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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
089 杖の誤算
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移動魔法で的確に目的の店の前まで移動したルイ。流石だよな。でもって、店は閉まってる。当たり前だけど。そして、上空を埋め尽くすのは妖魔の群れ。遠目で見るより、直の方が圧巻。まあ、どこから湧いて出てきたんだか。当然、奴等はオレ達を見付けると、飛び込んできた。指を鳴らして杖を出して一言。
『?!』
『!!』
本当に浄化系の魔法に弱いんだな。一瞬だ。そして、ルイは呆然とオレを見下ろした。で、当然、中に人がいた場合、この騒ぎに顔出すよな。店主が驚いたように慌てて鍵を開けて、オレ達を中に招き入れてくれた。
「どうなさいました?! このような時に!」
「杖を引き取りに来たんだけど」
俺がそう言うと、店主は困惑を顔に映した。分かるけどさ。
「杖の選定をしたとき、今サクヤの手の中にある杖の他に二本、降りてきたでしょう?」
「左様でございますね」
「その杖を引き取りたいってサクヤは言ってるんだ」
「ですが、杖は一人の魔法使いに一つです」
「それでも、引取りてぇんだ」
オレが面っと言い切ると、店主はオレを凝視すると溜め息を一つ。
「こんな中、来られたのですから、本当に必要なんですね。分かりました」
店主はそう言うと、あの場所まで歩いて行って、杖で壁を叩く。現れた顔は驚いた表情をしたが、道を開けてくれた。そこにいたのは杖の黒猫。
「まさか、こんなに早く目覚めることになるなんて思ってなかったわ。しかも、同じ魔法使いなんて。私としたことが、あのとき、読み違えたのね」
忌々しげにオレを睨み付ける黒猫。
「あのときは無理だと思うけどさ」
「そうね。今はそのお頭にあり得ない魔法が詰まってるんでしょう? 収集主は隣の子だろうけど」
「分かるのかよ」
「分かるわよ。伊達に長生きじゃないのよ。あの二本の杖を手に入れたいなら、鍵を外してもらいなさい」
ルイは諦めたように溜め息を吐いた。
「そのうち、話してもらうよ。今は訊かないけど」
ルイに鍵を外してもらって、って、人前でキスされても慣れ始めた自分に吃驚だ。杖を手にしたまま、部屋の中央に立った。足元に光の文様が浮かび上がって、目の前にあの二本の杖。
「本当に反応しましたね」
「私も何をする気でいるのか分からないんだよ」
「それは……っ」
二人の会話を横目に、オレは二本の杖を見詰めた。手元にある杖をその二本の前に掲げる。
「一になることを認めてくれるか?」
三本の杖は小さく震えたように見えた。そして、なぜかもう二本降りてきた。やっぱり、バランスの問題かよ。俺だけ杖を強化するのは問題あるってことか。
「本当に、貴方達二人は特殊で特別なのね」
黒猫が呆れたように一言。当然ルイは困惑顔だ。
「杖出して、ここに来いよ」
一瞬、躊躇ったルイだけど、覚悟を決めたように杖を出して近付いて来た。
「どういうこと?」
「オレだけ杖を強化したらバランスが崩れるんだと」
「バランス?」
「杖持ったし、目の前に二本杖あるし、分かるだろう? 頭ん中に今まで認識したことねぇ呪文があるの」
ルイは眉間に皺を寄せて、渋々、頷いた。まあ、認めたくないんだよな。オレに頭の中見られた挙句、知らないものを引っ張り出されたんだから。
「こんな魔法、杖の製作者が許すはずないと思うけど」
「大丈夫よ。あの人、変わり者だし。それに、緊急事態だし」
黒猫、対応軽すぎじゃねぇ?
「それに、納得してなかったらその子達は降りて来ないわ」
少し低い声で、黒猫は言い切った。
『?!』
『!!』
本当に浄化系の魔法に弱いんだな。一瞬だ。そして、ルイは呆然とオレを見下ろした。で、当然、中に人がいた場合、この騒ぎに顔出すよな。店主が驚いたように慌てて鍵を開けて、オレ達を中に招き入れてくれた。
「どうなさいました?! このような時に!」
「杖を引き取りに来たんだけど」
俺がそう言うと、店主は困惑を顔に映した。分かるけどさ。
「杖の選定をしたとき、今サクヤの手の中にある杖の他に二本、降りてきたでしょう?」
「左様でございますね」
「その杖を引き取りたいってサクヤは言ってるんだ」
「ですが、杖は一人の魔法使いに一つです」
「それでも、引取りてぇんだ」
オレが面っと言い切ると、店主はオレを凝視すると溜め息を一つ。
「こんな中、来られたのですから、本当に必要なんですね。分かりました」
店主はそう言うと、あの場所まで歩いて行って、杖で壁を叩く。現れた顔は驚いた表情をしたが、道を開けてくれた。そこにいたのは杖の黒猫。
「まさか、こんなに早く目覚めることになるなんて思ってなかったわ。しかも、同じ魔法使いなんて。私としたことが、あのとき、読み違えたのね」
忌々しげにオレを睨み付ける黒猫。
「あのときは無理だと思うけどさ」
「そうね。今はそのお頭にあり得ない魔法が詰まってるんでしょう? 収集主は隣の子だろうけど」
「分かるのかよ」
「分かるわよ。伊達に長生きじゃないのよ。あの二本の杖を手に入れたいなら、鍵を外してもらいなさい」
ルイは諦めたように溜め息を吐いた。
「そのうち、話してもらうよ。今は訊かないけど」
ルイに鍵を外してもらって、って、人前でキスされても慣れ始めた自分に吃驚だ。杖を手にしたまま、部屋の中央に立った。足元に光の文様が浮かび上がって、目の前にあの二本の杖。
「本当に反応しましたね」
「私も何をする気でいるのか分からないんだよ」
「それは……っ」
二人の会話を横目に、オレは二本の杖を見詰めた。手元にある杖をその二本の前に掲げる。
「一になることを認めてくれるか?」
三本の杖は小さく震えたように見えた。そして、なぜかもう二本降りてきた。やっぱり、バランスの問題かよ。俺だけ杖を強化するのは問題あるってことか。
「本当に、貴方達二人は特殊で特別なのね」
黒猫が呆れたように一言。当然ルイは困惑顔だ。
「杖出して、ここに来いよ」
一瞬、躊躇ったルイだけど、覚悟を決めたように杖を出して近付いて来た。
「どういうこと?」
「オレだけ杖を強化したらバランスが崩れるんだと」
「バランス?」
「杖持ったし、目の前に二本杖あるし、分かるだろう? 頭ん中に今まで認識したことねぇ呪文があるの」
ルイは眉間に皺を寄せて、渋々、頷いた。まあ、認めたくないんだよな。オレに頭の中見られた挙句、知らないものを引っ張り出されたんだから。
「こんな魔法、杖の製作者が許すはずないと思うけど」
「大丈夫よ。あの人、変わり者だし。それに、緊急事態だし」
黒猫、対応軽すぎじゃねぇ?
「それに、納得してなかったらその子達は降りて来ないわ」
少し低い声で、黒猫は言い切った。
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