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【プロローグ】
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「私サイヒ・レイラン・フワーラは聖女としての能力を姉上であるマーガレットに譲渡し、ローズ王太子との婚約を白紙にもどし、新たな聖女マーガレット・ロイエ・フワーラとローズ王太子との新たな婚姻をここに宣言する!」
それは前代未聞の宣言であった。
聖女の能力が低いため聖女の任を下ろされるものは居る。
王家の不評を買って王族との婚約を破棄された者は居る。
だがサイヒはそれらには当て嵌まらない。
サイヒの聖女としての能力は歴代でも1,2を競う程の法力の持ち主だ。
そしてローズとは幼馴染でありお互いに好意を抱いている。
何故こんな発言を婚約披露パーティーでするのか誰も理解できなかった。
「サイヒ、何を言っているのですか!?貴方は民からも愛されている偉大なる聖女だわ。それにローズ様とも互いを大切に思いやっています。何故に聖女としての能力を捨てて婚約を破棄する必要性があるのですか!?」
マーガレットが悲痛な声をあげる。
零れ落ちそうな大きな瞳が潤んでいる。
愛らしい顔立ちに華奢な身体で、誰もが庇護欲を沸かせるであろうマーガレットの姿にサイヒもまた庇護欲を沸かせていた。
(私の姉上マジ天使!!)
「姉上、私とローズ様は確かに互いを大切に思いやっています。でもそれはあくまでも友としてです。恋愛感情はありません。恋愛感情で思い合っているのは姉上の方でしょう?そしてローズ様も姉上を愛しておられる。
私はお2人の邪魔をしたくありません。大切な2人だからこそ愛しあっている者同士が結ばれ合って欲しいのです。
それに私は聖女としての能力が無くとも問題ありません。
聖女であるからローズ様と婚姻をするのなら、私より慈愛に満ちた姉上が聖女になるべきです」
「それでも!それでも聖女の力を譲るだなんて神への冒涜です!」
「いいえ、神様はこんなことで怒るほど器の小さい方ではありませんよ姉上。ローズ様、姉上が1歩を進めるためには貴方の言葉が、心からの言葉が必要です。蓋をしてきた本当の言葉を今ここで聞かせて下さい」
「良いのだなサイヒ?」
「はい、私はお2人に幸せになって頂きたいですから」
ローズが強い意志を瞳に秘めて声を発した。
「私はマーガレットを愛している!次代聖女であるマーガレット・リユ・フワーラを我が伴侶にするとここに宣言をする!」
マーガレットの肩を抱き、若き王太子は力強く宣言した。
その凛々しい姿は既に王としての貫禄すらあった。
凛々しい王太子と可憐な次代聖女。
ピースが合わさった様に其処にそうあるべき者が結ばれたのだと皆が思った。
拍手の嵐が会場に響いた。
(良かった。姉上もローズ様もお幸せに…私は私でちゃんと楽しく生きていきますから、どうぞ私の事は気にせず素敵な家庭を築いて下さい)
こうしてカカン王国は新たな聖女と王太子の婚姻に皆が喜び夜更けまで宴は続いた。
サイヒが途中から消えた事に気付いた者は存在しなかった。
:::
次の日、サイヒの自室の机の上に”旅に出ます。皆様幸せに”とだけ書かれた置手紙が置いてあり屋敷中がパニックになった。
それと同時刻。
サイヒは既にマーガレットに聖女としての力を宴の席で譲渡していたので、隣国に向かって魔力を使い空高く飛んでいた。
かなりの高度なので国境を越えるのは誰にも気づかれずに超える事が出来るだろう。
聖女としての力を譲渡してもサイヒの法力は0.5%ほどが減ったくらいだ。
聖女として神殿で奉仕をするために封印していた魔力も今では使い放題だ。
サイヒは聖女の上位互換である賢者だった。
だが戦いを好まないカカンの民族性において、求められていたのは安寧を司る聖女の力であり、戦いに向いた攻撃を得意とする魔力は疎まれていた。
それゆえサイヒは魔力を封じ、聖女として務めを果たしていた。
「これからは魔力も法力も使い放題!未来の王妃としての勉強もしなくて良し!何より愛はあれど恋の無い政略結婚ダメ、絶対!どうせなら恋愛結婚がしたいからな♫取り合えず女子力を磨くのとドロドロの愛憎劇見るために隣国の後宮にでも身を置くとしよう」
空を飛びながらサイヒは楽しそうに隣国を目指すのだった。
それは前代未聞の宣言であった。
聖女の能力が低いため聖女の任を下ろされるものは居る。
王家の不評を買って王族との婚約を破棄された者は居る。
だがサイヒはそれらには当て嵌まらない。
サイヒの聖女としての能力は歴代でも1,2を競う程の法力の持ち主だ。
そしてローズとは幼馴染でありお互いに好意を抱いている。
何故こんな発言を婚約披露パーティーでするのか誰も理解できなかった。
「サイヒ、何を言っているのですか!?貴方は民からも愛されている偉大なる聖女だわ。それにローズ様とも互いを大切に思いやっています。何故に聖女としての能力を捨てて婚約を破棄する必要性があるのですか!?」
マーガレットが悲痛な声をあげる。
零れ落ちそうな大きな瞳が潤んでいる。
愛らしい顔立ちに華奢な身体で、誰もが庇護欲を沸かせるであろうマーガレットの姿にサイヒもまた庇護欲を沸かせていた。
(私の姉上マジ天使!!)
「姉上、私とローズ様は確かに互いを大切に思いやっています。でもそれはあくまでも友としてです。恋愛感情はありません。恋愛感情で思い合っているのは姉上の方でしょう?そしてローズ様も姉上を愛しておられる。
私はお2人の邪魔をしたくありません。大切な2人だからこそ愛しあっている者同士が結ばれ合って欲しいのです。
それに私は聖女としての能力が無くとも問題ありません。
聖女であるからローズ様と婚姻をするのなら、私より慈愛に満ちた姉上が聖女になるべきです」
「それでも!それでも聖女の力を譲るだなんて神への冒涜です!」
「いいえ、神様はこんなことで怒るほど器の小さい方ではありませんよ姉上。ローズ様、姉上が1歩を進めるためには貴方の言葉が、心からの言葉が必要です。蓋をしてきた本当の言葉を今ここで聞かせて下さい」
「良いのだなサイヒ?」
「はい、私はお2人に幸せになって頂きたいですから」
ローズが強い意志を瞳に秘めて声を発した。
「私はマーガレットを愛している!次代聖女であるマーガレット・リユ・フワーラを我が伴侶にするとここに宣言をする!」
マーガレットの肩を抱き、若き王太子は力強く宣言した。
その凛々しい姿は既に王としての貫禄すらあった。
凛々しい王太子と可憐な次代聖女。
ピースが合わさった様に其処にそうあるべき者が結ばれたのだと皆が思った。
拍手の嵐が会場に響いた。
(良かった。姉上もローズ様もお幸せに…私は私でちゃんと楽しく生きていきますから、どうぞ私の事は気にせず素敵な家庭を築いて下さい)
こうしてカカン王国は新たな聖女と王太子の婚姻に皆が喜び夜更けまで宴は続いた。
サイヒが途中から消えた事に気付いた者は存在しなかった。
:::
次の日、サイヒの自室の机の上に”旅に出ます。皆様幸せに”とだけ書かれた置手紙が置いてあり屋敷中がパニックになった。
それと同時刻。
サイヒは既にマーガレットに聖女としての力を宴の席で譲渡していたので、隣国に向かって魔力を使い空高く飛んでいた。
かなりの高度なので国境を越えるのは誰にも気づかれずに超える事が出来るだろう。
聖女としての力を譲渡してもサイヒの法力は0.5%ほどが減ったくらいだ。
聖女として神殿で奉仕をするために封印していた魔力も今では使い放題だ。
サイヒは聖女の上位互換である賢者だった。
だが戦いを好まないカカンの民族性において、求められていたのは安寧を司る聖女の力であり、戦いに向いた攻撃を得意とする魔力は疎まれていた。
それゆえサイヒは魔力を封じ、聖女として務めを果たしていた。
「これからは魔力も法力も使い放題!未来の王妃としての勉強もしなくて良し!何より愛はあれど恋の無い政略結婚ダメ、絶対!どうせなら恋愛結婚がしたいからな♫取り合えず女子力を磨くのとドロドロの愛憎劇見るために隣国の後宮にでも身を置くとしよう」
空を飛びながらサイヒは楽しそうに隣国を目指すのだった。
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