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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
028 変わり者と杖
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「それを選んだんだ」
近くで聞こえた声に、反射的に顔を向けた。そこにいたのはルイ。って、ちかっ!
「ルイ様の杖と製作者が一緒ですね」
……なんだ、それ。
「その製作者の杖はほぼ、ここにあるんですけどね。曲者が多くて」
……曲者はルイだけで十分だ。
「わあ、綺麗な杖」
ユエが杖をガン見してる。確かに綺麗だし合ってるとは思うんだけどよ。これ、ユエが持ってるのより、確実に高いだろうよ。
「この時代は杖に彫刻を施すのが流行りだったみたいだね」
副会長も杖を見詰めてるし。
「ふふ。その製作者だけよ。還っていった二本もそうだもの」
足元からの声に視線を向ける。
「杖には強度が求められるわ。しなやかさもね。杖の先にまで彫刻を施せば強度に問題が出るんだけど、この人、変わり者だったから」
黒猫擬き……。それは選ばれたオレとルイは変わり者だとでも言うのか。ルイは変わってると思うけどよ。
「でも、腕は一流だった。誰もが選ばれたかったんだろうけど、杖の能力が高ければ、それを使う者の能力も高くなくては釣り合わないわ。だから、あの人の子はほぼ、ここにあるのよ」
黒猫擬きが上に視線を向ける。
「あのさ。あんたって?」
「ふふ。気になる?」
「気になるっていうか、ここ、普段は閉ざされてるんだろ?」
「そうね。私は杖だから」
待て。杖が生き物の実体を持つのかよ。
「主は貴方と同じ感じだったかしら。ただ、相手は最後までいなかったわね」
コロコロ笑う黒猫擬き、もとい! 杖。そこ、笑うとこじゃねぇだろう。
「その杖の製作者よ。変わり者の」
は? そう言うと姿がゆらりと揺れて、掻き消えた。はあ?! 消えたって?!
「なっ、なんで消えんだよ?!」
「だってね。あの猫。実体があるわけじゃないしね」
ルイ、オレはこの数時間で、考えがかなり変わったよ。オレの常識は魔法使いには通じねぇよ。でもって、最も疑問なのが、杖がたとえ実体じゃなくてもよ、生物の形を持って話してたことだよ!
「俺も初めて見た。主のあった古い杖は生物の姿で喋るの。話には聞いていたけどね」
副会長ですら、驚いた顔してるよ。
「見ますか? 別室に保管されているのですが」
「前々から気になってたんだけど、どうして主と一緒に埋葬されなかったの?」
は?! 埋葬?!
「あそこまで意思を持っていたら、新たな主は認めないでしょう?」
「そうですね。あの杖は主の子供である杖を最後まで見届けることを、誓ったと申しますか、頼まれたといいますか」
つまり、オレとルイが手にした杖だよな。どれだけ数があるんだろう? でも、その前に!
「あのよ……」
ルイの袖の裾を引っ張った。杖を持ってるから辛くねぇけど、解放した魔力、閉ざしてくんねぇかな? 杖離したら、絶対、さっきみたいに呑まれそうになりそうだからさ。
「どうかした?」
「魔力、元に戻してくれよ。杖ずっと持ってるなんて無理だしさ」
ルイは軽く目を見開き、微笑んだ。何が言いたいのか分かってるよ。しかも、他人の前で、キ、キスすんだろう? 恥ずかしいし、拒絶したいけどさ、我が身が大事なんだよ! 降りてきた唇を甘受して、体の奥から溢れていた魔力が遮断された感覚を覚えた。
近くで聞こえた声に、反射的に顔を向けた。そこにいたのはルイ。って、ちかっ!
「ルイ様の杖と製作者が一緒ですね」
……なんだ、それ。
「その製作者の杖はほぼ、ここにあるんですけどね。曲者が多くて」
……曲者はルイだけで十分だ。
「わあ、綺麗な杖」
ユエが杖をガン見してる。確かに綺麗だし合ってるとは思うんだけどよ。これ、ユエが持ってるのより、確実に高いだろうよ。
「この時代は杖に彫刻を施すのが流行りだったみたいだね」
副会長も杖を見詰めてるし。
「ふふ。その製作者だけよ。還っていった二本もそうだもの」
足元からの声に視線を向ける。
「杖には強度が求められるわ。しなやかさもね。杖の先にまで彫刻を施せば強度に問題が出るんだけど、この人、変わり者だったから」
黒猫擬き……。それは選ばれたオレとルイは変わり者だとでも言うのか。ルイは変わってると思うけどよ。
「でも、腕は一流だった。誰もが選ばれたかったんだろうけど、杖の能力が高ければ、それを使う者の能力も高くなくては釣り合わないわ。だから、あの人の子はほぼ、ここにあるのよ」
黒猫擬きが上に視線を向ける。
「あのさ。あんたって?」
「ふふ。気になる?」
「気になるっていうか、ここ、普段は閉ざされてるんだろ?」
「そうね。私は杖だから」
待て。杖が生き物の実体を持つのかよ。
「主は貴方と同じ感じだったかしら。ただ、相手は最後までいなかったわね」
コロコロ笑う黒猫擬き、もとい! 杖。そこ、笑うとこじゃねぇだろう。
「その杖の製作者よ。変わり者の」
は? そう言うと姿がゆらりと揺れて、掻き消えた。はあ?! 消えたって?!
「なっ、なんで消えんだよ?!」
「だってね。あの猫。実体があるわけじゃないしね」
ルイ、オレはこの数時間で、考えがかなり変わったよ。オレの常識は魔法使いには通じねぇよ。でもって、最も疑問なのが、杖がたとえ実体じゃなくてもよ、生物の形を持って話してたことだよ!
「俺も初めて見た。主のあった古い杖は生物の姿で喋るの。話には聞いていたけどね」
副会長ですら、驚いた顔してるよ。
「見ますか? 別室に保管されているのですが」
「前々から気になってたんだけど、どうして主と一緒に埋葬されなかったの?」
は?! 埋葬?!
「あそこまで意思を持っていたら、新たな主は認めないでしょう?」
「そうですね。あの杖は主の子供である杖を最後まで見届けることを、誓ったと申しますか、頼まれたといいますか」
つまり、オレとルイが手にした杖だよな。どれだけ数があるんだろう? でも、その前に!
「あのよ……」
ルイの袖の裾を引っ張った。杖を持ってるから辛くねぇけど、解放した魔力、閉ざしてくんねぇかな? 杖離したら、絶対、さっきみたいに呑まれそうになりそうだからさ。
「どうかした?」
「魔力、元に戻してくれよ。杖ずっと持ってるなんて無理だしさ」
ルイは軽く目を見開き、微笑んだ。何が言いたいのか分かってるよ。しかも、他人の前で、キ、キスすんだろう? 恥ずかしいし、拒絶したいけどさ、我が身が大事なんだよ! 降りてきた唇を甘受して、体の奥から溢れていた魔力が遮断された感覚を覚えた。
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