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体力が無いと、結婚は難しいらしいです。
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公爵がヨルムンド共和国へ行くと決定した頃。
ヨナリウスとウィリアムは、シュバリエ皇国の子供たちとフリーダムメンバーと一緒に、孤児院に行くところであった。
教会の名前が出ただけで、恐怖に顔をゆがめ泣き出す、シュバリエ皇国の子供たち。
何故怖いかと聞けば、教会ではご飯もろくに与えられず、お風呂にも入れてもらえない。
眠るときは、堅い床の上に薄い布一枚という有様であったらしい。
なのに赤黒い妖しげな光を宿す石に、毎日神聖力を注がなければならない。
決められた量を注げなければ、ご飯抜きは当たり前らしい。
しかも。
「あそこの人たち、すぐにぶつんだ。」
「とっても怖いの~。」
暴力を受けることが、当たり前だったらしい。
「それって本当に、ヨナス教会?」
ヨナリウスとウィリアムは、顔を見合わせて首をかしげた。
なぜなら、この領地内にあるのはヨナス教会のみだからだ。
しかも司教様は、とても優しくて温厚なおじいちゃんである。
年を取っている割には筋肉モリモリで、子供たちが危険な目に遭ったときは、神聖力を使うよりも、その筋肉で相手を一網打尽にする人だ。
「必殺技は、ピッカピカだ―って言ってた!」
そして、司教様は見事なスキンヘッドだった。
毎日ピカピカに磨いてあげると喜んでくれるんだと、孤児院の子供たちが言っていたことを話す。
すると、子供たちが不思議そうな顔をした。
「え?ここの教会は、アリア教会じゃないの?」
と。
「アリア教会?」
ヨナリウスは不思議そうに復唱した。
「王都にはあるらしいよ? なんかあんまりいいこと聞かないって、父様が前に言ってた。」
「ふ~ん。」
ヨナリウスは興味なさそうに返事をした。
「じゃあ、ここの教会はアリア教会じゃないんだね?」
「うん。ヨナス教会だよ?」
ヨナリウスの言葉に、シュバリエ皇国の子供たちは安心したような笑みを見せた。
「もしかして、アリア教会に戻されるんじゃないかって……」
「また、あいつらに連れて行かれるんじゃないかって……」
子供たちは安心したのか、ポロポロと涙をこぼし始めた。
けれど、それは悲しみの涙ではなかった。
心から安心したような笑顔を浮かべていたからだ。
「ではお試しで、みんなで孤児院に行ってみましょうか。今日はね、ふわふわのシフォンケーキを焼いたの。みんなに持って行って、一緒に遊んでいらっしゃい。」
ユーリの一言で、孤児院に行くことが決定したのであった。
孤児院に着くと、子供たちは最初こそおずおずとしていたが、焼きたてのシフォンケーキが運ばれてきた瞬間、その表情は一気にほどけた。
「わあ……!」
ふわりと広がる、甘くて優しい香り。
ふかふかの生地は、口に入れるとすぐに溶けていく。
「おいしい……」
誰かがそう呟くと、それを合図に、あちこちから笑顔がこぼれ始めた。
ヨナリウスは、フォークを持ったまま満足そうに頷き、ウィリアムは頬いっぱいにケーキを詰め込みながら、幸せそうに目を細めている。
「おかわり、あるよね?」
「あるに決まってるでしょ。」
そんなやり取りに、周囲の大人たちも思わず笑った。
ケーキのあとは、庭で鬼ごっこをしたり、ボールを転がして転んでは笑ったり。
そして牧場で、ミルーネーにご飯をあげたり、その大きな背に乗せてもらって散歩したり。
途中で、孤児院の女の子とシュバリエ皇国の女の子との間で、ヨナリウスとウィリアムの取り合いが行われるハプニングはあったのだが。
泣いていたはずの子供たちは、気づけば声を上げて笑い、怯えていた表情は、いつの間にか消えていた。
その日、孤児院には久しぶりに、子供たちの笑い声が、日暮れまで響いていた。
夕方、空がオレンジ色に染まる頃。
名残惜しそうにしながらも、ヨナリウスたちは孤児院を後にした。
ウィリアムは、お迎えに来た馬車に乗って帰って行った。
残ったヨナリウスと、シュバリエ皇国の子供たちは、フリーダムのメンバーに見守られながら、ゆっくりと帰路につく。
「……ここ、こわくないね。」
ぽつりと誰かが言ったその言葉に、ヨナリウスは微笑みながら言った。
「だいじょうぶだよ。ここは、いいところだから。」
その言葉に、子供たちは安心したように頷いた。
「ずっとここにたいな……。」
男の子がそうつぶやいた。
「お父さんとお母さんも、ここに来ればいいのに……。」
「そうだね。こんなにいいところなのにね。」
「おうちに帰ったら、お願いしてみようかな?」
そんな言葉が聞こえてきた。
「もし、ここに引っ越してくるようだったら教えてね?ぼく、辺境伯様にお願いするから。」
「辺境伯様?」
「あのひと、ヨナリウス君のお父さんじゃないの?」
女の子の一人が、不思議そうにたずねてきた。
「? 違うよ? ぼくの母様の……じょうし? らしいの。」
「じょうし?」
「うん。偉い人なんだってー!」
「へーそうなんだ。」
「じゃあ、ヨナリウス君のお父さんって誰?」
男の子が聞いてきた。
その言葉に、フリーダムのメンバーはとっさにヨナリウスの反応を見る。
「? いないよ? だって必要ないもん。 僕が大人になったら、母様と結婚して幸せにするんだから。」
ヨナリウスの言葉は、ぶれなかった。
当たり前だと言わんばかりの、自信に満ちあふれた言葉。
フリーダムのメンバーはあまりにもわかりきっていた答えに、ただ何も言えないでいた。
「そ、そうなんだ……。」
男の子は、何かを悟ったかのように、それ以上は言わなかった。
しかし。
女の子たちは違うようである。
「ヨナリウス君、お母さんとは結婚できないのよ?」
「? どうして?大人になったら、問題ないんでしょう?」
ヨナリウスは理解していなかった、結婚というものを。
「僕だったら、母様に痛い思いをさせないし、泣かせない。いつも笑ってくれるように誠心誠意尽くすもん!」
ヨナリウスは、自信満々にそう答えた。
「結婚って、そういうものだっけ?」
少女は混乱している。
「そうだよ!結婚したら、男の人は女の人が、泣くくらい痛いことをするときがあるって母様が言ってた。母様が体力がないと結婚は難しいって、自分にはあんな体力はないって、言ってたよ。でも僕にとってはそんなこと、全然関係ないもん!僕が母様を幸せにするんだ!」
ヨナリウスは、自信満々に言い切った。
「ヨ、ヨナ? 体力がってどういうことだ?」
「こ、子供を産むときのことですかねえ?」
「ヨナリウスを産んだんだ。母様は十分に体力があると思うよ?」
フリーダムメンバーも困惑している。
「? 結婚は大変、って母様が言ってた。体力は大事!」
ヨナリウスが両手を強く握りしめ、鼻息荒く力説している。
「そ、そうなんだ……」
「体力……。」
フリーダムメンバーは、ますます困惑している。
「やっぱり旦那の暴力……。」
「まじ、見つけて殺したい!」
「許されない男です……」
フリーダムメンバーは、子供たちに聞こえないよう、必死に殺気を押さえながら小さな声で言い合った。
「じゃあ、お母さんって凄い人しかなれないんだねー。」
「私も今からがんばろうっと!」
「体力つけないとね!」
ヨナリウスの言葉に、なぜか闘志を燃やすシュバリエ皇国の子供たちなのであった。
――遙か遠く、シュバリエ皇国で。
コンラッド・ウィン・ヴァーミリオン公爵が、理由もなくくしゃみをして、眉をひそめた。
ヨナリウスとウィリアムは、シュバリエ皇国の子供たちとフリーダムメンバーと一緒に、孤児院に行くところであった。
教会の名前が出ただけで、恐怖に顔をゆがめ泣き出す、シュバリエ皇国の子供たち。
何故怖いかと聞けば、教会ではご飯もろくに与えられず、お風呂にも入れてもらえない。
眠るときは、堅い床の上に薄い布一枚という有様であったらしい。
なのに赤黒い妖しげな光を宿す石に、毎日神聖力を注がなければならない。
決められた量を注げなければ、ご飯抜きは当たり前らしい。
しかも。
「あそこの人たち、すぐにぶつんだ。」
「とっても怖いの~。」
暴力を受けることが、当たり前だったらしい。
「それって本当に、ヨナス教会?」
ヨナリウスとウィリアムは、顔を見合わせて首をかしげた。
なぜなら、この領地内にあるのはヨナス教会のみだからだ。
しかも司教様は、とても優しくて温厚なおじいちゃんである。
年を取っている割には筋肉モリモリで、子供たちが危険な目に遭ったときは、神聖力を使うよりも、その筋肉で相手を一網打尽にする人だ。
「必殺技は、ピッカピカだ―って言ってた!」
そして、司教様は見事なスキンヘッドだった。
毎日ピカピカに磨いてあげると喜んでくれるんだと、孤児院の子供たちが言っていたことを話す。
すると、子供たちが不思議そうな顔をした。
「え?ここの教会は、アリア教会じゃないの?」
と。
「アリア教会?」
ヨナリウスは不思議そうに復唱した。
「王都にはあるらしいよ? なんかあんまりいいこと聞かないって、父様が前に言ってた。」
「ふ~ん。」
ヨナリウスは興味なさそうに返事をした。
「じゃあ、ここの教会はアリア教会じゃないんだね?」
「うん。ヨナス教会だよ?」
ヨナリウスの言葉に、シュバリエ皇国の子供たちは安心したような笑みを見せた。
「もしかして、アリア教会に戻されるんじゃないかって……」
「また、あいつらに連れて行かれるんじゃないかって……」
子供たちは安心したのか、ポロポロと涙をこぼし始めた。
けれど、それは悲しみの涙ではなかった。
心から安心したような笑顔を浮かべていたからだ。
「ではお試しで、みんなで孤児院に行ってみましょうか。今日はね、ふわふわのシフォンケーキを焼いたの。みんなに持って行って、一緒に遊んでいらっしゃい。」
ユーリの一言で、孤児院に行くことが決定したのであった。
孤児院に着くと、子供たちは最初こそおずおずとしていたが、焼きたてのシフォンケーキが運ばれてきた瞬間、その表情は一気にほどけた。
「わあ……!」
ふわりと広がる、甘くて優しい香り。
ふかふかの生地は、口に入れるとすぐに溶けていく。
「おいしい……」
誰かがそう呟くと、それを合図に、あちこちから笑顔がこぼれ始めた。
ヨナリウスは、フォークを持ったまま満足そうに頷き、ウィリアムは頬いっぱいにケーキを詰め込みながら、幸せそうに目を細めている。
「おかわり、あるよね?」
「あるに決まってるでしょ。」
そんなやり取りに、周囲の大人たちも思わず笑った。
ケーキのあとは、庭で鬼ごっこをしたり、ボールを転がして転んでは笑ったり。
そして牧場で、ミルーネーにご飯をあげたり、その大きな背に乗せてもらって散歩したり。
途中で、孤児院の女の子とシュバリエ皇国の女の子との間で、ヨナリウスとウィリアムの取り合いが行われるハプニングはあったのだが。
泣いていたはずの子供たちは、気づけば声を上げて笑い、怯えていた表情は、いつの間にか消えていた。
その日、孤児院には久しぶりに、子供たちの笑い声が、日暮れまで響いていた。
夕方、空がオレンジ色に染まる頃。
名残惜しそうにしながらも、ヨナリウスたちは孤児院を後にした。
ウィリアムは、お迎えに来た馬車に乗って帰って行った。
残ったヨナリウスと、シュバリエ皇国の子供たちは、フリーダムのメンバーに見守られながら、ゆっくりと帰路につく。
「……ここ、こわくないね。」
ぽつりと誰かが言ったその言葉に、ヨナリウスは微笑みながら言った。
「だいじょうぶだよ。ここは、いいところだから。」
その言葉に、子供たちは安心したように頷いた。
「ずっとここにたいな……。」
男の子がそうつぶやいた。
「お父さんとお母さんも、ここに来ればいいのに……。」
「そうだね。こんなにいいところなのにね。」
「おうちに帰ったら、お願いしてみようかな?」
そんな言葉が聞こえてきた。
「もし、ここに引っ越してくるようだったら教えてね?ぼく、辺境伯様にお願いするから。」
「辺境伯様?」
「あのひと、ヨナリウス君のお父さんじゃないの?」
女の子の一人が、不思議そうにたずねてきた。
「? 違うよ? ぼくの母様の……じょうし? らしいの。」
「じょうし?」
「うん。偉い人なんだってー!」
「へーそうなんだ。」
「じゃあ、ヨナリウス君のお父さんって誰?」
男の子が聞いてきた。
その言葉に、フリーダムのメンバーはとっさにヨナリウスの反応を見る。
「? いないよ? だって必要ないもん。 僕が大人になったら、母様と結婚して幸せにするんだから。」
ヨナリウスの言葉は、ぶれなかった。
当たり前だと言わんばかりの、自信に満ちあふれた言葉。
フリーダムのメンバーはあまりにもわかりきっていた答えに、ただ何も言えないでいた。
「そ、そうなんだ……。」
男の子は、何かを悟ったかのように、それ以上は言わなかった。
しかし。
女の子たちは違うようである。
「ヨナリウス君、お母さんとは結婚できないのよ?」
「? どうして?大人になったら、問題ないんでしょう?」
ヨナリウスは理解していなかった、結婚というものを。
「僕だったら、母様に痛い思いをさせないし、泣かせない。いつも笑ってくれるように誠心誠意尽くすもん!」
ヨナリウスは、自信満々にそう答えた。
「結婚って、そういうものだっけ?」
少女は混乱している。
「そうだよ!結婚したら、男の人は女の人が、泣くくらい痛いことをするときがあるって母様が言ってた。母様が体力がないと結婚は難しいって、自分にはあんな体力はないって、言ってたよ。でも僕にとってはそんなこと、全然関係ないもん!僕が母様を幸せにするんだ!」
ヨナリウスは、自信満々に言い切った。
「ヨ、ヨナ? 体力がってどういうことだ?」
「こ、子供を産むときのことですかねえ?」
「ヨナリウスを産んだんだ。母様は十分に体力があると思うよ?」
フリーダムメンバーも困惑している。
「? 結婚は大変、って母様が言ってた。体力は大事!」
ヨナリウスが両手を強く握りしめ、鼻息荒く力説している。
「そ、そうなんだ……」
「体力……。」
フリーダムメンバーは、ますます困惑している。
「やっぱり旦那の暴力……。」
「まじ、見つけて殺したい!」
「許されない男です……」
フリーダムメンバーは、子供たちに聞こえないよう、必死に殺気を押さえながら小さな声で言い合った。
「じゃあ、お母さんって凄い人しかなれないんだねー。」
「私も今からがんばろうっと!」
「体力つけないとね!」
ヨナリウスの言葉に、なぜか闘志を燃やすシュバリエ皇国の子供たちなのであった。
――遙か遠く、シュバリエ皇国で。
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