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そして全能神は愉快犯となった
【178話】
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「美味しいか、ルーク…て、見ればわかるな」
「?」
コテリ、とルークが首を傾げた。
頬がリスのように膨らんでいる。
何と言うか、物凄く保護欲を抱かせる。
成人男性のする仕草としては普通見苦しく感じるその仕草も、ルークほどの美貌の持ち主がやると可愛くて仕方ない。
顔の表情筋がふにゃふにゃに緩んで、始終笑顔のルークは大変楽しそうだ。
サイヒもつられて何時もより笑顔が多くなる。
「サイヒも楽しそうだぞ?」
モグモグ、ゴクンとイチゴを飲み込みルークが言う。
ちゃんと飲み込んでから喋るあたりマナーが相変わらず良い。
サイヒは人前で良く見せたい時以外はマナーは適当である。
まぁ見目が良すぎて多少マナーが悪くても発するオーラで気品があるように見えるのだから狡いと言えば狡い存在だろう。
イケメンは全てを解決する正義なのだ。
「ルークが楽しそうだからな。私はお前の笑顔が好きだから、お前が笑顔だと私も楽しいよ」
「私が笑顔だとサイヒも楽しいのか?」
「当然だろう?我々は親友ではないか」
「そうか、嬉しいのかぁ………」
ルークの頬がイチゴのように真っ赤に染まる。
耳までも赤い。
(何でサイヒが笑顔だと嬉しいのだろう?私の笑顔が好きと言われてこんなにドキドキするのだろう………?)
「どうしたルーク?急に黙り込んで」
「ううん、何でもない。私もサイヒが楽しそうだと嬉しい」
「それは嬉しいな」
「ずっと、一緒に居たいな………」
「一緒にいるさ、我々は親友だろう?互いが運命の伴侶を見つけても離れたりはしない」
「じゃぁずっと一緒だな」
「病める時も健やかなる時も、私はお前が呼べばすぐに隣に行くさ」
「そう言う所、狡い………」
ふい、とルークが顔を逸らす。
サイヒの言葉は心臓に悪い。
何時までも自分が呼べば隣に居てくれるのだと言う。
では頼めば死ぬまで隣に居てくれるだろうか?
いや、きっと隣に居てくれる。
サイヒはそれくらいにルークを大切にしてくれている。
全能神と魔王と言う立場から、地上の平和のために互いを伴侶とし婚姻したが、サイヒは何時だったルークの事を優先させてきてくれた。
友情だけでそこまでしてくれるサイヒ。
ではサイヒに運命の相手が見つかっても、同じように呼べば隣に居てくれるのだろうか………?
(サイヒの隣に誰かが立つのは、嫌だ………)
「黙り込んでどうしたルーク?疲れたか?」
サイヒの綺麗な形の白い手がルークの頬に伸びる。
そして猫を撫でるかのように甲でルークの頬を撫でる。
その手の感触と温度がひどく気持ちよい。
(もっと、触れて欲しい)
そう考えたルークは、己の思考に顔を真っ赤にした。
「どうした顔が真っ赤だぞルーク?熱でもあるか?」
「夕日のせいだ、私は大丈夫だよサイヒ」
(嘘だ、大丈夫じゃない…サイヒの隣が自分のもの以外の場所になるなんて耐えられない……でも、我々は親友だ。世界のために結婚した運命共同体。普通の夫婦とは、違うのだ。
何時か、サイヒは私以外の伴侶を娶るのだろうか?
私に向けてくれている笑顔を他の者に向けるのであろうか?自分たちの子供のドラジュやカマラでもサイヒの笑顔を分けるのが惜しいと思うのに?
血も繋がっていない者がサイヒの笑顔を独占する?そんなの、嫌だ………)
「少し疲れたか?もう帰るとしよう」
「サイヒ、明日も地上に来るなら2人だけが良い」
「明日もか?それでは伴侶がいつまでたっても見つからんぞ?」
「そう、だな…伴侶を探すために私たちは地上に降りてきているのだったな………」
(サイヒは、早くちゃんと恋をした伴侶がそんなに欲しいのだろうか?私は今のままでも良いのに。愛し合った夫婦でなくとも互いを想い合う運命共同体で共に居られるなら満足なのに………)
ルークの手をサイヒが握る。
そして【転移】の神術を施行する。
一瞬の間で2人はルークの私室に到着していた。
「イチゴもかなり食べたししんどい様だから、今日のルークの夕食は食べやすい軽いものにして貰う様マロンに言っておくよ。少しベッドで休んでいると良い。また迎えに来る」
「サイヒ…」
「何だ?」
「世話を書けてすまない」
「可愛いルークの我儘なら幾らでも聞いてやるよ」
そう言ってルークを安心させるようにサイヒは微笑んだ。
そしてマロンの元へと行ってしまった。
「本当は行かないで、と言いたかったのだが…私はいったいどうしたのだろうか………?」
互いに友情があった。
傍にいると心地よかった。
2人して地上に居る訳にはいかなくなった。
だから婚姻し、天界で運命共同体として暮らしている。
今のルークの中ではそれが己とサイヒの関係だ。
だからルークは気付かない。
その感情が何と呼ぶものか。
そしてサイヒも気付かない。
ルークの幸せを願うあまり、ルークの心が見通せない。
ルークの瞳を見ると心が苦しくて、その目を合わせる機会が減ったから。
もしサイヒがルークの事を今までのように気を付けて見ていれば、今のルークがどれ程混乱しているか気づくことが出来ただろう。
サイヒが己の存在の在り方をルークの中で捻じ曲げたせいで、2人の関係は複雑に絡み合っていくのだった。
「?」
コテリ、とルークが首を傾げた。
頬がリスのように膨らんでいる。
何と言うか、物凄く保護欲を抱かせる。
成人男性のする仕草としては普通見苦しく感じるその仕草も、ルークほどの美貌の持ち主がやると可愛くて仕方ない。
顔の表情筋がふにゃふにゃに緩んで、始終笑顔のルークは大変楽しそうだ。
サイヒもつられて何時もより笑顔が多くなる。
「サイヒも楽しそうだぞ?」
モグモグ、ゴクンとイチゴを飲み込みルークが言う。
ちゃんと飲み込んでから喋るあたりマナーが相変わらず良い。
サイヒは人前で良く見せたい時以外はマナーは適当である。
まぁ見目が良すぎて多少マナーが悪くても発するオーラで気品があるように見えるのだから狡いと言えば狡い存在だろう。
イケメンは全てを解決する正義なのだ。
「ルークが楽しそうだからな。私はお前の笑顔が好きだから、お前が笑顔だと私も楽しいよ」
「私が笑顔だとサイヒも楽しいのか?」
「当然だろう?我々は親友ではないか」
「そうか、嬉しいのかぁ………」
ルークの頬がイチゴのように真っ赤に染まる。
耳までも赤い。
(何でサイヒが笑顔だと嬉しいのだろう?私の笑顔が好きと言われてこんなにドキドキするのだろう………?)
「どうしたルーク?急に黙り込んで」
「ううん、何でもない。私もサイヒが楽しそうだと嬉しい」
「それは嬉しいな」
「ずっと、一緒に居たいな………」
「一緒にいるさ、我々は親友だろう?互いが運命の伴侶を見つけても離れたりはしない」
「じゃぁずっと一緒だな」
「病める時も健やかなる時も、私はお前が呼べばすぐに隣に行くさ」
「そう言う所、狡い………」
ふい、とルークが顔を逸らす。
サイヒの言葉は心臓に悪い。
何時までも自分が呼べば隣に居てくれるのだと言う。
では頼めば死ぬまで隣に居てくれるだろうか?
いや、きっと隣に居てくれる。
サイヒはそれくらいにルークを大切にしてくれている。
全能神と魔王と言う立場から、地上の平和のために互いを伴侶とし婚姻したが、サイヒは何時だったルークの事を優先させてきてくれた。
友情だけでそこまでしてくれるサイヒ。
ではサイヒに運命の相手が見つかっても、同じように呼べば隣に居てくれるのだろうか………?
(サイヒの隣に誰かが立つのは、嫌だ………)
「黙り込んでどうしたルーク?疲れたか?」
サイヒの綺麗な形の白い手がルークの頬に伸びる。
そして猫を撫でるかのように甲でルークの頬を撫でる。
その手の感触と温度がひどく気持ちよい。
(もっと、触れて欲しい)
そう考えたルークは、己の思考に顔を真っ赤にした。
「どうした顔が真っ赤だぞルーク?熱でもあるか?」
「夕日のせいだ、私は大丈夫だよサイヒ」
(嘘だ、大丈夫じゃない…サイヒの隣が自分のもの以外の場所になるなんて耐えられない……でも、我々は親友だ。世界のために結婚した運命共同体。普通の夫婦とは、違うのだ。
何時か、サイヒは私以外の伴侶を娶るのだろうか?
私に向けてくれている笑顔を他の者に向けるのであろうか?自分たちの子供のドラジュやカマラでもサイヒの笑顔を分けるのが惜しいと思うのに?
血も繋がっていない者がサイヒの笑顔を独占する?そんなの、嫌だ………)
「少し疲れたか?もう帰るとしよう」
「サイヒ、明日も地上に来るなら2人だけが良い」
「明日もか?それでは伴侶がいつまでたっても見つからんぞ?」
「そう、だな…伴侶を探すために私たちは地上に降りてきているのだったな………」
(サイヒは、早くちゃんと恋をした伴侶がそんなに欲しいのだろうか?私は今のままでも良いのに。愛し合った夫婦でなくとも互いを想い合う運命共同体で共に居られるなら満足なのに………)
ルークの手をサイヒが握る。
そして【転移】の神術を施行する。
一瞬の間で2人はルークの私室に到着していた。
「イチゴもかなり食べたししんどい様だから、今日のルークの夕食は食べやすい軽いものにして貰う様マロンに言っておくよ。少しベッドで休んでいると良い。また迎えに来る」
「サイヒ…」
「何だ?」
「世話を書けてすまない」
「可愛いルークの我儘なら幾らでも聞いてやるよ」
そう言ってルークを安心させるようにサイヒは微笑んだ。
そしてマロンの元へと行ってしまった。
「本当は行かないで、と言いたかったのだが…私はいったいどうしたのだろうか………?」
互いに友情があった。
傍にいると心地よかった。
2人して地上に居る訳にはいかなくなった。
だから婚姻し、天界で運命共同体として暮らしている。
今のルークの中ではそれが己とサイヒの関係だ。
だからルークは気付かない。
その感情が何と呼ぶものか。
そしてサイヒも気付かない。
ルークの幸せを願うあまり、ルークの心が見通せない。
ルークの瞳を見ると心が苦しくて、その目を合わせる機会が減ったから。
もしサイヒがルークの事を今までのように気を付けて見ていれば、今のルークがどれ程混乱しているか気づくことが出来ただろう。
サイヒが己の存在の在り方をルークの中で捻じ曲げたせいで、2人の関係は複雑に絡み合っていくのだった。
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