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【92話】
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「サイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒサイヒ」
純白のタキシードに身を包んだ絶世の美貌の新郎は伴侶の名を呼びながら、檻に捕らえられた獣のようにウロウロと行ったり来たりしている。
この新郎、白銀の髪と白い肌を持ち、まるで雪の化身の様である。
その中にアクセントを添えるエメラルドの瞳が美しい。
美しい、が…今は完全に淀んでいて見たら精神が深淵に吸い込まれそうである。
”深淵を除くときは深淵もまたコチラを除いているのだ”とはよく言ったものだ。
昔の人凄い。
まぁそんな言葉を知っているのは、今や全能神の能力と記憶を受け継いだサイヒだけだろう。
それか居住地を定めていない野良古代種か。
そしてそのサイヒの名を新郎はひたすら呟いている。
眼が座っていてとても怖い。
美形も度を超すと壮絶な迫力になるのだ。
今も護衛達が新郎ールークーを落ち着かせるためにどうしたら良いかとしどろもどろになっている。
側近のクオンは優雅な仕種でティーポーションを飲んでいた。
胃が痛い時はマロン特性のティーポーションに限る。
今日のはリンゴの爽やかな香りが口の中で広がり、それでいて甘すぎず見事な塩梅のポーションである。
クオンはもう悟っているのだ。
サイヒのことでルークには関わらないと。
どうせサイヒが気紛れに抜け出しただけだろう。
流石は心友。
よく分かってらっしゃる。
だがルークはサイヒが何者のかにかどわかされたのではないかと、落ち着きを取り戻さない。
あの化け物全能神…いや、サイヒは全能神になる前からバケモノであったが、をかどわかせる者が居たら見て見たいものだ。
そんな者は存在しないだろう。
普通の全能神にも張り合えるであろう”魔王”のルークですら、その能力はサイヒには足元にも及ばないのだ。
普通の全能神…それは一体何なのだろうか……?
もうサイヒが規格外過ぎて神様って何だっけ?な状態だ。
もうルークから漏れ出る殺気と魔力で武官たちはブルブルとマナーモードになっている。
気の弱いものなら失禁していただろう。
いや、だが彼らとて全能神の護衛(必要か?)をする者たち。
例え魔王の魔力と殺気が今にも張り裂けて飛んできそうな程膨らんでいても失禁はしない。
チビリはするが……。
誰がチビったかは探さないであげておくのが大人のマナーと言うヤツだ。
空間が歪む。
サイヒが【空間移動】で控室に帰って来たのだ。
「サイヒ!何処に行っていたんだ!?其方が攫われたのではないかと心配したのだぞ!!」
「あぁルーク、そんなに私の心配をしてくれたのだな。嬉しいぞ」
「心配するに決まっている!サイヒ、其方は私のは、はははは花嫁、なのだから…」
「そうだな私はルークの花嫁だ。お前と言う心から愛する花婿が居るのに、私が誰かに不覚を取る訳が無いだろうルーク?」
サイヒがルークの頬に手を添えて撫で上げる。
ルークの頬がバラ色に染まる。
瞳がウットリと細められる。
先程までいた恐怖の魔王は何処に消えたのか?
今やこの場には壮絶な色気を放つ性別不詳の美貌の人物と、それに誑かされている乙女な青年しかいない。
白いタキシードが良く似合うルークだったが、サイヒも白の男物の正装を着ていたため、ルークはウェディングドレスを着る方が正解なんではないかとこの場に居た者は思った。
思ったものは悪くない。
自分がやらかしておいて初心なルークを色気で誑かすサイヒが全面的に悪い。
そう思い、クオンはティーポーションのおかわりを注いだ。
うん、美味しい。
「私を模した式神を残していたのに良く分かったな?」
「私がサイヒと式神を間違えるはずが無いだろう!」
「そうだな、私はこんな素敵な伴侶を捕まえられて幸せ者だ」
「私もサイヒの伴侶となれて、幸せ、だ………」
唇がふれそうな程近くで会話をする本日の主役の新郎新婦。
だが性別を感じさせない男装のサイヒと、乙女のように顔を蕩けさすルークを見ていると何か見てはいけないモノを見ている気になる。
真っ赤な薔薇と真っ白な百合が一気に咲き誇った空間だ。
思わず護衛達は目を逸らす。
(早くマロン様に会いたい………)
ポーションのお陰で大分軽いとはいえ胃痛がする。
早く愛しの少女に合って回復したいものだ。
クオンは立ち上がり、本日の主役を神殿に案内すべく立ち上がった。
純白のタキシードに身を包んだ絶世の美貌の新郎は伴侶の名を呼びながら、檻に捕らえられた獣のようにウロウロと行ったり来たりしている。
この新郎、白銀の髪と白い肌を持ち、まるで雪の化身の様である。
その中にアクセントを添えるエメラルドの瞳が美しい。
美しい、が…今は完全に淀んでいて見たら精神が深淵に吸い込まれそうである。
”深淵を除くときは深淵もまたコチラを除いているのだ”とはよく言ったものだ。
昔の人凄い。
まぁそんな言葉を知っているのは、今や全能神の能力と記憶を受け継いだサイヒだけだろう。
それか居住地を定めていない野良古代種か。
そしてそのサイヒの名を新郎はひたすら呟いている。
眼が座っていてとても怖い。
美形も度を超すと壮絶な迫力になるのだ。
今も護衛達が新郎ールークーを落ち着かせるためにどうしたら良いかとしどろもどろになっている。
側近のクオンは優雅な仕種でティーポーションを飲んでいた。
胃が痛い時はマロン特性のティーポーションに限る。
今日のはリンゴの爽やかな香りが口の中で広がり、それでいて甘すぎず見事な塩梅のポーションである。
クオンはもう悟っているのだ。
サイヒのことでルークには関わらないと。
どうせサイヒが気紛れに抜け出しただけだろう。
流石は心友。
よく分かってらっしゃる。
だがルークはサイヒが何者のかにかどわかされたのではないかと、落ち着きを取り戻さない。
あの化け物全能神…いや、サイヒは全能神になる前からバケモノであったが、をかどわかせる者が居たら見て見たいものだ。
そんな者は存在しないだろう。
普通の全能神にも張り合えるであろう”魔王”のルークですら、その能力はサイヒには足元にも及ばないのだ。
普通の全能神…それは一体何なのだろうか……?
もうサイヒが規格外過ぎて神様って何だっけ?な状態だ。
もうルークから漏れ出る殺気と魔力で武官たちはブルブルとマナーモードになっている。
気の弱いものなら失禁していただろう。
いや、だが彼らとて全能神の護衛(必要か?)をする者たち。
例え魔王の魔力と殺気が今にも張り裂けて飛んできそうな程膨らんでいても失禁はしない。
チビリはするが……。
誰がチビったかは探さないであげておくのが大人のマナーと言うヤツだ。
空間が歪む。
サイヒが【空間移動】で控室に帰って来たのだ。
「サイヒ!何処に行っていたんだ!?其方が攫われたのではないかと心配したのだぞ!!」
「あぁルーク、そんなに私の心配をしてくれたのだな。嬉しいぞ」
「心配するに決まっている!サイヒ、其方は私のは、はははは花嫁、なのだから…」
「そうだな私はルークの花嫁だ。お前と言う心から愛する花婿が居るのに、私が誰かに不覚を取る訳が無いだろうルーク?」
サイヒがルークの頬に手を添えて撫で上げる。
ルークの頬がバラ色に染まる。
瞳がウットリと細められる。
先程までいた恐怖の魔王は何処に消えたのか?
今やこの場には壮絶な色気を放つ性別不詳の美貌の人物と、それに誑かされている乙女な青年しかいない。
白いタキシードが良く似合うルークだったが、サイヒも白の男物の正装を着ていたため、ルークはウェディングドレスを着る方が正解なんではないかとこの場に居た者は思った。
思ったものは悪くない。
自分がやらかしておいて初心なルークを色気で誑かすサイヒが全面的に悪い。
そう思い、クオンはティーポーションのおかわりを注いだ。
うん、美味しい。
「私を模した式神を残していたのに良く分かったな?」
「私がサイヒと式神を間違えるはずが無いだろう!」
「そうだな、私はこんな素敵な伴侶を捕まえられて幸せ者だ」
「私もサイヒの伴侶となれて、幸せ、だ………」
唇がふれそうな程近くで会話をする本日の主役の新郎新婦。
だが性別を感じさせない男装のサイヒと、乙女のように顔を蕩けさすルークを見ていると何か見てはいけないモノを見ている気になる。
真っ赤な薔薇と真っ白な百合が一気に咲き誇った空間だ。
思わず護衛達は目を逸らす。
(早くマロン様に会いたい………)
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早く愛しの少女に合って回復したいものだ。
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