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第三章 ルーゼント家編
お茶会/ハーロット家
しおりを挟むリリー夫人主催のお茶会当日
ルーゼント家の中庭は、いつもの静けさから一転し、あちこち飾り立てられ豪華な装飾品が飾られ、置かれたテーブルには、美味しそうな料理が沢山並んでいる
プリンやロリポップドーナツは、とても人気の様でその二つが並んでいるテーブルは、人で溢れている
今日のお茶会には、リリー夫人の兄ウィル·ハーロットとその妻マリア·ハーロット
そして、招待された貴族達と、その子供達が集まっているらしい
このお茶会は、交流だけではなくサイラスの婚約者候補と側近候補を決めるのも兼ねているのだと、アティカスくんに教えてもらった。
サイラスは、多くの子供達に囲まれている
(だから…子供もあんなに居るのか…サイラスも大変だな…)
その光景を俺は、お茶会の隅の方で眺めていた。
「凄い人だね…」
「そうですね…今日のお茶会は、特別ですからね。」
「それにしても、俺は何故、ここ|《お茶会》にいるんだろうね…」
「俺には、リリー夫人のお考えは、分かりません。」
「俺にも分からないよ……」
はは……と乾いた笑いが出る
明らかに、俺を避け遠巻きに見てヒソヒソと何かを話している貴族達…
子供達も嫌そうな顔でこちらをさっきからチラチラと見てくる。
(嫌な予感的中だな……はぁ~。本当に、なんで俺ここに呼ばれたんだよ!?いつものお茶会にも、これまで参加した事がなかったのに…どうして…?)
マリーさんが、入れてくれた紅茶を飲みながら、考えていると煌びやかな男女がこちらに向かって歩いてきた。
「やぁ……君が、ルークだろう?」
「………」
「俺は、ウィル·ハーロット隣にいるのは、妻のマリアだ。」
「ご機嫌よう。ルーク様マリア·ハーロットと申します。」
ミルキーピンク色の腰まである髪に、淡いピンク色の目をしたマリアは、美しく品のあるカーテシーをすると俺を見て微笑んだ。
「ハーロット?それって…」
「リリー夫人のご実家です。」
アティカスくんが、すかさず教えてくれる
俺は、ウィルをじっと見つめ納得した。
(通りで……リリー夫人に、どことなく似ているわけだ。でもどうして、俺に声を掛けてきたんだ?)
ウィルは、リリー夫人と似た髪と目の色をした180cmくらいの男性だった。
「会えて嬉しいよ。君の話は、よく妹から聞かされていたからね…。」
「そうですか。俺もお会いできて嬉しいです。」
そう言い俺は、久しぶりに営業スマイルで答えるとウィルは、そんな俺を値踏みする様に見つめた後、微笑み俺に、顔をグッと近づけると、俺にだけ聞こえる声で告げる
「これは忠告だ。妹には、気をつけろ」
「え…!それは、どういう……」
告げられた言葉に、驚き目を見開きウィルに、聞き返そうとしたがウィルは、良い日を…と言うと俺に、背を向け去っていった。去り際、マリアが、一瞬チラリっと俺を見る
(今のは一体?!妹ってリリー夫人の事だよな…気をつけろってどういう事だ!?!)
「ルーク様?どうなさいました?」
「え!」
「ウィル様に、もしや何か嫌な事でも言われたのですか?」
「いやいや!?なんでもないよ!言われた事も大した事じゃないんだ!気にしないで!」
「本当ですか…?」
アティカスくんとマリーさんが、訝しげに俺を見つめる。
俺が、本当だよ。大丈夫だからと、微笑みながら告げると二人は、ルーク様がそう言うなら…と言いそれ以上何も言わなかった。
それから暫くすると、リリー夫人が立ち上がると凛とした声で話し始めた。
「皆様、本日は我がルーゼント家のお茶会へようこそおいでくださいました。ここで、私の息子サイラスから、皆様へご挨拶をさせていただきたく思います。サイラス」
「はい。お母様」
いつの間にか、リリー夫人の傍にいたサイラスが、笑顔で挨拶をする
「本日は、ようこそ我がルーゼント家のお茶会へおいでくださいました。そして本日は、僕のサイラスの婚約者と側近を決める大事なものでも御座います。婚約者と側近になるかもしれない皆様へ、僕からささやかではありますが、贈り物がございます。」
そう言うと、サイラスが指をパチンッと鳴らす
すると使用人達が、次々とカートを押しながら現れた。
カートの上には、美しくカットされた宝石の様な魔石が幾つも並び輝いている
「この魔石は、ハーロット家の所有する領地でしか取れない魔石で、まだ何処にも出回ってない魔石で特別な物になります。それを本日お越し下さった皆様のみに、お渡ししたいと存じます。」
そうサイラスが言うと、貴族達が、なんとッ!そんな貴重な物を!?なんとお優しい!とあちこちから囁かれ皆が、リリー夫人とサイラスを見つめ笑顔で拍手する
サイラスが、使用人達へ目配せすると魔石は、次々と貴族達へと配られていく
俺は、その様子を見つめていると突然ゾクリッとした悪寒が、背中を走る
(この悪寒…クーレの森の時も同じ感じた!?どうして!?!!それに、何だか嫌な感じが……一体何処から…)
俺は、立ち上がり周りを見渡す
「ルーク様?どうなさいました!?」
アティカスくんとマリーさんが、驚き声をかけてきたがそれを無視し俺は、嫌な気配を感じる場所を探す
そして、ふっと見たリリー夫人の胸元に付けている誰もが、惹き付けられる様な美しい黒紫色の宝石に目がいった。
「あれは……」
「どうなさいました?」
「アティカスくん、リリー夫人の胸元にある宝石は、どうしたの?」
「あの…宝石ですか?あれは、確か贈り物で頂いた物だとお聞きしておりますが……それが何か?」
「何かありましたの?」
「何だか分からないけど…凄く嫌な感じがするんだ…」
「!?」
俺は、その宝石から、目が離せなかった。
(なんだあれ…凄く嫌な感じがする。見ているとモヤモヤして嫌だなって思うのに…何故か惹き付けられるような……なんだこれ気持ち悪すぎだろう。)
胸を抑え耐えていると、己が座っていた場所にある後ろの茂みからぷぎゃ!っという声が聞こえ俺は、驚きそちらを振り向くとそこには、リヒトがいた。
「リヒト!?!どうして!!」
「ぷぎゃー!」
「今日は、お部屋でお留守番って言ったのに!」
リヒトは、俺が名前を呼ぶと行き良いよく茂みから飛び出し俺の足元へと駆け寄ってくる
俺は、もうしょうがないな。と微笑みながら、足にしがみつくリヒトを抱き上げ頭を撫でる
その瞬間、パチンッという音が響く
なんだ!?と音に驚いていると、俺はある事に気づいた。
「あれ?気持ち悪いの治まってる……」
「ぷぎゃ!」
「もしかして……今のリヒトが?」
驚き目を見開きリヒトを見つめていると…
「キャーーーーーー!?!!」
という女性の悲鳴が、お茶会の中響き渡った。
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