111 / 297
【90話】
しおりを挟む
「久しいな皆!」
性別を感じさせぬアルトの落ち着いた声が空からした。
純白の衣装を纏った人物がゆっくりと降りてくる。
高い位置で括られた漆黒の黒髪がたなびき、切れ長の青銀の瞳で光を照り返し輝いて見える。
少年にも少女にも見える中性的な端整な顔立ち。
神が丹精込めて作ったであろう美しいパーツが完璧な位置に配置されいる。
これ以上無いだろう美しい美貌の存在がソコには存在した。
「「「「サイヒ!!」」」」
すぐに反応したのはサイヒとの仲が深い姉のマーガレット、元婚約者のローズ、サイヒに懐いているアンドュアイス、サイヒが唯二の心友と呼ぶルーシュの4人だ。
「ふぁぁぁぁ、サイヒ様、また、綺麗になられた、です……」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇっ?何か神力感じるんですけど!?私駆除される!?」
「外見迄バケモノじみているのかよサイヒ様…女、だよな………?」
ディノート組は混乱している。
サラは顔を真っ赤にしながらオタオタし、ナナは命の危険に汗を流し、セブンはサイヒの美貌に驚きながらもその性別に疑問を抱いた。
「はは、相変わらずだな」
「何かサイヒ様ますます綺麗になりましたね~、あ、でも俺は女王様の方が好みですよ♬」
ジャクタル聖女王とマガクは割と落ち着いている。
聖女王が実年齢200歳オーバーなので大抵のことで驚く事が無いのと、その女王にしか興味が無いマガクだからだろう。
「また凛々しくなったわねサイヒ。で、貴女が花嫁で間違いないのよね?」
「勿論私が花嫁ですよ姉上」
「だったら何故男装なんだ?」
「ウェディングドレスででは抜け出せないですから、ローズ様」
姉と義兄はサイヒの男装に特に驚いてはいないらしい。
生まれてからの長付き合いが為せる技だろう。
マーガレットはシャンパンゴールドの品のあるドレスを着ている。
ローズの瞳の色に合わせたのだろう。
ローズは光沢のあるチャコールグレーの正装。
流石に白は控えた様だ。
普段見慣れない色の衣装だが、美形のローズは見事に着こなしている。
美形は服を選ばないらしい。
「サイヒのおねーさん?」
「あぁアンドュ、私の姉のマーガレットとその婚約者のカカン王太子ローズ様だ」
「サイヒ、コチラの方は?」
「ガフティラベル帝国の皇太子のアンドュアイスですローズ様」
「こんにちは(*´▽`*)」
「以後お見知りおきを…(やけに父性本能を擽られる方だな……)」
「サイヒ、お前の知人の身分が可笑しくないか?」
「まぁ身分の高い方は多いな。お前もメイド服など着ているが公爵令嬢の元聖騎士だったなルーシュ」
「今は平民だからメイド服なんだよ、悪かったな!服はこっちで貸してくれるんだから良いだろ!」
「うむ、胸の無いお前にも似合う衣装もより取り見取りだ。好きなのを着るが良いぞルーシュ」
「お前、私の扱いだけ悪くない!?」
「心置きなく砕けた話しの出来る心友だと思っているが?」
「その屈折した愛情表現何とかしよーね!んで心友枠あんがとね!!」
相変わらずアンドュアイスの大型犬オーラとルーシュの不憫オーラは変わらない。
何か安心する。
サイヒもココの所仕事やら妊娠やらで少しばかり滅入っていたのかもしれない。
2人の変わらなさが気分を高揚させる。
やはりアニマルセラピーと心友との会話は良いものだとサイヒは思った。
「何か濃い連中と仲が良いようだなサイヒ様?」
「サイヒ様は、凄いお方、ですから!」
「いやっ、て言うか纏っている神力が物凄いんだけど!私本当に駆除されない!?知人もドラゴンとかグリフォン連れてるし!私美味しく食べるのは好きだけど美味しく食べられるのは勘弁よサラちゃん!!」
「はぅ~サイヒ様、凛々しい、です」
もう目をハートにしているサラにナナの言葉は届いていない。
それに伴ってセブンは不機嫌になるし、ナナは格上の魔獣やドラゴンが傍に居る上にサイヒが垂れ流している神力に恐怖で身がすくんでいる。
ここは既にカオスな空間であった。
「あはは~何か賑やかで楽しいですね~女王様~」
「お前はこんな時でもマイペースだな?」
「あ、俺は女王様さえいれば良いですから~。服貸して貰えるなら折角だから普段気ない様な服借りましょ!女王様のフリフリドレス見たいです俺!!」
「いや、フリフリはちょっと……」
「んじゃ、あっちのサキュバスさんみたいにスリットがガッツリ入ったセクシードレス…は、俺以外が女王様の足見る事になるなんてあってはならないからダメだね~。みんなの目玉繰り抜かないと駄目になるからね~♬」
「無邪気な顔で怖い事言うなお前……」
ジャクタル女王は連れてくる人選を間違えたかと額に手をやり、大きく溜息を吐いた。
性別を感じさせぬアルトの落ち着いた声が空からした。
純白の衣装を纏った人物がゆっくりと降りてくる。
高い位置で括られた漆黒の黒髪がたなびき、切れ長の青銀の瞳で光を照り返し輝いて見える。
少年にも少女にも見える中性的な端整な顔立ち。
神が丹精込めて作ったであろう美しいパーツが完璧な位置に配置されいる。
これ以上無いだろう美しい美貌の存在がソコには存在した。
「「「「サイヒ!!」」」」
すぐに反応したのはサイヒとの仲が深い姉のマーガレット、元婚約者のローズ、サイヒに懐いているアンドュアイス、サイヒが唯二の心友と呼ぶルーシュの4人だ。
「ふぁぁぁぁ、サイヒ様、また、綺麗になられた、です……」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇっ?何か神力感じるんですけど!?私駆除される!?」
「外見迄バケモノじみているのかよサイヒ様…女、だよな………?」
ディノート組は混乱している。
サラは顔を真っ赤にしながらオタオタし、ナナは命の危険に汗を流し、セブンはサイヒの美貌に驚きながらもその性別に疑問を抱いた。
「はは、相変わらずだな」
「何かサイヒ様ますます綺麗になりましたね~、あ、でも俺は女王様の方が好みですよ♬」
ジャクタル聖女王とマガクは割と落ち着いている。
聖女王が実年齢200歳オーバーなので大抵のことで驚く事が無いのと、その女王にしか興味が無いマガクだからだろう。
「また凛々しくなったわねサイヒ。で、貴女が花嫁で間違いないのよね?」
「勿論私が花嫁ですよ姉上」
「だったら何故男装なんだ?」
「ウェディングドレスででは抜け出せないですから、ローズ様」
姉と義兄はサイヒの男装に特に驚いてはいないらしい。
生まれてからの長付き合いが為せる技だろう。
マーガレットはシャンパンゴールドの品のあるドレスを着ている。
ローズの瞳の色に合わせたのだろう。
ローズは光沢のあるチャコールグレーの正装。
流石に白は控えた様だ。
普段見慣れない色の衣装だが、美形のローズは見事に着こなしている。
美形は服を選ばないらしい。
「サイヒのおねーさん?」
「あぁアンドュ、私の姉のマーガレットとその婚約者のカカン王太子ローズ様だ」
「サイヒ、コチラの方は?」
「ガフティラベル帝国の皇太子のアンドュアイスですローズ様」
「こんにちは(*´▽`*)」
「以後お見知りおきを…(やけに父性本能を擽られる方だな……)」
「サイヒ、お前の知人の身分が可笑しくないか?」
「まぁ身分の高い方は多いな。お前もメイド服など着ているが公爵令嬢の元聖騎士だったなルーシュ」
「今は平民だからメイド服なんだよ、悪かったな!服はこっちで貸してくれるんだから良いだろ!」
「うむ、胸の無いお前にも似合う衣装もより取り見取りだ。好きなのを着るが良いぞルーシュ」
「お前、私の扱いだけ悪くない!?」
「心置きなく砕けた話しの出来る心友だと思っているが?」
「その屈折した愛情表現何とかしよーね!んで心友枠あんがとね!!」
相変わらずアンドュアイスの大型犬オーラとルーシュの不憫オーラは変わらない。
何か安心する。
サイヒもココの所仕事やら妊娠やらで少しばかり滅入っていたのかもしれない。
2人の変わらなさが気分を高揚させる。
やはりアニマルセラピーと心友との会話は良いものだとサイヒは思った。
「何か濃い連中と仲が良いようだなサイヒ様?」
「サイヒ様は、凄いお方、ですから!」
「いやっ、て言うか纏っている神力が物凄いんだけど!私本当に駆除されない!?知人もドラゴンとかグリフォン連れてるし!私美味しく食べるのは好きだけど美味しく食べられるのは勘弁よサラちゃん!!」
「はぅ~サイヒ様、凛々しい、です」
もう目をハートにしているサラにナナの言葉は届いていない。
それに伴ってセブンは不機嫌になるし、ナナは格上の魔獣やドラゴンが傍に居る上にサイヒが垂れ流している神力に恐怖で身がすくんでいる。
ここは既にカオスな空間であった。
「あはは~何か賑やかで楽しいですね~女王様~」
「お前はこんな時でもマイペースだな?」
「あ、俺は女王様さえいれば良いですから~。服貸して貰えるなら折角だから普段気ない様な服借りましょ!女王様のフリフリドレス見たいです俺!!」
「いや、フリフリはちょっと……」
「んじゃ、あっちのサキュバスさんみたいにスリットがガッツリ入ったセクシードレス…は、俺以外が女王様の足見る事になるなんてあってはならないからダメだね~。みんなの目玉繰り抜かないと駄目になるからね~♬」
「無邪気な顔で怖い事言うなお前……」
ジャクタル女王は連れてくる人選を間違えたかと額に手をやり、大きく溜息を吐いた。
14
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
召喚とか聖女とか、どうでもいいけど人の都合考えたことある?
浅海 景
恋愛
水谷 瑛莉桂(みずたに えりか)の目標は堅実な人生を送ること。その一歩となる社会人生活を踏み出した途端に異世界に召喚されてしまう。召喚成功に湧く周囲をよそに瑛莉桂は思った。
「聖女とか絶対ブラックだろう!断固拒否させてもらうから!」
ナルシストな王太子や欲深い神官長、腹黒騎士などを相手に主人公が幸せを勝ち取るため奮闘する物語です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
お前のような地味な女は不要だと婚約破棄されたので、持て余していた聖女の力で隣国のクールな皇子様を救ったら、ベタ惚れされました
夏見ナイ
恋愛
伯爵令嬢リリアーナは、強大すぎる聖女の力を隠し「地味で無能」と虐げられてきた。婚約者の第二王子からも疎まれ、ついに夜会で「お前のような地味な女は不要だ!」と衆人の前で婚約破棄を突きつけられる。
全てを失い、あてもなく国を出た彼女が森で出会ったのは、邪悪な呪いに蝕まれ死にかけていた一人の美しい男性。彼こそが隣国エルミート帝国が誇る「氷の皇子」アシュレイだった。
持て余していた聖女の力で彼を救ったリリアーナは、「お前の力がいる」と帝国へ迎えられる。クールで無愛想なはずの皇子様が、なぜか私にだけは不器用な優しさを見せてきて、次第にその愛は甘く重い執着へと変わっていき……?
これは、不要とされた令嬢が、最高の愛を見つけて世界で一番幸せになる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる