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光魔法で魔獣を倒す
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「中庭に魔獣が!!」
突然のことにパーティ会場が騒然となる。
知らせを聞いたルーク様がいの一番に駆け出した。
「ルーク様! お待ちください!」
イザベラとフェリクスが後につづく。私も急いで中庭に向かうけれど履きなれないヒールの靴のせいで後れを取ってしまう。
思わずヒールを脱ぎ捨てて走った。全力で走ると先頭を走っていたルーク様にすぐ追いついた。昔から足の速さには自信があるんだよね。
ヒールを脱ぎ捨てて裸足になりドレスの裾を捲り上げて全力疾走する私を横目で見たルーク様は驚いた顔をした。
「君には本当に……いつも驚かされるな」
……ドレスに裸足はやっぱりおかしかったかしら? だけど今はそんなことは言っていられない。
「魔獣が中庭で守衛を襲っています。レベル20のダークマントが五体」
ルーク様と並んで走る先ほど使者が状況を説明する。
「五体だと……? 一体どうやって学園内に侵入した? いや、話は後だ」
中庭に到着すると、青い目の獅子のような姿をした魔獣が数人の守衛を襲っていた。
全身が真っ黒で瞳だけが怪しく光っている。体長は3m以上はあるだろうか。避けたように大きな口は人一人くらい簡単に飲み込んでしまいそうだ。捕まったらひとたまりもない。
「皆さん気をつけて! ダークマントは最大時速30kmで移動します! 魔力を攻撃だけに集中させず、常に回避に振り分けることを忘れないで!」
パーティ会場に危機を知らせにきた従者がそう皆に告げる。
光魔法の制御は練習中だけど……。私は自身の魔力を回避へと割り振った。これで回避は問題なくできそうだ。
ダークマント……猿人類が魔力に冒されて生まれた魔獣ね。以前に学術書で読んだことがある。魔力に冒されたことにより背中の皮膚がまるでマントのように肥大化したことからその名がつけられた。
大きな爪を持ち、その爪には毒がある。力が大変強く、一度その巨大な手で捕獲されれば脱出することは困難だ。見た目に反して俊敏な動きをするため、攻撃を避けながらの魔法詠唱が必要になる。
ルーク様がダークマントの攻撃を回避しながら氷魔法を繰り出す。続いてイザベラが雷魔法、フェリクスが風魔法を繰り出した。
「……っ、これでも食らえ!」
フェリクスが詠唱時間の長い高レベル魔法を使おうとしている。威力は大きいが、詠唱の間、回避のスピードが落ちる。
ダークマントの背後に炎のようなオーラが見えが。駄目だ、あれは魔力をチャージしている証で、数秒以内に爪による闇属性の高速連続攻撃が繰り出される。
「駄目よフェリクス! ダークマントから離れて!」
言ったと同時に私は魔力をすべて回避に全振りしてフェリクスのほうへと跳んだ。フェリクスを抱えて攻撃を回避する。
「フェリクス!」
「痛っ!」
先ほどフェリクスが立っていた場所にダークマントの攻撃が直撃した。地面の土はえぐれ大きな穴が開いている。
抱えていたフェリクスを地面に下ろす。致命傷は避けられたが、爪がかすったのか腕から出血している。とりあえず命に別状はなさそうだがこれ以上負担をかけないほうがいいだろう。
「ここでじっとしていて」
私はフェリクスにそう言うと、再びダークマントへと向き合った。
ルーク様がフェリクスを襲ったダークマントを背後から攻撃する。ダークマントが動かなくなる。先ほどイザベラとルーク様が一体を倒したから、残りは三体。
この四人の中ではルーク様のレベルがもっとも高くレベル23。イザベラがレベル19、私はまだレベルを測定していないからわからないけど、現時点で確実に頼りになるのはルーク様だ。
だけどルーク様のMPの残りは少ない。三体を倒すには範囲魔法を使うしかないだろう。幸い守衛たちがダークマントのHPを多少削っていたおかげで範囲魔法をあと一発当てられれば倒せそうだ。
けれど範囲魔法は詠唱時間が長く、その間回避のスピードが落ちる。
……っ、一体どうすれば……?
その瞬間、私の
「ルーク様、私の隣に来て!」
「エマ? 一体何を?」
「いいから私を信じて!」
ルーク様は小さく頷くと私の隣に来た。
「シールド!」
私が頭に浮かんだ魔法を詠唱すると、光のシールドが私とルーク様を包んだ。
私が張った光魔法のシールドにルーク様が驚いている。
「光魔法にはこんな使い方もあるのか……?!」
光魔法のシールドについては以前屋根裏部屋で読んだ蔵書で読んだ記憶があった。実際に使えるか試したことはなかったけれど、無事成功したらしい。
「私がシールドを張っているうちに、ルーク様、範囲魔法を! 早く!」
「わかった!」
ルーク様の範囲魔法がダークマント三体を直撃する。三体が動かなくなり、戦闘を終えることができた。
「あの光のシールド、なんなんですの? あんな力、初めて見ましたわ……」
イザベラと話す暇もなく、私は負傷したフェリクスの元へと向かった。
「フェリクス!」
フェリクスの腕からは血が流れだしていた。
咄嗟に私はフェリクスの傷口に口をつけて血を吸いだし、地面へと吐き出した。それを何度か繰り返す。ダークマントの爪には毒がある。吸い出さなければ命に係わる。
イザベラが嫌悪の表情で私を見つめている。
「いくら応急処置が必要だからと言ってあのような……。殿方の傷口に口をつけるだなんて……」
ルーク様とフェリクスが驚愕の表情で私を見つめていた。
「……っ、エマ、君は……っ。こんなことまで……。すまない、ありがとう」
「喋らないで、フェリクス」
「エマ、君って人は本当に、どうしてそう……」
嫌悪を表しているイザベラとは対照的にルーク様とフェリクスがなぜだか顔を赤らめて私を見つめているのはなぜなのだろう。わけがわからず私はきょとんとしてしまった。
突然のことにパーティ会場が騒然となる。
知らせを聞いたルーク様がいの一番に駆け出した。
「ルーク様! お待ちください!」
イザベラとフェリクスが後につづく。私も急いで中庭に向かうけれど履きなれないヒールの靴のせいで後れを取ってしまう。
思わずヒールを脱ぎ捨てて走った。全力で走ると先頭を走っていたルーク様にすぐ追いついた。昔から足の速さには自信があるんだよね。
ヒールを脱ぎ捨てて裸足になりドレスの裾を捲り上げて全力疾走する私を横目で見たルーク様は驚いた顔をした。
「君には本当に……いつも驚かされるな」
……ドレスに裸足はやっぱりおかしかったかしら? だけど今はそんなことは言っていられない。
「魔獣が中庭で守衛を襲っています。レベル20のダークマントが五体」
ルーク様と並んで走る先ほど使者が状況を説明する。
「五体だと……? 一体どうやって学園内に侵入した? いや、話は後だ」
中庭に到着すると、青い目の獅子のような姿をした魔獣が数人の守衛を襲っていた。
全身が真っ黒で瞳だけが怪しく光っている。体長は3m以上はあるだろうか。避けたように大きな口は人一人くらい簡単に飲み込んでしまいそうだ。捕まったらひとたまりもない。
「皆さん気をつけて! ダークマントは最大時速30kmで移動します! 魔力を攻撃だけに集中させず、常に回避に振り分けることを忘れないで!」
パーティ会場に危機を知らせにきた従者がそう皆に告げる。
光魔法の制御は練習中だけど……。私は自身の魔力を回避へと割り振った。これで回避は問題なくできそうだ。
ダークマント……猿人類が魔力に冒されて生まれた魔獣ね。以前に学術書で読んだことがある。魔力に冒されたことにより背中の皮膚がまるでマントのように肥大化したことからその名がつけられた。
大きな爪を持ち、その爪には毒がある。力が大変強く、一度その巨大な手で捕獲されれば脱出することは困難だ。見た目に反して俊敏な動きをするため、攻撃を避けながらの魔法詠唱が必要になる。
ルーク様がダークマントの攻撃を回避しながら氷魔法を繰り出す。続いてイザベラが雷魔法、フェリクスが風魔法を繰り出した。
「……っ、これでも食らえ!」
フェリクスが詠唱時間の長い高レベル魔法を使おうとしている。威力は大きいが、詠唱の間、回避のスピードが落ちる。
ダークマントの背後に炎のようなオーラが見えが。駄目だ、あれは魔力をチャージしている証で、数秒以内に爪による闇属性の高速連続攻撃が繰り出される。
「駄目よフェリクス! ダークマントから離れて!」
言ったと同時に私は魔力をすべて回避に全振りしてフェリクスのほうへと跳んだ。フェリクスを抱えて攻撃を回避する。
「フェリクス!」
「痛っ!」
先ほどフェリクスが立っていた場所にダークマントの攻撃が直撃した。地面の土はえぐれ大きな穴が開いている。
抱えていたフェリクスを地面に下ろす。致命傷は避けられたが、爪がかすったのか腕から出血している。とりあえず命に別状はなさそうだがこれ以上負担をかけないほうがいいだろう。
「ここでじっとしていて」
私はフェリクスにそう言うと、再びダークマントへと向き合った。
ルーク様がフェリクスを襲ったダークマントを背後から攻撃する。ダークマントが動かなくなる。先ほどイザベラとルーク様が一体を倒したから、残りは三体。
この四人の中ではルーク様のレベルがもっとも高くレベル23。イザベラがレベル19、私はまだレベルを測定していないからわからないけど、現時点で確実に頼りになるのはルーク様だ。
だけどルーク様のMPの残りは少ない。三体を倒すには範囲魔法を使うしかないだろう。幸い守衛たちがダークマントのHPを多少削っていたおかげで範囲魔法をあと一発当てられれば倒せそうだ。
けれど範囲魔法は詠唱時間が長く、その間回避のスピードが落ちる。
……っ、一体どうすれば……?
その瞬間、私の
「ルーク様、私の隣に来て!」
「エマ? 一体何を?」
「いいから私を信じて!」
ルーク様は小さく頷くと私の隣に来た。
「シールド!」
私が頭に浮かんだ魔法を詠唱すると、光のシールドが私とルーク様を包んだ。
私が張った光魔法のシールドにルーク様が驚いている。
「光魔法にはこんな使い方もあるのか……?!」
光魔法のシールドについては以前屋根裏部屋で読んだ蔵書で読んだ記憶があった。実際に使えるか試したことはなかったけれど、無事成功したらしい。
「私がシールドを張っているうちに、ルーク様、範囲魔法を! 早く!」
「わかった!」
ルーク様の範囲魔法がダークマント三体を直撃する。三体が動かなくなり、戦闘を終えることができた。
「あの光のシールド、なんなんですの? あんな力、初めて見ましたわ……」
イザベラと話す暇もなく、私は負傷したフェリクスの元へと向かった。
「フェリクス!」
フェリクスの腕からは血が流れだしていた。
咄嗟に私はフェリクスの傷口に口をつけて血を吸いだし、地面へと吐き出した。それを何度か繰り返す。ダークマントの爪には毒がある。吸い出さなければ命に係わる。
イザベラが嫌悪の表情で私を見つめている。
「いくら応急処置が必要だからと言ってあのような……。殿方の傷口に口をつけるだなんて……」
ルーク様とフェリクスが驚愕の表情で私を見つめていた。
「……っ、エマ、君は……っ。こんなことまで……。すまない、ありがとう」
「喋らないで、フェリクス」
「エマ、君って人は本当に、どうしてそう……」
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