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二章 推し活スポンサー
①⑨
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オレリアンは困惑しているようだが、気にすることなくミシュリーヌは来客用の部屋へと引っ張っていく。
それから侍女やシェフたちに指示を出していく。
来客用の部屋もサロンほどではないが植物が多く癒される空間だ。
まだ日は高く昼食の時間帯ということもあり、暫くするとすぐにワゴンに載って食事が運ばれてくる。
「野菜がゴロゴロと入ったスープとパンです」
「ミシュリーヌ嬢、俺は……」
「食べられそうですか?」
「…………」
オレリアンは黙ってはいるが静かに頷いた。
そしてスプーンを手に取り、黙々と食べ進めていく。
だが、手は積極的に動いてはいない。
あまり食欲はないのだろうか。時間をかけて皿は空っぽになった。
(食べられることはいいことだわ。食べることもつらくなったら……もう)
悲しい思い出に蓋をしつつミシュリーヌは微笑んでから、オレリアンからジャケットや剣を預かり、入浴の準備を進めていく。
ミシュリーヌは湯船に色とりどりの薔薇を浮かべるためにカゴに薔薇を入れていく。
花を使ったおもてなし……これがシューマノン子爵流である。
その姿をオレリアンは不思議そうにしていた。
(レダー公爵が薔薇風呂に浸かっているとこを想像するだけで……)
と、思っているとオレリアンの世話をしていた侍女たちが鼻血を出して次々と運ばれてくるではないか。
(さすがレダー公爵……美貌に当てられたのね)
のぼせた侍女たちがなんとか代わる代わる世話をして、最後はベテラン侍女に任せて入浴を終えた。
ミシュリーヌはふと、レダー公爵家の侍女たちに会ってみたくなった。
彼女たちもオレリアンの世話ができているのか気になったからだ。
入浴を終えたレダー公爵の固く強張っていた表情は柔らかい。
いつもの堅苦しい雰囲気はなくなり、ぽわぽわした雰囲気でこちらにやってくるではないか。
周囲にキラキラとしたエフェクトが見えて目を擦る。
体が温まったのか、それとも疲れが限界になってしまったのだろうか。
オレリアンは眠たげな目でミシュリーヌを見ていた。
こんな状態で買い物に行っていたら倒れてしまっていたに違いない。
自分の判断が間違っていなかったと頷きつつ、ミシュリーヌはオレリアンに横になるように促していく。
しかしもうすぐ枕に頭がつくというところで、彼はハッとして上半身を起こしてしまう。
まるで流されないと言わんばかりに声を上げた。
「ミシュリーヌ嬢、やはり……」
「レダー公爵、今は何も気にせずに休みましょう」
ミシュリーヌはオレリアンの肩を無理やり押してベッドに寝かせた。
ここまで不敬だとか失礼だとか、そんなことはミシュリーヌの頭にはない。
ミシュリーヌはただただオレリアンに健康になってほしい一心だ。
幼い頃からクロエがよく体調を崩していたが、ミシュリーヌはつきっきりで看病していた。
家族が体調が崩れていると心配で眠れなくなりずっとそばにいたこともある。
命の大切さを誰よりも知っているため、できる限りのことはやりたいと思うのかもしれない。
「……そうだわ!」
そわそわして落ち着かない様子のオレリアンを見て、ミシュリーヌはいいことを思いついたと手を合わせる。
いつも常備していると花瓶やトレーがあるのだが、ミシュリーヌはトレーを手に取った。
目を閉じて花を思い浮かべると、そこに大量のラベンダーが現れる。
「これがミシュリーヌ嬢の魔法……」
「ラベンダーの香りはリラックス効果があるんですよ」
ミシュリーヌはサイドテーブルにラベンダーが乗ったトレイを置いた。
そしてそばにあった椅子に腰掛ける。
部屋の中、優しく漂うラベンダーの香り。
手作りのアロマキャンドルを持ってきてもらいカーテンを閉める。
暗くなった部屋の中で、キャンドルの淡い光が揺蕩う。
(よし、これで準備ができた)
オレリアンも安眠できるだろうと振り返ると、もう瞼を閉じて寝息を立てているではないか。
自分の判断が間違っていなかったと悟り、満足感でいっぱいになる。
(やっぱりレダー公爵は疲れていたのね。よかった……)
サイドテーブルに置かれているアロマキャンドルの火を消そうと立ちあがろうとした時だった。
何かに突っかかっている感覚。
オレリアンがドレスの裾を引いているのだと気づいて驚いていた。
彼の方を見ると、彼は確かに寝ているはずなのだ。
指を外そうとすると、繋ぎ変えとでもいうようにミシュリーヌの手をがっちり掴んでしまう。
(どうしましょう……このままだと動けないわ)
美しすぎる顔からは想像できないほどにゴツゴツとした手のひらと骨張った指。
ミシュリーヌが困惑していると、オレリアンから声が漏れる。
「…………行か、ないでくれ」
呟くように言った声色には微かに悲しみが滲む。
ミシュリーヌはぴたりと動きを止めた。
彼は怖がっているようにも見えたからだ。
(レダー公爵がゆっくりと休めますように……)
ミシュリーヌは椅子に腰掛けながら彼の手を両手で包み込むように握りしめた。
手のひらから伝わる熱。
ラベンダーの香りを感じるために目を閉じるとリラックスしてくる。
次第にミシュリーヌにも眠気が襲った。
(昨日、推し活ではしゃぎすぎたせいかしら。全身痛いし、わたしも少し休みましょう)
手を繋ぎながら、ミシュリーヌはベッドに横になった。
* * *
それから侍女やシェフたちに指示を出していく。
来客用の部屋もサロンほどではないが植物が多く癒される空間だ。
まだ日は高く昼食の時間帯ということもあり、暫くするとすぐにワゴンに載って食事が運ばれてくる。
「野菜がゴロゴロと入ったスープとパンです」
「ミシュリーヌ嬢、俺は……」
「食べられそうですか?」
「…………」
オレリアンは黙ってはいるが静かに頷いた。
そしてスプーンを手に取り、黙々と食べ進めていく。
だが、手は積極的に動いてはいない。
あまり食欲はないのだろうか。時間をかけて皿は空っぽになった。
(食べられることはいいことだわ。食べることもつらくなったら……もう)
悲しい思い出に蓋をしつつミシュリーヌは微笑んでから、オレリアンからジャケットや剣を預かり、入浴の準備を進めていく。
ミシュリーヌは湯船に色とりどりの薔薇を浮かべるためにカゴに薔薇を入れていく。
花を使ったおもてなし……これがシューマノン子爵流である。
その姿をオレリアンは不思議そうにしていた。
(レダー公爵が薔薇風呂に浸かっているとこを想像するだけで……)
と、思っているとオレリアンの世話をしていた侍女たちが鼻血を出して次々と運ばれてくるではないか。
(さすがレダー公爵……美貌に当てられたのね)
のぼせた侍女たちがなんとか代わる代わる世話をして、最後はベテラン侍女に任せて入浴を終えた。
ミシュリーヌはふと、レダー公爵家の侍女たちに会ってみたくなった。
彼女たちもオレリアンの世話ができているのか気になったからだ。
入浴を終えたレダー公爵の固く強張っていた表情は柔らかい。
いつもの堅苦しい雰囲気はなくなり、ぽわぽわした雰囲気でこちらにやってくるではないか。
周囲にキラキラとしたエフェクトが見えて目を擦る。
体が温まったのか、それとも疲れが限界になってしまったのだろうか。
オレリアンは眠たげな目でミシュリーヌを見ていた。
こんな状態で買い物に行っていたら倒れてしまっていたに違いない。
自分の判断が間違っていなかったと頷きつつ、ミシュリーヌはオレリアンに横になるように促していく。
しかしもうすぐ枕に頭がつくというところで、彼はハッとして上半身を起こしてしまう。
まるで流されないと言わんばかりに声を上げた。
「ミシュリーヌ嬢、やはり……」
「レダー公爵、今は何も気にせずに休みましょう」
ミシュリーヌはオレリアンの肩を無理やり押してベッドに寝かせた。
ここまで不敬だとか失礼だとか、そんなことはミシュリーヌの頭にはない。
ミシュリーヌはただただオレリアンに健康になってほしい一心だ。
幼い頃からクロエがよく体調を崩していたが、ミシュリーヌはつきっきりで看病していた。
家族が体調が崩れていると心配で眠れなくなりずっとそばにいたこともある。
命の大切さを誰よりも知っているため、できる限りのことはやりたいと思うのかもしれない。
「……そうだわ!」
そわそわして落ち着かない様子のオレリアンを見て、ミシュリーヌはいいことを思いついたと手を合わせる。
いつも常備していると花瓶やトレーがあるのだが、ミシュリーヌはトレーを手に取った。
目を閉じて花を思い浮かべると、そこに大量のラベンダーが現れる。
「これがミシュリーヌ嬢の魔法……」
「ラベンダーの香りはリラックス効果があるんですよ」
ミシュリーヌはサイドテーブルにラベンダーが乗ったトレイを置いた。
そしてそばにあった椅子に腰掛ける。
部屋の中、優しく漂うラベンダーの香り。
手作りのアロマキャンドルを持ってきてもらいカーテンを閉める。
暗くなった部屋の中で、キャンドルの淡い光が揺蕩う。
(よし、これで準備ができた)
オレリアンも安眠できるだろうと振り返ると、もう瞼を閉じて寝息を立てているではないか。
自分の判断が間違っていなかったと悟り、満足感でいっぱいになる。
(やっぱりレダー公爵は疲れていたのね。よかった……)
サイドテーブルに置かれているアロマキャンドルの火を消そうと立ちあがろうとした時だった。
何かに突っかかっている感覚。
オレリアンがドレスの裾を引いているのだと気づいて驚いていた。
彼の方を見ると、彼は確かに寝ているはずなのだ。
指を外そうとすると、繋ぎ変えとでもいうようにミシュリーヌの手をがっちり掴んでしまう。
(どうしましょう……このままだと動けないわ)
美しすぎる顔からは想像できないほどにゴツゴツとした手のひらと骨張った指。
ミシュリーヌが困惑していると、オレリアンから声が漏れる。
「…………行か、ないでくれ」
呟くように言った声色には微かに悲しみが滲む。
ミシュリーヌはぴたりと動きを止めた。
彼は怖がっているようにも見えたからだ。
(レダー公爵がゆっくりと休めますように……)
ミシュリーヌは椅子に腰掛けながら彼の手を両手で包み込むように握りしめた。
手のひらから伝わる熱。
ラベンダーの香りを感じるために目を閉じるとリラックスしてくる。
次第にミシュリーヌにも眠気が襲った。
(昨日、推し活ではしゃぎすぎたせいかしら。全身痛いし、わたしも少し休みましょう)
手を繋ぎながら、ミシュリーヌはベッドに横になった。
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