イケメン幼馴染に執着されるSub

ひな

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子供

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いや、悪いよ。

なんて言えなかった。
俺が応える前に隼人は俺の手を引っ張った。

「ちょ、離せよ。行かねぇって!」

「違う。ついてきて。」

「だから行かないって」

「雄斗がこっちに来てる。」

「え…」

俺は後ろを振り向いた。
100メートルくらい距離の離れた所で雄斗はスマホを操作しながらこっちに向かっている。

(まだ、こっちに気づいてない…?)

「梶原、一旦コンビニのトイレ入るよ。」

そう言って隼人は俺を引っ張ってトイレに連れて行った。

「多分梶原の服とかにGPS、付いてるんじゃないかな。脱いで。」

「はっ?ここでっ?!」

「うん。恥ずかしがってる暇ないよ。俺は外で待ってるから早くして。」

「おう…」

トイレで全裸とか恥ずかしすぎだろ。
まぁでも本当にGPSが付いていたんだから洒落にならないよな。

服を脱いだらポロって出てきたよ。

「隼人…お前すごいな、」

「だから超能力って言ったでしょ。それより、走るよ。走って俺の家に直行する。」

「うん…」

なんか、非現実的って感じするな……





ーーーーーーーーーーーーーー

「着いたよ。」

「えっ?ここ?」

「うん。」

隼人に案内された家は町内でも有名なタワーマンションだった。
見上げた所、多分30階以上はあるのかな…
やっぱりDomってすごい。

「こんばんは。」

受付嬢みたいなコンシェルジュの綺麗なお姉さんがいる。

「こ、こんばんは…」

「梶原、こんな人に見惚れてないで早く行こうよ~」

「ちょ、お前失礼だろ!」

「うふふ。」

コンシェルジュのお姉さんはずっとニコニコしてる。
そのニコニコの圧が何か、怖い…

「梶原、エレベーター平気?俺の家20階なんだけど…」

(20?!え、20?!俺の部屋でさえ2階だぞ?!!)

「あぁ、まぁ大丈夫。」

(やべー、タワマンやばい…)

「じゃあ乗るよ。」

ポーン

エレベーターが閉まる。
ここから20階…結構時間掛かるのかな。

「………」

「………」

隼人が急に何も話さなくなった。
きまずい。
今の階は…まだ5階か、
どうしよ、何か話しかけたほうがいいかな、

「隼人っ、あのさ…」

「梶原はさ、雄斗に何されたの?」

「え…?」

「聞かせて。」

「あ、あぁ?うん…、」

答えたくないな…
でも、答えろって圧がすごい…

「…ゲロ、吐かされた。」

「それだけ?」

「…ゆび、舐めた…」

「まだあるよね?」

まじで?
全部言わなきゃいけないの?
でも、助けてもらってるからな…

「…キス、した。」

「……へぇ」

キス、以上のこともしたけど言えない。
恥ずかしすぎてやばいし俺がSubだってこともバレてしまう。
絶対に言えない。


「イケメンな雄斗にキスされて、嬉しかった?」

「は?嬉しくねぇよ…」

嬉しくない。
むしろ気持ち悪い。無かったことにしたい。

「そっか。ならさ、」

隼人が俺を見つめる。
そして、距離が縮まる。
顔の距離が近くなる。

「隼人。お前、俺とキスする気?」

「どうでしょう」

「正気か、?」

「雄斗がしたもんな~」

「隼人、やめ」


隼人の息が唇に触れる




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