推しを味方に付けたら最強だって知ってましたか?

●やきいもほくほく●

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番外編(その後のお話)

黒歴史を乗り越えて①(スフレ&ガイル)

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デリックのお陰で隣国の第三王子との繋がりをゲットしたのは良かったのだが……スフレに大きな問題があった。

(男性と、どうやって過ごせばいいか分からないわ……!)

デリックと出会い、一方的な想いを寄せてから一にデリック、二にデリック……ずっとデリックで頭が一杯の生活で、尚且つ婚約者も居なかったスフレは、男性との関わり方が何ひとつわからない。

それにここ数年、マナーと勉学を習得する為に忙しく、恋愛をしている暇がなかった。
故に、新しい令息との出会いもなければ男性との会話を弾ませる方法も知らないのだ。
以前は自分勝手な思い込みで色々な人に迷惑を掛けていた。
マナーも勉学も結婚すれば、どうでもいいと思っていた。

けれどアリスの言葉で過去の過ちを反省し、周囲の状況もキチンと把握出来る様になった。
前よりも慎重に動けるようになったものの……。

(自信がないわ……)

やっと現実を見れるようになっただけ良かったと自分を納得させていた所、タイミング良くチャンスが巡ってきたのだった。
アリスに教わった小悪魔テクニックも、ちゃんと生かせるかどうか分からない。
そんな黒歴史達を心の奥に押し込みつつ、スフレは馬車に乗り込んだ。


今日は隣国のファスティー王国の王妃と第一王子のランディ、第三王子であるガイルが、ニーシュライナー王国に訪れる為、歓迎パーティーが行われる。
デリックは、そんなガイル王子の相手役を是非スフレにと推薦してくれたのだ。
一歩間違えれば外交問題である。
震えそうになる手を必死に抑えていた。

しかし、この日の為にアリスと王城の講師達の元で集中合宿を終えたばかりだった。
そんなプロフェッショナル達に"問題ない"と言われたので、大丈夫だと思いたい。

(私は……上手くできるのかしら)

逆に今までの無鉄砲さが少し恋しいくらいだ。
馬車に揺られながら、溜息を吐く自分を心配するように、ララがシャボン玉を沢山作って飛ばしていた。
頬を指差しながら口角を上げてララはニコリと笑って見せた。


「ララ、元気づけようとしてくれてるの?」


コクコクと頷くララを見て微笑んだ。


「ありがとう、ララ……!」


一番大きな変化といえばララと契約できたことだ。
彼女がそばに居て励ましてくれたから、更に成長することができたのだと思う。

ララは今日、スフレとお揃いのドレスを着ていた。
勿論、今日の為に手作りしたララ用のドレスである。
嬉しそうにドレスでクルリ、クルリと回りながら遊んでいる。

そんな可愛すぎる姿に憂鬱な気分は吹き飛んでしまう。
最近ではカーテシーを覚えたらしく、色んな人にしている姿を見かける。

(デリック殿下には感謝しているけれど……あのデリック殿下が紹介してくれる王子よ!腹黒かもしれないから気をつけなくちゃ!また同じ過ちを繰り返したくないもの)

スフレは深呼吸を何度かしたあとに気合いを入れてから馬車を降りたのだった。






「初めまして、ガイル・リフ・ファスティーです」

「お初にお目にかかります。スフレ・ダーカーです。本日は宜しくお願い致します」


柔らかい笑みを浮かべつつ挨拶をした。

(きちんと挨拶できたわ……!)

ガイルは此方を見て少し驚いた様子を見せたが、すぐに柔かに微笑んだ。


「あぁ……デリックに聞いた通り、本当に可愛いらしい御令嬢だね」

「ありがとうございます。お上手ですわね、ガイル殿下」

「引き受けてくれてありがとう、今日はよろしくね」

「此方こそ、ガイル殿下と御一緒できて光栄です」


モカブラウンの髪と瞳。
デリックの紹介だというから、警戒心たっぷりに接していたのだが、爽やかすぎる笑顔と物腰柔らかく、いかにも王子らしい立ち振る舞いに、傾きそうになる心に必死で鞭を打つ。
成長はしたものの、好みの男性は変わらない。

(コイツは腹黒コイツは腹黒……惚れたら負けるのよ!!!)

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