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銀の鳥籠Ⅰ ルイ&サクヤ編
116 溺愛
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ルイの顔を覗き込むと、複雑な表情を浮かべていた。分からなくないけどさ。ルイを中心に大人達は振り回されたわけだ。感情なんて二の次だったんだろうな。育った環境も、いろいろ話を聞いたら間違ってたわけじゃねぇし。自由勝手気儘に育ったら、あいつみたいになってただろうし。
「気が付いてるか?」
「……なにに?」
「ルイが中心だって。オレだけじゃねぇよ。まず、あいつがルイに干渉したのが始まりだけどさ。干渉されて、すぐに周りっていうか、この世界を構成する何かが抵抗を始めたんだよ」
五百年も前から用意された布石。極端な話、クレハさんとカエデさんも、シロガネさんとクチバさんも。なにより、ルイを育てることになったカイトさんも。全部、オレの祖先二人は知ってたってことだ。詳しく調べたら繋がってんじゃねぇの。あえて、調べる気はねぇけどさ。そのうち、ルイの魔力が拾ってくる可能性はあるけど。
「早い話、あいつをどうにかしたかったんだよ。妖魔の住処から引っ張りださねぇと退治はできねえし。しかも、あの魔力だしさ。ルイはおそらく、偶然なんだろうけど、あいつと遺伝子の情報が酷似してたんだろう。で、干渉されるのは免れなかった」
「それって……」
「クレハさんとカエデさんの血筋が狩人だって言ってただろう」
「うん」
「もともと、魔力が似た血筋なんだよ。で、魔力の強い魔法使いは必然的に一緒にいないといけねぇだろう。異性で子供ができにくいならさ」
「なにが言いたいの?」
「ルイは生まれるべくして生まれたんだよ。孵化に異常に時間がかかったのは、似過ぎた遺伝情報が、魔法がかけられた卵の中で個となるのに時間がかかったからだ」
「じゃあ、両親が出会ってなかったら?」
「そうしたら、ルイが生まれてねぇじゃねぇか」
「そうか」
今更、なにをいっても変わらねぇし。まだ、これから色々あるんだろうな。あいつほど面倒なことはないにしてもさ。とりあえず、クレハさんとカエデさんが知らないところで亡くなるっていう、最悪の事態にはならなくなったってことだ。
「ルイの話じゃ、魔法使いは親子関係が希薄だって言ってたけど、クレハさんってより、カエデさんが無茶苦茶溺愛してんだし、覚悟決めた方がいいんじゃね?」
「溺愛って」
「溺愛だろう。寮でオレに抱きついてきたけどさ、あれ、本当はルイにしたかったんだと思うんだよな」
でもさ、ルイに抱きつくのを躊躇ったんだって。で、抵抗なく受け入れるだろうオレに抱きついたってことだ。まあ、抱き込まれて口を塞がれたもんで、多少、暴れたけどな。
「オレに抱きつくみたいに抱きついてみたら?」
「それは……」
「一回やったら、結構、抵抗ってなくなると思うけど」
「それ以前に、私はもう一七歳なんだけど」
「精神年齢は違うだろう」
体は一七歳でもさ、中身はまだまだだって。少しは落ち着いてきたけどさ。
「随分、真面目な話をしてるのねぇ」
扉の開く音と声に視線を向ける。そこにいたのはシロガネさんで、ワゴンの上にあるのは、通常サイズのランチメニュー。これが本当の量なんだな。
「とりあえず、食べてちょうだい。代金はクレハにつけるから問題ないわよ」
「私がは……っ」
慌ててルイの口を塞ぐ。おい、ここは親に払わせろ。シロガネさんは気を利かせて言ってくれてんだって。察しろよな。
「ありがたく奢られます!」
「さすが、サクヤ君ね! ここは奢らせてしまいなさいな。親らしいことしてないんだから」
そう言って豪快に笑い飛ばすシロガネさん。さすがです! だてに女言葉じゃない! 若干、すごいこと言ってたけど、そこは無視で!
「気が付いてるか?」
「……なにに?」
「ルイが中心だって。オレだけじゃねぇよ。まず、あいつがルイに干渉したのが始まりだけどさ。干渉されて、すぐに周りっていうか、この世界を構成する何かが抵抗を始めたんだよ」
五百年も前から用意された布石。極端な話、クレハさんとカエデさんも、シロガネさんとクチバさんも。なにより、ルイを育てることになったカイトさんも。全部、オレの祖先二人は知ってたってことだ。詳しく調べたら繋がってんじゃねぇの。あえて、調べる気はねぇけどさ。そのうち、ルイの魔力が拾ってくる可能性はあるけど。
「早い話、あいつをどうにかしたかったんだよ。妖魔の住処から引っ張りださねぇと退治はできねえし。しかも、あの魔力だしさ。ルイはおそらく、偶然なんだろうけど、あいつと遺伝子の情報が酷似してたんだろう。で、干渉されるのは免れなかった」
「それって……」
「クレハさんとカエデさんの血筋が狩人だって言ってただろう」
「うん」
「もともと、魔力が似た血筋なんだよ。で、魔力の強い魔法使いは必然的に一緒にいないといけねぇだろう。異性で子供ができにくいならさ」
「なにが言いたいの?」
「ルイは生まれるべくして生まれたんだよ。孵化に異常に時間がかかったのは、似過ぎた遺伝情報が、魔法がかけられた卵の中で個となるのに時間がかかったからだ」
「じゃあ、両親が出会ってなかったら?」
「そうしたら、ルイが生まれてねぇじゃねぇか」
「そうか」
今更、なにをいっても変わらねぇし。まだ、これから色々あるんだろうな。あいつほど面倒なことはないにしてもさ。とりあえず、クレハさんとカエデさんが知らないところで亡くなるっていう、最悪の事態にはならなくなったってことだ。
「ルイの話じゃ、魔法使いは親子関係が希薄だって言ってたけど、クレハさんってより、カエデさんが無茶苦茶溺愛してんだし、覚悟決めた方がいいんじゃね?」
「溺愛って」
「溺愛だろう。寮でオレに抱きついてきたけどさ、あれ、本当はルイにしたかったんだと思うんだよな」
でもさ、ルイに抱きつくのを躊躇ったんだって。で、抵抗なく受け入れるだろうオレに抱きついたってことだ。まあ、抱き込まれて口を塞がれたもんで、多少、暴れたけどな。
「オレに抱きつくみたいに抱きついてみたら?」
「それは……」
「一回やったら、結構、抵抗ってなくなると思うけど」
「それ以前に、私はもう一七歳なんだけど」
「精神年齢は違うだろう」
体は一七歳でもさ、中身はまだまだだって。少しは落ち着いてきたけどさ。
「随分、真面目な話をしてるのねぇ」
扉の開く音と声に視線を向ける。そこにいたのはシロガネさんで、ワゴンの上にあるのは、通常サイズのランチメニュー。これが本当の量なんだな。
「とりあえず、食べてちょうだい。代金はクレハにつけるから問題ないわよ」
「私がは……っ」
慌ててルイの口を塞ぐ。おい、ここは親に払わせろ。シロガネさんは気を利かせて言ってくれてんだって。察しろよな。
「ありがたく奢られます!」
「さすが、サクヤ君ね! ここは奢らせてしまいなさいな。親らしいことしてないんだから」
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