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第五章 それは日々の話
105 寒くても出かけたい 成人
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「はあ?出かけるって?熱が下がったばかりだろ?」
「え?熱が下がってから三日経ったよ」
「三日しか経ってねえ」
「えええ?じゃ、いつならいいの?」
夜。明日出かけたいって緋色に言ったら、また、駄目だって言われた。
もー。
ずっとお出かけしてないんだよ?
駄菓子屋さんも、店の前に車を停めて降りて買って、車に乗って帰ったし。雑貨屋さんもついでに歩いて行きたかったのに、ほんのちょっとの距離を車で移動だよ?
あんなのお出かけじゃないよ。
母さまの金魚に餌をあげに行くのまで車で行くんだもん。
「熱を出さなくなったら」
「…………それって、いつ?」
「知らん」
熱はねえ。出るんだもん。勝手に。
前の冬は、今日は気温が低いなって思ったらもう、くしゃみが出てて、ぶるぶると体が震えだして、気付いたら布団にいるって感じだったから、諦めてちゃんと寝てたんだけど、この冬はたくさんお洋服を着てるし、まだ三回しか熱を出していない。
寒いって感覚も分かったから、寝るときは湯たんぽを入れてもらってぬくぬくだし。
緋色は半袖の寝間着で一緒に寝てる。俺は、ふわふわもこもこの暖かい寝間着。同じ気温で、ずいぶん感じ方が違うんだなあ。
緋色が湯たんぽが暑いなら別々に寝たらいいのかもしれないけど、それはちょっと嫌かなー。ふふ。我が儘言っちゃった。
熱があるときは、自分の布団で寝るけどね。
俺だって、しんどいのは嫌だから我慢してる。でも、明日のお出かけは絶対行く。ずっと前から母さまと約束してたし、今は元気。明日のために、本当に気を付けて生活してたんだから。
「髪の美容液のお店に行く約束。母さまと」
「ちっ。それか」
西の、九鬼弐角がいつも買ってる髪の美容液のお店が、皇都にも開店するために準備してたんだけど、それがついに出来上がったんだ。
緋色が提案したのは、商店街の、壱臣が食堂を開いていた店舗。デパートができたこともあって、空いた後に新しく店を開く人がいなかったみたい。商店街の話題作りのためにも、そこに支店を置いてはどうかということになったらしい。
デパートの中には別の髪の美容液の店が入っているので、わざわざ直接ぶつかり合うこともないだろう?って緋色が言った。店主は、うちの主力は高額の商品というわけやないので、それがええです、って言って、すぐに話がまとまったらしい。
俺は、壱臣がいつでもお気に入りの美容液を買えたらいいなって思ってたから、大好きな商店街に店ができて、とっても嬉しい。俺も、良い匂いは大好きだし。
お土産で買ってきた髪の美容液が、すっごくすっごく気に入った母さまも赤璃さまも、お店ができるのを楽しみにしてて、一緒に行く約束してたんだ。
赤璃さまは、お腹の赤ちゃんを大事にしなきゃいけないし寒いから、商店街へ行くのは駄目って朱実殿下に言われちゃったらしい。それは、仕方ないね。暖かくなったら一緒に行こうって約束した。
母さまは、人がたくさんいない時の方がいいし、お土産で買ってきた美容液が無くなったから、開店したらすぐに行きたいとずっと言ってて、俺も行きたかったから、店主さんにお手紙を書いた。
開店したらすぐに行きたいので、開店の日を教えてくださいって。母さまと一緒に行きますっていうのもちゃんと伝えた。
お手紙なんて初めてだから、青葉に相談しながら何回も書き直して、封筒に入れて、宛名っていう相手の住んでる場所を書いて切手を貼って、城の門の前にある郵便ポストに入れた時は、どきどきした。郵便やさんがそこから手紙を集めて運んでくれるっていうから、郵便やさんが来るまでそこで待ってたんだよね。そうしたら!本当に、車に乗った郵便やさんが来て、ポストの鍵を開けて中に入ってた手紙を取り出して持って行ったんだ。
その後はもちろん熱が出たけど、良いもの見れたから嬉しかったー。手紙を運ぶ仕事もいいなあ。もし車の免許が取れたら、郵便やさんになるのもいい。
熱が下がった頃にすぐお返事が届いて、開店の前に、特別にご招待しますのでいらしてくださいって書いてあった。それが、明日!母さまは人がたくさんいると疲れてしまうから、特別に開けてもらって行けるのがいいよね?
「仕方ない。なるべく外をうろつかずに、車を降りたらすぐに店に入れよ」
やった。
行ってくるね!
「え?熱が下がってから三日経ったよ」
「三日しか経ってねえ」
「えええ?じゃ、いつならいいの?」
夜。明日出かけたいって緋色に言ったら、また、駄目だって言われた。
もー。
ずっとお出かけしてないんだよ?
駄菓子屋さんも、店の前に車を停めて降りて買って、車に乗って帰ったし。雑貨屋さんもついでに歩いて行きたかったのに、ほんのちょっとの距離を車で移動だよ?
あんなのお出かけじゃないよ。
母さまの金魚に餌をあげに行くのまで車で行くんだもん。
「熱を出さなくなったら」
「…………それって、いつ?」
「知らん」
熱はねえ。出るんだもん。勝手に。
前の冬は、今日は気温が低いなって思ったらもう、くしゃみが出てて、ぶるぶると体が震えだして、気付いたら布団にいるって感じだったから、諦めてちゃんと寝てたんだけど、この冬はたくさんお洋服を着てるし、まだ三回しか熱を出していない。
寒いって感覚も分かったから、寝るときは湯たんぽを入れてもらってぬくぬくだし。
緋色は半袖の寝間着で一緒に寝てる。俺は、ふわふわもこもこの暖かい寝間着。同じ気温で、ずいぶん感じ方が違うんだなあ。
緋色が湯たんぽが暑いなら別々に寝たらいいのかもしれないけど、それはちょっと嫌かなー。ふふ。我が儘言っちゃった。
熱があるときは、自分の布団で寝るけどね。
俺だって、しんどいのは嫌だから我慢してる。でも、明日のお出かけは絶対行く。ずっと前から母さまと約束してたし、今は元気。明日のために、本当に気を付けて生活してたんだから。
「髪の美容液のお店に行く約束。母さまと」
「ちっ。それか」
西の、九鬼弐角がいつも買ってる髪の美容液のお店が、皇都にも開店するために準備してたんだけど、それがついに出来上がったんだ。
緋色が提案したのは、商店街の、壱臣が食堂を開いていた店舗。デパートができたこともあって、空いた後に新しく店を開く人がいなかったみたい。商店街の話題作りのためにも、そこに支店を置いてはどうかということになったらしい。
デパートの中には別の髪の美容液の店が入っているので、わざわざ直接ぶつかり合うこともないだろう?って緋色が言った。店主は、うちの主力は高額の商品というわけやないので、それがええです、って言って、すぐに話がまとまったらしい。
俺は、壱臣がいつでもお気に入りの美容液を買えたらいいなって思ってたから、大好きな商店街に店ができて、とっても嬉しい。俺も、良い匂いは大好きだし。
お土産で買ってきた髪の美容液が、すっごくすっごく気に入った母さまも赤璃さまも、お店ができるのを楽しみにしてて、一緒に行く約束してたんだ。
赤璃さまは、お腹の赤ちゃんを大事にしなきゃいけないし寒いから、商店街へ行くのは駄目って朱実殿下に言われちゃったらしい。それは、仕方ないね。暖かくなったら一緒に行こうって約束した。
母さまは、人がたくさんいない時の方がいいし、お土産で買ってきた美容液が無くなったから、開店したらすぐに行きたいとずっと言ってて、俺も行きたかったから、店主さんにお手紙を書いた。
開店したらすぐに行きたいので、開店の日を教えてくださいって。母さまと一緒に行きますっていうのもちゃんと伝えた。
お手紙なんて初めてだから、青葉に相談しながら何回も書き直して、封筒に入れて、宛名っていう相手の住んでる場所を書いて切手を貼って、城の門の前にある郵便ポストに入れた時は、どきどきした。郵便やさんがそこから手紙を集めて運んでくれるっていうから、郵便やさんが来るまでそこで待ってたんだよね。そうしたら!本当に、車に乗った郵便やさんが来て、ポストの鍵を開けて中に入ってた手紙を取り出して持って行ったんだ。
その後はもちろん熱が出たけど、良いもの見れたから嬉しかったー。手紙を運ぶ仕事もいいなあ。もし車の免許が取れたら、郵便やさんになるのもいい。
熱が下がった頃にすぐお返事が届いて、開店の前に、特別にご招待しますのでいらしてくださいって書いてあった。それが、明日!母さまは人がたくさんいると疲れてしまうから、特別に開けてもらって行けるのがいいよね?
「仕方ない。なるべく外をうろつかずに、車を降りたらすぐに店に入れよ」
やった。
行ってくるね!
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