け入れてくれるんですか?」健太は恐る恐る尋ねた。

ガロンは笑顔で答えた。
「もちろんだ。この村は追放者の楽園とも言われている。みな自由に暮らしているよ」

その夜、健太は村の集会所で歓迎会を開いてもらった。
村人たちは皆、温かく彼を迎えてくれた。
中には健太と同じく王国から追放された元貴族や商人、学者もいた。

「私は前王の側近だったが、新しい騎士団長に目をつけられてね」
と元貴族のドノバンは言った。

「私は重税に反対したばかりに、商売を禁じられた」と太った商人のマルコスが嘆いた。

健太は驚いた。「王国、本当に変わってしまったんですね…」

ガロンが深刻な表情で言った。
「アルフレッドの『真実の眼』は、実は人の心を操る力を持っているのではないかと疑っている。彼が側近になってから、王様の性格が変わってしまったんだ」

翌日から、健太はベルク村での生活を始めた。村の外れに小さな小屋を与えられ、村の共同畑で働くことになった。

「畑仕事なんて初めてだけど…頑張るか」

最初は慣れない農作業に四苦八苦したが、健太の「分析」スキルが思わぬ形で役立った。

「この土壌、少し酸性が強いみたいだから、石灰を混ぜるといいかも」

「このトマト、水が少し足りてないな。根元だけじゃなく、葉にも水をかけるといいよ」

彼の観察眼は、植物の状態や土壌の質までも分析できたのだ。
村人たちは健太のアドバイスに従って農作業を改善し、その結果、収穫量が目に見えて増えていった。

「健太くん、あなたのおかげで今年の収穫は例年の倍になりそうだよ!」村人たちは喜んだ。

一ヶ月が経ち、健太はすっかりベルク村の生活に馴染んでいた。
朝は畑仕事、昼は村の子どもたちに読み書きを教え、夕方は村の周りを巡回して小さな魔物を退治する。

「こんな平和な生活も悪くないな」

ある日、健太が村の北端にある「異国の扉」と呼ばれる古い関所を見学していると、リリアが駆け寄ってきた。

「健太!大変よ!王国の兵士が村に来たわ!」

「え?なんで?」

「税金の取り立てよ。でも、今回は例年の三倍も要求してきているの!」

健太は急いでリリアと共に村の広場へ向かった。
そこには十人ほどの兵士と、彼らを率いる冷酷な表情の役人が立っていた。

「聞こえなかったのか?今年から税率は三倍だ。払えないなら、この村を没収する!」役人は高圧的に言い放った。

村長のガロンが懸命に抗議していた。「そんな急な増税は無理です!私たちはこれまで真面目に納税してきました!」

「黙れ、老人!これは王の命令だ!」

役人が村長を突き飛ばそうとした瞬間、健太が間に入った。

「やめろ!」

役人は健太を見下ろした。「お前は誰だ?」

「ただの村人だ。でも、こんな理不尽な要求は認められない」

役人は嘲笑した。「ほう、反逆者か。お前も追放者の一人か?」

健太は黙って睨み返した。役人は兵士たちに命じた。
「この小僧を捕らえろ!反逆罪で処刑する!」

兵士たちが健太に迫る。村人たちは恐怖で後ずさりした。

その時だった。

「止めなさい!」

凛とした声が響き渡った。
全員が声のした方を見ると、「異国の扉」の方から一団の騎士たちが現れていた。
先頭に立つのは、黒い鎧に身を包んだ美しい女性騎士。
彼女の鎧には、ガリア帝国の紋章が輝いていた。

「ガリア帝国の騎士!?」役人は青ざめた。

女性騎士は冷厳な声で言った。「我々ガリア帝国は、ソレイユ王国との国境地帯で行われている不当な徴税を黙って見過ごすわけにはいかない」

役人は震える声で反論した。
「こ、これはソレイユ王国の内政問題だ!帝国が口を出す権利はない!」

女性騎士は一歩前に出た。
「この村は両国の緩衝地帯。古来より特別な扱いを受けてきた場所だ。それを知らぬのか?」

役人と兵士たちは互いに顔を見合わせた。
彼らはそのような歴史的経緯を知らなかったのだ。

「退くがいい」女性騎士は剣を抜いた。
「さもなくば、外交問題となるぞ」

役人は悔しそうな表情を浮かべたが、ガリア帝国の騎士団と戦う勇気はなかった。

「覚えていろ!」

彼らは捨て台詞を残して、急いで村を後にした。
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