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そして全能神は愉快犯となった
【176話】
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今日もクオンは胃が痛い。
主に自分の主とその伴侶のせいである。
つまりは原因はルークとサイヒだ。
サイヒがルークの恋心を奪ってから、出会った頃のようにルークを遊びに連れまわす。
天界で連れまわすわけにはいかないなので、主に地上に赴いているようである。
なぜ天界ではダメなのか?
それはルークが魔王だからだ。
悪魔と天人の相性は悪い。
天人の中にルークの恋人となれるものは居ないだろう。
消去法で地上に繰り出すことが多くなった。
そう、サイヒはルークの恋人を探しに行っているのである。
ルークの本来の運命の相手が何処かに居ると、サイヒはそう信じている。
未だに己はルークに恋しているくせに。
だが恋しているからこそ、愛しているからこそ、己のような人工的な運命の伴侶ではなく本来の伴侶をルークを番わせてやりたいのだ。
クオンからすれば愚かしい事この上ない。
人工であろうと愛し合っているのならそれで良いではないか。
何故、今更ルークの恋心を奪ってまで新しい伴侶を見つけようとするのか。
それはサイヒが唯一持つコンプレックスのせいだ。
人工的な番。
それはサイヒにとって、己の唯一の汚点なのだ。
ゆえにサイヒは己の存在はルークを汚してしまうと思っている。
あんなに幸せに愛し合っていたくせに。
サイヒは簡単に己から伴侶の座を降りる決意をした。
クオンはルークの恋心を返すようにサイヒに言うつもりだった。
なのにあんな完璧な存在が、哀しそうな眼をしていたのだ。
初めて見たサイヒの憂いた顔。
心友として、クオンは弱ったサイヒを止める事が出来なかった。
今のルークは楽しそうだ。
サイヒと出会った頃、クオンを巻き込んで何時も楽しい時を過ごした。
マロンの淹れるお茶を飲んで、菓子を堪能して。
無邪気にルークは同性と思い込んでいたサイヒに信頼を向けて幸福な時間を過ごしていた。
あの頃のルークが今、ここにいる。
サイヒは友人だと信じていたルークが、今居るのだ。
「形が変わっても幸せなら良いのだろうか…」
「お兄様とルーク様の事ですか?」
「マロンさん、寝てたんじゃないのですか!?」
「クオンさんの気配がベッドから消えたので、目が覚めてしましました」
「申し訳ありません、起こしてしまって……」
「1人で抱え込んで、本当なら一緒にクオンさんの重荷も私が一緒に抱えたいのですが…今回はそう言う訳にはいかないのですね………」
「心友が、哀しそうなので…」
「クオンさんがお兄様の心友で居てくれるから、お兄様も色々と救われてますわ。だからお酒はほどほどに、ね」
「心配、かけているのですね。マロンさんには迷惑をおかけします」
「良いんですよ、いくら迷惑をかけても。私たちは夫婦でしょう、たまには甘えて下さい。確かに私では頼りないかも知れませんが、クオンさんに温かいお茶を淹れてあげる事位は出来るんですから」
マロンが微笑む。
母になって、マロンは強くなった。
見かけは未だに可憐な少女であるのに、マロンは誰よりも心が強くなった。
クオンが思わず弱気を漏らすくらいに。
「そうですね、お酒はほどほどにしましょう。もし宜しければ、こんな夜更けに何ですが私のためにお茶を淹れて下さいますか?
出来れば一緒にお茶を飲んでくれると嬉しいです」
「えぇ、胃に優しいお茶をいれますわ。今日はポーションじゃなくて紅茶でよろしいですか?」
「はい、マロンさんが選んだ茶葉なら美味しいでしょうね」
「では少しお待ちくださいね、あぁこのブランケットを使ってください」
マロンは持っていたブランケットをクオンの肩にかける。
その温もりに自分は随分と冷えていたのだと気づかされた。
クオンはウイスキーの入ったグラスをテーブルに置き、温かい紅茶が置けるだけのスペースをテーブルの上に作るのだった。
主に自分の主とその伴侶のせいである。
つまりは原因はルークとサイヒだ。
サイヒがルークの恋心を奪ってから、出会った頃のようにルークを遊びに連れまわす。
天界で連れまわすわけにはいかないなので、主に地上に赴いているようである。
なぜ天界ではダメなのか?
それはルークが魔王だからだ。
悪魔と天人の相性は悪い。
天人の中にルークの恋人となれるものは居ないだろう。
消去法で地上に繰り出すことが多くなった。
そう、サイヒはルークの恋人を探しに行っているのである。
ルークの本来の運命の相手が何処かに居ると、サイヒはそう信じている。
未だに己はルークに恋しているくせに。
だが恋しているからこそ、愛しているからこそ、己のような人工的な運命の伴侶ではなく本来の伴侶をルークを番わせてやりたいのだ。
クオンからすれば愚かしい事この上ない。
人工であろうと愛し合っているのならそれで良いではないか。
何故、今更ルークの恋心を奪ってまで新しい伴侶を見つけようとするのか。
それはサイヒが唯一持つコンプレックスのせいだ。
人工的な番。
それはサイヒにとって、己の唯一の汚点なのだ。
ゆえにサイヒは己の存在はルークを汚してしまうと思っている。
あんなに幸せに愛し合っていたくせに。
サイヒは簡単に己から伴侶の座を降りる決意をした。
クオンはルークの恋心を返すようにサイヒに言うつもりだった。
なのにあんな完璧な存在が、哀しそうな眼をしていたのだ。
初めて見たサイヒの憂いた顔。
心友として、クオンは弱ったサイヒを止める事が出来なかった。
今のルークは楽しそうだ。
サイヒと出会った頃、クオンを巻き込んで何時も楽しい時を過ごした。
マロンの淹れるお茶を飲んで、菓子を堪能して。
無邪気にルークは同性と思い込んでいたサイヒに信頼を向けて幸福な時間を過ごしていた。
あの頃のルークが今、ここにいる。
サイヒは友人だと信じていたルークが、今居るのだ。
「形が変わっても幸せなら良いのだろうか…」
「お兄様とルーク様の事ですか?」
「マロンさん、寝てたんじゃないのですか!?」
「クオンさんの気配がベッドから消えたので、目が覚めてしましました」
「申し訳ありません、起こしてしまって……」
「1人で抱え込んで、本当なら一緒にクオンさんの重荷も私が一緒に抱えたいのですが…今回はそう言う訳にはいかないのですね………」
「心友が、哀しそうなので…」
「クオンさんがお兄様の心友で居てくれるから、お兄様も色々と救われてますわ。だからお酒はほどほどに、ね」
「心配、かけているのですね。マロンさんには迷惑をおかけします」
「良いんですよ、いくら迷惑をかけても。私たちは夫婦でしょう、たまには甘えて下さい。確かに私では頼りないかも知れませんが、クオンさんに温かいお茶を淹れてあげる事位は出来るんですから」
マロンが微笑む。
母になって、マロンは強くなった。
見かけは未だに可憐な少女であるのに、マロンは誰よりも心が強くなった。
クオンが思わず弱気を漏らすくらいに。
「そうですね、お酒はほどほどにしましょう。もし宜しければ、こんな夜更けに何ですが私のためにお茶を淹れて下さいますか?
出来れば一緒にお茶を飲んでくれると嬉しいです」
「えぇ、胃に優しいお茶をいれますわ。今日はポーションじゃなくて紅茶でよろしいですか?」
「はい、マロンさんが選んだ茶葉なら美味しいでしょうね」
「では少しお待ちくださいね、あぁこのブランケットを使ってください」
マロンは持っていたブランケットをクオンの肩にかける。
その温もりに自分は随分と冷えていたのだと気づかされた。
クオンはウイスキーの入ったグラスをテーブルに置き、温かい紅茶が置けるだけのスペースをテーブルの上に作るのだった。
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