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第六章 家族と暮らす
107 見えるものと見えないもの 成人
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「へえ。殺気、というのは向けられたら分かるものなのか?」
「うん」
「訓練の賜物かな。感じることができる殺気というのがよく分からないな。私は、多少の威圧を感じることができるけれども、それのことかい?」
「違う。殺気は殺気。相手を殺そうとして行動したら分かる」
「そう。そんな特殊な能力があるとは、流石は生体兵器だね」
「朱実!」
赤璃さまが大きな声で朱実殿下を呼ぶ。赤璃さまは怒っていて、でも冷静になろうとしてるんだよね。でも今、堪えきれなかった?
朱実殿下はずっと落ち着いて話しているから俺は話しやすい。
「ああ、これは褒めているんだよ。生体兵器として作られたその能力をしっかりと発揮できているのなら、それは素晴らしいことじゃないか」
「なるは、人間よ」
「人にはできないことができる能力を持っているのだから、人間と言っていいのかどうか悩むところではあるけれど。まあ、成人がそうした特別な能力を持っていることが恐ろしくて、私は無意識のうちにそうした気持ちを持ってしまっていたのかもしれないね」
無意識のうちに?そんなことはできない。威圧も殺気も、対象があって意識的に出すことで対象者が感じるのであって、何となく漏れ出るようなものじゃない。特に殺気は、よほど相手に強い殺意がないと感じられやしない。
「無理。殺気は強い殺意がないと出ない」
「へえ」
うっすらと笑っている朱実殿下の目元に力が込められた。
「では、軽く、死ねばいいと思っているくらいでは届かないのかな」
「うん」
「今の私からは何か出ている?」
「ううん」
「そう。残念」
「ねえ。今も軽く、死ねばいいって思っているの?なるに?」
赤璃様の声が、低く響く。怒ってるなあ、と分かる声色。こういう皆に分かることじゃないのが、殺気とか威圧の厄介なところだよね。分かる人には分かるけど、分かんない人もたくさんいる。
護衛をする時や戦う時は、相手が殺気を出していたら警戒しやすくて助かるけど。殺気は、上手く隠せる人や出さない人の方が強い。気取られたら殺せないじゃん。
「嫌だなあ、赤璃。言葉のあやって奴だよ。殺気について教えてもらっているだけさ」
「分からない……。あなたの言葉が、どれだけのあなたの真実を述べているのか分からないの」
「大切な君に、嘘など吐くものか」
赤璃さまの目に涙が少し浮かんできた。今度は悲しいんだろうか。見えてても分かりにくいこともある。
「では教えて。あなたはなるを殺したいとずっと思っていたの?」
「うん」
「訓練の賜物かな。感じることができる殺気というのがよく分からないな。私は、多少の威圧を感じることができるけれども、それのことかい?」
「違う。殺気は殺気。相手を殺そうとして行動したら分かる」
「そう。そんな特殊な能力があるとは、流石は生体兵器だね」
「朱実!」
赤璃さまが大きな声で朱実殿下を呼ぶ。赤璃さまは怒っていて、でも冷静になろうとしてるんだよね。でも今、堪えきれなかった?
朱実殿下はずっと落ち着いて話しているから俺は話しやすい。
「ああ、これは褒めているんだよ。生体兵器として作られたその能力をしっかりと発揮できているのなら、それは素晴らしいことじゃないか」
「なるは、人間よ」
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無意識のうちに?そんなことはできない。威圧も殺気も、対象があって意識的に出すことで対象者が感じるのであって、何となく漏れ出るようなものじゃない。特に殺気は、よほど相手に強い殺意がないと感じられやしない。
「無理。殺気は強い殺意がないと出ない」
「へえ」
うっすらと笑っている朱実殿下の目元に力が込められた。
「では、軽く、死ねばいいと思っているくらいでは届かないのかな」
「うん」
「今の私からは何か出ている?」
「ううん」
「そう。残念」
「ねえ。今も軽く、死ねばいいって思っているの?なるに?」
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「分からない……。あなたの言葉が、どれだけのあなたの真実を述べているのか分からないの」
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「では教えて。あなたはなるを殺したいとずっと思っていたの?」
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