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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
099 白い部屋
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結局、オレとルイはそんなに体力に余裕があるわけじゃねぇし、話すだけ話したら、また、眠りの国の住人になった。
オレの魔力吸収器官が無理矢理魔力を摂取したことによる機能不全に陥ってて、それがなかなか回復しなかった。本来なら簡単に治る怪我も、魔力を持たない一般人並みの回復力しかなかった。だから、ルイもオレに引っ張られて治りが遅かった。
クレハさんとカエデさんはなぜか、オレ達が回復するまで寮の部屋に居座った。あとで訊くと、勝手に連れ出される可能性があったから。カエデさんは嬉々として世話を焼いていた。オレとルイの妖精はもともと、ルイが料理をしていたため、そこに関しては文句は言ってこなかった。他は威嚇されたみてぇだけど。
やっと起き出せるようになったのが新学期目前で、当然、学校主催の結婚式とやらにオレとルイは参加ができなかった。本来なら三組の結婚式だったみてぇだけど、予定が狂ったとかなんとか、担任は宣ってた。仕方ねぇだろう。回復しねぇんだから。
だから、結婚式は書記と会計のみだったみてぇ。オレとルイ、ユエと副会長のはオレ達が卒業する年度に行うって言われた。やらないって選択肢はないのか? そう訊いたら、卒業式が実質ない魔法学校。確か、入学式も式ってより教師との顔合わせだった。結婚式はある意味、特殊な行事なんだそうだ。
ルイは仕方ないって苦笑い。仕方なくねぇぞ。
「個々でも結婚式はするよ。勿論、両親は楽しみに準備するだろうし」
「待てよ。俺はしたくねぇぞ」
「無理でしょう? それに、サクヤのご両親も楽しみにしてるって」
いつの間にそんな連絡取り合ってんだよ。楽しみを取り上げるのもなんだから、渋々、頷いたんだけどさ。
キンとギンの契約魔法を解除して、改めてキンをオレ、ギンをルイがそれぞれ再契約した。なんでか、二匹はえらい喜んでた。なんでだ?! そのときに、ギンの瞳の色が若干、変化したんだよな。少し赤みが入ったんだ。だから、薄い紫色になった。ルイ曰く、魔力の質のせいで変化したんだろうって。
で、やっぱり魔法省の方から呼び出しがあった。今回はオレも一緒だ。ベニとクレナイ。キンとギンを伴って、俺は初めて魔法省に足を踏み入れた。入った瞬間感じた違和感。特別寮と同じ感じだ。
そして、通された部屋に思わず眉を顰めた。その部屋はルイが幼少期を過ごした部屋だ。ルイの記憶が見せた部屋が目の前にある。四方を白い壁が取り囲み、天井も床も白。白いパイプベッドと白いリネン類。唯一、外が見える小さな窓には白いカーテン。これでもかと言うほど、白を基調にした室内。
「サクヤ?」
「正気の沙汰じゃねぇな」
カエデさんがルイのためにと用意してあった部屋は、生まれた子のことを考えた内装だった。柔らかい色で統一され、生まれたばかりの子が視界に初めて入るその色を考慮していた。
でも、ここには何もない。ただの箱だ。こんな部屋じゃ、感情なんて育つはずねぇじゃねぇか。とりあえず、唯一、腰を下ろせるベッドに座った。白ばかりだと息が詰まる。
「どうかしたの?」
「この部屋にいて、何も感じねぇのかよ?」
「気が付いたら、この部屋で生活していたからね。感じようがないよ」
でもよ。ルイが選ぶのは必ず落ち着いた色合いだ。そして、絶対に白を選ぼうとしない。それは、無意識に避けてるんだろう。
ゆっくり開かれた扉。そこにいたのは、ルイの担当研究員。記憶の中にあった顔だ。
「まずは、初めまして、と言うべきかな? 無事で何よりだったよ。まあ、クレハに無理矢理連れて行かれたときは驚いたけどね」
その人はそう言うと、目を細めた。
オレの魔力吸収器官が無理矢理魔力を摂取したことによる機能不全に陥ってて、それがなかなか回復しなかった。本来なら簡単に治る怪我も、魔力を持たない一般人並みの回復力しかなかった。だから、ルイもオレに引っ張られて治りが遅かった。
クレハさんとカエデさんはなぜか、オレ達が回復するまで寮の部屋に居座った。あとで訊くと、勝手に連れ出される可能性があったから。カエデさんは嬉々として世話を焼いていた。オレとルイの妖精はもともと、ルイが料理をしていたため、そこに関しては文句は言ってこなかった。他は威嚇されたみてぇだけど。
やっと起き出せるようになったのが新学期目前で、当然、学校主催の結婚式とやらにオレとルイは参加ができなかった。本来なら三組の結婚式だったみてぇだけど、予定が狂ったとかなんとか、担任は宣ってた。仕方ねぇだろう。回復しねぇんだから。
だから、結婚式は書記と会計のみだったみてぇ。オレとルイ、ユエと副会長のはオレ達が卒業する年度に行うって言われた。やらないって選択肢はないのか? そう訊いたら、卒業式が実質ない魔法学校。確か、入学式も式ってより教師との顔合わせだった。結婚式はある意味、特殊な行事なんだそうだ。
ルイは仕方ないって苦笑い。仕方なくねぇぞ。
「個々でも結婚式はするよ。勿論、両親は楽しみに準備するだろうし」
「待てよ。俺はしたくねぇぞ」
「無理でしょう? それに、サクヤのご両親も楽しみにしてるって」
いつの間にそんな連絡取り合ってんだよ。楽しみを取り上げるのもなんだから、渋々、頷いたんだけどさ。
キンとギンの契約魔法を解除して、改めてキンをオレ、ギンをルイがそれぞれ再契約した。なんでか、二匹はえらい喜んでた。なんでだ?! そのときに、ギンの瞳の色が若干、変化したんだよな。少し赤みが入ったんだ。だから、薄い紫色になった。ルイ曰く、魔力の質のせいで変化したんだろうって。
で、やっぱり魔法省の方から呼び出しがあった。今回はオレも一緒だ。ベニとクレナイ。キンとギンを伴って、俺は初めて魔法省に足を踏み入れた。入った瞬間感じた違和感。特別寮と同じ感じだ。
そして、通された部屋に思わず眉を顰めた。その部屋はルイが幼少期を過ごした部屋だ。ルイの記憶が見せた部屋が目の前にある。四方を白い壁が取り囲み、天井も床も白。白いパイプベッドと白いリネン類。唯一、外が見える小さな窓には白いカーテン。これでもかと言うほど、白を基調にした室内。
「サクヤ?」
「正気の沙汰じゃねぇな」
カエデさんがルイのためにと用意してあった部屋は、生まれた子のことを考えた内装だった。柔らかい色で統一され、生まれたばかりの子が視界に初めて入るその色を考慮していた。
でも、ここには何もない。ただの箱だ。こんな部屋じゃ、感情なんて育つはずねぇじゃねぇか。とりあえず、唯一、腰を下ろせるベッドに座った。白ばかりだと息が詰まる。
「どうかしたの?」
「この部屋にいて、何も感じねぇのかよ?」
「気が付いたら、この部屋で生活していたからね。感じようがないよ」
でもよ。ルイが選ぶのは必ず落ち着いた色合いだ。そして、絶対に白を選ぼうとしない。それは、無意識に避けてるんだろう。
ゆっくり開かれた扉。そこにいたのは、ルイの担当研究員。記憶の中にあった顔だ。
「まずは、初めまして、と言うべきかな? 無事で何よりだったよ。まあ、クレハに無理矢理連れて行かれたときは驚いたけどね」
その人はそう言うと、目を細めた。
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