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カフェで女子会
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「……ということがあってね、ものすごく疲れてしまったのよアリア」
「そうなのですね……それは大変でしたね、お嬢様」
ここは週末にバイトしているカフェの休憩室だ。
アリアは私が邸に住んでいたときからの一番の仲良しだった女中だ。邸を出る際アリアにだけはこっそり行き先を伝えていたから、こうして時々カフェでこっそり会って話をしている。
「ユリアお嬢様が最近使用人たちにマリアンヌお嬢様の行方を探させているのです。アルバート様とユリア様の関係もなんだかぎくしゃくしているようなんです。アルバート様とユリア様の間に何があったのかはわからないのですが、どうかくれぐれもお気をつけくださいね」
私が邸を出てからかれこれ半年ほどになる。アルバートの性癖が早くもユリアにバレてしまったのだろうか?
少し早すぎるような気もするが、ユリアが私を探しているとなれば今まで以上に行動には慎重を心がけなければならないだろう。
「ユリアが私を探し回るのはある程度想像していたけれど、なぜアルバートまで私を探すのかしら?」
「私が思うに、アルバート様は失ってから初めてお嬢様の魅力にお気づきになったのではないでしょうか?」
アリアの言葉に私は大きく首を左右に振った。
「な、なにを言っているのアリア! そんなことありえないわ!」
「だってマリアンヌお嬢様は、本当に美しくて愛らしくて魅力的でいらっしゃいますから……」
「そんなことありえないわ! 私は無能の穀潰しで父上からも見捨てられた女よ!」
私の言い分にアリアは首を傾げて続ける。
「本当に昔から私はそれが不思議でならないのです。なぜメイソン侯爵様はマリアベル様でなくユリア様をあのように高く評価されるのか……。正直申し上げて、容姿と言い能力と言い、ユリア様がマリアベル様に勝っているものなど何一つないように思うのですが……」
「それは買いかぶりすぎよアリア」
アリアが私をあんまり褒めるのでなんだか恥ずかしくなって赤面してしまう。
「いいえ! お嬢様はご自分の魅力にうとすぎるのです! お嬢様は美しく才能が溢れる上に努力家で……それなのに邸でのマリアンヌお嬢様の扱いはどう考えても不自然で理不尽だと私は昔からずっと思っていたのです」
「それはもしかしたら……私が前妻であるお母様の娘だからかもしれないわね」
私は現メイソン侯爵妃であるグレース・メイソンお義母さまの本当の娘ではない。
私を産んだ本当のお母様は私を産んですぐに流行病でなくなり、その後グレース様がお父様と再婚された。そうして生まれたのがユリアだ。
お父様やユリアが私を蔑むより早く、一番に私を蔑み始めたのはお義母様だった。婚約破棄の場には顔すら見せなかったが、私が邸を出て行ってさぞかしせいせいしているに違いない。
「それに邸にいた頃は魔術も使えなかったし、みすぼらしい格好をしていたしね」
「まともな身なりをしたらこんなにお美しいマリアベル様を穀潰しだのなんだのと、ユリア様もメイソン侯爵様も本当にひどすぎます」
アリアはまるで我がことのように憤っている。話題を変えるように私は言った。
「そういえばアリア、外にいる時は私のことは『エマ』と呼んでもらえるかしら?」
私がそう言うと、アリアははっとした顔をした。
「そうでございますね。私と来たらつい今までの癖で申し訳ありません」
「いいのよ。たまにはマリアベルと呼ばれないと本当の名前を忘れてしまいそうだしね」
そこへカフェの給仕仲間であるシータがやって来た。私の姿を見つけると笑顔で駆け寄ってきた。
「エマ、この間は本当にありがとう」
シータはこの間の強盗がシータの首飾りを奪おうとした件のお礼を言っているのだ。
「とんでもないわ。シータに怪我がなくて本当に良かった」
シータがちらりとアリアを見た。アリアをシータに紹介する。
「こちらは私の古くからの友人のアリア。よろしくね」
二人は雰囲気が似ているからすぐに仲良くなれそうだ。
「私はシータ。こちらこそよろしく」
シータはにっこり笑うとアリアに手を差し出した。二人が微笑みながら握手を交わす。
「そうなのですね……それは大変でしたね、お嬢様」
ここは週末にバイトしているカフェの休憩室だ。
アリアは私が邸に住んでいたときからの一番の仲良しだった女中だ。邸を出る際アリアにだけはこっそり行き先を伝えていたから、こうして時々カフェでこっそり会って話をしている。
「ユリアお嬢様が最近使用人たちにマリアンヌお嬢様の行方を探させているのです。アルバート様とユリア様の関係もなんだかぎくしゃくしているようなんです。アルバート様とユリア様の間に何があったのかはわからないのですが、どうかくれぐれもお気をつけくださいね」
私が邸を出てからかれこれ半年ほどになる。アルバートの性癖が早くもユリアにバレてしまったのだろうか?
少し早すぎるような気もするが、ユリアが私を探しているとなれば今まで以上に行動には慎重を心がけなければならないだろう。
「ユリアが私を探し回るのはある程度想像していたけれど、なぜアルバートまで私を探すのかしら?」
「私が思うに、アルバート様は失ってから初めてお嬢様の魅力にお気づきになったのではないでしょうか?」
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「な、なにを言っているのアリア! そんなことありえないわ!」
「だってマリアンヌお嬢様は、本当に美しくて愛らしくて魅力的でいらっしゃいますから……」
「そんなことありえないわ! 私は無能の穀潰しで父上からも見捨てられた女よ!」
私の言い分にアリアは首を傾げて続ける。
「本当に昔から私はそれが不思議でならないのです。なぜメイソン侯爵様はマリアベル様でなくユリア様をあのように高く評価されるのか……。正直申し上げて、容姿と言い能力と言い、ユリア様がマリアベル様に勝っているものなど何一つないように思うのですが……」
「それは買いかぶりすぎよアリア」
アリアが私をあんまり褒めるのでなんだか恥ずかしくなって赤面してしまう。
「いいえ! お嬢様はご自分の魅力にうとすぎるのです! お嬢様は美しく才能が溢れる上に努力家で……それなのに邸でのマリアンヌお嬢様の扱いはどう考えても不自然で理不尽だと私は昔からずっと思っていたのです」
「それはもしかしたら……私が前妻であるお母様の娘だからかもしれないわね」
私は現メイソン侯爵妃であるグレース・メイソンお義母さまの本当の娘ではない。
私を産んだ本当のお母様は私を産んですぐに流行病でなくなり、その後グレース様がお父様と再婚された。そうして生まれたのがユリアだ。
お父様やユリアが私を蔑むより早く、一番に私を蔑み始めたのはお義母様だった。婚約破棄の場には顔すら見せなかったが、私が邸を出て行ってさぞかしせいせいしているに違いない。
「それに邸にいた頃は魔術も使えなかったし、みすぼらしい格好をしていたしね」
「まともな身なりをしたらこんなにお美しいマリアベル様を穀潰しだのなんだのと、ユリア様もメイソン侯爵様も本当にひどすぎます」
アリアはまるで我がことのように憤っている。話題を変えるように私は言った。
「そういえばアリア、外にいる時は私のことは『エマ』と呼んでもらえるかしら?」
私がそう言うと、アリアははっとした顔をした。
「そうでございますね。私と来たらつい今までの癖で申し訳ありません」
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