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【82話】
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「ルーク、お前の子を孕んだのだが」
「え?」
鳩が豆鉄砲をくらった顔と言うのはこういうのを言うのだろうか?
ルークがポカンと口を開いて固まった。
美形と言うのは呆けても美形らしい。
”美しい”が愛嬌を伴って”可愛い”になっている。
コレはコレでなかなか良いとサイヒは満足した。
が、それも一瞬の事だった。
はらはらとルークがエメラルドの双眸から涙を流し出したからだ。
「ル、ルーク?泣くほど嫌だったのか!?すまない、お前には迷惑かけずに生むから堕胎だけは勘弁して貰えないだろうか!!」
「駄目だ、堕胎など認めん!」
「だが、泣くほど子供が出来たのが嫌なのだろう!?」
「反対だ!産んでくれ!サイヒの胎内に、私との子がいるのだと思うと嬉しくて、涙が出た…」
「嬉しいのか?」
「嬉しくない訳が無い。あぁ、ここに、私の子が宿っているのか…」
ルークが椅子から立ち上がるとサイヒの前に移動し、ぺたりと地に腰を下ろした。
そのまま頭を椅子に座ったサイヒの腹に埋める。
誰も居ない執務室だから出来た行動だ。
いや、ルークは場所も人も関係なくするだろうが。
サイヒが人払いをしていて良かったと内心思った。
自分の番は思う以上に愛が深くて想像外の行動をとる。
「お前が喜んでくれて良かった」
サイヒがルークの銀髪を愛おし気に指で梳く。
それを気持ちよさそうに、ルークはうっとりと顔を緩めた。
「今、何か月なんだ?」
「2ヵ月と言ったところか。しばらく成長を止めているので妊娠したのはもう少し前だが」
「成長が止まっている?だ、大丈夫なのか私たちの子は!?」
「私が任意で止めているのだ、問題はない」
「何故成長を止めているのだ?」
「ルーク、お前はまだ20歳だ。それも漸く自由を得た身…子はまだ邪魔だろう?」
「邪魔な者か!それとも、サイヒは私との子は邪魔なのか……」
「いや、邪魔でないよ。だが今の忙しい天界では子を産み育てるのは厄介だ。お前に負担を強いる」
「産んでくれ」
「ルーク?」
「私の子を産んでくれサイヒ。負担など幾らかかっても良い。私は、私とサイヒの子を少しでも早く腕に抱きたい。家族になりたい。私の子を産んでくれサイヒ、そして、順番が逆になってしまったが…私と結婚をしてくれ」
形のいいエメラルドの双眸がサイヒを下から見つめる。
その手はサイヒの手をしっかりと握っている。
珍しく手に汗をかいている。
だがサイヒはソレを不快とは感じなかった。
汗をかくほど、今のルークは必死なのだとサイヒに認識させるものだったから。
「私は面倒な女だぞ。もう人であった頃とは違う。私たちが婚姻を生すと言うのは、国を相手取るとかいう話ではない。自分よりも家族よりも世界を1番に考えなければいけない身だ。どれほど家族への愛情が深かろうがソレは立場的にどうしようも出来ない。寂しい思いをさせるかもしれない。負担を強いるかもしれない。
今のまま、半身ならば見逃せることも完全に伴侶では見逃せなくなるかもしれない…私はお前が思っているよりもずっと嫉妬深いぞルーク。その私を婚姻で縛れば2度と逃げ出せなくなるぞ?良いのか?」
見下ろす青銀の目と見上げるエメラルドの視線が絡む。
ソコには確かに熱に浮かされた何かが存在した。
「世界を1番に考えても良い…世界で1番に愛して貰えるのは私と2人の間の子供なら。面倒臭い?ソレは私の方だサイヒ。私はいい加減お前を縛ってしまいたくて仕方がない。形に見えない愛を言葉で縛りたい。左手の薬指に、見える形で縛りたい。2人の愛の結晶の、子供と言う形で縛りたい。
永遠にも近い時を生きるなら、縛りが無くては私の方が音を上げる。お前が何時か私に飽きるのでは無いかと、見えない未来に嫉妬する。サイヒお前に私を縛らせてくれ…婚姻と形で……私の花嫁となってくれ、サイヒ」
ルークが膝を立てサイヒの左手を持ち上げる。
そうして、そっと薬指の付け根に唇を落とした。
まるで物語の様だとサイヒは思った。
美しい半身、もう逃がしてやれない。
「不束者だが、私をお前の花嫁に」
サイヒもルークの左手を取り、その薬指の付け根に唇を落とす。
「式を挙げよう」
「ルークがしたいなら」
「ウェディングドレスを仕立てさせよう」
「またフェルゴールに頼むのか?」
「天界のモノに作って貰っても良いが、私は友人の作ったドレスをサイヒに着て貰いたい、嫌か?」
「嫌ではないよ。式にはフェルゴールも呼ぼう」
「兄さんとルーシュもだな」
「料理はマロンに指揮を執らせるか?」
「私たちの式のウェディングケーキを作りたいと前に言っていた」
「ではお言葉に甘えよう」
「仲人はクオンで良いか?」
「心友だ。意義はない」
「あまりクオンばかり頼るな。嫉妬する」
「ふふ、可愛い事を言うなルーク。食べてしまいたくなる」
「私は何時でも食べて貰って良いのだが…」
「潤んだエメラルドの瞳もバラ色の頬も大変旨そうではあるが、妊娠してる身だ。しばらくは我慢だな」
「別に行為が無くても良いから、また褥を共にして欲しい…」
「うむ、今日からは又同じベッドで寝よう」
「サイヒの温もりが無いベッドは寒かったのだぞ」
「私も寒かったよルーク、今日からは温め合って寝よう」
「サイヒ…」
「何だ?」
「愛してる」
「あぁ、私もお前を愛しているよルーク」
ルークが体を起こしてサイヒの体を抱きしめる。
密着した面積が多くなり互いの体温が交わる。
吐息が近づいて行き。
2人の唇が重なった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆祝100話☆
【閑話】【小話】【設定】などを合わせて100話到達しましたヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
随分長いこと書いてるのですねぇ。まさかこんなに長く続くと思いませんでした。
読んで下さっている皆様のおかげです。
有難うございます。
100話目にして遂に結婚(式はまだ挙げてないけど)です♡
ノリで書いているので最初の頃と矛盾点が出てくるかもしれませんが、【認識阻害】だと思って軽~く流してやって下さい。
「え?」
鳩が豆鉄砲をくらった顔と言うのはこういうのを言うのだろうか?
ルークがポカンと口を開いて固まった。
美形と言うのは呆けても美形らしい。
”美しい”が愛嬌を伴って”可愛い”になっている。
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が、それも一瞬の事だった。
はらはらとルークがエメラルドの双眸から涙を流し出したからだ。
「ル、ルーク?泣くほど嫌だったのか!?すまない、お前には迷惑かけずに生むから堕胎だけは勘弁して貰えないだろうか!!」
「駄目だ、堕胎など認めん!」
「だが、泣くほど子供が出来たのが嫌なのだろう!?」
「反対だ!産んでくれ!サイヒの胎内に、私との子がいるのだと思うと嬉しくて、涙が出た…」
「嬉しいのか?」
「嬉しくない訳が無い。あぁ、ここに、私の子が宿っているのか…」
ルークが椅子から立ち上がるとサイヒの前に移動し、ぺたりと地に腰を下ろした。
そのまま頭を椅子に座ったサイヒの腹に埋める。
誰も居ない執務室だから出来た行動だ。
いや、ルークは場所も人も関係なくするだろうが。
サイヒが人払いをしていて良かったと内心思った。
自分の番は思う以上に愛が深くて想像外の行動をとる。
「お前が喜んでくれて良かった」
サイヒがルークの銀髪を愛おし気に指で梳く。
それを気持ちよさそうに、ルークはうっとりと顔を緩めた。
「今、何か月なんだ?」
「2ヵ月と言ったところか。しばらく成長を止めているので妊娠したのはもう少し前だが」
「成長が止まっている?だ、大丈夫なのか私たちの子は!?」
「私が任意で止めているのだ、問題はない」
「何故成長を止めているのだ?」
「ルーク、お前はまだ20歳だ。それも漸く自由を得た身…子はまだ邪魔だろう?」
「邪魔な者か!それとも、サイヒは私との子は邪魔なのか……」
「いや、邪魔でないよ。だが今の忙しい天界では子を産み育てるのは厄介だ。お前に負担を強いる」
「産んでくれ」
「ルーク?」
「私の子を産んでくれサイヒ。負担など幾らかかっても良い。私は、私とサイヒの子を少しでも早く腕に抱きたい。家族になりたい。私の子を産んでくれサイヒ、そして、順番が逆になってしまったが…私と結婚をしてくれ」
形のいいエメラルドの双眸がサイヒを下から見つめる。
その手はサイヒの手をしっかりと握っている。
珍しく手に汗をかいている。
だがサイヒはソレを不快とは感じなかった。
汗をかくほど、今のルークは必死なのだとサイヒに認識させるものだったから。
「私は面倒な女だぞ。もう人であった頃とは違う。私たちが婚姻を生すと言うのは、国を相手取るとかいう話ではない。自分よりも家族よりも世界を1番に考えなければいけない身だ。どれほど家族への愛情が深かろうがソレは立場的にどうしようも出来ない。寂しい思いをさせるかもしれない。負担を強いるかもしれない。
今のまま、半身ならば見逃せることも完全に伴侶では見逃せなくなるかもしれない…私はお前が思っているよりもずっと嫉妬深いぞルーク。その私を婚姻で縛れば2度と逃げ出せなくなるぞ?良いのか?」
見下ろす青銀の目と見上げるエメラルドの視線が絡む。
ソコには確かに熱に浮かされた何かが存在した。
「世界を1番に考えても良い…世界で1番に愛して貰えるのは私と2人の間の子供なら。面倒臭い?ソレは私の方だサイヒ。私はいい加減お前を縛ってしまいたくて仕方がない。形に見えない愛を言葉で縛りたい。左手の薬指に、見える形で縛りたい。2人の愛の結晶の、子供と言う形で縛りたい。
永遠にも近い時を生きるなら、縛りが無くては私の方が音を上げる。お前が何時か私に飽きるのでは無いかと、見えない未来に嫉妬する。サイヒお前に私を縛らせてくれ…婚姻と形で……私の花嫁となってくれ、サイヒ」
ルークが膝を立てサイヒの左手を持ち上げる。
そうして、そっと薬指の付け根に唇を落とした。
まるで物語の様だとサイヒは思った。
美しい半身、もう逃がしてやれない。
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「うむ、今日からは又同じベッドで寝よう」
「サイヒの温もりが無いベッドは寒かったのだぞ」
「私も寒かったよルーク、今日からは温め合って寝よう」
「サイヒ…」
「何だ?」
「愛してる」
「あぁ、私もお前を愛しているよルーク」
ルークが体を起こしてサイヒの体を抱きしめる。
密着した面積が多くなり互いの体温が交わる。
吐息が近づいて行き。
2人の唇が重なった。
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随分長いこと書いてるのですねぇ。まさかこんなに長く続くと思いませんでした。
読んで下さっている皆様のおかげです。
有難うございます。
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ノリで書いているので最初の頃と矛盾点が出てくるかもしれませんが、【認識阻害】だと思って軽~く流してやって下さい。
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