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第八章 郷に入っては郷に従え
124 根気よく伝えることが大事 成人
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「緋色殿下、成人殿下、此度は誠に申し訳なく」
壱鷹が、立ったまま深々と頭を下げた。
「壱鷹は、何にも申し訳なくない。申し訳ないって言わなくちゃいけないのは真中」
「成人殿下……」
俺が言ったら、壱鷹は一度上げた頭をまた下げる。もうっ。本当に、壱鷹は申し訳なくないからね?壱鷹も、頭を下げてもらう方だから。
でも、真中はちっともちゃんと謝ってくれなくて、これは言ってもしょうがないやつだって思った。なんかね、どうしても分かんない時ってあるみたいで。前にね、見可に怒ってる緋椀を止めた緋見呼さまが言ってた。小さい子にはまだ分からぬ事もたくさんある故、話を切り上げる機会を見極めることも大切じゃぞって。あれもこれもとたくさん言うと、最初に言われたことを忘れちゃうんだって。本当だ、って思ったから覚えてる。俺は子どもじゃないけど、それでも、たくさん言われ過ぎると始めの方のことは忘れちゃう気がする。大事なことは、少しずつ伝えて終わりにする方がいいらしい。相手が理解しててもしていなくても、そういうものだと根気強く伝えることが大切なんだ、って緋見呼さまは言ってた。
まあ、真中は小さい子どもじゃないんだけどさ。でもなんか、壱鷹が頑張って説明してることが分かってない感じがしたから、一緒かなって。
だから、とりあえず、真中がもにゅもにゅと小さな声で遅刻を謝って、それでもういいってことにした。いっぱい言っても、分かんなくなるだけだよ、きっと。
それで、何かしなくちゃいけない手続きは壱鷹と謁見して書類を交わして終わったみたいだから、帰っていいよって言ったら真中はぽかんとしていた。
ん?だって、真中が絶対しなくちゃいけない大事な用事はそれだけだったし。
弐角の目の下の隈が気になるから、早く布団に戻してあげたかったし。
ちゃっちゃと帰ってもらうために、お見送りもすることにした。何でか、ちょっと嬉しそうに胸を張って俺たちと歩いて外に出た真中は、外に待たされていた真中だった人を見て悲鳴を上げた。
「な、な、な……!ち、ちちう、え?」
真中だった人は、何にも答えずうつむいたままで。髪の毛は、昨日よりもっと少なくなっているように見えた。剃ってしまった方が見た目がいいんじゃないかな、と俺は思うんだけど。でも、そんなちょっとでも髪の毛ある方が大事なんだっけ?
真中が、その後何も言えずに立ち尽くしているうちに、真中だった人は後ろの方の車に乗せられてしまった。身分低いからね、うん。今来た真中と同じ車には乗れないね。
真中だった人の大荷物は全部まとめ終わっている。たくさん連れてきていた使用人や護衛の帰り支度も終わっている。いつでも出発できる状態らしいよ?真中が遅刻したから、その分たくさん待ってたんじゃないかなあ?車が五台も並んでてびっくりした。更に今来た真中の車が三台あるらしい。俺たち、今回はたくさんの人を連れて、緋色の道行と分かるように四台で来たんだけど、もっと多いなんてびっくりだった。
真中もさ、鶴丸と松吉みたいに一台で素早く来たら良かったのに。そうしたら遅刻しないと思うよ。
真中が俺の言ったことを聞いてたかどうか分かんないけど、やっと八台の車を見送った。
そしたら、壱鷹が深々と頭を下げたのだった。
壱鷹が、立ったまま深々と頭を下げた。
「壱鷹は、何にも申し訳なくない。申し訳ないって言わなくちゃいけないのは真中」
「成人殿下……」
俺が言ったら、壱鷹は一度上げた頭をまた下げる。もうっ。本当に、壱鷹は申し訳なくないからね?壱鷹も、頭を下げてもらう方だから。
でも、真中はちっともちゃんと謝ってくれなくて、これは言ってもしょうがないやつだって思った。なんかね、どうしても分かんない時ってあるみたいで。前にね、見可に怒ってる緋椀を止めた緋見呼さまが言ってた。小さい子にはまだ分からぬ事もたくさんある故、話を切り上げる機会を見極めることも大切じゃぞって。あれもこれもとたくさん言うと、最初に言われたことを忘れちゃうんだって。本当だ、って思ったから覚えてる。俺は子どもじゃないけど、それでも、たくさん言われ過ぎると始めの方のことは忘れちゃう気がする。大事なことは、少しずつ伝えて終わりにする方がいいらしい。相手が理解しててもしていなくても、そういうものだと根気強く伝えることが大切なんだ、って緋見呼さまは言ってた。
まあ、真中は小さい子どもじゃないんだけどさ。でもなんか、壱鷹が頑張って説明してることが分かってない感じがしたから、一緒かなって。
だから、とりあえず、真中がもにゅもにゅと小さな声で遅刻を謝って、それでもういいってことにした。いっぱい言っても、分かんなくなるだけだよ、きっと。
それで、何かしなくちゃいけない手続きは壱鷹と謁見して書類を交わして終わったみたいだから、帰っていいよって言ったら真中はぽかんとしていた。
ん?だって、真中が絶対しなくちゃいけない大事な用事はそれだけだったし。
弐角の目の下の隈が気になるから、早く布団に戻してあげたかったし。
ちゃっちゃと帰ってもらうために、お見送りもすることにした。何でか、ちょっと嬉しそうに胸を張って俺たちと歩いて外に出た真中は、外に待たされていた真中だった人を見て悲鳴を上げた。
「な、な、な……!ち、ちちう、え?」
真中だった人は、何にも答えずうつむいたままで。髪の毛は、昨日よりもっと少なくなっているように見えた。剃ってしまった方が見た目がいいんじゃないかな、と俺は思うんだけど。でも、そんなちょっとでも髪の毛ある方が大事なんだっけ?
真中が、その後何も言えずに立ち尽くしているうちに、真中だった人は後ろの方の車に乗せられてしまった。身分低いからね、うん。今来た真中と同じ車には乗れないね。
真中だった人の大荷物は全部まとめ終わっている。たくさん連れてきていた使用人や護衛の帰り支度も終わっている。いつでも出発できる状態らしいよ?真中が遅刻したから、その分たくさん待ってたんじゃないかなあ?車が五台も並んでてびっくりした。更に今来た真中の車が三台あるらしい。俺たち、今回はたくさんの人を連れて、緋色の道行と分かるように四台で来たんだけど、もっと多いなんてびっくりだった。
真中もさ、鶴丸と松吉みたいに一台で素早く来たら良かったのに。そうしたら遅刻しないと思うよ。
真中が俺の言ったことを聞いてたかどうか分かんないけど、やっと八台の車を見送った。
そしたら、壱鷹が深々と頭を下げたのだった。
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