聖女の力を姉に譲渡し国を出て行った元聖女は実は賢者でした~隣国の後宮で自重せずに生きていこうと思います~

高井繭来

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2章

【239話】???Side

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「覗き見しないで出てきたらどうだ?」

 ボーイソプラノがダクトに向かって声をかけた。
 声の主はアルビノの美少年。
 自称”全知全能”である。
 銃を構えダクトを狙う。

 ターンッ!

 軽い銃声と共に銃弾が発射された。
 そして落ちてくる紙型。
 ネズミの様な形をしていた。

『私の式神に気付くとは、全知全能を名乗るだけあるな』

 クツクツと笑い声が響いた。
 ダクトからもう一匹のネズミが覗いている。
 謎の声はそこから発せられたらしい。

「お前が人間どものリーダーだな?僕に用事がるなら直接出向け」

『いやいや、全知全能よ。お前の相手は私ではない、ミヤハルだ』

「さっきの女のガキか」

『物分かりが早くて助かる。そうどの子供だ。お前の相手はミヤハルで充分だ。私の敵としてはお前は役者不足だよ』

「ただが人間が随分と自惚れているな」

『その言葉そっくりお前に帰してやろう。自称全知全能』

「自称じゃない!僕は本当に全知全能なんだ!」

『あぁ、そうなるだろうな。でも今はまだ人間の子供に過ぎない。今のお前ではミヤハルには勝てんよ。あの子は人類の守護者になるものだからな』

「そちらこそ大口お叩くじゃないか。あの子供が人類の守護者?僕を差し置いて?そんなことはあり得ない。誰よりも強くなるのは僕だ」

『言っていられるのも今のうちだ。すぐに分かる事だ。そしてお前の運命もお前が思う様には進まぬよ。お前は今日運命に出会う。運命に出会いお前は弱くなるし強くなる。まぁ楽しみにしておけ』

「お前に何が分かる?」

『これでも私は物知りなのだよ。お前よりは色んなことを知っているさ全知全能。さぁお喋りは終わりだ。もうすぐお前のと所にミヤハルが行くだろう。今度は簡単に逃げられると思うなよ?』

「あれは戦略的撤退だ。僕は逃げる事はしない。僕は全知全能だから、誰よりも高みに居るものだから、僕は誰にも負けない」

『ふふ、それではお手並み拝見と行こう。面白いショーを見せてくれるのを楽しみにしているよ』

 ターンッ

 銃弾がダクトのネズミを撃ち抜く。
 そのネズミも紙の型に姿を変えてひらりと床に落ちてきた。

「あんな小娘に僕が負ける?ありえない、僕は全知全能になる存在だ。それより強い者が現れる筈が無い。この式神使いだって、次は確実に頭に銃弾を撃ち込んで見せる!」

 愛用のベレッタPX4 ストームサブコンパクトを上着の下のホルダーに仕舞い、アルビノの少年は今度は己から攻めるべく、自分だけが知っている裏道を進むのであった。
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