51 / 67
実家が没落しているなんて、初めて知りました。
しおりを挟む
「さて、どうしたものかしら……」
本来であれば今日の予定は、昼過ぎにローウェンと共に王城へ行っているはずだった。
しかし。
なぜか謁見の儀はキャンセルとなったのだ。
城からの使者は何度も丁寧に謝罪し、豪華な花束に王室御用達の高級な茶葉や菓子、そして人気の高級店のドレス一式にアクセサリー類までを、ユーリの元へ届けてきた。
ローウェンに相談したくても、当然この場にはいない。
王城へ出てから、もうずいぶん時間が経っているのに戻らなかった。
さすがに驚きすぎて丁寧に詫び、返品を願い出たものの、使者をただ困らせるだけだったため、仕方なくその場では受け取ったのだが。
何が起こっているのか、さっぱり分からない。
ただ分かっていることがあるとすれば……。
「今日って、何をやってもうまくいかない日なのかも……」
朝早くに行った教会で、期待とはまったく違う返事を突きつけられたばかりだ。
『愛さない』と言っておきながら、離婚がまだ受理されていないどころか、国を挙げて自分を探しているなんて、ユーリは思いもしなかったのだ。
それを知ったのも、ついさっきのことである。
教会から帰った後、急にやってきた城の使者の対応にほとほと疲れ果て、部屋で少し休もうかと戻ろうとしたとき、ケイオスに呼び止められたのだ。
「ユーリ、少しよろしいですか?」
自室へ向かい、廊下を足早に歩いていたユーリは足を止め、振り返った。
そこには、使者に会う直前――教会からの呼び出しで屋敷を出ていたはずの、ケイオスの姿があった。
ただ、彼の表情はいつもと違い、どこか困惑の色が見える。
「実は、ここの教会の司祭に訪ねられたのですが……」
その一言に、ユーリの心はすうっと冷えていった。
(あれだけ寄付をしたのに、口止めの効果はなかったというの?)
自分の読みの甘さに、唇を噛みしめる。
「ここでは何ですので、応接室を借りました。そこでお話をさせていただいても?」
ユーリは頷くだけで答え、黙ってケイオスの後に従った。
ケイオスもまた黙ったまま、二人は静かに廊下を歩き、応接室へと入った。
向かい合うようにソファへ腰を下ろし、最初に口を開いたのはケイオスである。
「ユーリは、シュバリエ皇国のユリアーナ・ウィン・ヴァーミリオン公爵夫人をご存じですよね?」
その名を聞いた瞬間、胃の底がひやりとした。
ただ、頭を縦に振ることだけが、この場でできる唯一のことだった。
どこまで聞かれているかは分からないが、嘘を言っても無駄な気がしたのだ。
「ああ、そんなに硬い表情をしないでください。別にあなたを困らせようとして聞いたわけではないのです。」
しかし、ユーリの表情は変わらない。
まだ口を固く閉じたままだった。
「ここの教会の司祭様から、訪ねられただけなので……」
ここで初めて、ユーリが口を開いた。
「……何と言われたのでしょうか。」
ケイオスは小さく頷き、説明を始めた。
「彼女はシュバリエ皇国の皇族を救った英雄で、国を挙げて探しているそうなのです。彼女に負担をかけたくないので内密に、との条件付きで、ヨナス教会に極秘の協力要請があったらしく……そんな折に――」
そこまで言われて、ユーリはようやく意味を飲み込んだ。
(え? 私が英雄? 皇族を救った? でもあれは、ターニャ様の気まぐれで、私は何も……)
自分のいないところで話が大ごとになっていることに、困惑を隠せない。
ただ、平静を装うため必死に表情を作る。
「ユーリが彼女の実家の家紋付きの手紙を持って来られたとかで――もしかして私も何か知っているのでは、と先ほど呼び出されたものですから。念のため、ユーリの耳にも入れておいた方がいいかと思いまして。」
ケイオスは何やら困ったような顔で、ユーリに説明した。
「その……なぜ、ヴァーミリオン公爵夫人の実家の家紋付きの手紙を持っていたのか……お伺いしても?」
ケイオスはユーリの顔色をうかがうかのように、とても遠慮がちに聞いてきた。
その様子に、ユーリは少しだけ安心してしまった。
(別に、私の正体がバレたわけではないのよね?)
そう思いつつも、警戒心はそのままに。
「実は、辺境伯様のお屋敷に行く少し前に……」
口が勝手に、別の名前を選んだ。
「住んでいた宿舎の近くで、よく話をするおばあさんに、秘密裏に頼まれまして……」
冒険者ギルドの宿舎に身を寄せていた頃、よく話をしていたおばあさんに頼まれたのだと、ユーリはとっさに嘘をついてしまった。
そのおばあさんは冒険者ギルドの近くで、怪しい魔法具を売っていた。
人見知りが激しく、知識が豊富だからなのか偏屈で嫌われ者ではあったが、なぜかユーリとは話が合い、何かとよくしてもらっていた。
ちなみに、出産時にヨナリウスを無事に取り上げてくれた産婆でもある。
身寄りもなく、三年前に老衰で亡くなった時には、自分が葬儀費用を出したくらいである。
(私って、本当に最低だわ……)
喉の奥に苦いものがこみ上げ、心の中で何度も謝った。
「そうですか。あの老婦人に……」
ケイオスは、すんなりと納得してくれたようである。
「だから、今はもう没落して表舞台から消えた侯爵家の、家紋付きの手紙を持っていたのですね?」
ケイオスのその一言に、ユーリの胸がどくんと高鳴った。
「え? 没落……ですか?」
声が思ったより高く出て、自分で驚いた。
「ええ。なんでも皇族の逆鱗に触れたとかで、悪魔に引き渡されたとか何とか……あまりにも非現実的な話なので、私もよく分からないのですが……。第一、悪魔なんてそうそう出会いませんし……」
「そ、そうですよね……」
ユーリは笑って見せたが、心中穏やかではない。
(まさかその悪魔って、ターニャ様の執事さんではないわよね?)
なぜか自分を異様に警戒し、姿を見せないターニャの腹心を思い出す。
「それにしても、あの老婦人のお願いですか。ユーリはとても仲良くしていましたしね、納得です。では、そのように司祭に伝えて参りますね?」
「お願いします。その……極秘に頼まれていたとはいえ、秘密にしていてごめんなさい。」
ユーリは嘘をついているという良心の呵責も重なって、ケイオスに深く頭を下げた。
「いえ。そういう理由なら仕方ありませんよ。」
ケイオスは笑ってそう言うと、足早に部屋を出て行った。
パタン……と扉が閉まり、一人になったところで、ユーリはゆっくりと息を吐く。
「さて、これでこの件はなんとかごまかせたとして……」
まさか、あの国が総出で自分を探しているなんて。
今後は、教会にも気をつけなければならない。
「もしかしたら、お城にも話が来ていたり……するかも?」
ローウェンも、その件でまだ帰ってこないとか?
「まさか今朝の贈り物って、私を足止めするためのものではないわよね?」
そう考えると、何もかもが疑わしく見える。
箱の中で折り目ひとつないドレスが、まるで「ここに居ろ」と命じているようだった。
「とにかく、いつこの国を脱出してもいいように、今から準備を進めないと……」
ユーリの頭の中では、すでに別の国へ移動する計画が組み立てられつつあった。
本来であれば今日の予定は、昼過ぎにローウェンと共に王城へ行っているはずだった。
しかし。
なぜか謁見の儀はキャンセルとなったのだ。
城からの使者は何度も丁寧に謝罪し、豪華な花束に王室御用達の高級な茶葉や菓子、そして人気の高級店のドレス一式にアクセサリー類までを、ユーリの元へ届けてきた。
ローウェンに相談したくても、当然この場にはいない。
王城へ出てから、もうずいぶん時間が経っているのに戻らなかった。
さすがに驚きすぎて丁寧に詫び、返品を願い出たものの、使者をただ困らせるだけだったため、仕方なくその場では受け取ったのだが。
何が起こっているのか、さっぱり分からない。
ただ分かっていることがあるとすれば……。
「今日って、何をやってもうまくいかない日なのかも……」
朝早くに行った教会で、期待とはまったく違う返事を突きつけられたばかりだ。
『愛さない』と言っておきながら、離婚がまだ受理されていないどころか、国を挙げて自分を探しているなんて、ユーリは思いもしなかったのだ。
それを知ったのも、ついさっきのことである。
教会から帰った後、急にやってきた城の使者の対応にほとほと疲れ果て、部屋で少し休もうかと戻ろうとしたとき、ケイオスに呼び止められたのだ。
「ユーリ、少しよろしいですか?」
自室へ向かい、廊下を足早に歩いていたユーリは足を止め、振り返った。
そこには、使者に会う直前――教会からの呼び出しで屋敷を出ていたはずの、ケイオスの姿があった。
ただ、彼の表情はいつもと違い、どこか困惑の色が見える。
「実は、ここの教会の司祭に訪ねられたのですが……」
その一言に、ユーリの心はすうっと冷えていった。
(あれだけ寄付をしたのに、口止めの効果はなかったというの?)
自分の読みの甘さに、唇を噛みしめる。
「ここでは何ですので、応接室を借りました。そこでお話をさせていただいても?」
ユーリは頷くだけで答え、黙ってケイオスの後に従った。
ケイオスもまた黙ったまま、二人は静かに廊下を歩き、応接室へと入った。
向かい合うようにソファへ腰を下ろし、最初に口を開いたのはケイオスである。
「ユーリは、シュバリエ皇国のユリアーナ・ウィン・ヴァーミリオン公爵夫人をご存じですよね?」
その名を聞いた瞬間、胃の底がひやりとした。
ただ、頭を縦に振ることだけが、この場でできる唯一のことだった。
どこまで聞かれているかは分からないが、嘘を言っても無駄な気がしたのだ。
「ああ、そんなに硬い表情をしないでください。別にあなたを困らせようとして聞いたわけではないのです。」
しかし、ユーリの表情は変わらない。
まだ口を固く閉じたままだった。
「ここの教会の司祭様から、訪ねられただけなので……」
ここで初めて、ユーリが口を開いた。
「……何と言われたのでしょうか。」
ケイオスは小さく頷き、説明を始めた。
「彼女はシュバリエ皇国の皇族を救った英雄で、国を挙げて探しているそうなのです。彼女に負担をかけたくないので内密に、との条件付きで、ヨナス教会に極秘の協力要請があったらしく……そんな折に――」
そこまで言われて、ユーリはようやく意味を飲み込んだ。
(え? 私が英雄? 皇族を救った? でもあれは、ターニャ様の気まぐれで、私は何も……)
自分のいないところで話が大ごとになっていることに、困惑を隠せない。
ただ、平静を装うため必死に表情を作る。
「ユーリが彼女の実家の家紋付きの手紙を持って来られたとかで――もしかして私も何か知っているのでは、と先ほど呼び出されたものですから。念のため、ユーリの耳にも入れておいた方がいいかと思いまして。」
ケイオスは何やら困ったような顔で、ユーリに説明した。
「その……なぜ、ヴァーミリオン公爵夫人の実家の家紋付きの手紙を持っていたのか……お伺いしても?」
ケイオスはユーリの顔色をうかがうかのように、とても遠慮がちに聞いてきた。
その様子に、ユーリは少しだけ安心してしまった。
(別に、私の正体がバレたわけではないのよね?)
そう思いつつも、警戒心はそのままに。
「実は、辺境伯様のお屋敷に行く少し前に……」
口が勝手に、別の名前を選んだ。
「住んでいた宿舎の近くで、よく話をするおばあさんに、秘密裏に頼まれまして……」
冒険者ギルドの宿舎に身を寄せていた頃、よく話をしていたおばあさんに頼まれたのだと、ユーリはとっさに嘘をついてしまった。
そのおばあさんは冒険者ギルドの近くで、怪しい魔法具を売っていた。
人見知りが激しく、知識が豊富だからなのか偏屈で嫌われ者ではあったが、なぜかユーリとは話が合い、何かとよくしてもらっていた。
ちなみに、出産時にヨナリウスを無事に取り上げてくれた産婆でもある。
身寄りもなく、三年前に老衰で亡くなった時には、自分が葬儀費用を出したくらいである。
(私って、本当に最低だわ……)
喉の奥に苦いものがこみ上げ、心の中で何度も謝った。
「そうですか。あの老婦人に……」
ケイオスは、すんなりと納得してくれたようである。
「だから、今はもう没落して表舞台から消えた侯爵家の、家紋付きの手紙を持っていたのですね?」
ケイオスのその一言に、ユーリの胸がどくんと高鳴った。
「え? 没落……ですか?」
声が思ったより高く出て、自分で驚いた。
「ええ。なんでも皇族の逆鱗に触れたとかで、悪魔に引き渡されたとか何とか……あまりにも非現実的な話なので、私もよく分からないのですが……。第一、悪魔なんてそうそう出会いませんし……」
「そ、そうですよね……」
ユーリは笑って見せたが、心中穏やかではない。
(まさかその悪魔って、ターニャ様の執事さんではないわよね?)
なぜか自分を異様に警戒し、姿を見せないターニャの腹心を思い出す。
「それにしても、あの老婦人のお願いですか。ユーリはとても仲良くしていましたしね、納得です。では、そのように司祭に伝えて参りますね?」
「お願いします。その……極秘に頼まれていたとはいえ、秘密にしていてごめんなさい。」
ユーリは嘘をついているという良心の呵責も重なって、ケイオスに深く頭を下げた。
「いえ。そういう理由なら仕方ありませんよ。」
ケイオスは笑ってそう言うと、足早に部屋を出て行った。
パタン……と扉が閉まり、一人になったところで、ユーリはゆっくりと息を吐く。
「さて、これでこの件はなんとかごまかせたとして……」
まさか、あの国が総出で自分を探しているなんて。
今後は、教会にも気をつけなければならない。
「もしかしたら、お城にも話が来ていたり……するかも?」
ローウェンも、その件でまだ帰ってこないとか?
「まさか今朝の贈り物って、私を足止めするためのものではないわよね?」
そう考えると、何もかもが疑わしく見える。
箱の中で折り目ひとつないドレスが、まるで「ここに居ろ」と命じているようだった。
「とにかく、いつこの国を脱出してもいいように、今から準備を進めないと……」
ユーリの頭の中では、すでに別の国へ移動する計画が組み立てられつつあった。
67
あなたにおすすめの小説
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。
パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、
クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。
「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。
完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、
“何も持たずに”去ったその先にあったものとは。
これは誰かのために生きることをやめ、
「私自身の幸せ」を選びなおした、
ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。
婚約辞退いたします。だってこの国、沈みますもの
鍛高譚
恋愛
「婚約はお断りいたします――この国は近い将来、崩壊しますので」
そう言い放ったのは、社交界でも目立たない子爵令嬢、マリン・アクアリウム。
ある日、とある舞踏会に突如現れた王太子ガイア殿下。
誰もが驚く中、なんと彼はマリンに婚約を申し出る。
周囲は騒然。「子爵令嬢が王太子妃!?」「断る理由などないはず!」
――だが、彼女は断った。「この国は、もうすぐ滅びます」――と。
そんな不吉な言葉を口にしたことで、彼女は“狂言癖のある嘘つき令嬢”と噂され、
家族にさえ見放され、ついには国外追放の身に。
だが、彼女の予言は本物だった――
数年後、王国に未曾有の大災厄が迫る。
国土が崩れ、海に沈む都市。人々が絶望する中、思い出されるのは、
あの舞踏会でただひとり“滅び”を告げた少女の名。
「彼女なら、この国を救えるかもしれない……」
皮肉にも“追放令嬢”マリンは、再び王都に呼び戻され、
滅びゆく国で最後の希望として担ぎ上げられる。
信じてもらえなかった過去。
それでも人々の命を守ろうと奔走するマリン。
そして、王子ガイアが差し伸べた、あの日と変わらぬ手。
――たとえ国が滅んでも、あなたとともに歩んでいきたい。
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
王妃さまは断罪劇に異議を唱える
土岐ゆうば(金湯叶)
恋愛
パーティー会場の中心で王太子クロードが婚約者のセリーヌに婚約破棄を突きつける。彼の側には愛らしい娘のアンナがいた。
そんな茶番劇のような場面を見て、王妃クラウディアは待ったをかける。
彼女が反対するのは、セリーヌとの婚約破棄ではなく、アンナとの再婚約だったーー。
王族の結婚とは。
王妃と国王の思いや、国王の愛妾や婚外子など。
王宮をとりまく複雑な関係が繰り広げられる。
ある者にとってはゲームの世界、ある者にとっては現実のお話。
七年目の裏切り 〜赴任先の夫から届く愛の手紙は、愛人の代筆でした〜
恋せよ恋
恋愛
「君は僕の最愛だ。もう二度と、君を危険に晒したくない」
命懸けの出産後、涙を流して私を抱きしめた夫ジュリアン。
その言葉通り、彼は「私を大切にするため」に夜の営みを断った。
私は、女としての寂しさを「愛されている誇り」に変え、
隣国へ赴任した夫を信じて二人の子供と家を守り続けていた。
毎週届く、情熱的な愛の手紙。タイプライターで綴られた
その愛の言葉を、私は宝物のように抱きしめていた。
……しかし、その手紙は「裏切り」だった。
夫が異国の地で、愛人と肌を重ねながら綴らせていた「偽りの愛」。
身分を隠して夫の赴任先の隣国へと向かった私が見たのは……。
果たして、貞淑な妻・メラニアが選んだ結論は……。
子供たちのため結婚生活の継続か、それとも……。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる