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そして全能神は愉快犯となった
【177話】
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「あ、今お腹を蹴った」
ポツリ、とカマラが言った。
その言葉にサロンに居た皆の動きが止まった。
そして一気に興奮する。
「腹の子が動いたのか!?」
「私の孫が元気に育っているのだな!」
珍しくサイヒも興奮が止められない。
何時もは振り回す側であるのに今回は振り回される側だ。
それ程にカマラの腹に宿った子の存在がサイヒにとって大きかった。
(ルークとの間に子だけではなく孫まで儲けられるなんて……)
サイヒの感動は並大抵では無かった。
これ以上ルークと自分の間に儲けられるものなどないと思っていたからだ。
サイヒがルークの恋心を奪って早2カ月。
相変わらずサイヒとルークは気の合う異性として過ごしていた。
ルークにサイヒへの恋心はもう微塵も見えなかった。
周りの部下や使用人たちは全能神様と伴侶様がようやく落ち着いた、といった認識だ。
20年もイチャイチャしていたのがおかしいのだ。
普通の恋は3年ほどで覚めるものだ。
その後は家族愛や情で繋がりあう。
ようやくその時が来たのだと皆信じていた。
サイヒが何かをやらかしたのを知っている者は気が気でなかったが。
全部知っているクオンの心労はその中でも群を抜いて大きかったであろう。
マロンの存在が無ければ心が折れていたかもしれない。
その中での朗報。
カマラが妊娠した。
全能神の孫が生まれるのである。
天界は湧きに湧き、王宮も王都も祭り騒ぎだ。
そして今日は安定期に入ったカマラが夫のソレイユと共に天界に里帰りしに来たのであった。
「誰に似た子が生まれるのでしょうね?」
「私としては男でも女でもソレイユさんに似て欲しいです」
マロンの言葉にカマラが答えた。
相当に夫に惚れ込んでいるようである。
自分より夫であるソレイユ似の子供が欲しいらしい。
「僕はカマラさんによく似た可愛い女の子が欲しいですよ」
カマラを可愛いと言ってしまえるソレイユは大物だろう。
ソレイユはただの人間である。
魔術師でも法術師でもない。
剣が扱える訳でもない。
平凡な、博識だけが長けた人間だ。
そんな平凡な男がカマラを可愛いと言ってしまえる。
確かにカマラは美しいが可愛いらしさは無縁だ。
母親のサイヒに似て美しいに顔面偏差値が極振りされているので愛らしさは無い。
体形は確かに華奢な女のモノであるが、可愛らしいとは少し違う。
”清楚”
カマラはそんな言葉が似合う女に成長している。
そのカマラを可愛いと思える器。
平凡に見えてソレイユの器は物凄い大きいのかもしれない。
「ソレイユさんには姉上が可愛く見えるんですか?」
「カマラさんはとても可愛いですよ」
ドラジュの問いにソレイユは笑顔で答える。
神を前にしても平然でいられる。
かなりの胆力である。
「カマラをよろしく頼む婿殿」
「僕は大した力はありませんが、それでも全力でカマラさんと子供を愛し抜きますお義母様」
「お義母様か…純真なものに言われると感慨深いな」
クスクスとサイヒが笑う。
本当に嬉しそうなサイヒの笑顔はそれでも壮絶な色気を孕む。
だがソレイユはけろっとしている。
おそらくクオンやルーシュと同類でサイヒの色気に飲まれない性質なのだろう。
純粋に義母として慕っている。
全能神を………。
クオンはそんなソレイユを見て驚く。
こんなにも器の大きいものに出会うのは初めてなのである。
その人物が己の主の義理の息子になる。
珍しくクオンにとって胃が痛まない案件である。
「私としてはあんまり自分に似て欲しくないのですよね…母上の遺伝子が強く出そうで、癖のある子が生まれないか心配ですから………」
「お前は私を何だと思っているのだカマラ」
サイヒは問うたが周りはうんうんと頷いていた。
「権力と実行力のある愉快犯ですよ。今も何かやらかしているようですけど、そのやらかした事は思いもよらぬ形で母上に返ってきますよ?覚悟していた方が良いと娘から進言させて頂きます」
「ほぅ、お前は色々気付いているようだが…これの答えも予測出来ていると?私でもまだ分からないのに?」
「まぁ予測はつきますね、内緒ですけど。母上の驚く顔と言うものが見てみたいですから」
「ふむ、そうまで言うならこれ以上問い詰めないでおこう。結果が楽しみだ」
「私も母上の反応を見るのが今から楽しみです」
そっくりな母娘の言葉の殴り合いだ。
だがどちらも楽しそうである。
神力を持つため大概の事は叶えられる2人だからこそ、結果が分からないものが逆に楽しいのだ。
分かりすぎると言うのも不自由なものである。
「私とサイヒの孫………」
ポツリとルークが呟いたのは誰の耳にも届かなかった。
母娘の言葉の殴り合いの緊張感が凄すぎて。
だから見逃したのだ。
呟くルークの頬が赤く染まっていたことを。
ポツリ、とカマラが言った。
その言葉にサロンに居た皆の動きが止まった。
そして一気に興奮する。
「腹の子が動いたのか!?」
「私の孫が元気に育っているのだな!」
珍しくサイヒも興奮が止められない。
何時もは振り回す側であるのに今回は振り回される側だ。
それ程にカマラの腹に宿った子の存在がサイヒにとって大きかった。
(ルークとの間に子だけではなく孫まで儲けられるなんて……)
サイヒの感動は並大抵では無かった。
これ以上ルークと自分の間に儲けられるものなどないと思っていたからだ。
サイヒがルークの恋心を奪って早2カ月。
相変わらずサイヒとルークは気の合う異性として過ごしていた。
ルークにサイヒへの恋心はもう微塵も見えなかった。
周りの部下や使用人たちは全能神様と伴侶様がようやく落ち着いた、といった認識だ。
20年もイチャイチャしていたのがおかしいのだ。
普通の恋は3年ほどで覚めるものだ。
その後は家族愛や情で繋がりあう。
ようやくその時が来たのだと皆信じていた。
サイヒが何かをやらかしたのを知っている者は気が気でなかったが。
全部知っているクオンの心労はその中でも群を抜いて大きかったであろう。
マロンの存在が無ければ心が折れていたかもしれない。
その中での朗報。
カマラが妊娠した。
全能神の孫が生まれるのである。
天界は湧きに湧き、王宮も王都も祭り騒ぎだ。
そして今日は安定期に入ったカマラが夫のソレイユと共に天界に里帰りしに来たのであった。
「誰に似た子が生まれるのでしょうね?」
「私としては男でも女でもソレイユさんに似て欲しいです」
マロンの言葉にカマラが答えた。
相当に夫に惚れ込んでいるようである。
自分より夫であるソレイユ似の子供が欲しいらしい。
「僕はカマラさんによく似た可愛い女の子が欲しいですよ」
カマラを可愛いと言ってしまえるソレイユは大物だろう。
ソレイユはただの人間である。
魔術師でも法術師でもない。
剣が扱える訳でもない。
平凡な、博識だけが長けた人間だ。
そんな平凡な男がカマラを可愛いと言ってしまえる。
確かにカマラは美しいが可愛いらしさは無縁だ。
母親のサイヒに似て美しいに顔面偏差値が極振りされているので愛らしさは無い。
体形は確かに華奢な女のモノであるが、可愛らしいとは少し違う。
”清楚”
カマラはそんな言葉が似合う女に成長している。
そのカマラを可愛いと思える器。
平凡に見えてソレイユの器は物凄い大きいのかもしれない。
「ソレイユさんには姉上が可愛く見えるんですか?」
「カマラさんはとても可愛いですよ」
ドラジュの問いにソレイユは笑顔で答える。
神を前にしても平然でいられる。
かなりの胆力である。
「カマラをよろしく頼む婿殿」
「僕は大した力はありませんが、それでも全力でカマラさんと子供を愛し抜きますお義母様」
「お義母様か…純真なものに言われると感慨深いな」
クスクスとサイヒが笑う。
本当に嬉しそうなサイヒの笑顔はそれでも壮絶な色気を孕む。
だがソレイユはけろっとしている。
おそらくクオンやルーシュと同類でサイヒの色気に飲まれない性質なのだろう。
純粋に義母として慕っている。
全能神を………。
クオンはそんなソレイユを見て驚く。
こんなにも器の大きいものに出会うのは初めてなのである。
その人物が己の主の義理の息子になる。
珍しくクオンにとって胃が痛まない案件である。
「私としてはあんまり自分に似て欲しくないのですよね…母上の遺伝子が強く出そうで、癖のある子が生まれないか心配ですから………」
「お前は私を何だと思っているのだカマラ」
サイヒは問うたが周りはうんうんと頷いていた。
「権力と実行力のある愉快犯ですよ。今も何かやらかしているようですけど、そのやらかした事は思いもよらぬ形で母上に返ってきますよ?覚悟していた方が良いと娘から進言させて頂きます」
「ほぅ、お前は色々気付いているようだが…これの答えも予測出来ていると?私でもまだ分からないのに?」
「まぁ予測はつきますね、内緒ですけど。母上の驚く顔と言うものが見てみたいですから」
「ふむ、そうまで言うならこれ以上問い詰めないでおこう。結果が楽しみだ」
「私も母上の反応を見るのが今から楽しみです」
そっくりな母娘の言葉の殴り合いだ。
だがどちらも楽しそうである。
神力を持つため大概の事は叶えられる2人だからこそ、結果が分からないものが逆に楽しいのだ。
分かりすぎると言うのも不自由なものである。
「私とサイヒの孫………」
ポツリとルークが呟いたのは誰の耳にも届かなかった。
母娘の言葉の殴り合いの緊張感が凄すぎて。
だから見逃したのだ。
呟くルークの頬が赤く染まっていたことを。
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