聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~

高井繭来

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そして全能神は愉快犯となった

【174話】

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「父様喧嘩でもしたのですか母様?」

「ルーク君と喧嘩でもしたのサイヒちゃん?」

「ルーク様と何かあったのですかお兄様?」

 上からドラジュ・ユラ・マロンである。

「お前たちは本当に私の事をよく見ているな………」

 サイヒが苦笑いを漏らした。
 仕事も終わり、午後のお茶会を開いていた時の事だった。

「「「だって父様(ルーク君/ルーク様)がお茶会に参加しないなんて変です!!」」」

 3人の声がはもる。
 そして真剣な眼差しに3人が本気でサイヒの心配をしていることも分かった。

「何かあったではなく、何もなくなったと言うのが正解だな」

「意味がよく分からないのですが母様?」

「説明する気はない。詳しいことを知りたかったらクオンに聞いてくれ」

「何でクオン様なのですか?私は何も聞かされていませんわ!私だって知らないのに、クオン様だけお兄様の秘密を知っているなんて理不尽ですわ」

 ぷぅ、とマロンが頬を膨らます。
 もう精神年齢は十分に大人なのに、その仕草は少女のものだ。
 愛らしい外見と相まった、その仕草は可愛らしい。

「怒るなマロン。クオンをあまり虐めるなよ?」

「まぁお兄様は私がクオン様を虐めると思うのですか?」

「意外とメンタル的に虐める時があるのを知らないとでも思っているのか?」

「そ、それは…クオン様が悪い時だけです!」

「サイヒちゃん、話反らさない!」

「誘導されてくれませんねぇ…」

「ユラお姉さんの年の功よ!」

 ドヤァ、とささやかな胸を張る。
 いや、ささやかだがドラジュにとぅては1番魅力的な胸だから自信を持って欲しい。

「まぁサイヒちゃんが何したのか知らないけどお姉さんはサイヒちゃんの味方よ」

「私がやったの前提なんですね」

「ルーク君がサイヒちゃんに何か仕掛けるなんて想像つかないモノ」

「で、私なら何かしかねない、と?」

「うん、サイヒちゃんはミヤハルちゃんによく似てるもの。つまりは愉快犯」

「それでも私だってお兄様の味方ですわ!」

 マロンも胸を張る。
 ユラよりも隆起が大きい。
 クオンの努力の賜物である。
 何をどう努力したのかは割愛させて貰おう。
 ただクオンが吐血ではなく鼻血を何度も出す羽目になったことだけ此処に記そう。

「お2人とも母様に甘いですよ。繊細な姉上ならともかく、どんなに似てても母様は愉快犯。どうせ碌な事をしていません」

「カマラと私の扱いに差がないかドラジュ?」

「母様も姉上もどちらも大切ですが、性格の面で行ったら姉上の方が繊細ですから。姉上はああ見えて変な事しませんし。まぁ母様が悪いにしても僕も母様の味方ですけどね」

「結局ドラジュ君もシスコンでマザコンなのよね」

「ユラさん、今日の夜は楽しみですね♡」

「ひぃっ、矛先がこちらにぃぃぃぃっ!!」

「今のはユラ様が悪いと思いますわ」

 そう言いながらもマロンはユラに新しいお茶を出してあげる。
 ストレス緩和のハーブティーだ。
 流石に仕事が早い。
 全能神の専属侍女は伊達では無いのだ。

「まぁ、なるようになるさ。皆、全てを知った後も私の味方をしてくれること祈るとしよう」

 クスクスとサイヒが笑う。
 絶対に3人が自分の味方をしてくれることを信じてくれる事を確信してるからこその笑顔だった。
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