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第二話:雨中の追放、そして荒野の果てに見えた灯火
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フィリア・エルドラードが「暁光の姫君」と称えられた日々は、まるで遠い夢のように過ぎ去った。
王命が下された翌朝、空はフィリアの心情を映すかのように、冷たい雨を降らせていた。
豪華な装飾が施された王宮の私室から引きずり出されるように連れ出され、彼女に与えられたのは、粗末な一枚の毛布と、ほんの数枚の銀貨、そしてパンと干し肉が少しばかり入った革袋だけだった。
昨日まで身にまとっていた美しいドレスも、髪を飾っていた宝石も、全てが無情にも剥ぎ取られた。
代わりに渡されたのは、どこかの使用人が着古したような、くすんだ色の粗末なワンピースと、雨風をしのぐためのフード付きのマントのみ。
「フィリア様……いえ、フィリア。速やかに出立の準備を。」
冷たく言い放ったのは、かつてフィリアに忠誠を誓っていたはずの近衛騎士の一人だった。
その目には、もはや敬意の色はなく、厄介者を追い払うかのような侮蔑の色さえ浮かんでいる。
誰一人、見送る者はいない。
父も、母も、そして可愛がっていたはずの侍女たちさえ、姿を見せることはなかった。
彼らにとって、フィリアはもはや存在しない人間、あるいはエルドラード王家の汚点として葬り去りたい過去でしかないのだろう。
(これが……私の家族……私が愛した故郷の姿……)
フィリアの胸に、熱いものが込み上げてきたが、涙は流れなかった。
泣いたところで、何が変わるというのか。
今はただ、この屈辱と理不尽さを、決して忘れまいと心に刻みつけるだけだ。
数人の武装した兵士に「護衛」という名の監視をされながら、フィリアは屋根もない荷馬車に乗せられた。
雨はますます勢いを増し、容赦なく彼女の体を打ち付ける。
王都の壮麗な城門をくぐる時、フィリアは一度だけ振り返った。
霞む雨の向こうに見える、美しかったはずの王宮の尖塔が、今はまるで巨大な墓標のように見えた。
「……さようなら、私のエルドラード……」
小さく呟いたその言葉は、誰の耳にも届くことなく、雨音にかき消された。
荷馬車は、王都の喧騒を抜け、次第に人気のない荒野へと進んでいく。
数時間後、国境を示す古い石碑が立つ場所で、荷馬車は止まった。
「ここでお前を降ろす。これより先は、アストリア王国の領土だ。二度とエルドラードの土を踏むことは許さん。もし国境を越えようものなら、その時は……分かっているな。」
兵士の一人が、威嚇するように剣の柄を叩いた。
フィリアは無言で荷馬車から降り、兵士たちが投げ渡したわずかな荷物を受け取る。
彼らは、まるで汚物でも見るかのような目でフィリアを一瞥すると、すぐに馬車の向きを変え、エルドラード王国の方へと走り去っていった。
後に残されたのは、広大な荒野と、降りしきる雨の中にたたずむ、フィリア一人だけだった。
(ここから……どうすればいいというの……)
途方に暮れるとは、まさにこのことだろう。
アストリア王国。
かつては婚約者の国であり、友好国であったはずの場所。
しかし、今のフィリアにとって、そこは頼るべき者も、目指すべき場所もない、ただの異国でしかなかった。
雨は一向に止む気配がない。
フィリアは、フードを目深にかぶり、とりあえず雨を避けられる場所を探して歩き始めた。
しかし、見渡す限りの荒野には、身を隠せるような岩陰も、大木も見当たらない。
夜が近づくにつれ、雨はさらに冷たさを増し、空腹と疲労が容赦なくフィリアの体力を奪っていく。
元王女としての矜持など、もはや何の役にも立たない。
今はただ、生き延びることだけを考えなければならなかった。
幸い、幼い頃から活発だったフィリアは、乗馬や剣術だけでなく、野外活動に関する知識も書物で読みかじっていた。
貴族の嗜みとして、狩猟に参加することもあったため、森の中での基本的なサバイバル術も、頭の片隅には残っている。
(まずは、火を起こせる場所と、乾いた薪を見つけなければ……)
しかし、降り続く雨の中ではそれも叶わない。
その夜、フィリアは比較的雨露をしのげる岩のくぼみを見つけ、そこに身を寄せた。
濡れたマントにくるまり、わずかな干し肉を齧る。
遠くで獣の遠吠えのような音が聞こえ、フィリアは恐怖に身を震わせた。
これまで、こんな心細い夜を経験したことなど一度もなかった。
守られた王宮の中で、美しい天蓋付きのベッドで眠っていた日々が、まるで幻のようだ。
(アルフレッド……セレスティア……父上、母上……なぜ……)
怒りと悲しみ、そして裏切られた悔しさが、何度も何度も胸に込み上げてくる。
しかし、その度に、フィリアは唇を強く噛み締め、涙を堪えた。
ここで潰れてしまっては、あの者たちの思う壺だ。
必ず生き延びて、いつか必ず、彼らにこの仕打ちを後悔させてみせる。
その強い意志だけが、凍える夜の闇の中で、フィリアの心を支える唯一の灯火だった。
夜が明け、雨は小降りになっていた。
フィリアは、重い体を引きずるようにして再び歩き始めた。
食料は底をつきかけている。
喉の渇きも限界に近い。
川を見つけ、泥水を啜ろうとしたが、ふと、幼い頃に読んだ植物図鑑の一節を思い出した。
(確か……この葉の形は……食べられるはず……)
道端に生えていた、見覚えのある野草。
少量だけ口に含んでみると、苦味はあったが、わずかに甘みも感じられた。
それは、ささやかな、しかし確かな「生」への手応えだった。
そんな過酷な旅が、何日続いただろうか。
もう自分がどこを歩いているのか、時間感覚さえも曖昧になっていた。
足は傷つき、服は汚れ、金色の髪も泥と雨で見る影もない。
それでも、フィリアは歩みを止めなかった。
諦めたら、そこで全てが終わってしまう。
(もう少し……もう少しだけ……)
意識が朦朧とし、膝が崩れ落ちそうになった、その時だった。
遠くの丘の向こうに、微かな、本当に微かな灯りが見えたような気がした。
幻覚だろうか。
いや、確かに、そこには人の営みを示すかのような、温かい色の光が点滅している。
「……村……?」
最後の力を振り絞り、フィリアはその灯りを目指して、ふらふらと歩を進めた。
どれほど歩いたか、もはや覚えていない。
気づいた時には、粗末な木の柵で囲まれた、小さな村の入り口らしき場所にたどり着いていた。
数軒の家々からは、夕餉の支度をする煙が立ち上り、家畜の鳴き声も聞こえてくる。
しかし、そんな穏やかな村の風景とは対照的に、フィリアのみすぼらしい姿は、村人たちの警戒心を強く刺激した。
最初に彼女に気づいたのは、畑仕事から戻ってきたらしい、屈強な体つきの農夫だった。
彼は、泥と埃にまみれ、髪を振り乱した見慣れぬ女の姿に、眉をひそめ、手に持っていた鍬をぐっと握りしめた。
「……何者だ、お前は。どこから来た。」
その声は低く、疑念に満ちていた。
他の村人たちも、家の戸口から遠巻きにフィリアの様子を伺っている。
その視線は、好奇心よりも、不審者を見る冷たい色を帯びていた。
フィリアは、最後の力を振り絞り、震える声で助けを求めた。
「……助けて……ください……。旅の者ですが……道に迷い、数日間何も……食べておりません……。どうか……一晩だけでいいので、雨露をしのぐ場所と……少しの食べ物を……恵んではいただけないでしょうか……」
その言葉は、途切れ途切れで、今にも消え入りそうだった。
しかし、その瞳の奥には、まだ決して失われていない、気高さと強い意志の光が宿っていた。
村人たちは、互いに顔を見合わせ、どうしたものかと囁き合っている。
追放された王女フィリアの、新たな人生の舞台となるかもしれない、辺境の小さな村。
その村の門は、果たして彼女に開かれるのだろうか。
王命が下された翌朝、空はフィリアの心情を映すかのように、冷たい雨を降らせていた。
豪華な装飾が施された王宮の私室から引きずり出されるように連れ出され、彼女に与えられたのは、粗末な一枚の毛布と、ほんの数枚の銀貨、そしてパンと干し肉が少しばかり入った革袋だけだった。
昨日まで身にまとっていた美しいドレスも、髪を飾っていた宝石も、全てが無情にも剥ぎ取られた。
代わりに渡されたのは、どこかの使用人が着古したような、くすんだ色の粗末なワンピースと、雨風をしのぐためのフード付きのマントのみ。
「フィリア様……いえ、フィリア。速やかに出立の準備を。」
冷たく言い放ったのは、かつてフィリアに忠誠を誓っていたはずの近衛騎士の一人だった。
その目には、もはや敬意の色はなく、厄介者を追い払うかのような侮蔑の色さえ浮かんでいる。
誰一人、見送る者はいない。
父も、母も、そして可愛がっていたはずの侍女たちさえ、姿を見せることはなかった。
彼らにとって、フィリアはもはや存在しない人間、あるいはエルドラード王家の汚点として葬り去りたい過去でしかないのだろう。
(これが……私の家族……私が愛した故郷の姿……)
フィリアの胸に、熱いものが込み上げてきたが、涙は流れなかった。
泣いたところで、何が変わるというのか。
今はただ、この屈辱と理不尽さを、決して忘れまいと心に刻みつけるだけだ。
数人の武装した兵士に「護衛」という名の監視をされながら、フィリアは屋根もない荷馬車に乗せられた。
雨はますます勢いを増し、容赦なく彼女の体を打ち付ける。
王都の壮麗な城門をくぐる時、フィリアは一度だけ振り返った。
霞む雨の向こうに見える、美しかったはずの王宮の尖塔が、今はまるで巨大な墓標のように見えた。
「……さようなら、私のエルドラード……」
小さく呟いたその言葉は、誰の耳にも届くことなく、雨音にかき消された。
荷馬車は、王都の喧騒を抜け、次第に人気のない荒野へと進んでいく。
数時間後、国境を示す古い石碑が立つ場所で、荷馬車は止まった。
「ここでお前を降ろす。これより先は、アストリア王国の領土だ。二度とエルドラードの土を踏むことは許さん。もし国境を越えようものなら、その時は……分かっているな。」
兵士の一人が、威嚇するように剣の柄を叩いた。
フィリアは無言で荷馬車から降り、兵士たちが投げ渡したわずかな荷物を受け取る。
彼らは、まるで汚物でも見るかのような目でフィリアを一瞥すると、すぐに馬車の向きを変え、エルドラード王国の方へと走り去っていった。
後に残されたのは、広大な荒野と、降りしきる雨の中にたたずむ、フィリア一人だけだった。
(ここから……どうすればいいというの……)
途方に暮れるとは、まさにこのことだろう。
アストリア王国。
かつては婚約者の国であり、友好国であったはずの場所。
しかし、今のフィリアにとって、そこは頼るべき者も、目指すべき場所もない、ただの異国でしかなかった。
雨は一向に止む気配がない。
フィリアは、フードを目深にかぶり、とりあえず雨を避けられる場所を探して歩き始めた。
しかし、見渡す限りの荒野には、身を隠せるような岩陰も、大木も見当たらない。
夜が近づくにつれ、雨はさらに冷たさを増し、空腹と疲労が容赦なくフィリアの体力を奪っていく。
元王女としての矜持など、もはや何の役にも立たない。
今はただ、生き延びることだけを考えなければならなかった。
幸い、幼い頃から活発だったフィリアは、乗馬や剣術だけでなく、野外活動に関する知識も書物で読みかじっていた。
貴族の嗜みとして、狩猟に参加することもあったため、森の中での基本的なサバイバル術も、頭の片隅には残っている。
(まずは、火を起こせる場所と、乾いた薪を見つけなければ……)
しかし、降り続く雨の中ではそれも叶わない。
その夜、フィリアは比較的雨露をしのげる岩のくぼみを見つけ、そこに身を寄せた。
濡れたマントにくるまり、わずかな干し肉を齧る。
遠くで獣の遠吠えのような音が聞こえ、フィリアは恐怖に身を震わせた。
これまで、こんな心細い夜を経験したことなど一度もなかった。
守られた王宮の中で、美しい天蓋付きのベッドで眠っていた日々が、まるで幻のようだ。
(アルフレッド……セレスティア……父上、母上……なぜ……)
怒りと悲しみ、そして裏切られた悔しさが、何度も何度も胸に込み上げてくる。
しかし、その度に、フィリアは唇を強く噛み締め、涙を堪えた。
ここで潰れてしまっては、あの者たちの思う壺だ。
必ず生き延びて、いつか必ず、彼らにこの仕打ちを後悔させてみせる。
その強い意志だけが、凍える夜の闇の中で、フィリアの心を支える唯一の灯火だった。
夜が明け、雨は小降りになっていた。
フィリアは、重い体を引きずるようにして再び歩き始めた。
食料は底をつきかけている。
喉の渇きも限界に近い。
川を見つけ、泥水を啜ろうとしたが、ふと、幼い頃に読んだ植物図鑑の一節を思い出した。
(確か……この葉の形は……食べられるはず……)
道端に生えていた、見覚えのある野草。
少量だけ口に含んでみると、苦味はあったが、わずかに甘みも感じられた。
それは、ささやかな、しかし確かな「生」への手応えだった。
そんな過酷な旅が、何日続いただろうか。
もう自分がどこを歩いているのか、時間感覚さえも曖昧になっていた。
足は傷つき、服は汚れ、金色の髪も泥と雨で見る影もない。
それでも、フィリアは歩みを止めなかった。
諦めたら、そこで全てが終わってしまう。
(もう少し……もう少しだけ……)
意識が朦朧とし、膝が崩れ落ちそうになった、その時だった。
遠くの丘の向こうに、微かな、本当に微かな灯りが見えたような気がした。
幻覚だろうか。
いや、確かに、そこには人の営みを示すかのような、温かい色の光が点滅している。
「……村……?」
最後の力を振り絞り、フィリアはその灯りを目指して、ふらふらと歩を進めた。
どれほど歩いたか、もはや覚えていない。
気づいた時には、粗末な木の柵で囲まれた、小さな村の入り口らしき場所にたどり着いていた。
数軒の家々からは、夕餉の支度をする煙が立ち上り、家畜の鳴き声も聞こえてくる。
しかし、そんな穏やかな村の風景とは対照的に、フィリアのみすぼらしい姿は、村人たちの警戒心を強く刺激した。
最初に彼女に気づいたのは、畑仕事から戻ってきたらしい、屈強な体つきの農夫だった。
彼は、泥と埃にまみれ、髪を振り乱した見慣れぬ女の姿に、眉をひそめ、手に持っていた鍬をぐっと握りしめた。
「……何者だ、お前は。どこから来た。」
その声は低く、疑念に満ちていた。
他の村人たちも、家の戸口から遠巻きにフィリアの様子を伺っている。
その視線は、好奇心よりも、不審者を見る冷たい色を帯びていた。
フィリアは、最後の力を振り絞り、震える声で助けを求めた。
「……助けて……ください……。旅の者ですが……道に迷い、数日間何も……食べておりません……。どうか……一晩だけでいいので、雨露をしのぐ場所と……少しの食べ物を……恵んではいただけないでしょうか……」
その言葉は、途切れ途切れで、今にも消え入りそうだった。
しかし、その瞳の奥には、まだ決して失われていない、気高さと強い意志の光が宿っていた。
村人たちは、互いに顔を見合わせ、どうしたものかと囁き合っている。
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