25 / 109
24
しおりを挟む
はぁ、と大きな溜息をルーシュが吐く。
「どうしたのじゃ主殿、辛気臭いのじゃ」
夜の荒野、聞いてくれる人間は居ないが、使い魔のルインが相手をしてくれるので寂しくない。
「いや、アンドュアイス様なんだけど…」
「主殿の番がどうしたのじゃ?」
「いや、まだ番じゃないからね!」
「まだ、と言う事はこれから番になる予定があると言う事なのじゃ」
「ちが、今のは言葉のあやね!私、アンドュアイス様をそんな邪な目で見てないし!」
耳まで真っ赤にして言うのだから説得力が無い。
「主殿、認めたらどうなのじゃ?何故それほどアンドュアイス殿に対して恋愛感情を否定するのじゃ?妾はオグリが自分より弱いから拒否しておるが、主殿とアンドュアイス殿なら強いのはアンドュアイス殿なのじゃ。
アンドュアイス殿は強大な法力を秘めておるし、主殿はオツムが緩いくせに魔術に関しては国宝級なのじゃ。
きっと生まれてくる子は2人の良い所を受け継いだ強い子なのじゃ!
アンドュアイス殿も満更ではないし、ここは雌の主殿からグイグイ主導権を持ってやるのじゃ。亭主関白にしてはいかんのじゃ!」
「亭主関白って、何処でそんな言葉覚えるかなぁ…教えた覚えないぞ?まぁ確かに、アンドュアイス様については過敏になってるところはあるんだよなぁ……」
ルーシュはアンドュアイス事をあまりよく知らない。
ガフティラベル帝国の王位継承権第2位であること。
剣と法術の腕が生半可なレベルで無い事。
王族用の顔と素顔を使い分けている事。
精神年齢が5歳児並みで、甘いお菓子が好きな事。
……そして、女が嫌いな事。
ルーシュが引っかかっているのは最後の事情である。
別にアンドュアイスはゲイと言う風には見えない。
なら何故女が嫌いなのか?
女らしくない、内面がむしろ男に近いルーシュやサイヒに懐いている。
もし、ルーシュがアンドュアイスに対して女を見せれば、アンドュアイスはルーシュに心を開かなくなるのではないか?
それがルーシュには怖いのだ。
「女を見せれない、主殿はアンドュアイス殿に嫌われたくないから1歩踏み入れられないのじゃ?だったら主殿は既にアンドュアイス殿の事を異性として見ているのではないかえ?」
「ゔっ…」
実に正論だ。
まさかドラゴンに人間の恋愛観を説かれるとは思わなかった。
「私、アンドュアイス様の事好きなのかなぁ…あ”-でも嫌われたくないな……アンドュアイス様、何で女嫌いなんだろう………」
まさかプライバシーにかかわるそんな事を本人に聞く訳にもいけない。
勿論人からまた聞きするなんて、それ以上にありえない。
「何時か、本人から聞けるかなぁ……?」
(妾か見ればアンドュアイス殿は主殿にメロメロなのじゃ。何で本人には伝わらないのかのう?主殿はサイヒ殿を見習って、もっとゴウイングマイウェイになるべきなのじゃ)
自覚しきれないルーシュだが、その背を預けるには十分な相手だとアンドュアイス事を思っている。
だからこそ今の空気を壊したくない。
「オグリの匂いが近づいて来たのじゃ」
「んじゃ、今日の打ち合いも頑張りますか!最近1本を取られる時間が短くなってきたんよな。騎士が王族に負けるなんてあってはならないよな。それに、全敗したら何かまた爆弾落とされそうだし……」
「さて、妾も未来の番の相手をするとしよう」
ルインはドラゴンフェイスでキュートに笑った。
「あ、ルインはオグリの番になる気あるのね?」
「法術を使うグリフォンなぞ見た事がない。将来有望なのじゃ。きっと妾とオグリの子は強い子が生まれるはずなのじゃ!」
ウキウキとするルインを見て、ルーシュは本能で生きる魔獣が羨ましいと感じるのだった。
決戦迄後2日……。
「どうしたのじゃ主殿、辛気臭いのじゃ」
夜の荒野、聞いてくれる人間は居ないが、使い魔のルインが相手をしてくれるので寂しくない。
「いや、アンドュアイス様なんだけど…」
「主殿の番がどうしたのじゃ?」
「いや、まだ番じゃないからね!」
「まだ、と言う事はこれから番になる予定があると言う事なのじゃ」
「ちが、今のは言葉のあやね!私、アンドュアイス様をそんな邪な目で見てないし!」
耳まで真っ赤にして言うのだから説得力が無い。
「主殿、認めたらどうなのじゃ?何故それほどアンドュアイス殿に対して恋愛感情を否定するのじゃ?妾はオグリが自分より弱いから拒否しておるが、主殿とアンドュアイス殿なら強いのはアンドュアイス殿なのじゃ。
アンドュアイス殿は強大な法力を秘めておるし、主殿はオツムが緩いくせに魔術に関しては国宝級なのじゃ。
きっと生まれてくる子は2人の良い所を受け継いだ強い子なのじゃ!
アンドュアイス殿も満更ではないし、ここは雌の主殿からグイグイ主導権を持ってやるのじゃ。亭主関白にしてはいかんのじゃ!」
「亭主関白って、何処でそんな言葉覚えるかなぁ…教えた覚えないぞ?まぁ確かに、アンドュアイス様については過敏になってるところはあるんだよなぁ……」
ルーシュはアンドュアイス事をあまりよく知らない。
ガフティラベル帝国の王位継承権第2位であること。
剣と法術の腕が生半可なレベルで無い事。
王族用の顔と素顔を使い分けている事。
精神年齢が5歳児並みで、甘いお菓子が好きな事。
……そして、女が嫌いな事。
ルーシュが引っかかっているのは最後の事情である。
別にアンドュアイスはゲイと言う風には見えない。
なら何故女が嫌いなのか?
女らしくない、内面がむしろ男に近いルーシュやサイヒに懐いている。
もし、ルーシュがアンドュアイスに対して女を見せれば、アンドュアイスはルーシュに心を開かなくなるのではないか?
それがルーシュには怖いのだ。
「女を見せれない、主殿はアンドュアイス殿に嫌われたくないから1歩踏み入れられないのじゃ?だったら主殿は既にアンドュアイス殿の事を異性として見ているのではないかえ?」
「ゔっ…」
実に正論だ。
まさかドラゴンに人間の恋愛観を説かれるとは思わなかった。
「私、アンドュアイス様の事好きなのかなぁ…あ”-でも嫌われたくないな……アンドュアイス様、何で女嫌いなんだろう………」
まさかプライバシーにかかわるそんな事を本人に聞く訳にもいけない。
勿論人からまた聞きするなんて、それ以上にありえない。
「何時か、本人から聞けるかなぁ……?」
(妾か見ればアンドュアイス殿は主殿にメロメロなのじゃ。何で本人には伝わらないのかのう?主殿はサイヒ殿を見習って、もっとゴウイングマイウェイになるべきなのじゃ)
自覚しきれないルーシュだが、その背を預けるには十分な相手だとアンドュアイス事を思っている。
だからこそ今の空気を壊したくない。
「オグリの匂いが近づいて来たのじゃ」
「んじゃ、今日の打ち合いも頑張りますか!最近1本を取られる時間が短くなってきたんよな。騎士が王族に負けるなんてあってはならないよな。それに、全敗したら何かまた爆弾落とされそうだし……」
「さて、妾も未来の番の相手をするとしよう」
ルインはドラゴンフェイスでキュートに笑った。
「あ、ルインはオグリの番になる気あるのね?」
「法術を使うグリフォンなぞ見た事がない。将来有望なのじゃ。きっと妾とオグリの子は強い子が生まれるはずなのじゃ!」
ウキウキとするルインを見て、ルーシュは本能で生きる魔獣が羨ましいと感じるのだった。
決戦迄後2日……。
2
あなたにおすすめの小説
永遠の十七歳なんて、呪いに決まってる
鷹 綾
恋愛
永遠の十七歳――
それは祝福ではなく、三百年続く“呪い”だった。
公には「名門イソファガス家の孫娘」として知られる少女キクコ。
だがその正体は、歴史の裏側で幾度も国を救ってきた不老の元聖女であり、
王家すら真実を知らぬ“生きた時代遺産”。
政治も権力も、面倒ごとは大嫌い。
紅茶と読書に囲まれた静かな余生(?)を望んでいたキクコだったが――
魔王討伐後、王位継承問題に巻き込まれたことをきっかけに、
まさかの王位継承権十七位という事実が発覚する。
「……私が女王? 冗談じゃないわ」
回避策として動いたはずが、
誕生した新国王アルフェリットから、なぜか突然の求婚。
しかも彼は、
幼少期に命を救われた“恩人”がキクコであることを覚えていた――
年を取らぬ姿のままで。
永遠に老いない少女と、
彼女の真実を問わず選んだ自分ファーストな若き王。
王妃になどなる気はない。
けれど、逃げ続けることももうできない。
これは、
歴史の影に生きてきた少女が、
はじめて「誰かの隣」を選ぶかもしれない物語。
ざまぁも陰謀も押し付けない。
それでも――
この国で一番、誰よりも“強い”のは彼女だった。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立
黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」
「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」
ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。
しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。
「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。
だが、彼らは知らなかった。
ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを!
伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。
これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる