聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~

高井繭来

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そして全能神は愉快犯となった

【102話】

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 女子2人と幼児2人でクッキーをポリポリ。
 さすがフレイムアーチャ―の名産だけあって美味しいぞ”シスターハナクッキー”。
 幼児2人はチョコチップは抜きで。
 まだ生後3ヵ月。
 甘いものを食べるのに制限がある。
 その辺りは厳しいマロンなのである。

「はぁ~お茶が美味しい」

「お口に合ったみたいで良かったです」

 ニコリとマロンに微笑まれる。

 華奢な体だが出るところ出て引っ込むところは引っ込んでいる。
 派手じゃないが上品なドレスが良く似合っている。
 幼児2人をあやす包容力。
 美味しいお茶に心もほっこり。
 そして大陸中に支店を構えるスクワラル商会のポーションの発案者。

 これで同じ16歳。

 ちょっぴりルーシュは凹んだ。
 マロンならアンドュアイスの隣に並んでも皇太子妃として上手くやっていくだろう。
 アンドゥアイスも本来の性質を隠していないし、マロンに良く懐いている。
 
 自分…背が高く筋肉質。
 胸も微乳。
 政に係るスキルは一切ない。
 出来る事、戦闘。

 負けている。
 女として確実に負けている。

 これではサイヒに揶揄われるのも仕方ない気がしてきた。

 ちゃんと家で淑女のマナー学ぼう。
 ルーシュは心の中で決心した。

「どうしたルーシュ、マロンと自分を比べて落ち込んでいるのか?」

「帰って来てそうそう人の心見透かすの止めよーね!んで当たってる分傷ついちゃうよ私!!」

「お疲れさまですお兄様、皆さまも」

 ソコは婚約者じゃなくてサイヒの名前を呼ぶのか、とルーシュは戦慄した。
 継続的に誑かされるとサイヒ至上主義になるらしい。
 サイヒとクオンが争ったら確実にマロンはサイヒの味方をする。
 恐ろしい…ルーシュは自分が誑かされない体質で良かったと思った。
 堕ちてしまった方が楽な気もするが…。

 ちなみに書き手はゾンビものなどを見て、自分なら生き足掻かずに即ゾンビになるのを選ぶタイプである。
 噛まれたばかりの凶暴化していないゾンビ予備軍に指先をちょっと噛んで貰う。
 そして痛く無くのんびりゾンビになる。
 ゾンビに囲まれてデッドorアライブするくらいなら早々とゾンビになった方がマシだ。
 食料に困る必要性も無さそうだし。
 トイレにも困ること無さそうだし。
 常備薬無くなったら詰みだし。
 クスリの事考えたら薬局か病院以外に籠れる場所がない。
 うん、早々ゾンビになろう。
 皆、ゾンビ生活も悪くないと思わないかい?

 閑話休題

「ルーシュ、待たせてゴメンね」

 ニッコリアンドュアイスが微笑む。
 癒しオーラが凄い。
 何なら幼児たちより癒しオーラが凄い。
 これがアニマルセラピーと言うヤツか!?

 いや、そこは惚れた弱みだと自覚を持った方が良いんじゃないだろうか。
 ルーシュは自分に乙女心など皆無だ思っているから、アンドュアイスへの感情への名前が恋心に結びつかないらしい。
 端から見ればベタ惚れなのは一目瞭然なのだが。

「叔父上、こちらの席をどうぞ」

 カマラがルーシュの隣の席を開けた。
 ルーシュよりよっぽど情緒が発達した生後3ヵ月である。

「ふふ、ルーシュのお隣だぁ」

 ニッコー

 笑顔が眩しい。
 その舌足らずな甘いテノールの声を何とかしてくれ。
 声に属性が多すぎる。
 そして腰にクル。

「流石は叔父上です」

「うむ、アンドュアイスが愛らしくて私は鼻が高いぞ」
 
 何故サイヒの鼻が高いのか分からないが、サイヒが言うならばそうなのだろうと思わせる辺りサイヒの存在感は問題があり過ぎる。
 ルークもうんうん、と頷いているし誰も突っ込む者が居ない。
 いや、突っ込み属性は2人いるのだが今は保護k…アンドュアイスの笑顔にやられているので突っ込み逃したのが正解だ。

「ドラジュはルーシュの膝から退かなくて大丈夫なのか?」

 コテリ、と小首を傾げてルークがサイヒに問う。
 そう言う仕種がサイヒの欲望を擽るのだと、何時まで経ってもルークは覚えない。
 これだから父様は、とカマラは思った。

「疑似家族っぽくて良いではないか。カマラと違ってドラジュは子供らしいからな」

「母様、私は母様によく似ていると言われますが?」

「ちゃんとお前も可愛い我が子だぞカマラ」

 サイヒが流し目を送り口角を上げて微笑む。
 やたら色気がある。
 流石にカマラも口を紡ぐ。
 年季の差と言うヤツだ。

「ドラジュ、ルーシュの抱っこはどうだ?」

「うんとね、頭がらくー。お母様みたいに邪魔なお肉が無いよ」

 子供と言うのは時に残酷である。
 未だ成長中の未発達なルーシュと、年が2つしか離れていないが2児の母であるサイヒの胸を比べては可哀想と言うモノだ。
 ちなみにサイヒは元々Gカップあったが産後に胸が残ったため現在Iカップある。
 ルークは幸せ者である。
 このサイヒの爆乳は今はルークの1人占めであるのだから。
 幼児2人はすでに離乳食に移っているため、もう母乳は飲まないのだ。
 
 母乳プr…いや、何でもない。
 取り合えずルークが幸せであると言う事を此処に記そう。

「皆様の分のお茶とお菓子を用意しますわね」

 マロンが立ち上がる。

「私も手伝うよマロンちゃん」

「ルーシュ様は客人なのだからゆっくりして下さい。それにルーシュ様が居るとお兄様が嬉しそうですから」

「え、そうなんの……?」

 ルーシュがポカンと口を開く。

「心友が遊びに来てくれたのだ。嬉しくない訳なかろう?」

「んじゃもっと喜んでるの前に出してよね!私ばっかりテンション上がってたら恥ずかしいでしょーが!」

「うむ、やはりお前が居ると騒がしくて楽しいな」

「楽しいならもっと言葉選ぼーね!!」

 サイヒはクッキーを口にしながら通常運転だ。
 通常運転に見える。
 が、見る者が見ればサイヒが機嫌が良いのは分かる。

「クオン、ルーシュが来るとサイヒが嬉しそうなのだが、私は浮気されているのだろうか?」

「ルーク様…それは見当違いかと………」

 ルークの見当違いの心配と、ルーシュのサイヒに振り回されている状況と、ソレを見て普段は自分があのように振り回されているのだと思うと、クオンの胃はマッハで痛くなってきた。

 もうすぐ色々察知したマロンが皆が好きな飲み物を個々に合わせて持ってくるだろう。
 是非ティーポーションで胃痛を沈めて頂きたい。

 そしてクッキー以外のマロンの手作りお菓子が出てきて、幼児たちとアンドゥアイスは大層よろこんだそうだ。
 ソレを見て、ルーシュが菓子作りを頑張ろうと心の中で決心したのは秘密なのである。

PS
 オグリとルインはデートで天界の空を飛び回っております(*´▽`*)
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